名作落語大全集

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• 年金問題

  「さて、わしは２月が誕生日。還暦を迎えて、引退予定だった」「なぜまだ働いているんです」「国が年金は出さないから、各企業は60歳で定年にしないようにと言っているからじゃ」「あらら」「それで、大臣は先日70歳からの年金にすると言い出したじゃろう」「まあ、本人の希望でということですがねえ」「定年がまた伸びるかもしれないなあ」「分かりませんね」「で、昨日、５年に１度の年金の将来性についての発表があった」「どうなっています」「アベさんが100年間は、平均年収の半分は補償すると言ったので、一応５０．６％を維持できるとしている」「何とか……って感じですね」「昭和の頃はお金が有り余っているからどんどん出せって田中△栄がやっていたが、今はお金がないから出さないのじゃ」「ねえ」「さて、５０％維持は経済が向上して初めて実現するもの。もし経済状態が低迷し、少子化が進めば、年収の３分の１程度しか出ないそうじゃ」「アベさんの公約は、いつでも条件つきですねえ」「無茶苦茶な発言や、あり得ない説明の集団的自衛権で支持率が落ち、とうとう５０％を割ったが、北朝鮮との関係で再び上昇しているな」「まあ……５０％以上を維持しているのも、変わる人がいないからが支持理由の第１位でしたからねえ」「４月の経済の落ち込みは消費税が上がった影響で、想定内。全くアベノミクスに問題はないと説明、国際的に働き、本当に経済をよくするには、消費税１５％といわれ、大臣は当然それを目指すと答えているなあ……」「どうなるんでしょうね」「はい、間違いなく来年１０％はやるでしょうが、しっかり論議しているかどうかが問題じゃな」「見守っていきましょう」

  2014.06.03

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• OK散歩：今月の予定

  「さて、OK散歩も第28回の報告を終了し、今後の計画を……」「はい」「今週末７日は東京から新橋。なぜか人気で満員御礼」「はい」「今月は忙しくて、休めるのが21日（土）のみ」「仕事ではなく、私的な事情も入っております」「この日は江戸東京博物館の軍師官兵衛展、サントリー美術館の徒然草展、国立新美術館のバレエ・リュス展をハシゴする予定。こちらはまだ参加者募集中」「でも、大家さんと一緒だと早足で辛いですね」「そういう人には入場割引券を……それぞれ１００円引きの券を差し上げます。尚、六本木なので、森アーツギャラリーのこども展の割引券もございます」「はい、ただし、送料が掛かるので、往復の封書を送ってもいいという方か、取りに来れる方」「いないなあ」「７月５日の土曜日は国際ブックフェア」「はい、皆様もぜひ」「ということで、とりあげず今後一月の予定でございます

  2014.06.02

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  OK散歩28「ウィスキーを飲もう」

  「さあ、OK散歩28回は、ウィスキーを飲もうという……」「実は飲めません」「ウィスキー工場に行くのですが、飲酒運転禁止のためお酒はノンアルコールビールのみです」「はい」「ニッカウヰスキーの柏工場。この日は屋台が沢山出て、余市などの地方工場でしか買えない特別仕様のウィスキーが購入できる。しかし、千円台の手軽なものは１時間以内で売り切れ、昼前に行くと６千円から２万円の品しかない」「へえ」「さあ、ゲストをご紹介、柏のキャラ、カシワニ君」「はい」「地域キャラのサカサイ君」「はい」「県のキャラクター、チーバ君」「はい、横から見ると千葉県の地図になっているんですね」「以上」「ゆるキャラばっかりじゃないですか」「さて、歩いたのは万歩計で７７７７歩、６．１キロと出ているが、これはそのあとの買い物など全て含む。実際には半分以下のじゃずじゃ。　使ったお金は新柏までの往復交通費を除いて、ノンアルコールビールなど飲料は無料。焼き鳥その他のおつまみは各１００円。以上」「安上がりな散歩だこと」

  2014.06.01

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• 土日

  「土日はゆっくり休んだ」「珍しいですねえ」「何、体調がすぐれなかったのじゃ」「あら……鬼の霍乱ですか」「まあ、そんなことで……土曜日の日付じゃが、翌日までの記録」

  2014.05.31

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  OK散歩27「フラワーパーク」：その４「小町の里」

  「フラワーパークからまっすぐ。土浦市へ向かいます」「昔は山越えだったんですね」「くねくねのすごい道だったのじゃが……」「去年トンネルが出来て、何とまっすぐに抜けられるようになった」「すごいね」「抜けた所が小町。小野小町の終焉の地といわれる」「はい。お墓がありましたね」「撮影禁止なのに、ネットで紹介される。お参りする人が騒いだり、お墓に触ったり、近所の家の庭に入り込んだり、マナーを守らない。そういうことでお墓参りは禁止されている」「残念ですねえ」「近くの腰かけ石は見学できる。さあ、小町の里。ここの名物は、水車を使った碾き臼で挽いた蕎麦」「はい、名物ですねえ」「１時近かったのでどうかと思ったら、やっぱり売り切れ」「昨年は最後の２枚がいただけました」「実は本館にもあるのじゃが……」「何だ……まあ、こちらは２時間で売り切れます」「そういうことで、うどんにしたが、上々。天麩羅が人気で、黙っていたら天麩羅饂飩になった」「へえ」「そういうことで、フラワーパークで買った野菜を使った料理」「大家さんの手料理は久し振り」「海老とスナップエンドウのマリネ、三遊亭風じゃな」「変なの」「海老は茹でて自然にさまし、レモンをかける。さます間にスナップエンドウを茹でて、こちらは冷たい水でさます」「逆をやらないように」「マヨネーズとケチャップを大匙で、オリーブオイルを小匙で、それぞれ同じ数合わせれば完成。塩胡椒で整えれば完成」「はい、皆様もどうぞ」「はい、歩いたのは万歩計でたった６５００歩、５．２キロと出ているが、買い物や朝の散歩を含む」「楽なもんです」「使ったお金。フラワーパークの木戸銭とお蕎麦がついた参加費千円。薔薇祭りは６月２２日まで」「７５０種、３万株が栽培されています」「お土産の薔薇が７００円。二枚の写真は今朝の様子でございます」「はい、１週間で花開きました」「ということで、今回は気軽な散歩でございました」

  2014.05.30

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  OK散歩27「フラワーパーク」：その３「集まった有名人」

  「茨城県フラワーパークへ来ております」「はい、演奏会は終わりでしょうか」「実は曲名などにこじつければまだまだある。ラプソディ・イン・ブルー、カリンカ、スカボロフェア、ピンクパンサー……」「ちょっと怪しいのもあるければ……確かにこじつけだよね……で、今回は」「有名人をご紹介。まずはイングリット・バーグマン」「名女優ですねえ」「カトリーヌ・ドヌーヴ」「こちらもお馴染み」「ジュビレ・デュ・プリンセス・モナコ」「モナコって……」「もちりん！　グレース・ケリーじゃ」「これも美人ですねえ」「プリンセス・モナコという種類も別にある」「へえ」「女優だけではないぞ。こちらはクリスチャン・ディオール」「あ、初めまして」「スカーレット・クイーン・エリザベス」「女王様もお出でで」「日本の皇室も、プリンセスは全て揃うが、今回は海外の方だけ」「はい」「ダイアナ・プリンセス・オブ・ウェールズ」「ダイアナ妃ですね」「ヘンリー・フォンダ」「名優だ」「ミスター・リンカーン」「ほう」「ミケランジェロ」「芸術の方からも」「モナリザ」「あら、モデルも」「ヨハネ・パウロ二世」「色々な薔薇がありますねえ」「この公園では７５０種類もあるからなあ。春咲のものが６５０種」「１０種類ずつ３日掛けましたから、まだ２０分の１ですよ」「まあ、このくらいで……写真はもっと撮ったが、次へ行くことにしよう」「はい続く」

  2014.05.29

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  OK散歩27「フラワーパーク」：その２「音楽会」

  「茨城県フラワーパークへ来ております」「音楽会というタイトルですが……前回のクラシックは全部薔薇の名前でしたねえ」「そう。期待を裏切らないぞ。写真は連弾という種類の薔薇じゃ」「あらら」「こちらはデュエット」「音楽関係を無理矢理並べるつもりだな」「こちらはハーモニー」「きれいですねえ」「これは和音」「あれ……外国では何というんでしょう」「琴音」「いきなり邦楽ですか」「コンチェルティーノ」「小さな協奏曲です」「サラバンド」「ゆったりした親しみやすい曲です」「チャールストン」「踊り出したくなるような、軽やかな楽しい曲ですねえ」「プリマ・バレリーナ」「本当に踊り出しちゃった」「ポルカ」「これも軽やかに」「はい、これでおしまい」「これは……何という薔薇です」「フィナーレでございます」「なるほど」

  2014.05.28

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  OK散歩27「フラワーパーク」：その１「クラシック演奏会」

  「OK散歩第27回は茨城県フラワーパークへ参ります」「はい、こちらも昨年は６月に参りました……また薔薇の写真で何回も続けるんですか」「タイトルを見ろ。クラシックの演奏会じゃ」「あれ……」「指揮者はアウトルロ・トスカニーニ」「わお……」「指揮者としてはまだ蕾じゃ」「有名人でしょう」「ではサービスに、昨年の写真から……」「去年の写真が混ざってもいいんですか」「ううん……何チャラ細胞じゃないからいいんじゃないか」「適当なんだから」「歌はマリア・カラス」「名歌手ですねえ」「１曲目はモーツァルト」「はい」「続いてはパガニーニ」「ヴァイオリンですね」「ナポレオンの妹２人の愛人だった。ギャレットの主演で映画になるぞ。わしは４２年前に本でこの人を知り、すぐにレコードを買いに行ったら、カタログに載っているのが３枚。２枚は廃盤で、メニューインの版しか手に入らなかった。それからここまで、現在録音されているほぼ全曲。彼の主題による編曲３０曲ほどを手に入れている」「マニアです。パガナーと呼んで下さい」「さて、休憩の後は楽しくヨハン・シュトラウス」「これ、２人いるでしょう」「どっちじゃろうなあ」「まあ、どうでもいいのかな」「さあ、最後はチャイコフスキー」「はい……って、演奏会は薔薇の紹介だけでした」「なお、写真の中に１枚だけ、このフラワーパークでないものが混ざっております」「あれ……トスカニーニ以外にですか」「皆さんお出掛けになって探しましょう」「はいはい」

  2014.05.27

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• 落語アニメ「じょしらく」

  「最近ご紹介いただいたのが『じょしらく』というアニメ」「じょしらくって何です」「女子落語ということ。現実の落語会に比べれば10年余り遅れている印象じゃな。落語協会でも芸術協会でも、女性の真打が出て来て、女性ならではという演出や新作を出して、男の世界だった落語会に女性を認めさせた」「はい、ちょっと遅れていますが……」「漫画で話題になって、それがアニメになったのが３年前らしい」「へえ」「さて、主題歌とエンディングはももクロが歌っている」「ああ、これは納得」「ももクロの落語会もあったからね……ファンの人なら知っている」「はい」「さて、実際にこの出演者……女性噺家が落語をやっているのがあるのじゃ」「へえ」「お馴染みの古典ネタを現代的にアレンジしたものじゃが……ううん……」「どうしました」「中で使われる寄席の言葉など……例えば『お後がよろしいようで』で終わるのじゃが、こんな言葉は昭和40年代で消えた死語じゃろう。若手の特別の会で、スケで出た大御所が『お待ちかねでございます』などと後を引きたてるのはあるが……」「それがみんな使っていますね」「ただ、さっき言ったももクロの歌が『お後がよろしくってよ』ってタイトルじゃから、わざと入れたとも言える」「そうかも知れません」「そうでなければ、この企画をした人は、少なくとも80歳以上。あるいはそういう古い時代を年寄から聞いて、自分は寄席に行ったことのない人」「ううん」「さて、落語は会話で進めるのが普通。この子達の落語は説明で進んで行く。つまり地噺というやつじゃな」「ああ、噺家が自分の言葉で説明するってやつですね」「円生が、説明して行くのなら、本を置いて語って行けばいい。台詞で進めるなら、全部の台詞が頭に入っていないと演れないと言っている」「なるほど、そういう点では、アニメ声優が読むように作られていればいいんで……合理的ですね」「まあ、そういうこと。だから全体の印象としては、落語ではなく、そういう作品の説明という印象じゃな」「はい。そういうことで、ご紹介のみでございます」

  2014.05.26

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• その後読んだ本

  「先月末に紹介した。ということで、今月読んだ本」「ＴＯＫＡＧＥ」今野敏　トカゲと呼ばれる覆面バイク捜査部隊が、銀行員三人が誘拐された事件に挑む。途中での様々な違和感から、読者は簡単に真相にたどり着ける。警察はそれではならない。確実な証拠を必要とするのだ。そこが面白い。交渉担当の判断力と活躍が目立つ。バイク捜査部隊がもっと走り回るといいのだが、それは第二作に期待しよう。それでも自分の役割をきちんと果たしているのだから……大阪に出張するのも考えれば無理があるかも知れないが、それで面白くなるからいいし、真相に近付く新聞記者もいい。要するに様々な人物がそれぞれの役割を果たしているから面白いのである。「天網（ＴＯＫＡＧＥ２）」今野敏期待通りの第二作。バスジャック事件を追う。例によって交渉担当のグループとバイク部隊、新聞記者が真相に迫る。チームリーダーを命じられ戸惑う主人公。新聞記者が今度は交渉担当の女性と接触。最初から最後まで緊迫感あふれる展開。今回は期待通りに大活躍。そして、犯人像が全く現れないのが新鮮。「同期」今野敏同期で公安に引き抜かれた男が懲戒免職。主人公は暴力団同士の抗争による殺人事件を追いつつ、行方不明となった男を追う。殺人事件はその友が犯人となり、そこには警察内部の対立が……覚悟を決めてこれに立ち向かい、真相を追究しようとしてからは、実に気持ちのいい展開。方向性がしっかりすれば、対立関係まで変わり、一丸となって事件を解決させようとする姿勢に変わるのもいい。　同じ作者で四作連続で◎評価は初めて。「蜩ノ記」葉室麟直木賞の本だって、サイン本をいただいて、読み終えた後に知った。十年後に切腹と決まった侍が藩の歴史をまとめる。この見張り役を命じられた若侍は、切腹に至った事件の経緯を知ろうとする。推理小説的な内容と、死に向かっていく侍と回りの者の心情が描かれる。まあ、この時代だからという、ちょっと古い印象はあるが、面白いことも間違いない。人間関係にも、ストーリーにも、もう一つ山場が欲しい。「村上海賊の娘（上・下）」和田竜　ブック・フェアでサイン本をいただく。戦国時代の海賊の娘、剣の名手で戦いを喜ぶ。信長の本願寺攻めに対抗して、砦に食料を運ぼうとする百姓たちと関わってしまう。第２章までは彼女の魅力にあふれる。第３章では一向宗と信長軍の戦いの面白さで、彼女は脇で見ているだけ。ちょっとした所で資料を引用していくのがうるさい。　そしていよいよ戦い。信長の鉄砲の使い方から雑賀党のさらなる進化が起こっている時代なのに、時代錯誤の古臭い戦いにわくわくする。

  2014.05.25

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  最近食べた食事

  「最近食事をした場所。取手のパスタとピザのお店カンパーニャじゃ」「はい」「まずは前菜のセット」「いただきます」「パスタ」「早いね」「海鮮パスタ」「はい」「ピザは注文を受けてから伸ばして焼く」「大変だね」「食後の飲み物」「はい、選べます」「デザートのケーキ」「おいしそう」「こちらはチョコレートケーキ」「いいですねえ」「ということで、本日はこれぎり」「ううん、味とか、もう少し説明した方がいいじゃないですか」「そうじゃな……しかし素人で……食事場所のブログなど読んでも、素人の説明は見苦しいばかり、まして評価するのはなあ」「まあ、そうですね」「まあ文句なく★★★★★じゃな」「評価してるじゃないか」

  2014.05.24

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• 今年入手したＣＤ

  「さあ、続いて今年入手したＣＤをご紹介」「参りましょう」くつろぎのハープ（内田奈織）　二年ぶりに演奏会でいただく、精神的に弱っている人に……曲は既に出ているアルバムからの抜粋。精神科医である叔父様との提携。コダーイ「自作自演集」　日本ではレコードで出ていた１枚と、未発表だったのか、他の曲も含めて２枚組。レコードで聞いていた作品は「管弦楽のための協奏曲」「夏の夕べ」、レコードの曲順が効果的だったが、ここでは逆順。「ハンガリーの詩篇」は録音状態も良くないし、合唱があまり上手でない。ＣＤで既に出ている……自作自演のファンなら誰でも知っている「ミサ・ブレヴァス」、それに「ブダヴァリ・テ・デウム」を収録。ペンデレツキ「交響曲全集」　自作自演だが、レコード時代の名演奏に対して、今回は若いオーケストラを指揮したもの。そのために若々しいリズムが感じられるのか、それとも５０年の間に指揮をしている作曲者の解釈の変化か……それが説明できれば、私はプロの解説者になっている。私の好みでは古い物が好きだが、既に前衛ではないといってもいい、躍動的な演奏も捨てがたい。ロッシーニ「老年のいたずら」第２集　歌劇から引退してレストランを始めたが、その頃からの余暇に作ったピアノ曲は実に楽しい。曲のエンディングだけを並べた変な曲があったのだが、震災でデータが消えてしまった。タイトルにふさわしい面白い曲ばかりを収録。サブタイトルだけをみても、「ロマンティックな挽き肉」「ラディッシュ」「アンチョビ」「ピクルス」「バター」「やれやれ！小さなえんどう豆」「干し無花果」「干しアーモンド」「干しぶどう」「はしばみの実」という……最後に「小ワルツ」を収録。「今年前期、もう一つ欲しい物があるので、６月までにもう一度買うかも」「はい」「欲しい録音で見つからない物。　　チャイコフスキー「展覧会の絵」　　山田耕筰「展覧会の絵」　　両手のためのコンチェルトこの二つがあれば買うんだけどねえ」「はい、とりあえずこれぎり」「はいはい」

  2014.05.23

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• 昨年入手したＣＤ

  「さて、ＣＤを購入するのも２００５年までで一段落。その後は一番多かった２００８年でも５０枚にとどまっている」「はい、それはもう以前に紹介しておりますので、昨年入手したものをご紹介いたします」「世紀の名演奏」第１巻　久しぶりに出た本屋さんのＣＤブック。ベートーフェンの運命・田園が収録されているだが、勢いに任せて突っ走っているという印象。解釈とか雰囲気作りというものを全く感じさせない作品で、これが世紀の名演奏かとあきれる。このシリーズは買うのをやめた。最も、3号から4号に１つはすでに持っているものだから、シリーズに名演奏があることは間違いない。Predawn景色と連なり（ｍｓｔ）　ピアノジャズトリオの作品。演奏会でサインをいただく。勢いに任せて突っ走る……こともなく、乗り乗りの部分としっとりと聞かせる部分と……大人のムードで、いっぱいやりながら聞きたい。Home（Sara Rector）　ポップス歌手のコンサートでサインをいただく。こういうあまりメジャーでない人の作品はメッセージ性があって面白い。ストラヴィンスキー「The Rake’s Progress」　２枚組。ストラヴィンスキーは中学時代から４５年聞き続け、レコードやＣＤを３０枚ほど持っている。自作自演が６枚あって、モノラル時代の自分の書いた譜面についていけないものから、ステレオ録音の指揮者として活躍していた時代までの変化も楽しめる。　今回のは宗教音楽であって、古典的な部分に前衛的な世界もあるといういかにもストラヴィンスキーらしいものだが、全体としてはちょっとちぐはぐな印象。パガニーニ「管弦楽との作品全集」　８枚組のアッカルドの版だが、定番となった協奏曲全集と全く違う世界。後半の作品はオーケストレーションも違い、それ以外もカデンツァが違う。変奏曲などはレコードで出たきりのもので、ナポレオンとマリアルイーズが入っているのは初めて（レコードで発売されたのがそのままの並びなので、一緒に入っているのではないともいえるが……）。　ファゴット協奏曲や、声楽曲も収録。前衛的な作品も。アンコールに１番４番の古い演奏も収録。パガニーニ「未出版作品集」　パガニーニの最後の作品集となるか……未出版というだけあって、形式も深みも物足りないが、パガニーニらしさを感じさせるメロディはある。テクニックだけといわれてきた作曲家だったが、そうではない。ラフマニノフなどは、日本では人気だが、世界ではまだテクニックのみという作曲家。パガニーニは日本でもまだ同じような扱い。「とまあ、これだけしか手に入れておりません」

  2014.05.22

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  空模様

  「こちらは先週土曜日の朝。富士が見えて、左上に月もはっきり」「はい……」「夏になると眺望が悪くなるので、今だけかも知れないなあ」「はい」「これは昨日。天気が悪いので喘息が出て早退。ちょうど雨が上がり、日の沈んだところに着いてしまった。富士山が顔を出した」「はい、ドラマチックですね」「スカイツリーも、光の動きや形がはっきり見えた」「雨上がりで天気が良くなったんですね」「夏になると湿気で見えなくなる」「はい」「ということで、本日のご報告はこれぎり」

  2014.05.21

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  渡辺淳一さん死去

  「渡辺淳一さんが亡くなって、いくつか読んだ本から感想を出したので……」「はい、記録として残しておきます」　世間で売れる本はいいとは思わない。不倫は本人も傷つき、相手も家族も救われない。何のメリットもないから、渡辺さん曰く、「代償を求めない純粋な愛だ」と。結婚したのにそれなら、その後また人を愛したらそれも純粋なのか……相手を殺して自分も死ぬストーカーまで純粋な愛と認めることになる……渡辺さんの小説はその点卑怯だと言ったことがある。その時頂いた本。売れない本は素晴らしい。『雪の北国から』という初期の随筆は無医村の問題、心臓移植の欺瞞を書いてしまったために北海道の医学会から追い出された。『源氏に愛された女たち』は、女性の分類は古臭いが、源氏との関係だけでなく他の女性との関係、男女の性が求めるものなど、渡辺さんらしく踏み込んでいる。一番面白かったのは『夫というもの』。心理と肉体をデータを出して分析しているが、このデータは今まで誰も触れようとしなかったもの。

  2014.05.20

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  最近行ったお店「リヨン・ド・リヨン」

  「はい、つくばのお店、リヨン・ド・リヨンでお食事」「食べる報告は力が入りますね」「前菜」「はい、何が入っていますか」「え……色々」「しょうがないねえ」「お魚」「はい。いい色してますね」「舌休めのアイス」「ここで出るの」「肉料理」「はい」「こちらがデザート」「はい……ほとんど説明がないのね」「乾杯にスパークリングワイン、魚に白ワイン、肉に赤ワインと代えたが、やっぱりわしゃ最初はビールがいいね」「はいはい」「ということで、食事のご報告でございます」

  2014.05.19

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  ＯＫ散歩２６「大江戸線」：その５「出光美術館とブックフェア」

  「ＯＫ散歩、大江戸線の散歩といいながら、千代田線で日比谷へ出ております」「このいい加減さがＯＫ散歩。まあＯＫじゃろう」「はい、何でもＯＫなんです「日比谷公園からすぐ。出光美術館でございます」「地下鉄からなら表に出た所が入口ですね」「日本絵画の魅惑と題した展覧会」「今年は素晴らしい日本画を鑑賞する機会が多いですねえ」「入って真っ先に出会うのは地獄絵図。左中央辺りに地獄から導き出される女がいる」「あれ……救われるのでしょうか」「仏教では全ての人が地獄へ行くからなあ……そういうことの象徴かも知れない」「はい」「こちらはお国歌舞伎に代表される初期の舞踊を伝えるもの」「舞台がちゃんとしつらえてありますね」「これはまた、上下の鳥の対比が見事。下の方は魚を飲み込もうとする」「鵜ですかねえ」「静と動の対比も感じさせる、見事な構図じゃな」「はい」「こちらは山水だが、実物は大変に大きくて迫力がある」「はい」「お馴染み八橋の図。これも実物は大きくて迫力があるぞ」「名作が多いですねえ」「さあ、こちらの美術館では、例によってお茶の時間。皇居方面を眺めつつ」「武道館と江戸城が見えますね」「奥に見えるのが二重橋。実際には手前に橋があるので二重橋と呼ばれるのじゃが、写真や絵で、手前の橋が二重橋だと思っている人もいるらしいな」「へえ」「後はブックフェアじゃ。書店員がお勧めの本を紹介するイベントじゃが、こちらは一般の方は木戸銭がいるが、あらかじめ申し込んでおくと無料」「はい……画像は話題の本ですね」「書店員お勧めの本じゃな。一セットだけの争奪戦」「へえ……一セットしかないんですか」「サインがあるので」「あ、なるほど」「まだ３分の１しか読んでいないので、批評は省略」「またいずれ」「こちらも……直木賞受賞作」「ほう」「こちらはすでに読み終えたが、まあ、いい作品じゃな」「素晴らしい……じゃないですか」「そうねえ……絶賛するレベルではないかなあ」「はい、大家さんは年間１１２０冊読んで、辛口批評ですから」「東京駅で解散。京都へ行こうキャンペーンで来ていたまゆまろ君」「ううん、結局こんな写真で締めくくるかねえ」「歩いたのは万歩計で１７２５０歩、１４キロと記録されている。　使ったお金。木戸銭は全てスポンサーのご厚意で無料。わしの手に入れたグッズは図録や絵葉書が３２００円。昼食が４８０円。交通費は切符なら４３０円。両国までと東京から自宅までは別」「はい」「ということで、ＯＫ散歩第２６回はこれをもって読み終わり。　次のぢい散歩は６月。劇団四季関連施設を回る予定はすでに満員。　６月２１日には、今回紹介したのと同じコースを回る予定です。　江戸東京博物館で軍師官兵衛展、サントリー美術館で徒然草展、国立新美術館でバレエリュス展、その後は根津から藝大美術館で法隆寺展と、４つをハシゴする計画。今回はスポンサーが付かないので、木戸銭５４００円は自分持ち。ただし、３００円の割引があります」「はい、お楽しみに」

  2014.05.18

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  ＯＫ散歩２６「大江戸線」：その４「国立新美術館・日比谷公園」

  「ＯＫ散歩、六本木の国立新美術館へ参りました」「はい。こちらは3月末に来ていますが……」「あの時紹介したアンディ・ウォーホル展はゴールデンウィークまでで終了。中村一美展とイメージの力は６月初めまでなのでまだやっています」「前回紹介しているので、今回は省略致します」「どの展覧会でも選んで入れるということにしたが、わしは国展。入選作だけで何点あるのじゃろうか、大変な数が展示されていて、本気でじっくり見たら数時間」「はい、でも予定があるんですね」「好きな展覧会をハシゴして、全部で１時間半で集合ということにした」「参りましょう」「彫刻から、佐々木悦也の佇む人」「どこが人間なんです」「いや、その……まあ見ていて面白いから……タイトルは気にしなかった」「あらら」「岩崎幸之助のa Circle Of Air」「空気のサークル……何となく分かりますが……」「絵画から、北原和夫のアンサンブルの仲間達」「はい」「村田聡子の会話ＤＵＯ」「……要するに音楽関係だけを選んでいるんですか」「ははは……でも、他にも音楽や音符を使ったものもあった。しかし……ねえ……」「はい、大家さんの身勝手な選択なので、気になさらないように」「さあ、国立新美術館は千代田線乃木坂駅に接続している」「あれ……大江戸線の散歩だったでしょう」「これで日比谷まで一気に移動します」「意外な展開ですね」「みどりとふれあうフェスティバルじゃ」「はい」「これは緑化運動のポスターコンクール入選作。小学生のはいいなあ……正直に言って、中学高校と進むと意外性も面白さもなくなって……」はい、大家さんの身勝手な意見なので気になさらないように」「こちらも入選作。さて、緑化運動への寄付で花の種をいただいたり、木の実を笛のように鳴らしたり、木を切ったり板を作る体験も出来る」「はい、いい経験ですね」「この日のメインは二コルさんのトーク」「ああ、それで急いでいたのか」「二コルさんのお店では、牛やマトン、三種のお肉の試食が１２００円」「ちょっとお高いですねえ」「まあ300円のソーセージで我慢し、別の場所で昼食」「もう１時になっちゃいますね」「日比谷図書館では日比谷に咲いたタカラヅカの華という特別展」「こちらは６月22日まで」「千代田区の歴史を展示した常設展も面白いので、こちらに来るとつい足を運んでしまうねえ」「はい」「さあ、そういうことで、食事をして、次の展覧会へ参りましょう」「またしても続く」

  2014.05.17

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  ＯＫ散歩２６「大江戸線」：その３「六本木・ミッドタウン」

  「さあ、サントリー美術館ののぞいてびっくり江戸絵画をご紹介」「こちら11日で終了しております、あしからず」「光と影のコーナーから」「なるほど」「これもシルエットが面白い」「はい」「これは狐火。右には狐の集団がほとんどシルエットで描かれている」「すごいですねえ」「狐といえば王子」「落語だね……この間笠間へ行きましたねえ」「王子の博物館では、富士が見えるのを描いている作品が多かったのじゃが、こちらは筑波山を望む」「へえ」「こちらは○の所に反射する筒を置いて見るという作品。会場では実際に体験することが出来た」「面白いですねえ」「遠近法を更に実感するのに、鏡を通して見るという、のぞきからくりのような仕掛けもあって、そういう物をハシゴしても楽しめたのじゃ」「はい」「こちらは鳥瞰図。上空から見るという大胆な構図は江戸名所図会には多い。これも大胆ですねえ……鯉がはみ出ていますもの」「遠くにも鯉が見えるね。そして、吹流しは小さい。江戸時代、吹流しは武士、鯉は町人と使い分けていたから、一種のレジスタンス的な印象を受ける」「へえ」　「こちらは美術館からプレゼントされた作品」「あれ……影絵ですか」「人間がやっているのじゃ。数種類あるのを抽選で２つずつ」「はい……大家さんがもらっていいんですんか」「こうして、東京ミッドタウンを出ます」「はい……どうでもいい写真だなあ」「２１＿２１で開催されているのが米展」「お米ですか」「米はご飯になり、お餅になり、お酒になり……そうした変化は見事じゃ。佐藤卓、竹村真一がこれを芸術として見せる」「はい」「ということで、次は国立新美術館へ」「参りましょう……って、次回ですね」

  2014.05.16

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  ＯＫ散歩２６「大江戸線」：その２「六本木」

  「大江戸線は、都庁前を出て飯田橋を経由、上野御徒町、この両国まで参ります」「はい、これから大江戸線を回ります」「いつもなら森下、清澄白河、門前仲町という、深川散策になるのですが、今回は省略。オリンピックへ向けて今話題の月島、築地市場を経て六本木へ出ます」「大江戸線はこの先新宿へ。始発駅の都庁前へ戻って、中野、練馬、豊島園の方へ参ります」「はい、本日は六本木がゴール」「あれ……一度乗るだけで、ちっとも大江戸線の散歩じゃないですよ」「すでに画像が出ているが、六本木ヒルズ、森アートギャラリーのこども展。ちらしで左上がルソー、右上がピカソ、左下がルノワール、右下がモネ」「これだけでもすごいメンバーですね」「これはセザンヌ」「はい」「コロー」「いやあ、見ごたえのある展覧会です」「6月29日まで。割引券あります」「パレット型がいいですねえ……でも、前と同じ。100円引きなので、郵送料を加えると損になります」「欲しい方はメールで」「ないだろうな」「さあ、サントリー美術館へ参ります。実は大江戸線なら、前の方から降りればこちらへすぐ。六本木ヒルズよりずっと近い」「はい」「のぞいてびっくり江戸絵画という展覧会」「真ん中に目だけのぞいているのは覚えがありますよ」「人間の体が集まって顔を作っているな。このチラシ、開くと全体像が現れる」「面白いねえ」「近代的視点を持つもの……江戸時代に司馬江漢などが洋画を描いているのは知っていたが、ここまで近代的なものがあるとは……」「驚きですね」「絵は赤穂浪士の討ち入り」「遠近法を感じますね」「お馴染み三井の図じゃが、今の日本橋の百貨店と美術館のあるビルの間から、富士を望む。その間には江戸城が……」「考えると大胆な構図なんですねえ」「ユーモラスな作品。顕微鏡や拡大鏡、望遠鏡などがもたらした構図じゃな」「へえ」「当時の望遠鏡なども展示されておった」「はい」「さあ、こうして紹介していくとまだまだあるが、長くなるのでまた次回に続く」「あら……計画性がないからなあ」

  2014.05.15

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  ＯＫ散歩２６「大江戸線」：その１「両国」

  「さあ、黄金週間が終わった所を狙ってのＯＫ散歩」「すいているといるといいですがねえ」「今回は大江戸線途中下車の旅」「また、どっかのパクリタイトル」「まずは両国駅内の垂れ幕」「ここが楽しみですね」「実はこの日から五月場所がスタート」「楽しみですね」「実は国技館は本場所中。相撲博物館も、チケットがないと入れませんが……」「そこを何とか」「通常の開館前に特別に……」「せこいのがＯＫ散歩」「何でもＯＫ！ ＯＫ散歩」「キャッチフレーズだね」「横綱の錦絵や資料を集めた展示……相撲を見に行ったら、ぜひこちらにもお立ち寄りを」「はい」「落語でお馴染み阿武松の手形」「ほう」「こちらは雷電」「名力士ですね」「谷風と小野川の立合や、不知火の土俵入の浮世絵は必見。体が大きいから、絵の枠に入りきらない」「はい、ここでは省略いたします」「さあ、そういうことで、お隣の江戸東京博物館へ。こちらも９時半の開場なのですが、早く開けていただき、貸切状態で見学できました」「やったね」「大江戸と洛中という展覧会が、この翌日まで」「はい」「最も注目したのは地図だった。日本地図から世界地図まで……江戸時代の見事な作品が展示されておる」「はい、ここで紹介するのは」「こちらの御簾」「大家さんが昔いた、岡山県津山の物です」「京都の狛犬」「障子の絵ですね」「こちらは胴服」「建物から着物まで、色々ですねえ」「見応えのある展覧会じゃった。因みに、次回は６月２１日に軍師官兵衛の展覧会に来る予定。割引券があるので、欲しい人は……ただし、100円引きじゃから、直接取りに来ないと損になる」「誰もいないでしょう」「ということで、混雑の状況によって、40分から50分という予定をしておりましたが、早く開けていただいたお陰で、30分ほどで終了、10時には表の徳川家康さんを見て、大江戸線に乗り込みました」「はい、いよいよ大江戸線ですね……続く」

  2014.05.14

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  ＯＫ散歩２５「笠間」：その２「笠間日動美術館・他」

  「さて、ＯＫ散歩は笠間へ来ております」「前回はつつじでした」「つつじ山から徒歩20分、笠間日動美術館へ参りましょう」「はい」「庭園は竹が見事。お土産は筍じゃ」「え……取っていいんですか」「あれ……いけないとは書かれていなかったぞ」「駄目に決まっているでしょう」「こちらは紅葉と滝」「季節によって味わいが変わるでしょうねえ」「彫刻も見所じゃが、ＯＫ散歩で初めての雨となった」「晴れ男ですから」「ただ、美術館を見学し終えて、表に出たらもうやんだぞ」「さすがだね」「こちらが面白いと思ったウサギさん」「はい」「ということで、帰ろう」「え……展覧会は」「展覧会……そうか、美術館の紹介じゃった」「いい加減なんだから」「６月15日まで開催されているのが、画家と画商の物語　印象派からエコール・ド・パリまで　と題した展覧会。世間で認められない画家でも、画商に認められることで売れるようになって行くのじゃな」「なるほど」「ちらしの上の絵が印象的]「ルノワールですか」「泉のそばの少女という作品。まあ、美術館としては、画商との関係の説明が長くて……絵を見ている時間よりも解説を読んでいる時間の方が長いんじゃないかって気がした」「はい、全部読むことはないのかも知れませんがねえ」「ここのもう一つの面白さは、パレットコレクション。色々な画家がパレットを寄贈するのに、ついでだから絵を入れたりしているのが面白かった」「これも有名ですね」「その中から、ユトリロの物をご紹介」「はい」「さあ、ここから歩いても行けるのが笠間稲荷神社」「はい」「名物はお稲荷さんじゃが、今回ちゃんと食堂で……」「昼食ですね」「陶芸美術館では麗しのマイセン展」「可愛い人形の展覧会です」「ううん、わしには良さが分からない」「はい、可愛いとは縁のないオッサンですから」「笠間焼のお祭りはテレビでも取り上げられてご存知の通り。笠間の陶炎祭（ひまつり）じゃ」「はい……何か、いい器はありましたか」「笠間焼は重いなあ……使い続ける自信がないのでギブアップじゃ」「しょうがないね」「ということで、今回のＯＫ散歩はこれでおしまい。笠間のＪＡ直売店に寄って、筍を掘らなかった人のためにお買い物の時間を……」「普通掘らないの」「高速道路を利用して取手駅まで移動して解散と致しました。　歩いたのは万歩計で４４４４歩、３．３キロと記録されておる。車での移動が多いからね。よく分からないのは、翌日の買い物に行っただけの日、３６００歩しか歩いていないのに、消費カロリーはずっと多い。どういうことじゃろう」「分かりませんねえ」「使ったお金。交通費、施設利用費、昼食、その他全てスポンサーのご好意で無料。絵葉書、お土産の野菜などが1800円。普通４パックが入るイチゴの箱に、山盛りで千円が一番じゃったな。因みに筍は3本で500円、千円ならもう１本おまけ。因みに、ちょっと小さ目でもっと安いのもあった」「すごい」「ということで、ＯＫ散歩・笠間の巻はこれをもって読み終わりと致します」

  2014.05.13

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  ＯＫ散歩２５「笠間」：その１「笠間つつじまつり」

  「ぢい散歩第２５回は笠間のつつじまつりへ参ります」「はい、もう花の写真が出ています」「白いの」「はい」「少し濃い色で」「はい」「こちらもだんだん濃くなって……」「色分けですか」「濃い紫」「はい……どういう種類ですか」「まあ、よく分からない」「あれ」「大きな花の物から細い花びらまで……案内地図の裏には代表的な10種類の花が紹介されているが、それでまた色違いもあるので……」「わあ……」「そういうことで、花をご覧いただけばいいじゃろう」「まあ、いつも適当ですからね」「こちらのつつじまつりは残念ながら11日でおしまい」「はい、終わりました」「歌碑　　国尻のこの行き逢ひの眞秀処にぞ　　国見が嶺ろは聳え立ちける　長塚節の歌じゃな」「はい」「こちらは座頭市の碑」「なぜこちらにあるんでしょう」「さあ……そもそも原作は文庫本でわずか数行のものじゃからなあ……まあ、この地方にいたということだったと思う」「分からないんですか」「まあ碑は勝新太郎のものじゃしなあ」「はい」「さあ、今度はつつじ山のすぐ下の美術館へ行こう」「続く」

  2014.05.12

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  ＯＫ散歩２４「皇居周辺～東京」：その５「日本橋」

  「ＯＫ散歩、東京駅周辺の美術館を回り、日本橋の高島屋までご報告しました」「今日はそのお向かいの丸善ですね」「地下で開催されていいた鉱物・化石・パワーストーン」「色々ありますねえ」「同じく岡本明子さんのガラスジュエリー展」「いい雰囲気を作りますねえ」「さあ、本日のメインは関修一さんの展覧会」「あれ……見覚えのある絵ですねえ」「テレビアニメでお馴染みじゃな」「大家さんとは関係ないね」「子供が小さい時にビッケは見たかな……」「絵が可愛いですねえ」「翌日トークショーが行われるが、この日準備のためにお出でになっていたので、サインを頂いた」「図々しいなあ」「お顔を紹介してもいいが……絵は可愛いけれど、ご本人は……」「失礼だねえ」「さあ、この日の散歩は器をテーマにしていたので……」「何だか無理矢理だね」「こちらは銅版画、生田宏司さんの作品展」「はい」「さあ、予定の最後は三井記念美術館」「まだ間に合いますね」「超絶技巧！明治工芸の粋という展覧会」「漫画入りのチラシですか」「この日月は素晴らしい」「はい」「彫刻のすごさが魅力」「これは蛙ですか」「後足が今にも飛び上がりそうな感じ」「はい」「こちらは柿」「黒く変わった色まで出していますね」「このタケノコも見事じゃなあ」「はい……結局、大家さんは食べ物になっちゃうのね」「ということで、素晴らしい作品を堪能して、本日の散歩は全て終了」「神田駅まで歩いて解散と致します」「歩いたのは、万歩計で２２５５５歩、１８．５キロと出ている。　木戸銭は全て無料。関修一さんの図録を頂いたのが３２４０円。他に絵葉書など１７３０円。昼食は４２０円」「食事はみみっちいね」「ということで、ＯＫ散歩読み終わりと致します」

  2014.05.11

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  ＯＫ散歩２４「皇居周辺～東京」：その４「東京駅周辺」

  「行幸地下ギャラリーではアートアワードトーキョーという新進作家の展覧会」「これは毎年ですか」「絵画や彫刻というだけでなく、スペースを利用した総合芸術も」「なるほど」「こちらは絵画」「何だかユーモラスですね」「人気投票で、わしはこれにしておいた」「はい」「東京ステーションギャラリーでは洋画家たちの青春。人気作家たちの若き日の作品を」「はい」「これもゴールデンウィークのお馴染み。駅や周辺施設あちこちで演奏が行われる」「これは弦楽四重奏ですね」「他に木管五重奏も聞いた」「忙しいですね」「まあ、一つのコンサートが30分程度ですからね」「はい」「さあ、駅の向こう、ブリヂストン美術館へ」「チャイナドレス展ですか」「はい、わしはチャイナドレスを来て行ったので、割引料金で」「ええっ……気持ち悪いねえ」「昭和初期の中国進出で、注目されたのもきっかけの一つじゃな」「へえ」「写真は安井曾太郎。一般の方は６月１０日からご覧いただけます」「はい」「こちらは藤島武二」「一目で分かるような作家ばかりですね」「こちらもそうじゃな。梅原龍三郎」「はい」「本物のドレスも展示されていて面白いよ。７月２１日までご覧いただけますので皆様もぜひ」「展示作品は変わっている場合もございます」「さあ、高島屋へ移動」「忙しいなあ」「野見山暁治さんの展覧会」「ああ、これは覚えがありますね」「３月に行ったニューオータニ美術館の最後の展覧会がこの方の作品展じゃった」「はい」「ニューオータニは大きな作品、こちらは手軽な作品ということで、両方を見て面白いということじゃな……前日にご本人が見えられたので、カタログなど全て完売」「残念でした」「お隣では伊庭康子さんの展覧会」「こちらは淡い感じがいいですね」「焼き物の展示は……可愛いのか可愛くないのか……」「独特の世界ですね」「この日の散歩は器に注目じゃったから……」「これも独特」「売り場が美術館のようだというのは、やっぱりデパートならではじゃな」「はい」「ということで、次回はお向かい、丸善へ参ります」「続く」

  2014.05.10

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  ＯＫ散歩２４「皇居周辺～東京」：その３「皇居・東御苑」

  「ＯＫ散歩、竹橋から皇居へ入ります」「これはお濠ですか」「北詰御門からの情景。向こうにスカイツリーのてっぺんが見える」「あれ……」「はい、反対側」「どうでもいいね」「よくご覧、東京タワーが見える」「ううん、左手二つのビルの間ですか……小さいからほとんど分かりませんね」「こちらが本丸跡。ここが江戸城の一番奥、将軍様がおらせられさせました所じゃ」「丁寧な言葉は言い慣れないなあ」「左に見えた桃華楽堂から、飛天」「はい」「御苑も何度もご紹介しているので……大奥から松の廊下へ抜けるのがコースじゃが、今回は展望台へ」「はい、季節によって変化が面白そうですね」「中雀門跡」「石垣がすごいね」「まあ、後はお馴染み大番所」「はい」「百人番所」「はい」「さあ、今回のメインは三の丸尚蔵館」「あ、器って言っていたのがこれですか」「華麗なる近代京焼と題して、有栖川宮家に伝わる品々」「なるほど」「まさに華麗な器じゃろう」「はい、素晴らしいですねえ」「さあ、最後に華麗な姿を……お濠にいた白鳥」「ううん、結局どうでもいい写真だなあ」「さあ、これから東京駅周辺の美術館をハシゴ致します」「ＯＫ散歩はこれからが本番ですよ」「次回に続く」

  2014.05.09

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  ＯＫ散歩２４「皇居周辺～東京」：その２「竹橋・近代美術館」

  「さあ、ＯＫ散歩は竹橋の近代美術館工芸館へ来ております」「今日は食器が大きなテーマです」「こちらは杜若の図柄」「はい、いい雰囲気ですね」「これはまた可愛い小皿」「なるほど……前回大家さんが言っていたように、日本の料理は、出てくる器も楽しいですね」「器で食わせるというのがよく分かるじゃろう」「はい」「これは前回紹介しているが、紅葉の大鉢」「はい、魯山人ですね」「この美術館は空間が素晴らしい。何もない一見無駄な空間が、奥行きを生み出すのじゃ」「器と同じですね」「こちらの皿も角度によって色が変わる」「ううん、こういう派手なのは大家さんは好きじゃないですが……」「料理に何を載せるかじゃな……赤系は食欲をそそるようじゃが……」「さあ、どう使いましょう」「さあ、本館の近代美術館へ行こう。今回はもう一つの附属施設フィルムセンターは省略するので……」「で、椅子ですか」「休憩室。いつも気になる絵画などを紹介しているので、こういうのも面白いじゃろう」「ううん、趣旨がずれているような……」「じゃあ、絵も紹介。鹿の並びがいいデザインになっているね」「はい」「久しぶりに展示されているのが金閣炎上」「はい、迫力のある構図ですねえ」「さあ、出口へ」「これは何です、荷物置き場ですか」「これも作品なのじゃ」「へえ」「こちらの観音像は著作権の関係で撮影禁止じゃった。今年から解禁になったので……」「これも迫力ですねえ」「当時は竜と観音の姿がちぐはぐだというので評価が分かれたという」「へえ」「さあ、器を見せてくれるもう一つの博物館へ行こう」「え、どこでしょう」「それはまた次回」

  2014.05.08

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  ＯＫ散歩２４「皇居周辺～東京」：その１「竹橋・北の丸公園」

  「さあ、ＯＫ散歩でございますが、５月３日に予定しておりました両国から六本木へ回るコースは、常磐線の人身事故のため中止、１週間遅れの１０日実施と致します」「はい、参加希望者にはご連絡しております」さあ、それで翌日に行いました、皇居周辺の散歩を……」「で、最初の写真は何です」「朝もや。手前に見える木、その向こうが利根川で、遠く霞むのが柏辺りじゃろうか」「どうでもいい写真からですね」「さあ、今日も最初は竹橋周辺を回るぞ」「お馴染みの建物ですね」「国立公文書館。左にポスターが出ているが、戦後の高度成長の時代を文書で見ようというもの」「はい、参りましょう」「こちらは日米講和条約の文書」「はい」「戦後最大の工事で映画にもなった黒四ダムの資料」「へえ」「首都高の計画図」「あら、これだけ」「とまあ、戦後の時代が様々な形でつかめるのが面白かったね」「ということで、次行きましょう」「さあ、国立近代美術館、今日は先に工芸館へ」「はい、見事なお皿ですね」「日本では食事においては器も重要な要素。西洋のように野菜も魚も肉も同じ白い皿で出すのとは違う」「分かるような気がします」「光琳のスケッチ帳」「梅に鶯ですね」「こちらはアザミ」「いいですねえ」「今回の皇居周辺は、器が重要なテーマ。もう少し紹介したいが、写真がいっぱいなので……」「え、中途で続くの」

  2014.05.07

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  ＯＫ散歩23「日暮里～上野」：その６「谷中」

  「ＯＫ散歩、上野を散策して、谷中へ参ります」「写真はお馴染みですねえ」「風俗博物館付属の吉田屋酒店」「はい」「いつも表の写真なので、今日は酒樽を……」「ううん、思い付いただけで、どうでもいいなあ」「こちらはギャラリー８１。染め物などの展示を行っているが、つい話し込んで……」「また迷惑かけているな」「谷中の寺町美術館」「ここは初めてのご紹介ですね」「この日は刺繍の展覧会」「はい」「こちらが作品」「これは刺繍ですか」「楽しいねえ。どっかで見たような絵を刺繍で……作者に親近感を感じてしまった」「へえ」「お馴染みの絵馬屋」「はい、４月からテレビで何度か取り上げられましたね」「最後に塀をご紹介」「これは前回は抜けていましたね」「前の時はうっかり真っ直ぐ絵馬屋へ抜けてしまって……で、まあこんな所で……」「この先が朝倉彫塑館、日暮里のお寺を見ながら駅へ参ります」「はい、この日歩いたのは万歩計で１６５００歩、１３．４キロと出ている。　使ったお金。木戸銭が全部で３５００円、わしの購入した絵葉書・図録・グッズなどが３４１０円、昼食は５００円」「はい、日暮里までの往復は別でございます」「ということで、日暮里から上野を巡って戻るという散歩のご報告を終わります」

  2014.05.06

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  OK散歩23「日暮里～上野」：その５「上野公園」

  「ＯＫ散歩、上野公園までやって参りました」「これは……あれ……先日来ていますね」「上野の森美術館の大賞展。展示替えがあったので」「はい……紹介するほどのことじゃない」「はい、東京国立博物館へ参りました」「ここも今年何度目ですか」「栄西と建仁寺展。この展覧会ではようさいと読んでいる」「はい……何か逸話があるんですね」「綱引きの掛け声。人々が大きな岩を引っ張るのに苦労していたら、栄西が通り掛かって、私の名前を口にしてごらんと言った」「よーさい、よーさいですね」「これで岩がスムーズに動いたという。オーエスというのと同じ理屈じゃな」「はい」「名品は数々あるが、ちらしにある風神雷神と、この龍の図は見逃せない」「はい」「こちらは常設展」「あれ……」「俵屋宗達の作品」「見比べると面白いですね」「常設展も名作が沢山……こちらは高村光雲の猿」「いい顔していますねえ」「こちらもお馴染み」「はい」「話題になっているのが、もう一つの特別展」「キトラ古墳の壁画ですね」「朱雀。これを見るのに、外で1時間半、入場してから30分」「２時間掛かりですか……あれ……大家さん、計算するとそんなに時間がありませんよ」「え……あ……じつはＯＫ散歩の裏技が……」「またせこいことをしているな」「こちらは白虎」「面白いデザインですね」「トラというのはこの架空の動物で、動物園にいるのは、よく似ているから同じ名になった」「へえ」「同じ経過をたどったのがゴリラじゃな。キングコングの映画で、最後に人間の女性がキングコングに妊娠していることを告白していたが、これは原作となったゴリラの台詞をとったもの」「へえ」「四神の最後に玄武。玄武岩というのがあるが、黒い亀の甲羅を思わせるから」「へえ……四神て……一つ足りませんよ」「青龍の痛みが激しいので省略」「それは残念ですねえ」「じゃあ仕方がない。これが青龍」「なるほど、よく分からないや」「この日は珍しい、庭園散策にも参加出来た」「へえ、色々ありましたねえ」「ということで、後は谷中へ抜けて帰ります」「はい、次回に続く」

  2014.05.05

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  OK散歩23「日暮里～上野」：その４「弥生～上野」

  「日暮里から上野へ向かって歩いております」「今日は弥生美術館」「はい、挿絵や女性の絵でお馴染みですね」「６月まで開催されているのが、さし絵のお宝大公開！展」「この美術館のお得意ですね」「浮世絵と同じシーンがあるが、さすがに近代という印象があるな。色っぽい作品が多いのも特色」「はい」「隣接の竹久夢二美術館は、夢二の肉筆コレクション展」「こちらも合わせてご覧いただけます」「お馴染みじゃが、塀にある絵をご紹介して……」「はい、次行きましょう」「さあ、不忍池まで後少しじゃ。こちらは弁慶の井戸」「弁慶って、義経の家来ですか」「義経のために水が欲しくてこの井戸を掘ったという」「へえ」「ということは、東北から富士川へ向かう時ということじゃな……逃げる時の逸話なら面白いが、こちらは通っていないからなあ……東下りというが、東とは関東のことじゃから……「まあ疑問もありますが……どうでもいいでしょう」「ここから不忍池の方へ出ると、大観記念館の入り口」「横山大観の家ですね」「庭園はそのまま残っている」「はい」「なんて、古い印象を与えるが、今年還暦」「大家さんと同い年だ」「部屋の照明が見どころの一つ。部屋ごとに全部違うデザイン」「へえ」「今回展示されている絵で印象的だったのは火」「おお……」「花の大胆さも……」「いいですねえ」「さあ、こうして昼食を頂いた後は、上野公園へ参りましょう」「はい、続く」

  2014.05.04

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  OK散歩23「日暮里～上野」：その３「根津」

  「さあ、日暮里から根津へと抜けて参りました」「これはお馴染みの碑ですね」「ここに夏目漱石が住んでいた。猫を書いたのがこの時代。東大の教師をやっていたのでここがいい場所だったのじゃな。朝日新聞の編集長になってプロ作家として生きることを決意してからは早稲田に住まいした」「へえ……」「碑は川端康成の字。奥の塀に猫がいるのがおかしいね」「はい」「このすぐ向こうが根津神社」「はい……にぎわっていますね」「参詣するのにも長蛇の列」「普段は並ぶなんて考えられませんがねえ」「はい、もう分かりますね。今つつじが咲き始めたところ。この連休が見ごろ」「いいですねえ」「はい、鳥居の方へ抜けました」「裏から入ったんですねえ」「皆さん地図でぐるっと回って弥生方面へ抜けていたが、一番近道なのはこちらのコース……誰も通っていなかったなあ」「はい、これもお馴染み」「お化け階段じゃ。上りと下りで段数が変わる」「はい」「こちらはサトーハチローの旧居」「これもお馴染みですね」「こちらが碑」「はい」「弥生式土器が発掘されたのがこの辺り。東大の敷地、サトーハチローの家辺り、学校の辺りというのじゃが、実は区画整理や空襲でよく分からなくなった」「へえ」「さあ、次回はこの弥生の地から上野へ抜けよう」「続く」

  2014.05.03

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  OK散歩23「日暮里～上野」：その２「岩田仙太郎コレクション」

  「越智健のＯＫ散歩、日暮里を散歩しております」「さあ、本日はどちらへ」「森鴎外記念館から裏へ回りますと、岩田仙太郎コレクションがございます」「はい、こちらもお馴染みですが、中をご紹介するのは初めてです」「挿絵でお馴染みの作家で、女性像は印象的じゃな」「はい、見覚えがあります」「わしも学生時代に見て、その色香に迷わされた」「はいはい」「今回印象的だったのは赤」「色ですか」「こちらも」「意外な色彩感ですね」「これも赤系」「なるほど」「こちらは時代劇の挿絵」「はい、次の企画でもこの絵はご覧いただけます」「着物の女性の色香は、仙太郎作品の特色でもある」「はい」「とまあ、こんな感じで、根津の方へ向かいます」「続く」

  2014.05.02

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  OK散歩23「日暮里～上野」：その１「千駄木」

  「さあ、名前も変わってＯＫ散歩となります。まずは日暮里駅をスタート」「それで、写真は何でしょう」「千駄木の駅付近を通り掛かったら、消防車が次々に……」「火事ですか」「煙も見えないから、そうではなさそうじゃ。その後ニュースでも出ないから、真相は不明」「以前はパトカーの集団と遭遇しましたねえ……あ、もしかしたら、大家さんを警戒していたんじゃありませんか」「え……ううん、あり得る」「納得するな」「さあ、それで今日はちょっと遠回りして、大給坂から上ります」「歴史のある坂なんですか」「大給というのは三河の豪族の名前で、この坂の上に屋敷があったのじゃ」「へえ」「この辺りの高台を千駄木山といったな。漱石は根津に住んでいたのは有名じゃが、　　初冬や竹きる山のなたの音　という句が、この山を詠んだものじゃ」「はい」「こちらは安田楠雄邸庭園」「どなたです」「大正時代に豊島園の創始者藤田好三郎が、大正時代に家屋と庭園を造ったが、震災の後安田氏に買い取られた。平成に入るまで楠雄氏が住んでおられたが、その後はこうして見学が出来るようになっている」「へえ」「この日は庭で古本市。日暮里周辺各所で一人が段ボール箱一箱だけのお店を開くのじゃ」「へえ」「庭園では、5月4日まで、五月飾りを展示しております」「はい、お近くにお出かけの節はぜひ展展木戸銭は500円です」「こうして森鴎外記念館へ到着」「消防車の来ていた現場を抜ければすぐだったんですね」「鴎外と演劇についてやっていた」「明治の半ばですから、本当に初期ですよね」「鴎外関連は、北千住の病院後、鴎外の父が勤務していたところ、上野の鴎外荘、最初の結婚の新居がそのまま残っている」「そして、ここが最後の住まいですね」「観潮楼と名付けて、文人達が通った場所なのじゃ」「へえ」「庭にある碑。文字は永井荷風」「はい、荷風さんも千住辺りから所縁がありますね」「さあ、今回も文学関連が多くなるが、次行こう」「はい、続く」

  2014.05.01

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  食べた記録

  「ま、そんなことで、この春に食べたお食事を」「個人的な記録だな」「取手市内の六香亭で。チャーハンとスープ」「はい」「餃子と麺。普通のラーメン屋さんなら、三点セットで一人でいただけるのじゃが、ここは量が多い。それぞれ3人前をいただかないと……」「はい、味も量も満足です」「こちらも中華じゃが、つくばのホテル」「はい」「まあ、こんなの」「紹介が適当」「メインのお肉」「はい……これ中華ですか」「で、チャーハンの後のデザート」「ごちそうさまでした」「ということで、明日からは新ＯＫ散歩が始まる……と思います」「いい加減」

  2014.04.30

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• 最近のニュースから

  「韓国では船の転覆が大変なことになっているなあ」「本当ですね」「日本はまだ沈んでいないという情報があった時から、すぐに救援を申し出、自衛隊が出動できる準備も整えた」「それを向こうが断ったんですね」「必要ないという。それが出動していたら、韓国の水上警察よりも１時間早く救出作業が始められたはず」「残念ですんねえ」「その後、韓国が救助を始めたが、ニュースの画面を見ていると違和感を感じた」「どういうことです」「２００艘も３００艘もの船が潜水作業員を載せて海上を走り回っている図じゃ」「ああ……」「後のニュースでは実際に潜っていたのは１０数名だったという。あの画像は何だったのじゃろう」「はい」「それから、船が日本製で、上へ上へと客室を積み上げてバランスを崩しているという。更に船長が真っ先に逃げた映像が出て、船員が全員宗教団体のメンバーで安く働いていたとか……」「色々出て来ましたね」「テレビのニュースは小出しにしているのか、ネットなどの情報から一週間から半週刊遅れているね」「そうですね」「何だか韓国の遅れている部分ががあらわになったように思える」「はい」「一方日本も」「何がありました」「その最中に靖国に参拝したり奉納したり、韓国の気持ちを逆なでしていると気づかないのかなあ」「ああ、本当ですね」「わしは靖国参拝に、外国が文句を言うこと自体がおかしいという立場」「はい」「ただ、議員になった途端に参拝するのはおかしいと思う」「はい」「それから阿部が言っていた通り」「何と言ったんです」「小泉が参拝した時に、中国や韓国に、きちんと参拝の意味と歴史や考え方を伝え、理解を得てから行かなければならない……そう言ったのが阿部じゃ」「あれ……」「口先ではお悔やみを言いながら、これでは……まあ、国会議員は国民よりも自分のことが優先じゃから、他国のことなど更に下に置かれるのじゃろうが……」「はい」「自民党議員は、園遊会に、夫婦以外駄目なのに、他の人を連れて行った」「非常識ばっかりですね」「まあ、今回のニュースは、自民の問題点になっちゃった」

  2014.04.29

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• 最近読んだ本６

  「それでは△のついたもの。正直面白くないよっていう評価の作品」「悪人専用」生島治郎　暴力団の財布をすってしまい、中から麻薬取引の割符を発見。仲間と共に強奪を企てるが……あまりにも予測される落ち。「満ちて来る潮」井上靖　妻の変身の理由がつかめず、だから物語が終わっても、それからどうなるのだろうという疑問が残る。「戦いの肖像」大藪春彦　悪事がトントンと進んでいくのは爽快。それでいいのかしらという疑問を感じるのだ。だからそれが破滅の予感なのだろう。そもそも無関係な人を巻き込んで死に至らしめ、心を痛める様子でいい人のように描くこと自体がずれている。「モンスターＵ子の嘘」越智月子　お前が書いたんだろうというメールが数通届いた。女は謎のまま、なぜ周りが惹かれるのかもよく分からない。サイン本をもらう。「瑠璃の課外授業」香川潤：編　もらい物のエロ本。ひどい日本語だなと思ったら、素人の文章らしい。読むに耐えないでゴミ箱行き。（×）「万事お金」源氏鶏太　主人公に楽しさが欠けるため読んでいてイライラして来る。後にある解説まで読むと×に入れてもいい。これで原稿料が取れるんだ。「忍法車一族」「忍法系図」「忍法秘巻」早乙女貢　何となく中途半端なものばかり。「紅絵図」を読んで分かったのは、シリーズ物だった。そうだとしても、単独で読んでいいものでないとねえ。「ヴェニスの商人」シェイクスピア／安西徹雄：訳　倒置法がやたらに多く、黙読していても引っかかる。舞台で演じて、すっと入って来るのだろうか。演じることを考えずに書いたのか。それも原文に忠実に？英語の語順とも違う。「海に住む少女」シュペルヴィエル／永田千奈：訳外国人が日本語訳したような不可思議な日本語。最初の部分から「眺めているうちに、わかるにつれて、おいおいお話しするつもりですが、謎のままであるべきことは、そのままにしておくしかありません。」など、何を言っているのかよく分からない。「切ない気持ちで胸がいっぱいになり、涙がこぼれそうになる。」と紹介分が書かれているが、ブテ、訳したご本人が書いていた。「カメラ・オブスクーラ」ナボコフ／貝澤哉：訳　ストーリーがいかにも作られた感があるのは訳のためか。当事者の気持ちを描きながら、全く緊迫感を感じず、一歩離れて説明している調子。全て他人事のように書かれている。「史記」西野広祥　200の名言やエピソードを紹介。これが現代にどう生きるかを書いているようだが、あっさりして実用でもない。それならストーリーに沿って書いてくれた方が面白い。「行楽特急殺人事件」西村京太郎　ストーリが短絡すぎ。警察で警察を疑うにはもっと状況が……「寝台特急六分間の殺意」西村京太郎　犯人がこいつだと疑う根拠が実に希薄。たまたまそういう結果なのと、裏付けを固めるからいいが、誤認だったら、解決まで長引くことになる。したがって、警察よりも、行き当たりばったりの事件なのに、時刻表の裏をかく見事なトリックを駆使した犯人の方に拍手を贈りたい。「十津川警部Ｃ１１を追う」西村京太郎　殺人があって、亀さんが疑われるのだが、普通子供連れで殺しに行くかねえ。警察はずれているんじゃないのって作品を集めた作品集。「十津川警部みちのくで苦悩する」西村京太郎　最初に疑われた人が犯人ではないと分かるが、この真犯人は公判で最後まで持って行けるのかしら……ひどい結末に唖然。「日本海からの殺意の風」西村京太郎　三篇とも発想が面白いのに、ずれているという印象。１作目はこれだけ次々と殺さなければならないのか、２作目は男が犯人に仕立てられる都合のよさ、最後のは動機が全く理解できない。「十津川警部帰郷・会津若松」西村京太郎　犯行を認めながら動機を語らなかった男が出所、十津川が動機を追い「この人の命は絶対守ります」と言いながら、殺される。その後の解決に向かう急展開の秘密もいただけない。「十津川警部姫路・千姫殺人事件」西村京太郎　例によってまだ可能性の段階から、絶対にこの人が犯人だと決め付ける。そのくせ証拠を見付けられず、犯人の思うがままにもてあそばれる結末。「十津川警部の回想」西村京太郎　これも状況証拠から犯人を決め付ける。十津川さんの同級生が登場するが、みんな事件に巻き込まれたり、犯人だったり……友達は選ばなければならない。「消えたドラーバー」西村京太郎　一つの事故を隠すために無関係の者まで次々に殺す犯人の心情がつかめない。最後の事件は犯人の意図が分からず、周囲の人々が警察から事情を聞かれても何も感じない無神経にイライラする。　以上、西村さんの作品は何十冊も読んだので、評価の低いものもあるとお思い下さい。好きで読んでいるのですから。「北国物語」船山馨　心に傷を持つ者は北へ向かう……って、時代錯誤の古い設定だなと思ったら、西郷さんから広小路が見えた……あれ、本当に古い作品だったのだ。叙情的なものを狙いながら、暗い印象しか残らない。「オペラ座の怪人」ルルー／長島良三：訳　訳されたものは何となく違和感がある。この文体はどういうつもりなのか……歌を見ると同じ歌が歌われる度に歌詞が変わる。これは原作がそうなのか……つまり、訳し方に一貫性がないのだろうか。人物の心が伝わらないのはそれが原因か。「羊飼いの指輪／ファンタジーの練習帳」ロダーリ／関口英子：訳　ショートショートにそれぞれ３つの結末がついている。それはいいのだが、後でそれぞれについて解説し、どれがいいって……何と作者自身が……批評しているのだ。それなら一番いいそれを書けばいいじゃないか。そもそもそれ自体も大していい出来とは思えない。「裁判長のたくらみ」和久俊三　殺人事件の裁判が始まるが、裁判長は何としても犯人を無罪にしようとちぐはぐな発言を繰り返す。実は彼自身が真犯人なのだ。正義感を持って、冤罪を許さないという裁判長が何だかおかしい……ギャグなのかしら。「暗い流れ」和田芳恵　父の事業の失敗で子供の頃から貧乏暮らし。資産家の世話で中学に進むが、そこで父の妾、従妹、友人の母などを相手に性に目覚めて行く。この文章全く若さを感じないと思ったら、作者70歳になってからの自伝的作品だそうだ。納得するしかない。

  2014.04.28

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• 最近読んだ本５

  「さあ、今回は去年から今年に掛けて読んだ本からまあ面白かったですよという○評価の本をご紹介。一部を除いて詳しい紹介は省略」「五十音順に参ります」「線路沿いの詩」浅田志津子：詩／松本忠：絵　鉄道絵画でお馴染みの松本さんの個展でいただいた。もちろん端数はおまけしてもらう。「解放された世界」「若き日の倫理」石川達三「黎明に立つ」伊東潤　サイン本を定価でいただく。税は払わない。会話で時代説明をするのに、いちいちト書きで解説が付くのがどうもまだるっこしいし、「父の語りが熱を帯びて来た」が１ページくらい離れてすぐに登場したり、何か表現に甘さがある。後半になるとそうした解説が消え、歴史を理解しているのならすらすら読めるのだろうか、何だか分からなくなる。民のための世を作るというテーマが一貫しているが、そこにある自己矛盾や戦いをもう少し具体的に見せてほしい。「タイムマシン」ウェルズ／池央耿　賞をいただいた副賞として、本訳書を数十冊いただいた。新しい訳だというのだが、どこが新鮮かは分からない。資料などが充実している。「本因坊殺人事件」内田康夫　あっと驚く仕掛けがあるのだが、結末がもう一つ。「幻想の技術一流国ニッポン」内橋克人　50年代のものだが、今読んでも通じるのはすごい。「ぐうたら生活入門」遠藤周作「落語のすべて」大友浩：監修「落語の犯罪」「落語の旅」「落語の女」「落語の遊び」「落語の若者」以上　加太こうじ「人たらしの極意」ヨネスケ（桂米助）「歌なきものの歌」源氏鶏太「夏の終わりの海」源氏鶏太「闇の奥」コンラッド／黒原敏行：訳「源氏花物語」坂井昇「江戸女人絵巻」笹沢佐保「夜間飛行」テグジュペリ／二木麻里：訳　何だか訳した人が勘違いしている感じが強い。任務に命を掛ける姿というが、私はプロレタリアのような告白小説にしか見えない。「落語家」三遊亭萬立花４「フランケンシュタイン」シェリー／小林章夫：訳　怪物をいい人（？）と描く人は何か勘違いしたのだろう。「死者の館」島田一男「もっとおもしろくても理科」清水義範「イエスタディ」清水義範「小説日米自動車戦争」宗田理「ルードヴィッヒ・ヴァン（上下）」手塚治虫「日本人の笑い」戸板康二「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル／延原謙：訳「トム・ソーヤーの冒険」トウェイン／土屋京子：訳「地下室の手記」ドフトエフスキー／安岡治子：訳「南国武道」南條範夫「独眼流伊達政宗」西野辰吉「特急あずさ殺人事件」「倉敷から来た女」「名探偵が多すぎる」「十津川警部の対決」「シベリア鉄道殺人事件」「尾道・倉敷殺人ルート」「消えたタンカー」「会津高原殺人事件」「十津川警部白浜へ飛ぶ」「上越新幹線殺人事件」「山陰路殺人事件」「殺人はサヨナラ列車で」「FF63形機関車の証言」「ひかり62号の殺意」「寝台特急はやぶさの女」「十津川警部海の挽歌」以上西村京太郎「おばあちゃんの入れ歯」バトルロイヤル風間「戸隠伝説」半村良「都市の仮面」半村良「オズのブリキの木樵り」ボーム／佐藤高子：訳「トランプ・マジック」松田道弘「つくられた明日」眉村卓「オツベルと象」宮沢賢治・新井良二「土神ときつね」宮沢賢治・大畑いくの「どんぐりと山猫」宮沢賢治・但馬征三「非まじめのすすめ」森政弘「挫折のエリート」森村誠一「京都・浜名湖殺人事件」山村美妙「冷暖房ナシ」山本夏彦「故郷・阿Q正伝」魯迅／藤井省三：訳「野生の呼び声」ロンドン／深町眞理子：訳「沈黙の裁き」和久俊三「仮面法廷」和久俊三「紅葉の下に猫がいる」和久俊三「はい、以上でございます」

  2014.04.27

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• 最近読んだ本４

  「昨年から読んだ本をご紹介」「参りましょう。いい物だけを選りすぐって……ナ行からです」「恥も外聞もなく売名す」中路啓太　新潮社　サイン本。定価でいただくが、もちろん税は払わない。戦国の世が終わろうとする時、武士の一文を通すことで名を売ろうとする主人公。仕官が叶うものの、主人との間に溝が出来ると……ほとんど活躍しない主人公が魅力的に見えてくるのが何より。主人の方も、武士として自らを曲げることが出来ないのだ。全体としてその哀れという感覚が表に出てしまう。「追憶の夜想曲」中山七里　講談社　サイン本をいただく。少年犯罪の経歴を持ち、過去を隠しているはみ出し者、御子柴弁護士のシリーズ。自白した犯人に求刑通りの判決が出た。控訴審の弁護を無理に譲ってもらった御子柴の狙いは何なのか。自白しながら刑期をもっと短くしろという犯人はどういうつもりなのか。様々な謎がやがて、意外な結末に……上質のサスペンス。「特急ふじに乗っていた女」西村京太郎　角川文庫　４年前に１冊読んで酷評した十津川警部のシリーズ。ぼろくそに評したら、本質を読まずに敬遠しないでというファンから30冊ほど寄贈いただいた。しかし、正直にいえばその中で◎をつけたのはわずか……これもいただいから◎を出さないと悪いなってんで今回無理に選んだもの。十津川の部下である女刑事が特急の車内で人を殺した。謎を追ううちに死んだ男の回りで次々に事件が……人間関係の面白さがあって、可。ラストの告白がいい。「愛と憎しみの高山本線」西村京太郎　文春文庫30冊のうち一つだけと苦情を申し込まれそうなので、もう一つ。愛と何たらの何々線シリーズ。十津川警部の鉄道ものだが、人間描写にいい味がある。事件が起こらないのに動き出している警部らが軽率に見えるが……この作者のお得意は、結末にこれでいいんだという無理矢理納得させること。折角面白い事件なのに、ラストでがっかりすることが多い。犯人の自白や、現場をこっそり録音していたり……卑怯な手段が多いのだ。この本、同じようにがっかりする結末を迎える物もあるが、他の作品よりは説得力がある。「捜神鬼」西村寿行　講談社文庫頂き物。人間と動物の関わりを描く四編。動物が人生にいかなる影響を与えるのか、上質の作品集になっている。「モノクロームへの眼差し」濱野彰親　展覧会のトークショーでいただいたサイン本。ちゃんとお金出しました。松本清張作品など、絵からドラマを感じさせるのがすごいんだね。絵を見ているだけでも感動。「さらば雑司ヶ谷」樋口毅宏　新潮文庫　サイン本をいただく。びっくりすぐだろうが、消費税も出してしまった。後であれっと思ったが一端出したものは泣いてあきらめるしかない。雑司ヶ谷に帰った男が感じる違和感。この町が自分が仕切っていたはずなのに、何かが変わっている。その謎を追ううちに大変な戦いに……ひどい表現、おかしな場面が満載だが、それが全てパロディなのだ。それを知らないと残虐で無茶苦茶、分かると読んでいて思わず笑ってしまう。「笑府（上下）」岩波文庫　古書店で２冊３００円で見つけて即買い。中国笑い話の古典を完全訳。バレ話が多いので、一気に読もうとすると疲れる。せっかくだから原作の表現が見たい。漢文付きのにしてくれないかしら。「蜃気楼を見たスパイ」マッキャリー／朝川伸英：訳　文春文庫　頂き物。冷戦時代、アメリカのスパイが、ソ連のスパイではないかと疑った男がいる。彼の正体を明らかにしようとするが、回りの人物が皆胡散臭い。報告書、電話の盗聴などの資料だけを集めて構成されたもので、その人間関係が明らかになり、真相につながっていくのが面白い。しかし、その真相は……ラストまで意外性の連続。「夏姫春秋（上・下）」宮城谷昌光　講談社文庫　ブックフェアで半額以下。セットで買うからと端数まで負けさせた。春秋時代のあの夏姫の物語、といえば知らない人がいない話だが、なぜ彼女はあらゆる男の気をひき、相手の男は残らず悲劇に陥るのか。下巻は彼女よりも歴史の説明が中心になる。彼女の運命をどう変えるかがテーマのはずだが、それはちょっとずるい。いや、物語の展開からいえばこれでいいのだ。しかし、この時には彼女はそうとうの婆さんになっているはず。それでも男をひきつける魅力とは何なんだろう。それが伝わると本当に面白いのだが……「新・新幹線殺人事件」森村誠一　新潮文庫　この作者の本10冊ほど頂き物。新幹線の中で殺人事件が……犯人と思われる人物は他の新幹線で移動しており、遅い列車から早い列車に乗り換えれば犯行は可能だ。しかし、それでは犯人と被害者が逆になってしまう。この逆転の発想から謎が解明される、逆アリバイトリック。「異形の深夜」森村誠一　ゲイブンシャ文庫　上司の妻が部下の妻たちをお手伝い代わりにこき使う。憎悪を感じる部下の妻。その彼女に拳銃が手に入った。この拳銃が次々に人の手に渡っていく五つの物語。この拳銃の存在は、いつでも相手を殺せるのだという、心の落ち着きをもたらすのである。それで……ネタばらしになるから書けないが、心地よいサスペンス。「刑事のまなざし」薬丸岳　講談社文庫　サイン本をいただく。少年鑑別所の法務官だった男が刑事になった。彼が手がける事件を追うのだが、全て、他の関係者の視線から描かれる。事件を通して明らかにされる人間関係の面白さ。その中で主人公の刑事の過去や現在の思いまで明らかにされていく。「エドの舞踏会」山田風太郎　文春文庫　鹿鳴館を彩った権力者の妻。それぞれが持つ秘められた過去。それぞれがドラマとなり、その運命が描かれるオムニバス。ＳＦ風の忍者物ばかり読んでいるとこういう作品に驚くね。「柳生十兵衛視す（上下）」山田風太郎　毎日新聞社　古書店で500円というのを値切ったが負けてくれなかった。そこで税込500円で妥協。柳生十兵衛が死ぬが、死体には不思議な現象が起こっていた。江戸と室町の二つの時代で同じ名前の柳生十兵衛が活躍する。能楽と忍者、柳生の関係、俳句も含めて皆伊賀の里に生まれたのはなぜか。やがて江戸の竹阿弥は、元祖である室町の世阿弥を求める。二人の十兵衛はそれぞれが弟子との対立となり、やがて大きな陰謀を追うことになる。最後には宿命の対決が待っている。心わくわくのＳＦチャンバラ時代劇。「超・博物誌」山田正紀　徳間文庫　ＳＦ博物誌。もちろん、我々地球しか知らない人間には全く未知の生き物たちが紹介される。それを観察することは、観察する「わたし」を明らかにすることでもあった。ドラマチックではないが、深みのある作品。「つかぬことを言う」山本夏彦　中公文庫　ねずみ講のような詐欺に引っかかる人間は、欲が深くて道理が分からない馬鹿なのだが、それを口にしないのが日本人の感性。ニュースでも本当に必要なことは報道されない。テレビなどは速報性が命のはずなのに、新聞を追っかける。個人よりも法人、小企業よりも大企業を優先する税の不公平。今読んでも、全く変わっていないなあと思う。不当な世の中を痛烈に批判する作品だが、読んでいて楽しいのはなぜだろう。「ちょっといい言葉」という愛惜のさる作品も収録されている。「その手をにぎりたい」柚木麻子　小学館　サイン本。田舎へ帰ろうと思っていた女性が、超高級寿司店で目覚める。彼女はおいしい物を食べるために変身していく。食べ物への思い、人への思い、優しさのあふれる作品。「午後おそい客」「母の加護」「おやじの値段」　集英社のベストエッセイ集。84年86年87年のをいただく。その人の分野についての話が面白いのは当然。その年話題になったことについても思い出と共に懐かしく読める。そして、家族や人生。なぜか年をとるという話題に一貫した面白さを感じた。「以上昨年から今年に掛けて読んだ本で、◎をつけた作品でした」「はい。２３冊ですね。１７０冊のうち合計６９冊に◎がつきました。

  2014.04.26

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• 最近読んだ本３

  「昨年から今年に掛けて読んだ本で、また読み直したいと思わせるいい物だけをご紹介」「説明もどんどん手抜きになるなあ……今日はしで始まる作者から」「江戸八百八町物語」柴田錬三郎　中公文庫　同じ作者のを８冊ほどもらった中の一つ。この作者ですから……江戸を舞台にしながら、時代に矛盾があったりする部分があっても面白くするための嘘だというのがよく分かる。まあ、楽しいからいいのだ。「おらんだ左近」柴田錬三郎　集英社文庫　近代医学を身に付けた主人公が活躍する時代劇。西部劇のような馬車での活劇あり、人情あり。この男の正体は、というヒーロー・ミステリーの楽しみもある。「最終都内版」島田一男　事件が起こった。警察発表から記事にしたのではスクープにならない。最後に印刷される最終都内版で出せれば、他の新聞社を出し抜くことも出来る。休刊日の事件から、記者達が何とか出し抜こうとあの手この手の攻防が……ラストもお見事。「殺人念書」清水一行　角川文庫　エッチな本をはじめ、５冊ほどを１００円で買った中の一つ。この人のエッチ本は落語のようなセンスがあっていい。この本は実際にあった企業の倒産事件を下敷きに、その陰で起こる殺人事件を追う。会社が倒産した後、２年ごとに同じ日付で関係者が死んで行く。推理そのものよりも、倒産計画から新会社への引き継ぎ、その裏に隠されたものという社会派ミステリーの部分が実に面白い。「こちら幻想探偵社」清水義範　ソノラマ文庫　この作者も頂き物が１０冊ほど、文庫１００円セールで買ったのが５冊ほど。表題作はお軽い推理アクション。体力勝負で頭の使えない主人公、宇宙人で超能力を持つ美少女、見事な推理で全てを見抜いている、と自分だけが思っている探偵。三人が事件に挑むが、とでもない依頼者ばかり。その理由も明白なミステリー。馬鹿馬鹿しいと思いつつ、まあ楽しいということで最高評価。「袖すりあうも他生の縁」角川文庫「大剣豪」講談社文庫「迷宮」集英社文庫清水義範　全部ユーモアもの。最初のが随想で、後は小説だが、まずはこの人らしいわがままが炸裂、笑って読める。「大剣豪」はチャンバラのパロディ。馬鹿馬鹿しくもドラマチックで、時代劇のオールスターのドラマ。これだけなら安っぽい。落語でも時代劇ヒーローを一つの噺の中に何人も登場させて演る例があるが、面白かったという記憶は皆無。実に安っぽい作り物にすぎないのだ。落語は庶民でも武士でも、その生き様を見せつけなければならない。だから聞くに堪えないものになる。それがこういう作者に掛かると、人物だけではない、様々な手法で作り上げる遊びがまさに芸術の域に達する。「鶴光のかやくごはん（１・２）」笑福亭鶴光　角川文庫　鶴光師匠の一代記。１はデビューからラジオの人気者になるまで。その人気の絶頂にあるときに書かれたものだが、その後本格的に落語に取り組む心意気が感じられ、今読むと、その通り、努力して来たのだと分かる。尚、第２巻は○評価。古書祭りで見つけたが、申し訳ない。各１００円にしてもらっちゃった。「その日の吉良亭」墨田区観光協会　資料によって赤穂浪士の討ち入りを解明する。「忠臣蔵外伝」となっているが、討ち入りこそ本筋だろうから「本紀」としてよいのでは。そもそも忠臣蔵は、松の廊下の刃傷がなぜ起こったのか、浅野がその日のうちに切腹させられたのはなぜか、浪士達がなぜ討ち入ったのか……全てが謎なのである。そういう一環として、この本は面白い。両国辺りの施設で４４０円で売っていた。欲しい人は消費税が上がっているので、要注意。「あの名作の舞台」世田谷文学館　名作の舞台ともなっている世田谷を訪ねる散歩の本。もちろん今見て当時の面影がある場所など皆無に等しい。それでも背景となった場所と時代に思いをはせることが大切なのだ。この本片手に散歩でもしようという気にならないのはもう一ランク下げていいのかも知れないが……１２６０円、今回紹介した中で、定価で入手した唯一の本かも。「江戸悪人帳」多岐川恭　双葉文庫　悪を追う十手持ち、実は岡っ引きは悪い奴を役人が雇って使っている場合が多い。そこから考えると、悪い奴が悪の心を知って事件を追うから解決できるのだ。「魔の氷山」田中光二　徳間文庫　市内の図書館が古い本を処分するというのでこの作者の本５冊ほどいただいた。氷山に何かを感じた超能力者のグループは、この何かが解き放たれるのを阻止するために立ち上がる。一方、この氷山を日本まで運ぼうとするチームを取材することになったのは超能力グループの女性の元彼だった。その存在が、彼女にヒントを与えるのだが、彼女には未練が残っているとしか思えない。氷山の秘密とは何か、ミステリーで引っ張るが、最後はねえ……未解決のまま終わるのは、続編があるのだろうか。ちょっと物足りなさも残る。「勇者の血」田中光二　集英社文庫　小説から随想まで、作者の様々な世界観を感じさせてくれる一冊。特に小説がなかなかのできばえ。アクションとして読めばそれだけかも知れないが、自己の存在について考えさせられる部分は面白い。それをもっと掘り下げてもらえば、純文学にも負けない世界になるのだろう。「かんうﾞぁせいしょん・たいむ」團伊玖磨　音楽之友社　古書店で２００円。各界の著名人との対談集。玉ねぎになる前の徹子さん、本当に若大将だった雄三さん、作家、舞台、舞、宮様まで、ともかく様々な相手と芸術や日常生活について話し合う。ワーグナーが我々には全く理解できないということがちゃんと理解できたのが面白かった。「紅茶を注文する方法」土屋賢二　文春文庫　サイン本をいただく。もちろん、定価で……ただし個人なんだから消費税はいらないよね。我が儘勝手な先生が、我が儘勝手なことを書いた、見るにたえない本。だからこそ笑いも絶えない。こんな人でも生きているって、勇気を与えてくれる……って、そこまで言うか。「七瀬ふたたび」筒井康隆　新潮文庫　こちらも１０冊ほど同じ作者の本をいただく。「家族八景」の続編で、まとめて読んだ。前作は心を読める少女がお手伝いさんとして家族の心を読むが、結局いたたまれない世界に到達してしまう物語。続編では、年頃になった七瀬が超能力を持つ仲間とめぐり合って行く。やがて、超能力者を全滅させようとする相手と遭遇。相手の心を読むことしか能力を持たぬ女性がいかに戦うかという発想の面白さがある。結局的の正体も見えず、戦いの決末も分からない。続編があるらしい。「危険冒険大犯罪」都築道夫　角川文庫　犯罪小説集。推理した通りに事件が展開する不可思議な事件。探偵に推理させるために仕組んで組み立てられた事件。常識的な推理小説は……まあ、あるにはあるのだが、ユーモアに満ちた作品群。「刑事の絆」堂場瞬一　ハルキ文庫　サイン本をいただく。警察官が狙撃され、他の部署の警察官までが懸命に犯人を追う。主人公の追跡捜査班は現在進行形の事件には関わらないはずなのだが、じっとしてはいられない。警察内部の対立などを描く作品が多いためか、みんなが同じような気持ちで協力していくのが実に心地よい。「生活安全課０係　ファイヤーボール」富樫倫太郎　祥伝社　サイン本。もちろん定価で……消費税は払わない。ふと思いついて書いた小説を内部告発文書と思われた主人公、生活安全課という、あってもなくてもいい部署が出来て閉じ込められることになった。ついでに配属されたのは各部署の厄介者。主人公はちょっとした判断から物を判断するので、他の人の気付かぬことにも気付くのだが、感性がずれているので問題も引き起こす。回りの人間も典型的で、最近の人はそうでないと誰が誰だか分からなくなるらしい……まあ、普通の人間は登場しない。それでも、事件を追い、解決していく手法が見事だから許せるね。「以上、との作者まで」「２１冊でした」

  2014.04.25

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• 最近読んだ本２

  「読んだ本は◎、○、△、×という四段階で評価しています。×はそのままゴミ箱行、△は今一、○はまあ面白かったもので、◎はせひまた読み返したいと思うもの。今回紹介しているのは◎のみ。前回ア行の作者が終わったので、カ行の作者から」「はい、前回は１７冊でした。参りましょう」「孫子」海音寺潮五郎　講談社文庫　将門、純友を初めとする歴史物を10冊ほどいただく。ほぼ全部◎になったのはこの人のみ。春秋時代の兵法の達人が主人公なのだが、そんな人物がいながら、なぜ負けてしまい、ついには滅んでしまうのか。そうした疑問まで矛盾なく解決させている。人物を作るのに、恐妻をでっち上げた効果も見事。子孫の活躍を描く後半は、奥深い心理描写が見事。「中国英傑伝・下」海音寺潮五郎　文春文庫　上がなくなっていて下だけ残っているのをいただく。内容から見ると、戦国から始皇帝、漢楚の攻防という、漢文で習う部分が書かれていたらしい。こちらの本はそこから戻って春秋から戦国の時代について書かれる。夏姫や孫子の実情が描かれ、小説にするときのフィクションにまで踏み込んでいるのが面白い。前の作品から続けて読むとその比較も出来て良かった。「未踏惑星キーラーゴ」梶尾真治　新潮文庫　新しい惑星を移民の地にするための調査団。そこには平和に暮らす人間やロボット、かわいらしい動物が……これを守るために、この星を危険だということにしようと、努力を始めるが、やがて、恐ろしい結末が……最後はちょっとばればれだが、後味の良い作品。「カポネ大いに泣く」梶山秀之　角川文庫　明治から昭和の初期にかけて、アメリカ大陸で活躍した日本人を描くオムニバス。表題作は映画になったが、原作の世界は全く違う。未知の世界に生きようとする日本人の悲喜劇は、人生についても考えさせる。「葛飾北斎」青幻舎　ブックフェアで半額購入。富岳三十六景から傑作32枚を選んだ絵葉書集。もちろん本物には及ばないとはいえ、そばに置いておく価値はある。本物は年に数回、見るチャンスもあるから、その時にね。「北斎漫画（全３巻）」葛飾北斎　青幻舎　北斎漫画を完全収録した素晴らしい資料。絵を描くときの参考に……とてもならない素晴らしさ。半額で買えるコネがあったのに、３割引きで買っちゃった。「スターバック号を奪還せよ」カッスラー／中山善之：訳　新潮文庫　海辺で拾った漂着物から、潜水艦の事故を知り、これを手がかりに始まる大冒険。こんな偶然があるのかしらという最初からの疑問は次々に解明されていく緻密な組み立て。全てがつじつまの合う結末に向かって行く心地よい読み応え。「○に近い△を生きる」鎌田実　ポプラ新書　がんばらなくてもいいんだよで人気になった鎌田先生にサイン本をいただく。申し訳程度に、消費税を除いた金額をお払いした。人間○か×かで決めたがるものだが、三角でいいのではないかという問題を深く考えたもの。みんなが正解と思うことは本当に正しいのか、誰もが正論と思うことがいつでも○なのか……そうした問題はわれわれの抱えている問題なのだ。「男と女の世の中」源氏鶏太　角川文庫　この作者の本も8冊をいただいた。妻が亡くなって独身貴族を謳歌していた父、病気になると心細さから再婚を考えるようになる。息子もそろそろ年頃で、結婚を考える。数人の恋人の中から誰を伴侶として選ぶか。二人が同じような事件に遭遇したり、互いに意見をぶつけ合ったり、ユーモアあふれる佳品。「娘の中の娘」源氏鶏太　講談社文庫　長女は家出をし、次女に期待する父だが、この次女も反対を押し切って仕事に出るようになった。彼女を中心にする恋愛事情なのだが、それなら彼のほかの作品と同様、ちょっと安っぽくなるかも知れない。父の心情が描かれているのが深みとなっている。「臨界　潜入捜査」今野敏　実業之日本社　この作者も１０冊以上いただいた。全年までに読んだ中に◎が２、３冊あって、昨年はこの１冊のみ。原発事故で外国人労働者が死んだ。電力会社は外国人を工面する暴力団を使って隠蔽しようとする。実話をもとにした作品で、震災以前に書かれたが、原発は安全なのだからこんなことはありえないと批判された。まあ、これまで原発事故で死んだ人は一人もいないと自民党代議士が仰っていた。東海村の死者は、元々白血病だった人だし、チェルノブイリでも福島でも一人も死んでいないという自民党の発言のほうが正しいのかも知れないが……「新洋酒天国」佐伯敬三　文春文庫　お酒を飲むのに薀蓄はいらない……しかし、こだわりがなければおいしいお酒にめぐり合えない。本当に楽しむには知識が必要なのだ。このどうでもいいことをウダウダと書いた中身、実はかなり濃い。「密売人」佐々木譲　ハルキ文庫　この作者の本も１０冊ほどまとめていただいた。「笑う警官」シリーズ。最初の事件ではみんなが協力しての面白さ。今回はばらばらで活動を始める。殺人が疑われる三つの事件。小学校から連れ去られた少女。やがて、殺された三人の共通点が見つかると、消えた少女も関係があることが分かる……この子を救うためにメンバーが大活躍。「ユニット」佐々木譲　文春文庫　暴行殺人を犯したのに、未成年であったため救われた犯人。妻を殺されて生きがいを失った夫は、犯人が社会復帰をしているのを知って……仕事を見つけて少年への復讐を考える。その職場で出会った女性は、警察官である夫の暴力から逃げてきていた。夫は警察官の立場を利用して妻を追い、迫ってくる。ラストのもつれが実に見事で、二人を雇った社長さんもいい人。心救われる作品。「カウントダウン」佐々木譲　新潮文庫　同じ作者の本を10冊いただいたのが、これで読み終わり。あまりの面白さに一日で読み終えてしまった。北海道のある町が、観光名所をねらって破綻、財政危機を救えるか。市長は責任を回避し、議会もその仲間で、やらせ質問ばかりで市長を養護する。これに立ち向かった男の物語。一応の結末で終わるが、これから先、この駄目な議会との戦いがあり、いかにして町を再生させるのか……問題山積のまま終わるので、続編があっても面白い。「復讐」笹沢左保　徳間文庫　タイトル通り、復讐を主題とする５作のオムニバス。「不安な証言」がなかなかの作品。アリバイ証言を求められるが、相手が自分の夫を奪った女だった。自分の証言一つで有罪か無罪かが決まるとなると……彼女はどういう決断をするのか。事件そのものと自分自身が重なり合うのも面白い。「お嫁にゆけない」は笑えるサスペンス。出来そのものは今一かも知れないが、まあ楽しく読めるのは良い。「ということで、今回はさで始まる作者まで」「１８冊でしたが、ほとんど頂き物ですね」「確かに……今日紹介した中でお金を出したのは４９８０円だけじゃな」「ケチ」

  2014.04.24

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• 最近読んだ本

  「昨年から今年に掛けて、読んだ本の紹介が滞っていた」「散歩の報告が長いからねえ」「そこで、昨年読んだ１２５冊、今年これまでに読んだ４５冊から、これはいいよっていうのだけをご紹介」「合計１７０冊から、いいのはいくつになります」「分からない」「あれ」「また読み直したいなというのを◎、まあ面白かったというのが○、今一だねと感じたものを△、即ごみ箱行きというのが×で評価している」「ということは、◎のついた本だけを紹介するってことですね」「そういうことじゃ」「共震」相場英雄（小学館）　サイン本をいただいた。震災後の復興に尽力していた人が殺された。その陰には震災を利用して儲けようとする人間が……事件以外は全て事実。いや、この事件の基盤になるものも事実かも、と思わせる作品。事件のトリック解明は正直どうでもいい。個々の人間をもう少し掘り下げてもらいたい。「地の轍」相場英雄　幻冬舎文庫　これもサイン本をいただく。公安と刑事の対立だが、二人は警察の先輩後輩で、捜査の初心を教わった。ところが、公安に移って医者を逮捕したために、刑事の娘は死んでしまう。刑事が必死に犯人を追うが、公安は盗聴やら何やらで先手を取る。協力すればすぐ解決と思うが、それでは公安は駄目なのだ。それぞれの正義が違うずれの面白さ。結末をどう読むかは、人によって違うかも知れないが、もう一つのチーム検察も、正義によって動くのだということに、未来への期待も感じさせる。「蒼天に翔る」青島幸雄　新潮文庫　シャボン玉ホリデーの時代を描いた自伝的小説。人物名もパロディで楽しく書かれているが、テレビの世界では新しい物を求めると周りから拒絶される。そうした苦悩まで描いた傑作。「黙示録」池上永一　角川書店　サイン本。沖縄舞踏を描いた作品で、師弟関係、ライバル関係が描かれるが、そこには国内の政治的な対立関係や、日本や中国との国際関係までからむ。最初から「月しろ」について書かれるから、この主人公の非道な、悪辣な、最低の行動まで許せてしまう。家族まで悲劇に陥れる主人公は何をつかむのか。ライバルの関係は見事なドラマだが、真のドラマは……「約束された世界」石川達三　新潮文庫　何でもない出来事の中から、自己の存在を考える。これが純文学だったんだなあ、と思い出させてくれる作品。軽い物ばかり読んでいると麻痺する。演奏会で、自分が行かなくても影響はなく、演奏家はちゃんと演奏する。日常生活もそうした約束事で成り立っているのを確認していく。そのくせ、本人の考えにずれがあって、笑えるものいいセンス。「若き川の流れ」石坂洋次郎　角川文庫　ちょっと心理描写が浅いように見えるが、全体として青春群像を描き出すのはおみごと。なるほど、本文では全く説明もないのだが、「川の流れ」ということになるのだ。「大江戸を考証する」稲垣史生　旺文社文庫　上野、谷中からぐるっと回って浅草、吉原へ……散歩でよく行く通り道なのだが、絵おdの町がいかに発展し、衰退したのかを知る貴重な資料。またこれを読みながら散歩をしたい。「琵琶湖周航殺人歌」内田康夫　講談社文庫　何度もドラマ化された傑作。なるほど、いい作品だね。ちょうど昨年３月に舞台となったホテルに泊まり、クルージングも楽しんだので、余計に親しみを感じたのかも。どうでもいい場面で作者がちょろちょろと話題になるのも悪いセンスではない。「釧路湿原殺人事件」内田康夫　中公文庫　シリーズものとは知らずに読んだのがよかった。新婚の夫が疑われた殺人事件を妻とその両親が追う。推理が始まってからの展開は素晴らしいテンポで、快感を感じるほど。「芸の世界　百話」宇野信夫　廣済堂文庫　名優、名人の芸について語ったこと、心に残る言葉、芸人のエピソードなど色々収められている。残念なのは、懐かしい思い出の人々であり、現代の芸に生きるかどうか……時代は変わったなという感が強い。「ＭＣエッシャー」　青幻舎　お馴染みのだまし絵や不思議絵を集めた絵葉書文庫。見ているだけで面白い。ブックフェアで半額で購入。ここまで挙げた中で一番高い。「狐狸庵うちあげばなし」遠藤周作　集英社文庫　この作者の本を１０冊ほどいただいて一気に読んだ。ユーモラスな自伝。さすがということかな。いい加減に生きているようで、意外に真剣な人生。「古今百馬鹿」遠藤周作　角川文庫　タイトル通り、書かれたのも馬鹿なら、書く方も……つまり読む方も……あれ……口絵の写真がご隠居を演じていて、ダンディな遠藤周作ではなのがたまらない」「闇のよぶ声」遠藤周作　角川文庫　四人の従兄弟の一人が十年前に失踪した。この年二人目、三人目が消える。最後の一人は……サスペンスと心理的トリックが交錯するが、読んでいて違和感を感じる。実はその違和感が、謎を解く鍵なのだが、とても見抜けないだろう。清張ばりの社会派推理といってもよいが、意外な罠があり、さすがに文学的表現にうなずく場面も多々。「何でもない話」遠藤周作　講談社文庫　何気ない日常の中で、自分を見つめなおすというのが純文学の世界。表題作の主人公は、テレビディレクターであるが、同僚は酔うと戦争で人を殺したという体験を語る。関係した女と一緒に暮らそうとした家の近くには、昔取材した母親殺しの犯人が子供を持って暮らしている。そして、自分も、子供をおろすことで人殺しになってしまう。「地獄からの生還」大藪春彦　光文社文庫　ウェポン・ハンターのシリーズ。病気で時々体が動かなくなる主人公、死んだはずの無二の親友が生きているらしいことを知り、ヴェトナムへ潜入する。これに主人公を裏切って会社を乗っ取った男もからみ、いよいよ戦いが……日本の作品にないスケールの傑作。「芸術と青春」岡本太郎　光文社文庫　青春時代の記録。随想を集めたものなのだが、もう小説といってもいいレベルの高さ。素晴らしい文章を書く人だったんだ。もちろん両親のこと、仲間のこと、芸術について書かれたものは奥深い。「以上、作者の五十音順に、おまででございます」

  2014.04.23

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• ぢい散歩の予定

  「長らくぢい散歩でやってきましたが、地井さんのファンからパクリだと苦情が来ました」「そりゃ来ますよ」「実は録画中に地井さんと会って、私なら爺さんだからぢい散歩ですねと言ったら、面白いよ、でも年下じゃないかって……それで番組が終わったら使ってもいいよって……」「そんなこともあったんですねえ」「それでも苦情が来るから、次回から名前を代えます」「え……衝撃の発表……何という名前になるんです」「爺さんであることは間違いないから、Ｇ散歩」「……ほとんど変わらないなあ」「問題はジャイアンツファンだと誤解されることじゃな」「大家さんは王貞治のファンなので、ジャイアンツは大嫌いなのです」「落語中心なのでＲ散歩」「最近落語は出ていませんよ」「綺麗な絵画や景色を見て、苦しくてきつい散歩なのでＫ散歩」「何となく間抜けな感じ」「じゃあ、越智健の頭文字でＯＫ散歩」「大家さん、何でもありなんだから……その辺が正解かな」「では、そういうことで、ＯＫ散歩、ゴールデン･ウィークの予定をご紹介」「参りましょう」４月２７日（日）　日暮里駅を９：４５頃に出発。森鴎外記念館（鴎外と演劇の展示）、岩田専太郎コレクション（美人画・挿し絵の原画展）、根津神社、お化け階段、弥生式土器発掘の地、弥生美術館（挿し絵のお宝）、夢二美術館（肉筆コレクション）、横山大観記念館、上野公園へ出て、国立博物館（栄西と建仁寺）、東京藝術大学美術館（法隆寺展）、日暮里駅まで……上野か鶯谷へ出るのは自由。　要するに前半は文学と絵画、後半は仏教美術。集合までと解散後の交通費を除いて５５５０円……当日割引があるかも知れません。昼食別。　歩くのは６．６キロプラス美術館などの中。５月３日（土）　９：３０頃、両国駅をスタート。江戸東京博物館（大江戸と洛中）、六本木へ移動してサントリー美術館（びっくり江戸絵画）、国立新美術館（国展）、乃木坂まで……六本木から帰るのは自由。　江戸時代と現代の組み合わせで、六本木まで戻って森美術館は自由に。またご希望があれば太田記念美術館の広重ブルーと題した浮世絵展に案内します（別途７００円プラス交通費）。集合までと解散後の交通費を除いて３６００円……現時点で８００円の割引があります。交通費が２６０円と昼食は別途。　歩くのは２キロプラス美術館の中。５月４日（日）　９：２０に神田駅をスタート。国立公文書館（高度成長の時代）、国立近代美術館（ＭＯＭＡＴコレクション）、同工芸館（花）、皇居東御苑、三の丸尚蔵館（近代京焼）、出光美術館（日本画）、ブリヂストン美術館（チャイナドレス）、日本橋高島屋（野見山暁治）、三井記念美術館（明治工芸）、オープンしたばかりのコレドなどは自由に……神田駅まで。東京駅やメトロも可。　集合までと解散後の交通費を除いて３１００円ですが、現時点で７００円の割引が約束されています。　歩くのは４．５キロ。

  2014.04.22

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  ぢい散歩２２「佐倉」

  「ぢい散歩、第２２回は、千葉の佐倉へ参りました」「風車が見えますね」「佐倉チューリップまつり。印旛沼のほとり」「どうやって行くんです」「京成臼井駅から２キロ半歩く」「大変ですね」「車で行くと、一応駐車場があって、５００円じゃが、入るのに４０分以上はかかる」「２キロ半歩くのと全く変わりませんね」「現在は佐倉駅から送迎バスが走っております」「大家さんが行った時はまだ走っていなかったんですね」「関東最大のチューリップまつりになった」「はい、テレビでも紹介されましたね」「我が家から利根川を渡ってすぐの所も有名じゃが、最近は行っていない」「ここではどうでもいい話題」「色とりどり」「はい。ピンクに白が可愛いですね」「こちらは形が面白い」「色んな種類があるんですねえ」「日本には千種類もあって、このまつりでは６００種類以上が登場する」「これも面白い形です」「色合いは同じようじゃが、いい感じなので……」「はい」「こちらも色合いの面白さ」「はい」「色々な種類があって、入れ替えもあり、同じ種類でも次々に新しいのを植えているのじゃ」「すごいですねえ」「全部ご紹介できないので、このへんで……」「終わりますか」「ミッフィーちゃんに登場いただいて……」「なんでそうなるの」「こちらは小学生が育てたもの」「色を分けてないんですね。これもいいなあ」「なお、オランダの衣装の貸し出しもあり、イベントもございます。わしが行った時は猿回しが……」「猿回しは、この間もやっていましたね」「今年は猿と縁がある」「変なの」「後は５００円で、自分で好きなチューリップを１０本掘って持ち帰ることができます」「大家さんもやりましたか」 「今ベランダで満開じゃ」「まとめて紹介しているな」「歩いたのは、万歩計で６５００歩、５キロと出ている。午前中に墓参りに行った分も含む」「車での移動ですからね」「使ったお金は、駐車場、昼食、お花代、それぞれ５００円」「ということで、報告を終わります」

  2014.04.21

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  ぢい散歩２１「つくば」：その２「松見公園周辺」

  「ぢい散歩、つくばを歩いております」「ＴＸの駅から中央公園を経て……」「桜並木を散歩」「いいですねえ」「これも」「ほら、ほめるとすぐ調子に乗るの」「松見公園へ到着」「池と桜の組み合わせがいいですね」「対岸の枝垂れ桜」「これもいいなあ」「実は、この下はおトイレ」「あら……」「公園から出た所で……」「これも桜……同じような写真ばかりですね」「おいおい、他と違うぞ。よく見ろ」「え……どこが」「鳥がいるじゃろう」「あれ……まるでパズルだね」「ここも明るいので、いい桜が撮れるぞ」「結局同じような写真に……って、また何か仕掛けがありますか」「何もない」「ないのかよ」「さあ、目的地のメディカル・センター」「え……何です」「これから皆さんで人間ドック」「ええ……」「こちらが健康料理」「大家さんは何でも食べるのが目的に見えるねえ」「甘鯛の鱗焼がメインで、甘鯛の皮側を油で焼いて鱗を逆立たせ、それからオーブンで焼いてある。ソースは味噌、味醂、日本酒、醤油、エノキタケとシイタケ、ブナシメジが入っているようじゃ……他に何か入っていたかな……あとは酢の物、お浸しその他。味噌汁は京花麩、小松菜、ねぎ」「ううん、どうでもいい紹介」「結果、どこも問題ありませんと言われたが、もらったデータでは評価がＣじゃった」「あれ……」「Ｄはすぐに精密検査をしなさいっていうものじゃ……どこが問題ないのじゃろう」「さあねえ……まあ、大家さんだからどうでもいいけどね」「帰り道。取手駅から我が家まで、１．５キロは銀杏並木。その先、約４キロの桜並木が続く」「茨城県では、たった１キロで関東を代表する桜並木があるって宣伝していましたが、こっちの方がずっといいですね」「植えられてから成長するまで少し時間があったから、県では認識していないのじゃろう」「はい」「一つだけ欠点を挙げれば、道路沿いじゃから、酒や料理を楽しめないことじゃな」「はいはい」「ということで、まだ続きます」「同じような写真が続きます」「最後に、我が家の庭の桜」「ううん、結局どうでもいい報告で終わります」「歩いたのは、万歩計で８２００歩。６．５キロと出ている。尚、人間ドックの間は外しているので、後１０キロは歩いているはずです」「ないない」「使ったお金はゼロ」「ケチだねえ……人間ドックは」「スポンサーのご厚意により……」「ひどいね」「以上をもって、つくばのぢい散歩を読み終わりと致します」

  2014.04.20

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  ぢい散歩２１「つくば」：その１「中央公園周辺」

  「ぢい散歩、記念すべき第２１回は、つくばの散歩」「何回でも記念なんですね」「観光したい県の全国最下位になっている茨城で、一番行ってみたいというのがつくば市」「全国的には水戸かここでしょうね」「その程度じゃあ、全国的には今一じゃろう……だから最下位なのじゃなあ」「そうですねえ」「わしの職場のある土浦もそうじゃが、水戸なども、一度行ったら二度と行きたくない観光地じゃな。梅の名所、偕楽園でも、また行きたいと思わせてくれない。観光地としては失格じゃな」「そうですか」「笑えるのは、行ってみたいアンケートで堂々のベストスリーにつくばみらい市が入っている。いやあ、投票した人は、つくば市と勘違いしたか、名前だけで実態を知らないのじゃろうなあ……かっかっか……」「水戸黄門みたいな笑い方になっているねえ。住んでいる場所をそんなに悪く言うものじゃありませんよ」「いや、格さんも聞きなさい、助さんも聞きなさい。そもそも殿様商売でやって来た土地で、今流行りのおもてなしの心に欠けているのじゃ」「そうかも知れませんね」「ということで、本日はこれぎり……」「大家さん、まだ何も紹介していませんよ」「あれ……どうなってるんじゃろう……話をそらさないでよ」「誰がそらしているんです」「写真はＴＸの筑波駅から中央公園の方に上がった所。ここから北へ向かいます」「これは桜が満開ですね」「４月の初めじゃったからなあ……写真は椿と桜の競演」「ううん、どうでもいいなあ」「中央公園。右のロケットから中央のプラネタリウムまでがエキスポセンター、左の水中に浮かんでいる白い建物が市民ギャラリー」「お馴染みの光景ですね」「市民ギャラリーの中の西部劇の彫刻」「誰の作品です」「え……ああ、時間がないから、次行こう」「適当なんだから」「毎年この時期しか訪れない、さくら園。昔の建物が残されている」「竈（へっつい）さんで沸かしたお茶をいただいていますねえ……ただで」「筑波大学と筑波学院大学は桜がいっぱい」「いいですね」「この日はロボット体験もやっていた……何と、参加していたのが友人」「そういうこともあるんだ」「さあ、これから毎年恒例の松見公園へと参りますが……なぜか文が長くなったので、次回に続く」「なぜかって……大家さんの余計な話が長いんです」

  2014.04.19

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  ぢい散歩２０「田園都市線」：その５「町田さくらまつり・多摩川」

  「さあ、町田市立版画美術館を出ると、目の前が公園になっている」「はい」「ここでさくらまつりが行われていた」「キャラクターがいますね」「町田のサッカーチーム、ゼルビアのマスコット、ゼルビーじゃ。市の鳥であるカワセミをモチーフとしているな」「はい」「それから猿回し、お猿さんのご挨拶」「人間は出てこないね」「一応人間……以前上野でお目にかかりましたねえ」「紹介がいい加減」「ヤクルト」「どうでもいいのばっかり」「昔のヤクルトといえば、おばさんがマスコットだった」「みなさん、嘘ですよ」「抽選会でこれもらった」「へえ、誰でも抽選できるんですか」「地元の方のみって言ってたな……自宅に忘れたと言ったら、引かせてくれて、見事に当選しちゃった」「ひどいね」「ちなみに当たりはこのストレス解消ボール、文具など。次は飴とかティッシュ」「はいはい」「公園の水車」「回るんですね」「柱が回転していて、二つが鹿威しのように水がたまると回る。別々の動きをするから、変化が面白いね」「結局祭って、変なのばっかり紹介していますね」「まあ、後は屋台でビールと焼き鳥をいただいて……」「やっぱり」「さ、帰ろう」「すごい階段ですね」「全体が公園なのじゃ。上るのが嫌なら、この公園をぐるーっと回らないと帰れない」「大変だあ」「田園都市線の旅でしたが、ここから小田急線へ。さあ、多摩川へ出たぞ」「早いねえ」「和泉多摩川駅から多摩川の土手をお散歩するのじゃ」「まだ歩くんですか」「多摩水道橋、わしと同じで還暦を迎えた」「遺跡ですねえ」「上流の方」「雄大ですね」「例年初日の出を見るのがこの河川敷」「へえ」「全部桜並木なのじゃが、ちょっと早かった」「はい、３月末の散歩でしたから」「住宅地の方が咲いていたなあ。バス通りなどはもう満開」「はい、２、３日後なら土手も満開だったでしょう」「とまあ、こんな程度で本日の散歩は終わり。　歩いたのは、万歩計で２万と８００歩、１７．１キロと出ている。　使ったお金、木戸銭はスポンサーのご好意で無料。わしの使ったのは、浮世絵などの図録が１２００円。絵葉書などのグッズが２９４０円、お祭りの出店で古本を買ったり、飲食など全部で２４３０円。交通費は、用賀駅までと京王線か小田急線の最寄り駅からを除いて８４０円。ただし調布または狛江までバスを使えば後２００円。わしゃ茨城からじゃから、実際には１７６０円掛かった」「けちだねえ……はい、以上で報告を終わります」

  2014.04.18

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  ぢい散歩２０「田園都市線」：その４「町田市立版画美術館」

  「さあ、ぢい散歩、田園都市線の旅は、町田までやって参りました」「大変ですねえ」「もし車で走ったら、我が家から約100キロ」「どうでもいい話題だねえ」「写真はことばらんど。今は子供たちのための展示なので省略」「はい、次へ行きましょう」「今回の目的は町田市立国際版画美術館」「はい、見学しましょう」「中も広々として……」「どうでもいい写真からだね」「三代豊国と歌川派という展覧会、美人画を中心に」「いいですねえ……三月いっぱいで終了しております」「記念スタンプも」「あ、二色刷りの版画になっているんだ」「明治の新しい美人画」「パラソルと本が印象的ですね」「着物も中に何か着ているなあ」「本当だ」「こちらも近代版画」「花見ですね」「ちょっと小さいが、奥に見える建物で、上野の山ということが分かる」「へえ」「こちらは江戸の浮世絵で、団十郎」「待ってました」「これは見ても分からないね」「何です……」「源氏物語の須磨の巻」「完全に江戸絵画ですね」「これは浮世絵版画の店で印刷をしている様子」「へえ、美人ばかりが働いていたんだ」「これは絵空事。本当は男の仕事だったが、浮世絵として美人画にしたのじゃ」「なるほど」「さあ、以上で見学はおしまい」「ぢい散歩、これで読み終わりですね」「ところがギッチョン、まだ続くのじゃ」「ええ……」「次回のお楽しみ」

  2014.04.17

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  ぢい散歩２０「田園都市線」：その３「内田奈織演奏会」

  「田園都市線の散歩、多摩プラーザ駅へ参りました」「ハープが見えますね……って、もうお分かりでしょう」「今日は内田奈織ちゃんの演奏会じゃ」「表ですね。いい天気で良かった」「翌日は別の場所じゃが、大変な雨風だったからねえ」「大変だったでしょう」「まあ、翌日は最初から屋内の予定、ここも天気が悪かったら屋内で開催じゃったが、１時間ほどで日に焼けたな」「すごいね」「演奏は星に願いをから」「お馴染みです」「いつも何度でも」「これも」「グリーンスリーヴス」「ハープらしい音をいかした曲ばかりです「さくらさくら」「今度はお琴のイメージで」「ヘンデルとバッハ……曲目は違っていたが、私を泣かせて下さいじゃった」「はい、クラシックも登場」「ビギンの花」「歌謡曲も……曲も色々、季節に合わせていますねえ」「とまあ、こんな具合で、演奏会はおしまい」「後は例によって記念撮影ですか」「この度、ＣＤやＤＶＤで３２枚目になる『くつろぎのハープ』が出ました」「はい、もちろんサインさせていますね」「まあ、前のＣＤにもサインさせて……あと４枚サインさせないと……」「はいはい、迷惑ですねえ」「画像はいただいた色紙でございます」「いいですねえ」「さあ、ということで、次の目的地へ」「忙しいね……続く」

  2014.04.16

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  ぢい散歩２０「田園都市線」：その２「五島美術館」

  「さあ、田園都市線途中下車の旅……」「どっかのパクリばっかり」「今回は五島美術館へ参りました」「はい、写真は……」「銅鏡じゃな、四神が描かれているのが面白い」「守り神ですね」「こちらは壺」「いいデザインですね」「昔の物はすごいね……まあ、いい物が残されて来たのじゃろうが」「本当に」「第二展示場に入ると圧倒されるのがこの仏像」「これもいいデザインですねえ」「この美術館は、紫式部絵巻で有名」「ほう……大家さんは文学が好きなので、こういう作品には注目致します」「さあ、庭園へ出よう」「ここは庭も見どころですね」「外にも仏様やお地蔵さまが沢山」「へえ」「これなんか、いいポーズじゃろう」「はい」「こちらは辛夷（こぶし）が盛り。鶯が来て鳴いていたぞ」「ほう」「辛夷の向こうに桜、その向こうに枝垂れ桜」「すごいですねえ、その先の松もいい」「枝垂れ桜をアップで」「はい」「この五島美術館、上野毛駅から歩くのですが、庭園の裏庭から出ると、二子玉川駅と上野毛駅のちょうど真ん中辺り」「はい、出られますが、入ることは出来ません」「まあ二子玉川まで歩いて一駅節約……電車賃は変わらないので、ケチで歩いているのではないぞ」「そういう説明をするのがケチなんです」「ということで、次の目的地へ行こう」「続く」

  2014.04.15

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