カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
皮肉やひねりの効いたコメディというものに、お目にかかる機会は、
そう多いことではありません。 「これぞ本格コメディ!」と期待して映画館に足を運んだけれど 全くの期待はずれだったことが、結構多いので‥‥ (モイラは無意味なバカ騒ぎ的コメディが、大嫌いです) しかし、'83年のジョン・ランディス監督のこの作品には、 お腹が痛くなるほど笑い、かつ「やられた!」と思いました。 「大逆転」(Trading Places)です。 トレーディング・カンパニーのCEOルイス(ダン・エイクロイド)は、年若いがいわゆるセレブで、 会長兄弟の甥の娘と婚約し、いずれ上流階級での地位を不動のものに‥‥するはずだった。 しかし、ひょんなことから、泥棒と麻薬所持の濡れ衣を着せられ、逮捕、勾留。 やっとの思いで留置場を出ても、婚約者には去られ、 CEOの地位は、どうしたことか、路上で物乞いをしていた下層階級出身の黒人青年ビリー(エディ・マーフィ)に乗っ取られていた。 絶望し、死を決意するルイスだが‥‥ 富豪たちの心無いいたずらで、まさに「大逆転」の運命を味わわされた2人の青年の悲喜劇。 ダン・エイクロイドの演技力と、エディ・マーフィの大変上品なセリフ回し、 そして何より痛快なストーリー展開に瞑目しました。 両足を失ったヴェトナム復員兵を装っていたけど、警官2人に両脇を抱えられて立たされるや、 「ワオ、両足が蘇った!奇跡だ!神様、ありがとう!」と天を仰いで叫ぶシーン、 富豪兄弟に案内された豪邸のジャグジーに入って、 「おもしれえ。大勢が風呂の中で屁をたれたみてえだ!」と笑うシーン、 富豪兄弟が乗る列車に、白服にターバンのカメルーンからの留学生に扮して現われ、 わさとらしく大声でコーランの1節を詠みあげるシーンには、 もう館内大爆笑でした。 爆笑しながらモイラは、ハリウッドにはすごい芸達者がいるもんだと、舌を巻きました。 この映画、もう25年以上前のものですが、 今観ても、全然古くないです。 ストーリーテリングがしっかりしていて、人間がきちんと描けている映画は、 いつの時代でも通用するものですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Aug 6, 2023 05:35:37 PM
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