カテゴリ:現代短歌の曠野
小島ゆかり
秋霊はひそと来てをり晨ひらく冷蔵庫の卵のかげに 時かけて林檎一個を剥きをはり生のたましひのあらはとなれり 夕闇のショウペンハウエルそつと来て幼子のひかる膝を冒せり ぶだう食む夜の深宇宙ふたり子の四つぶのまなこ瞬きまたたく 夜のたたみ月明りして二人子はほのじろき舌見せ合ひ遊ぶ 註 ショウペンハウエル(ショーペンハウアー): 生は苦であるという仏教的厭世観・悲観主義を標榜したドイツの哲学者。特に近代日本の知識層には人気が高く、大きな影響力があった。 ほぼ同時代の、学者として好敵手だったニーチェの、ポジティヴ一辺倒の生の哲学・超人思想としばしば対比される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年10月21日 06時16分44秒
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