カテゴリ:ハート・オブ・アート
昭和41年(1966) 大量生産の食品のインダストリアル・デザインとして 空前絶後の国宝級傑作と思う。 江戸時代の「夜鳴き蕎麦屋」から脈々と続き 私の子供のころまではそこかしこにいた 素朴な屋台のおやじの哀愁溢るる記憶は 単に昭和レトロというにとどまらない 日本人の心である。 絵画としての構図(コンポジション)で見ると 主要な線が左下の黒猫に集中しており のちに「すずネコ」と命名されたこの野良猫が この絵の緊密な完成度のかなめであることが一目瞭然である。 いうならば、この猫は「主役」ではないにしても おじさんを見ている「主体(サブジェクト)」である。 言い換えると、動物・童話画家であった作者の化身であり、 文字によらないシグネチャー(サイン)であり、 あるいは降臨した神または天使であり、 時にはこの絵を見ているわれわれ自身である。 吾輩は猫なのである。 この原画のレプリカが手に入れば 私は自室に飾りたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年09月10日 05時43分26秒
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