カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
舘ひろしと言えば、大人気ドラマ「あぶない刑事」の、チャラケた刑事を思い浮かべる人が多いことでしょう。
でもモイラは、どうしてもこの映画を思い出してしまうんです。 '80年の「薔薇の標的」です。 薔薇の標的(2015年11月再プレス)/舘ひろし[DVD]【返品種別A】 チンピラの宏(舘ひろし)は、麻薬取引現場を何者かに密告され、 暴力団組長・井戸垣(今井健二)の手下どもに襲われて、麻薬も金も奪われ、弟分も殺された上に、懲役4年の刑をうたれた。 出所後、宏は井戸垣への復讐を誓い、ムショ仲間だった門田(内田良平)と共に、 井戸垣が取引する麻薬を奪取する計画を練った。 そして、その計画には、横浜の麻薬Gメン・中尾(本間優二)も加わったのだが‥‥ この頃の舘ひろしは、カリスマロッカー矢沢永吉の親衛隊硬派ロックバンド「クールス」のボーカリストだった頃のノリそのままで、 「ドチンピラ」そのものでしたが、それがまた良かったですね。 恋人杏子(中島ゆたか)が、服役中に自分を裏切って 組織の黒幕(佐藤慶)の愛人になったことに怒り狂っても、 どこか一途に彼女を愛している様子が、荒削りな演技の中でもよく出ていました。 4年ぶりに再会した舘と中島のセックス・シーンは、とてもエロかったけど、不潔感がまったくありませんでした。 前年、話題になった「十九歳の地図」で全くのド素人から映画デビューした本間優二も 若いくせにふてくされ、すべてに投げやりな態度で、妙に強がっている麻薬Gメン役を、 これも稚拙で荒削りな演技ながら、好演していました。 松田優作がホテルのバーの客の役で、友情出演していますが、 この人はほんっとチョイ役でも光ってます。 悪役に生まれついたような風貌のイマケン(もともとは東映の事務員だったそうです)、 名バイプレイヤーの内田良平、 頭の切れる大ワルを演じたら天下一品の佐藤慶は、言うことありません。 題材としてはありふれているかもしれないけど、 松田優作遊戯シリーズ他の、ハードボイルドの名手・村川透監督の、スピード感とヴィジュアル効果満点の演出が、 そんじょそこらのアクション映画とは一線を画しています。 公開当時もあまり評判にならなかった作品で、やっとDVD化はされましたが、 モイラは大好きなんですよねー。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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