カテゴリ:愛すべき(?)トンデモ映画
'61年、「霧の中のジョニー」で歌手デビューし、
'63年に「エイトマン」の主題歌などで人気を得た克美しげるは、 役者としても活躍し、NHKドラマ「人形佐七捕物帖」の岡っ引役や、 梅宮辰夫主演の人気映画「不良番長」シリーズでのワル仲間役など、 役者としても活躍していました。 歌唱力レベルの高い克美でしたが、徐々に人気が低迷。 70年代には、テレビにもめったに出なくなり、キャバレー廻りをするようになりました。 そんな折、Yという女性と知り合い、いわゆる不倫関係となるのですが、 克美はスター時代に覚えたギャンブルにどっぷりつかっていて、借金まみれ。 Yさんは彼の借金を返済すべく、トルコ嬢(当時の呼び名)にまでなって尽くすのですが、 彼は相変わらずの派手な遊びっぷりで、妻と別れる気配もいっこうになし。 そんな'76年のある日、克美に久々の新曲が与えられ、カムバックのチャンスが来て、 彼は大張り切りで、新曲発表キャンペーンの旅に北海道へ出ようとするのですが、 Yさんにキャンペーンの同行を強く迫られ、このままではカムバックのチャンスを逃してしまうと、 思い余って彼女を絞殺。遺体を車のトランクに入れ、その車を羽田空港の駐車場に止め、 トランク内に遺体を放置したまま、北海道へ新曲キャンペーンに出かけたのです。 ほどなく彼は巡業先の旭川で逮捕。 かつて紅白に2度出場し、人気も高かった歌手が引き起こした愛人殺害事件に、 マスコミは連日大騒ぎでした。 当時まだほんの子どもだったモイラは、この事件で克美しげるという歌手の存在を初めて知り、 その彼があの「エイトマン」の主題歌を歌っていた人と知って、仰天したものです。 克美は懲役10年の判決を下され、刑務所に。 当時のマスコミは、Yさんがかなりの金を克美に貢いでいた事実にあまり焦点をあてず、 克美に対して、「トルコ嬢の愛人にうるさく結婚を迫られ、思い余って殺した哀れな男」と、 かなり同情的(ってか、ありえないほど甘い)な見かたをし、 裁判官もそのマスコミ報道に乗せられたってかんじでした。 この判決に、以前克美が出演したドラマの制作に携わったことのあるモイラの亡き父は かなり怒っていました。 「冗談じゃない!被害者は克美のためにトルコ嬢にまでなって貢いだのに!」 克美は模範囚だったので、7年後には出所。 その直後、被害者のお父上に謝罪する模様を、テレビで公開していました。 今ならちょっと考えられないっす‥‥ その後克美は、カラオケ教室を経営するも、覚醒剤の使用で再び逮捕され、刑務所に。 二度目の出所後は、30歳以上年下の女性と四度目(!)の結婚をし、 群馬県館林市で生活。 脳梗塞や心臓病、顔面麻痺に襲われるも、スター時代の持ち歌で細々と生計を立てているそうです。 一度でも売れた歌手って、持ち歌で食べて行けるもんなんですね‥‥ 克美しげるって人、最低の行為をしたけど、歌はやっぱりうまいです。 にほんブログ村 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 10, 2023 11:06:44 PM
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