カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
かつての日活のゴールデンコンビと言えば、
吉永小百合&浜田光夫もそうですが、 やはり、はずせないのが、石原裕次郎&浅丘ルリ子! 今夜はそのゴールデンコンビの名作、「憎いあンちくしょう」('62年)をとりあげます。 石原裕次郎/憎いあンちくしょう 北大作(裕次郎)は、作家、詩人、DJ、テレビ司会者と、なんでもこなすマルチタレント。 マスコミの寵児で、真紅のオープンタイプのベンツに乗る大作は、当然ながら女の子たちにも騒がれているが、 彼の目下の悩みは、テレビ出演等の仕事スケジュールが超タイトで、ろくに寝る暇もないこと。 そんな彼のスケジュールをがっちり管理するのは、超やり手のマネージャーで恋人の典子(ルリ子)。 大作はいろいろうるさいことを言ってくる典子を鬱陶しく思う一方で、愛しく思うのだが、 恋人同士である二人の間には、芽生えた愛を色あせさせないために、 「肉体関係を持たない」「キスもしない」という枷をかけていた。 ところがある日、ふとしたきっかけで大作はすべてのスケジュールを放り出し‥‥ 高度経済成長の真っ只中、映画からテレビが娯楽の王座にとってかわり、 東京を基点に高速道路が次々作られた時代背景が、よく出ていました。 裕次郎が仕事を全て放り出し、貧しいカップル(芦川いづみ、小池朝雄)のために ぼろぼろのジープを自ら運転して、九州の片田舎の無医地区まで運び、 それをマネージャーと恋人という両方の立場から必死で追いかけるルリ子さんの姿が、 健気というか必死というか‥‥ そんな二人を、テレビという当時のニューメディアの最前線にいる 高視聴率ゲットしか頭にないディレクター(長門裕之)が、カメラ片手に追い回す様子も、見ものでした。 「無償の愛」にとりつかれた男を追いかける女。 男と女のすれ違いと、ぶつかりあい。 心にジーンとくるものがあります。 裕次郎とルリ子さんの台詞のやりとりも、なかなか小粋です。 恋人との愛情関係に悩んでおられる方には、おすすめですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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