カテゴリ:俳句ちら読み 逍遥遊
『プレバト』(大阪MBS制作、TBS系全国ネット)10月3日放送。
今回は、芸能界の俳句の手練れたちが集う、四季恒例のスペシャルの一つ『金秋戦』。ちなみに、金秋は錦秋の古語的表記。金魚などと同様。 兼題は「自分で撮った写真」(事実上の自由題)。 的場浩司(1位・優勝) 三日月や真朱の隠岐に藍の波 こりゃすごいわ。もはやプロフェッショナル。ホームラン・バッターによる、さすがの特大アーチ。文句なしの優勝。季語は秋の「三日月」。 隠岐の島の海辺の美しい夕焼けの光景を、一幅の絵のごとく詠んだ。 「真朱(真赭)」とは天然の辰砂の色のことで、やや鈍色がかった赤だという(HTMLタグなどの16進法表記で#D57C6Bあたり■)。 こんな古語、よく見つけて来たよね。感服。 kis-My-Ft2 千賀健永(2位) 灯台の周期 星月夜の深閑 季語「星月夜」。原作「星月夜の無辺」を、評者で俳人の夏井いつき氏が「深閑」に添削。 宇宙的な広がりと孤独感がクールで清冽。句またがり破調が現代詩的。 フルーツポンチ・村上健志(3位) 長き夜や絵本の丸き角を拭く 「長き夜」は秋の夜をあらわす季語。幼子を持つ自身の実生活に取材したという佳句。角の丸まった絵本は乳児・幼児用を示し、小さな子が舐めてしまって涎がついた角を拭いている幸福感。 ただ、「読書の秋」と「本」の取り合わせの発想が、わずかに即きすぎでやや類型的、既知感があると評された。 FUJIWARA 藤本敏史(4位) 銀杏を剥き終へ自由なる十指 やや雑で散文的な原作「銀杏の実を剥き終へ自由になる十指」を夏井氏が推敲。臭いが強くて面倒なぎんなんの実の殻剥き作業を終えて、手指がようやく解放されたよという諧謔味。 kis-My-Ft2 横尾渉(5位) 外苑はさやか一人のカチョエペペ 季語は「さやか」(秋の冷涼な空気感)。カチョ・エ・ペペは、イタリア語で「チーズと胡椒」の意味で、文字通りそれだけで味付けしたシンプルなパスタのことだという。なんとも旨そうだ。 『孤独のグルメ』を意識して、ややスノビズムに走ってしまったという作者の「孤食の」を、夏井氏が素直な「一人の」に添削。おしゃれな一句。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年10月09日 06時23分11秒
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