カテゴリ:独断と偏見に満ちた映画評
この名作は、シナリオ、演出、配役の点で、戦後直後、雨後の筍のようにあふれた「サヨク映画」を凌駕しております。
モイラはこの名作を名画座で見終わったあと、あまりのリアルさ、あまりの衝撃に、しばらく座席から立ち上がれませんでした。 左翼運動に関わって投獄された経験のある小説家・野間宏の原作を かなり忠実に映画化した傑作です。 【送料無料選択可!】独立プロ名画特選 真空地帯 / 邦画 上官の金を盗んだ容疑で、二年間監獄に入れられていた木谷一等兵(木村功)は、 刑期を終えて、元いた大阪の中隊に戻るが、 彼を出迎えたのは、同期の桜ではなく、全く見も知らぬ「後輩たち」であった。 そんな彼を待ち受けていたのは、ドス黒い陰謀だった‥‥ 古参兵の新兵への陰湿ないじめ、容赦ない制裁、下士官たちによる物資の横流しなどなど、 軍隊の非人間性をここまでリアルに描いた作品は、お眼にかかったことがありませんね。 映画観ればわかるけど、役者さんたち、ほんとに相手を殴ってますから、すごい迫力です(みんなさぞ痛かっただろうなあ‥‥)。 この映画、独立プロ作品だけど、キャスティングがまたすごい。 木村功のほかには、戦後サヨク映画ではおなじみの岡田英次、加藤嘉、(ものすごい悪役ぶり!) 日本映画界の名優中の名優(と、モイラは思ってる)・西村晃、 「地獄」(新東宝)の怪優・沼田曜一、「素晴らしき日曜日」の沼崎勲‥‥と来ているのですから。 もう数年前の話になりますが、 モイラは知り合いの20代の男の子たちが、 「昔の人の話を聞くと、軍隊は若者の友情の絆を育んだ場所みたいだ。 だから徴兵制はあったほうがいい」と、口々に言っているのを聞いて唖然となり、 「何バカなこと言ってるんんだああああ!!」と、かなり高いテンションで反論したことがあります。 あの時、彼らに、「軍隊が本当に友情を育む場所かどうか知るために、『真空地帯』でも観ろ!」と、言ってやればよかったと、ちょっと後悔しています。 古参兵や下士官たちのあまりの腐敗ぶりにキレた木村功の台詞が、ふるってましたね(うろ覚えですが)。 「お前ら、監獄の恐ろしさを知らんのかあ!一秒でも風呂に長く入れたら嬉しゅうて寝られんいうのが、監獄いうとこやぞお!!(ビシッ、バシッ!←ビンタ)」 監督は今井正と並ぶ左翼映画人にして、社会派の名匠山本薩夫。 山形雄策の骨太なシナリオも、読み応えがあります。 山本薩夫/箱根風雲録【DVD】 【送料無料!】山本薩夫/華麗なる一族 【DVD】 送料・代引手数料が無料!名匠 山本薩夫 社会派名作シリーズ【smtb-u】 山本薩夫/不毛地帯 【DVD】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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