カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
こんばんは、映画狂のモイラでございます。
今夜は、古い、古~い、ハリウッドの古典にして、超大作映画をとりあげます。 その映画とは‥‥D・W・グリフィス監督の1916年(今から92年前!)の「イントレランス」! 【メール便なら送料無料】【DVD】イントレランス <2003/06/20> この映画が製作された1916年は、日本で言えば大正5年。 当時の劇映画は当然サイレント(無声映画)で、長くても1時間半くらいの尺でしたが、 この作品はなんと2時間40分! シナリオ、撮影セット、衣装、美術などあらゆる面で、スケールもハンパじゃありません。 なにせ、20世紀初頭のアメリカの冤罪事件、16世紀のフランスのサン・バルテルミーの虐殺、 紀元後まもなくのイエス・キリストの受難、紀元前のバビロン滅亡と、 国や時代を超えた4つの悲劇が、同時進行形式で繰り広げられ、 中でもすごいのは、バビロンの神殿のセット! 当時のカメラはズームイン、アップもできない箱型の手回し(カメラマンたちはさぞ手首が痛かっただろうと思います)、 特撮技術も未開発、もちろんCGなんてない。 だから、巨大な神殿だろうが古代ローマのガレー船だろうが、山よりでかい怪獣だろうが、 実物大のセットを作って、撮影するしかなかった! そのうえ、神殿にうごめく夥しい数の人々! モイラはそのエキストラの数と、壮大な俯瞰撮影に、仰天したものです。 最初、全く不可解だったのは、四つの物語がモザイク式に進行する合間合間に登場する 赤ちゃんのゆりかごを揺らす聖母のような優しい母(リリアン・ギッシュ)のカット。 このカットでグリフィス監督が何を示唆しようとしたのか、実のところ、いまだによくわかりません。 でも、「人間っていつの時代も同じだなあ。いやな部分ばかりあって‥‥」 「『歴史は繰り返す』っていうけど、本当だなあ‥‥」と、つくづくため息をついてしまう四つの物語の合間に、 あのゆりかごと優しいまなざしの母の姿には、癒されました。 この「イントレランス」は、リリアン・ギッシュという当時の大スタァ女優を起用し、莫大な製作費をかけたわりには、 構成が(当時としては)奇をてらい過ぎた上に、テーマが難解だったせいか、 アメリカでは興業的に大失敗。 しかし、哲学的なテーマの映画を好むヨーロッパでは高く評価されました。 2008年09月27日発売国民の創生 / グリフィス短編集 クリティカル・エディション 2枚組 DVD 吸血鬼ノスフェラトゥ 【メール便なら送料無料】【DVD】カリガリ博士 <2003/2/25> 【メール便なら送料無料】【DVD】戦艦ポチョムキン<2003/6/20> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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