名作落語大全集

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１７「清水寺」

  「ぢい散歩、京都のスペシャルも最終日を向かえました」「今回も最後は清水寺ですか」「朝から雪の予想が出ていたが、わしは晴れ男じゃから……昨日も大雪の予想が外れて一日晴れ。今日は大雪の注意報から警報まで出ている」「すごいね」「まずは参寧坂、俗にいう三年坂じゃ。ここで転ぶと三年で死ぬという」「本当ですか」「ちょうど十年前になるか、同僚を一人転ばせたが、残念ながらまだ生きている」「残念でした」「左のお店が有名な七味唐辛子のお店」「はい」「さあ、清水様じゃ」「はい」「舞台はいつも出ているから、今日は裏の石仏群」「ううん、どうでもいいなあ」「こちらがお馴染み、縁結びの神、京都で一番人気になったことも」「はい」「音羽の滝」「これは定番……でも、やっぱり舞台を出さないと納得しませんよ」「そうか……」「じゃあ、これ」「下からですか」「しょうがない、こちらで」「結局パノラマでごまかしですか」「まあ後は庭園、アルテイの顕彰碑などあるが、省略」「はい」「ということで、いよいよ最後の目的地まで参りましょう」

  2014.02.24

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１６「東本願寺と渉成園」

  「さあ、今日は東本願寺さんへ」「参りましょう……って、写真は」「親鸞さん。本願寺さんは親鸞さんのお寺」「はい、例によって適当に始まります」「本堂と御影堂門は修復中。大々的な工事になるね。来年末に完成予定」「大修理ですね」「わしの先祖は明治末期に、この門を修理するために家屋敷を売り払い、大正時代の急激な物価高で全財産を失ってしまった」「はい、それでケチの大家さんが生まれたのです」「とりあえず写真の建物で読経して来た」「どうして東と西があるんです」「元は西だけじゃった。だから世界遺産になった。これが豊臣家につながっていたので、徳川が東を作った。歴史が新しいが、木造建築として本堂も門も世界一の大きさじゃ」「すごいですもんねえ……残念ながら来年末まで待ちましょう」「外のお堀と塀。ごらんの通り、ソーラーを使っているぞ」「進んでますねえ」「いただいたキャラクターノート」「あれ……」「やっと念願だった附属の庭園、渉成園へ行けた」「はい、門が見えますね」「奥に見える石垣がまず見事じゃ」「中へ参りましょう」「建物から庭を眺む」「いいですねえ」「橋などの人工物と、自然の山水が調和する」「見事な作りですねえ」「建物」「面白いデザインですねえ」「自然……紹介したい写真は何枚もあるが省略」「はい」「句碑も三つ並んでいる。　　愕然としてひるねさめたる一人哉　碧梧桐　　勿体なや祖師はかみこの九十年　　句仏　それから写真のものが、　　独り句の推敲をして遅き日を　虚子　これは先の句仏の十七回忌の作じゃ。虚子はこういう挨拶の句は名人じゃな」「はい」「さあ、ここから旅館まで５分」「近いね」「今日歩いたのは万歩計で２４０００歩余り、１９キロと出ている。これだけ歩いても志望は６６グラムしか燃焼されていないというのは可笑しいなあ」「知りません」「さて、今日使ったお金は、東福寺の木戸銭が８００円、風俗博物館が５００円、渉成園は５００円以上とあったが……」「大家さんは門徒だからもっと出しましたね」「ちょうど５００円」「ケチ」「ケチじゃないぞ、一緒に海外の方をお連れして、その木戸銭も出しているのじゃから」「偉そうに……」「昼食は奮発して１８００円プラス税、駅ビルの地下で買った土産が５０００円。その他は絵葉書、お賽銭など、全部で８５０円」「はい、いよいよ最終日に参ります」

  2014.02.23

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１５「西本願寺と風俗博物館」

  「京都の旅、三日目の午後は二つの本願寺さんへ」「まずは西本願寺ですね」「こちらは世界遺産。じっくり見るとさすがに見応えもある」「はい、今日はパノラマ写真でおしまいですか」「こちらが新撰組の駐屯所に使われた建物」「これも毎度お馴染みのって感じ」「さあ、すぐ近くにある風俗博物館へ行こう」「ここはお久しぶりですね」「人形で源氏物語の世界を再現してある。これは『若菜』の巻じゃな」「へえ」「男達が蹴鞠をしているが、光源氏は、着物が乱れたりして乱暴なスポーツではあるが、やはり見ていて面白いという評価をしている」「はい」「息子の夕霧と共に蹴鞠を見ているが、最後の妻である女三宮もはしたなく、のぞき見している」「あ、左奥に女性が見えますね」「この後飼っていた猫が御簾を引っ掛けて彼女の姿が男達にさらされる。それを見た柏木が彼女を慕うようになり、過ちにつながっていくのじゃ」「へえ、名場面ですねえ」「こちらは音楽を楽しむ様子。紅梅の奥に見える御簾内に光源氏はおいでになる」「見えないんだ」「肉眼でも、写真でもアップにすれば白い着物を着ているのが分かるぞ」「へえ」「双六を楽しむ様子。着物や髪の描写が見事」「へえ」「こちらは源氏の正妻であった葵の葬儀の様子」「悲しみにくれる女性たちですね」「喪服の男性などもあるが省略」「はい、残念」「こちらはその前の場面。出産の様子」「一番奥が産屋になっているんですか」「その他象徴的な場面が描かれていて、ストーリーを知らなくても、平安時代の一場面と思えば楽しめる」「すごいですねえ」「建物は六条院を再現している。源氏が建築して四季の庭をデザインしたが、これはもともと藤原道長の邸宅をモデルとしているという」「へえ。そこに物語を再現する形で人形が置かれているのじゃ」「なるほど」「人形はもちろん、着物がすごいね。人間の着る物の端切れで作れそうじゃが、それでは柄が大きくなりすぎる。人形の大きさに合わせて織ることから始まるのだそうじゃ」「大変だあ」「今回は海外からおいでになった人達に着物を体験していただいた。ついでにわしも」「光源氏ですか」「いい男だからぴったりじゃな」「はいはい」「ということで、次回は東本願寺へ参りましょう」

  2014.02.22

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１４「京都駅」

  「さあ、ぢい散歩スペシャルは京都へ来ております」「例によって歩き回っていますねえ。で、何ですか、この写真は」「京都駅ビルに写った京都タワー」「ややこしい写真出すな」「例によって高い所まで参ります。1階から11回までつながるエスカレーター」「すごいですねえ」「脇の階段もすごい。逆光なので見にくいが、虹のように色違いのライトが付いている」「あ、すごい」「まあ、ここは伊勢丹地下でお買い物。京都のお土産が何でも手に入る」「何を買いました」「わしの土産では一番人気が茶の菓、これはちょっと高いのでなあ……　二番が抹茶コルネッタ。三位が八つ橋」「一応気を遣って土産買っているんですねえ」「こうして一番上まで来た」「エスカレーターの更に上ですね」「大空広場、葉っぴいてらすと呼ばれている。ここからの景色もお勧めじゃが、ちょっと風があった」「はい」「やっぱり雨や風に影響されない、空中径路がお勧めかな」「そこからの景色……京都タワーですね」「中心にある屋根の形の白いのが現在修復注の東本願寺。世界一の木造建築じゃ」「はい、清水寺から祇園までも見ることが出来ます」「まあ、それも毎度ご紹介しているから、食事に行こう」「はい、参りましょう」「豆腐の料理。御飯のようなのも、左のシチューに見えるのも、全部豆腐のお料理」「すごいね」「何しろ、今回は宿の食事が、悪くはないが、京都らしいものが無かったので……」「お昼に奮発するしかありませんね」「デザートも抹茶の豆腐ムースケーキ。コーヒーは黒豆が使われていた。まあ、面白かった」「いいですねえ」「さあ、そういうことで、午後は本願寺へ行くぞ」「はい、続きます」

  2014.02.21

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１３「泉湧寺と楊貴妃観音」

  「ぢい散歩、東福寺から泉湧寺へ行こうと思います」「参りましょう」「バス停まで６５０メートル、わずか２６５メートル先の停留所で降りて７７５メートル」「合計１６８０メートル、歩くのが１４２５メートルですか。全部歩いてもいいね」「それがバス通りまで行かず、裏道を歩けば直通で１１８０メートル」「あれ……断然近いね」「人生とはそういうものじゃなあ」「どこがですか」「まあ、途中をぶらぶら見物しながらなので、ただ歩くよりはいいね」「そうですね」「さあ、山門。この寺は山門から坂を下って行くという特殊な作り」「へえ……そういえば、門の奥に白く写った屋根が見えますね」「あれが本堂に当たる仏殿じゃ」「へえ、ほんどうですか」「実は仏殿が修復中なので、無料で入れた」「あ、けちな大家さんにはラッキー」「でも、ご覧の通り、写真にしてもあまり有難くないね」「残念ですね」「その裏側。中を修復しているので、頭上足下に注意。でも、お陰で仏様をぐるっと一回り全方向から見られる」「いいですねえ」「建物は1668年に徳川家綱が再建した物。他の建物もほぼ同じ頃に作られた」「なるほど」「舎利殿。その他奥の建物は明治時代に焼失して明治天皇が再建された。たまたまこの旅行の前後に読んだ小説で、江戸時代の法王がこちらにお住まいになっていてという話が出て来て興味深かったな」「大家さんはそういう偶然が多いですねえ」「奥の庭園」「はい、見所は沢山」「さあ、山門の脇にある楊貴妃観音に参ろう」「楊貴妃ですか、美人なのでしょうね」「はい、こちら。玄宗皇帝が、楊貴妃の菩提を弔うために作ったという言い伝えがあるな」「へえ。顔は楊貴妃の顔なんでしょうか」「まあ、美しいからそういう伝説も生まれたのかも知れないが、よくご覧。鬚が生えているじゃろう。観音様は男なのじゃよ」「え……あ、本当だ」「女の観音様というのはない」「そうなんだ」「さあ、この周辺には色々な社寺もございますが、後は省略」「すみませんね、いい加減で」「すぐ近くの悲田院。東福寺から歩いて来るなら、ここを通るのがお勧め」「聖徳太子が作ったというが、1308年に一乗安居院に再建、1646年に現在地に移った。阿弥陀仏は快慶の作と伝わる」「へえ」「こちらは参道にある戒光寺。後水尾天皇が東宮であった時、暗殺されかかるのじゃが、代わりに倒れて地を流していたのがと丈六（５．４メートル）の釈迦如来。その後無事に即位され、こちらに祀った。身長が丈六以上、光背まで10メートルになる作品じゃ」「へえ、すごいね」「新撰組に襲われた御陵衛士、伊藤甲子太郎らの墓もあるのじゃぞ」「へえ」「はい、まあこんな感じで、京都駅へ戻って昼食にしよう」「はい、もうよく歩いた半日でした」

  2014.02.20

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１２「東福寺・八相の庭」

  「東福寺の散策を続けております」「今日は方丈と八相の庭ですね」「残念なのは、明治の火事で焼け、再建されたということ。しかし、お陰で現在の木造建築のいい所を取り入れた新しいものになっている。四方に庭園を造ったという例は他になりが、昭和14年になって完成したもの」「でも、室町時代の雰囲気を感じますね」「こちらが八相の庭」「石がすごいね」「見る場所によって世界が変わるんじゃな」「だから八相ですか」「建物を撮ったら偶然移っていた。近隣のお坊様が集まって立春の読経をなさっていた」「多くの坊さんが唱えるとすごい迫力でしょうね」「庭を別角度から」「きりがないね」「前回紹介した通天橋を望む」「いらない爺さんがいるなあ」「裏側の庭園」「ほう。これも面白いね」「さあ、法要が終わって坊様達がお帰りになる」「はい……って、庭がメインでしょう」「鐘堂」「まだお坊様がいらっしゃいますね」「ついでだから前回紹介した臥雲橋」「ねらっているな」「はい、反対側から」「ううん、どうでもいい写真ばかりだな」「とまあ、そういうことで、特にお経を聞いたのは素晴らしい体験でした」「次回はどこへ行きますかねえ」「続く」

  2014.02.19

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１１「東福寺」

  「さあ、ぢい散歩、京都伏見へ来ておりあす」「おりあすって……あ、酔ってるな」「伏見は酒の名所じゃから仕方なく」「喜んで飲んでるんでしょう」「伏見稲荷から電車で一駅、バスで二つ目の停車場、東福寺へ参りました」「参りましょう」「まずは国宝の三門」「素晴らしい建物ですね」「本堂。最初の写真がこの脇で、入り口からの情景。右側が重要文化財の禅堂」「説明が順番メチャクチャですね」「建物をつなぐ廊下が見事な作り」「ああ、いいですね」「これはまだ序の口じゃ」「へえ」「これが奥の方。通天橋が見える」「遠景ですね」「境内に入る前に庭を遠望できる臥雲橋というのがあるのじゃ」「そうなんだ」「なお、こちらの庭園は有料です」「はい、紅葉の頃は素晴らしいですよ」「その回廊」「すごいね」「重要文化財の愛染堂。南北朝時代のもので、昭和になってから万寿寺から移築された」「へえ」「一番奥の開山堂。これも重要文化財」「庭も素晴らしい感じですね」「はい、リクエストにお答えして」「してないって」「砂の庭と建物」「面白い作りですね」「さあ、回廊へ戻るが、この辺りの足下が、さっきの庭と通じていて面白いな」「どうでもいいところに引っ掛かるのね」「さあ、こちらはまだまだ。方丈と八相の庭へ行こう」「参りましょう」「でも長くなったので、また次回」「続く」

  2014.02.18

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１０「伏見稲荷」

  「ぢい散歩、京都に参りました」「今日はどちらへ」「ちょうど立春でしかも午の日、初午といってお稲荷さんに参拝しなければならないのじゃ」「へえ」「ということで、伏見稲荷へ参りました」「そういう日なら人も多いかと思いましたが、さほどでもないですね」「実は広いから散らばっただけ。大変な人出だったのじゃ」「へえ」「お狐様」「お稲荷さんのお使いですね」「これも」「りりしいね」「こちらも」「狐ばっかりかよ」「こちらの名物は千本稲荷」「はい、くぐって進みます」「右折する道」「はい」「今度は左折」「同じじゃないですか」「そうじゃったな。写真を反転すれば、１枚ですんだ」「しょうがないね」「こちらは伏見稲荷の境内にある別の神社、東丸神社。江戸の国学者、荷田春満（かだのあずままろ）が祀られている」「学問の神様ですか」「ご覧の通り、絵馬と千羽鶴が」「沢山ありますね」「こちらはＪＲ伏見駅にあるランプ小屋。明治12（1879）年、騎射の照明に使ったランプと灯油を保存していた。旧国鉄が使った建物で最も古いもの」「へえ」「16坪で、当時の時刻表や運賃表を展示しているが、今日はとにかく初午で大変だから見学は省略」「はい。それほど混んでいなかったと思いますがねえ」「いやいや、ご覧の通り」「わ、すごい」「電車が来ると人が押し寄せる。駅を出て横断歩道を渡るから、混雑すると改札まで塞いで……結局奥まで人の列」「大変だあ」「わしはバスで来た。その方が値段が高いのじゃが、わしは１日パスなので」「はい」「最後に、駅前にあるお狐様」「結局最後も狐なのね」「次回に続く」

  2014.02.17

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その９「金閣寺」

  「ぢい散歩スペシャルは京都へ。金閣寺へ参りました」「お馴染みの写真ですね」「おいおい、とんでもないぞ」「え、何か違いますか」「一番下。今日は節分で部屋を開け放ってあるのじゃ」「あ、本当だ」「絶景ポイントからの景色」「これも自然との調和はありますね」「銀河泉。足利義満はこの水でお茶を入れた」「へえ」「巌下水。ここはお手洗いの水じゃ」「へえ」「こちらは龍門の滝」「龍門といいますと……」「鯉が滝を登って龍に変ずる。その滝じゃ」「へえ。そういえば立て札に鯉魚石ってありますね」「下の石を鯉の形に見立てたのじゃなあ」「なるほど」「こちらが茶室じゃな。夕佳亭という」「なるほど」「不動堂を経て外に出る」「塀はどうでもいいでしょう」「こういうのが風情を感じるの」「あ、そう」「さあ、大文字の山を見て……」「はい」「この日の予定終了」「あれ……」「尚、初日歩いたのが１７０００歩、１４．２キロ。２日目の今日歩いたのが１５５５５歩、１４．３キロと出ている」「あれ、歩数は違うのに距離は逆転していますね」「この辺りはよく分からない。機械任せにしておくと奇怪なこともあるから、機会があったら調べよう」「しょうもない洒落」「はい。ではまた明日」

  2014.02.16

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その８「銀閣寺」

  「はい、奈良から京都へ参りました」「忙しいですね」「この日は金閣銀閣との戦い」「それじゃあ孫悟空だよ」「まずは銀閣寺じゃ」「はい」「修復が終わったな。実は前に来たのが修復の始まる前、２００４年のことじゃ」「丸10年ぶりですか」「金閣寺にならって、銀を貼ろうという計画があったが、資金不足で断念。しかし、金閣が建物中心という印象に対して、こちらは庭園も見事」「はい、いいですね」「砂の山と、最初の写真にある模様が枯山水の雰囲気」「その周りに樹木もあります」「建物との調和も悪くない」「なるほど」「場所によって雰囲気が変わるのが日本庭園の素晴らしさじゃな」「へえ」「さあ、高い所から全景を」「いいですね」「降りて来たぞ」「これもいいですねえ」「さあ、外に出ると、ここから哲学の道が始まる」「そういえば、京都大学も視察する予定でしたね」「なぜか外国から来た観光客が川の工事の写真を懸命に撮っていた」「何でしょう、珍しいんでしょうか」「ま、次行こう」「軽いねえ」「ということで、次回は金閣寺へ参ります」

  2014.02.15

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• ぢい散歩の予定

  「さて、ぢい散歩は雪の影響で予定が全部変わってしまった」「そうですね」「そこで変更したものを再度ご紹介」「はい、どうでもいいね」２月２２日（土）山手線：目黒～恵比寿～渋谷。目黒駅または白金台駅をスタート　自然教育園　松岡美術館（理想郷）　東京都写真美術館（未定）　恵比寿ガーデンプレイス（恵比寿ビール・ビアステーション：見学と試飲）　山種美術館（Kawaii日本美術）　戸栗美術館（鍋島焼と図案帳）　松濤美術館　日本近代美術館　古賀政男音楽博物館代々木上原駅にゴール　全部歩きます。１０キロ、プラス美術館の中。参加費用５千円。２月２３日（日）上野。上野駅をスタート　上野鈴本演芸場（早朝寄席を鑑賞）　下町風俗資料館（女性たちの装いと暮らし）　上野の森美術館（風車の書画・他）　国立西洋美術館（ムンクの版画を鑑賞）　東京都美術館（世紀の日本画・前期）　東京国立博物館（クリーブランド美術館展）　時間があれば書道博物館（中村不折のすべて）上野駅または日暮里駅にゴール　もちろん歩きますが、たった４.５キロ、プラス美術館の中。参加費用６千円。３月８日（土）東京駅東京駅をスタート　東京ステーションギャラリー（プライベート・ユートピア）　出光美術館（板谷波山の夢見たもの）　三菱一号館美術館（ザ・ビューティフル）　相田みつを美術館（念ずれば花ひらく）　フィルムセンター（小津安二郎の図像学）　ブリヂストン美術館（画家の目・彫刻家の手）　時間があれば三井記念美術館（三井家のおひなさま）東京駅または神田駅にゴール　歩くのはたった４キロ、プラス美術館の中。参加費用５千円。３月９日（日）千住から浅草、向島まで歩こう北千住駅をスタート　石洞美術館（仏教の来た道）　千住大橋　眞正寺（彰義隊のお墓）　一葉記念館　池波正太郎文庫　浅草寺　アミューズミュージアム（タッツケ展）　三囲神社　長命寺　桜餅と言問団子　向島百花園（すずめ踊り）東武スカイツリーラインの東向島でゴール　歩くのが１０．５キロ、プラス美術館の中。参加費２５００円「まあ、そんな感じで、スタートまでとゴールからの交通費は含みません。参加ご希望の方はメールで」「ないだろうな」

  2014.02.14

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その７「薬師寺」

  「ぢい散歩スペシャルで奈良をめぐっております」「今日は」「薬師寺じゃ」「はい、参りましょう」「まずは山門」「お馴染みの写真ですね」「目に付いたのがしめ縄」「おお」「三重塔」「こちらも有名ですね」「解体修理中の方」「あ、透けて見えますね」「前回来たのが、最後に中を公開している日じゃったな」「はい、当分見られません」「こちらは門番さん」「これは色彩が施されていますね」「もう一体」「仁王様とはまた違って面白いですね」「踏みつけられた天邪鬼」「あら」「まあ、ここは法話を聞くのがメインなのでこんなもので……」「あれ、写真は」「奈良の観光案内誌の表紙がこちらの仏像だったのじゃ」「へえ」「外には孫太郎稲荷など、小さな神社仏閣もある」「これもいい感じですね」「海外から来られた方に人気なのが、こちらの自販機」「へ……どうしてです」「まず自販機がこれだけ並ぶのが珍しい。それからお寺の周辺は景観に配慮して赤や青の派手な色を避ける」「なるほど」「さあ、奈良はこれぎり。今度は京都へ参ります」「はい、続く」

  2014.02.13

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その６「法隆寺・夢殿」

  「ぢい散歩、法隆寺へ来ております」「これから夢殿へ向かいますが……」「まずはお馴染み、正岡子規の句碑」「はい、柿食へば……ですね」「　柿食へば金は天下の回り物　名句じゃなあ」「それ、ツルゲーネフが混じってますよ」「こちらも国宝の聖霊殿」「はい。妻室、綱封蔵という国宝の蔵もお馴染み、その奥に宝殿があって、百済観音が祭られています」「その前の食堂も国宝じゃよ」「はい、写真は全て省略です」「さあ、夢殿へ向かうが、この道筋に周辺の寺社がいくつかある」「はい、これは……」「屋根の様子」「蓮ですか」「つぼみが大きくなった」「はい」「花が開いて」「おお」「そして終焉」「蓮の一生ですね」「蓮は泥の中から美しい花を咲かせるので、お寺では象徴的に使われる。だからお寺の池は濁っていなければならないのじゃ」「なるほど」「さあ、夢殿が見えて来た」「ううん、門で隠すか」「さあ、礼堂」「正直言ってどうでもいい写真だな」「ということで、メインはこちら、夢殿」「素晴らしい造形ですね」「ま、こんなもので……」「適当なレポートだね」「さあ、こちらは近鉄のカード。ちかてつじゃないぞ」「分かってますよ……でも、まだカードがあるですね」「びっくりじゃろう。消費税が上がるが、関東ではもうカードが普通なので端数まで計算する。関西ではまだ普及していないらしいな、10円単位になるそうじゃ」「へえ」「それなのに、関東のスイカもどこででも使えるのがおかしいね」「わかりませんね」「謎を秘めたまま、次回に続く」

  2014.02.12

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その５「法隆寺」

  「ぢい散歩スペシャル。奈良の二日目」「いきなり太陽ですか」「この日も雪の予想」「晴れ男の大家さんですが、どうでしょう」「今日の最初は法隆寺」「もやっていますね」「山門」「写真も、お馴染みの場所ばかりです」「仁王様、阿の形」「いいですねえ」「吽の形」「両方紹介ですか」「彩色されていたのが分かるな」「なるほど」「金堂」「はい」「鬼瓦」「今回は屋根に注目というテーマを掲げました」「いつもなら回廊の柱の写真を紹介」「そうでしたねえ……今回は省略ですか」「お堂を支える天邪鬼」「へえ」「こちらも」「どこに注目しているんだか」「大講堂。写真に出た三つの建物は全て国宝」「はい、素晴らしいですねえ」「これから夢殿まで行くのもいつもの通りじゃが、それはまた次回」「はい、続きます」

  2014.02.11

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その４「二月堂周辺」

  「ぢい散歩スペシャルで奈良へ来ております」「大仏様にご挨拶しました」「裏へ回りましょう。まずは手向山」「歌にありますね」「そうじゃな……　　このたびは幣もとりあえず手向山……　　から紅に水くくるとは」「あれ……後半違ってますよ」「読んでる人は素人だから大丈夫じゃ」「じゃないって」「こちらが鐘。翌日法隆寺へ行くが、実は句を着想したのはこの鐘」「へえ」「宿で女中が柿をむいてくれていると、頭の上から聞こえるような音から、柿食へば……という句を得たのじゃ」「なるほど」「こちらが四月堂」「上からの写真……二月堂からですね」「三月堂」「はい」「二月堂じゃ」「お水取りで有名ですね」「さあ、上るぞ」「同じような写真ですね」「はい、アングルを変えて真下から」「ううん、どれか一枚でいいんじゃないですか」「上からの景色」「大仏殿の屋根が見えますね」「こちらは多羅の木。この葉っぱが多羅葉」「まるで蟹ですね」「固いもので書くと、その部分が時間と共に色が濃くなる。文字を書いて相手に届けたのじゃ」「手紙ですか」「葉に書くから葉書、ここから出たのじゃよ」「へえ」「さあ、裏参道じゃ」「裏側からの大仏殿ですね」「こちらは歌碑。　　わが背子と　二人見ませば　幾許か　　この降る雪の　うれし　からまし　途中の空白は改行。歌はもちりん、万葉集の光明皇后の歌じゃな」「どうしてここに碑があるんです」「え……次行こう」「しょうがないね。分からないんですか」「さっぱり。ただ、この歌は平城京で、夫である聖武天皇が留守にされていた時の歌だというな。まあ、興福寺の五重塔などを建立し、東大寺も彼女が勧めたので……ま、そんなところで」「適当な解説をありがとうございます」「はい、そういうことで、初日はおしまい」「二日目に続く」

  2014.02.10

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  大雪（わしの記録写真）

  「昨日から今朝にかけてかなりの雪が降った」「大変でしたねえ」「その記録じゃ」「参りましょう」「こちら昨日（８日）の朝９時半」「もう積もっていますね」「朝５時にはまだ降り出したばかりだったのじゃがなあ」「はい」「大変なことになるという強迫で、イベントは全て中止」「はい、夢枕獏さんの対談も中止しました」「写真は午後４時半」「もう真っ白ですね」「こちらが今朝９時」「はい、もうやんでいます」「左端の矢印がスカイツリーじゃ」「どうでもいい紹介ですね」「こちらは北側」「影のように見えるのが筑波山ですね」「午前中は雪かきで終わった。こちらはマンションの下」「すごい雪ですね」「風の影響でこんなのが出来たのじゃろう。砂丘などと同じじゃな。ちなみに元々地面には何もない」「へえ」「雪かきをして作った雪だるま。１メートルほどで面倒になって中止」「適当なんだから」「とまあ、雪の記録として」「お粗末」

  2014.02.09

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その３「東大寺大仏殿」

  「ぢい散歩スペシャルで奈良へ来ております」「今日は大仏様にお参りです」「さあ、大仏殿が見えて来たぞ」「参りましょう」「今回はいろいろな幟が立っていたのが面白い」「ほう……何なんです」「え……次行こう」「適当なんだから」「灯篭、お馴染みの横笛」「これは毎回出て来ますねえ」「わしがフルートを吹くから」「それだけかよ」「さあ、大仏殿。お盆にはこの窓が開いて、外から拝顔できた」「はい、夏に来た時はその前日でしたねえ」「大仏様じゃ」「ありがたい、ありがたい」「これが蓮の花びら」「すごい装飾があるんですねえ」「火炎太鼓」「どうでもいい写真ですね」「まあ、落語にあるから」「いい加減な基準」「脇にある像。虚空蔵菩薩」「ありがたや、ありがたや」「如意輪観音」「ありがたし、ありがたし」「と、まあ、こんなところで次行こうか」「カク……ありがたいって盛り上げているのに、軽いねえ」「続いてはお馴染みの二月堂周辺へ参ります」「また次回」

  2014.02.08

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その２「仏像館と南大門」

  「さあ、なら仏像館に参りました」「仏像の展示ですね」「ほう、よく知っているなあ」「誰だってわかります」「写真撮影は禁止なので、次へ」「早いね」「こちらは森鴎外の碑。ここの博物館の初代館長だったのじゃ」「へえ」「博物館前の鹿さん」「お尻とは失礼ですね」「ほら、これがハートに見えるのじゃ」「どこがですか」「さあ、東大寺南大門が見えてきた」「早いこと」「仁王様が見事」「ほう」「運慶・快慶の作だそうじゃよ」「名作ですねえ」「足の爪まで彫ってあるのじゃ」「そんなところを見るんですか」「こちらは裏の狛犬」「え……何です、これ」「実は大仏殿方向から見て右が雌、左が雄。写真は雄のあそこなのじゃ」「そんなもの撮るな」「さあ、東大寺博物館。開館記念の展覧会に来たが、それが１月で終わった」「はい、中は省略」「こちらは會津八一の碑。　おほらかにもろてのゆびをひからせて　おほきほとけはあまたらしたり　この人は全部仮名で書くから、読んでいてぱっと分からないこともある」「はいはい」「さあ、次回はいよいよ大仏殿じゃぞ」「参りましょう」「また次回」「やっぱりね」

  2014.02.07

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  ぢい散歩６「奈良・京都スペシャル」：その１「興福寺」

  「さあ、今年もぢい散歩スぺシャル・ツアーを企画致しました」「はい、奈良・京都の旅でございます」「参加者は毎日１万歩から２万歩歩くということを承知の上で参加いただいております」「ひどいね」「この日は関西が午前中雨か雪、午後は関東に移るということで、うまく雨をすり抜けて行けそうです」「晴れ男ですからねえ」「まずは新幹線の車窓から」「はい、例によって、どうでもいい写真からスタートです」「まずは興福寺」「ぢい散歩の定番ですね」「毎度毎度じゃな、ほぼ１、２年に１回は行ってるものねえ」「写真は南円堂」「説明は……ないのね」「振り返って東金堂と五重塔を見る。この目の前に南大門があった」「へえ」「奈良の古いお寺は本堂ではなく、金堂と呼びます」「はい、知ってますよ。どうでもいい解説」「五重塔。ここは能楽発祥の地。金堂との間で焚火をして能楽を奉納したのじゃな。世阿弥が大変な改定をして、大名などが催すようになり、他の場所でもやるようになった。一般庶民が見られるようになったのは昭和も戦後のこと」「へえ……って、建物の説明じゃないんだよねえ」「金堂」「鬼瓦ですか」「今回は屋根の部分に注目しよう」「無理にテーマを作っているな」「国宝館のチケット」「おなじみの阿修羅像ですね」「修羅になり切れない修行中。阿とか亜は、それに継ぐとか、そうなれないという意味がある。女の子で亜美ちゃんという名前は可哀そうじゃな」「余計な話ばっかり」「わしは阿修羅さんより金剛力士の方が好きじゃな。こちらが阿形」「はい」「こちらが吽形」「いいですねえ」「こちらが本当に面白いなあ。天邪鬼・龍篭鬼立像」「見事です」「さあ、奈良の散歩はまだ始まったばっかり」「お馴染みのコースですが、続きはまた次回」

  2014.02.06

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• ぢい散歩の予定

  「さて、これからのぢい散歩の予定をご紹介。参加希望の方はメールで」「ないだろうな」２月８日（土）：東京駅周辺「東京ステーションギャラリーを１０時に飛び込もうという計画。『プライベート・ユートピア』を見学。　出光美術館『板谷波山の夢見たもの』、三菱一号館美術館『ザ・ビューティフル』、相田みつを美術館『ただいるだけで』、フィルムセンター『小津安二郎の図像学』、途中の画廊を見物して、ブリヂストン美術館『画家の目・彫刻家の手』、その後夢枕獏さんのトークショーに参加。５時頃に東京駅解散。　歩くのは４キロ半プラス６つの美術館と幾つかの画廊の中。参加費６千円と昼食代。ただし、東京駅までの往復を除く。夢枕獏さんのトークショーは定員があるので、参加出来ない場合があります」２月１１日（火）：山手線西側「渋谷駅を９：５０頃にスタート。渋谷区の郷土博物館の文学館、戸栗美術館『鍋島焼と図案帳展』、山種美術館『かわいい日本美術』、東京都写真美術館（何を見るか未定）、松岡美術館『理想郷』、自然教育園の自然を散策して、白金台駅で４時前に解散。　参加費は木戸銭３８００円のところを３千円で。プラス昼食代。渋谷駅までと白金台からの交通費は含みません。　ただひたすら歩くので、道を歩くのが約８キロ、プラス美術館の中。「１２日（水）には深川散策を企画しておりますが、いつもの通り。どれも天候によって変更もありまする」「はい」

  2014.02.05

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その７「万世橋と落語会」

  「さあ、長い長い散歩もいよいよラスト。こちらが万世の橋」「お馴染みですね」「向こうには鉄道博物館があったが、今は消えてしまった。橋は江戸時代に徳川幕府が万世も続くよう願って点けられた名前」「はい」「今は肉の万世でお馴染み。これも毎度紹介しているので」「写真いらないなあ」「さあ、ＡＫＩＢＡ落語会じゃ。下は古本屋。落語関係が店先に並んでいるので、ぜひ……奥は18禁」「あらら」「こちらが会場」「畳ですか、いいですねえ」「春雨や風子さんの会。一席目は『欠伸指南』、最近面白くしようと改訂されたものが演じられるが、本当に原作に近いものじゃった」「じゃあ、面白くないんですか」「いや、まあ、悪くないと思う。最近改定されているものは、馬鹿馬鹿しい練習が面白いというのはどうじゃろう。怠惰こそこの落語の神髄だと思うのじゃがなあ」「ううん、受け過ぎるのは疑問ということですか」「ゲストは我らが桂夏丸君。一席目は『おすわどん』。怪談風の展開がいいねえ。若いのにこういうのが上手いんだから……」「はい、困ったものです」「中入り後は夏丸君の『懐かしのＣＭあれこれ』」「昨年末にトリで演ったやつですね」「これは色物にもなるんだね。いい膝代わりになった」「はい」「トリはもちりん風子さんで『藪入り』。息子の帰りを向かえる夫婦の話を、全部女にしてしまった。娘の帰りを待つ母と婆ちゃん、幼くして父を失った哀愁の一席」「随分大胆な改訂ですね」「女性が演じる時に、父子の会話をそのまま母子の会話に変えて演じることがある。それがなぜかあまり面白くない。何かが足りないのじゃ」「何でしょう」「それが解決したのが、この落語会。風子さんも気付いていないかも知れないが、一つの方向性があるのじゃな」「それは……」「事例を分類して、もう一度考えて見よう」「あらら」「ということで、お客様も含めての記念撮影」「やれやれ」「これで秋葉原から帰っても電車賃は同じ値段なのじゃが、仕事の関係があって上野まで歩いた」「ええっ」「歩いたのが万歩計で２万４千歩、ちょうど２０キロと出ている」「うへ」「使ったお金は鴎外記念館と湯島聖堂、それに落語会の木戸銭が全部で２０００円。絵葉書やグッズ、落語の古本を見付けたので全部で３０００円。昼食は５４０円、神社仏閣へのお賽銭が１００円」「大分使いましたね」「そういうことで、第５回ぢい散歩の報告を終わります」

  2014.02.04

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その６「湯島聖堂と神田明神」

  「ぢい散歩、夏目漱石がまっつぐ歩いたコースを、ひねくれてくねくねと進んでおります」「そういうことで、御茶ノ水の駅前、聖橋まで参りました」「ここは鉄道ファンお馴染みの場所ですね」「わしゃどうでもいいから、電車が来るのを待つこともなく、次へ進む」「はい」「こちらが湯島聖堂」「先日来たばかりですね」「屋根の写真だけでは物足りないなんて言う奴がいてね」「しょうがないね」「本日は孔子様にもお目にかかりました」「ちゃんとお参りしましたよ」「こちらが昔の絵に描かれた聖堂。前回話した通り、こちらは武士の参る所、庶民は天神様の方に集まったのじゃ」「へえ」「そういうことで、下に抜ける」「門の写真ですね」「この前の道が相生坂。昔は昌平坂と呼ばれた。今日最初に紹介した聖橋、秋葉原駅に近い万世橋、その間に架かる相生橋まで進むのじゃ」「参りましょう」「ところがギッチョン、神田明神の方へ寄り道」「またですか」「こちらが本堂」「これも今更ですね」「平将門を祀ったのじゃが、明治維新で江戸城が皇居となり、明治天皇がお出でになることになった。将門は関東のために立ち上がったので祀られ、徳川家や他の武将も信仰したのじゃが、関東の天皇であると名乗って乱を起こしたことになるので、これはまずいと、脇にやった。お蔭で残ったのじゃ。薩長は、ともかく徳川に関わるものを排除したのじゃな。江戸ッ子は江戸城と同じ水を飲んでいるというので、徳川贔屓、だから一人残らず殺した。会津でも若い兵士を捕らえると、一人一人手足を切り取って、のたうち回りながら何も出来ずに死んでいくのを笑って見ていたというな……余りに残酷だというので、白虎隊の悲劇を見付けると、これを大々的に宣伝して悲劇の主役に仕立てた。もっとひどい物を隠そうとしたのじゃ」「すごい話ですね」「薩長といえば、上野の西郷さんの銅像も何か謎があるようじゃよ。奥さんが見て誰だか分からなかったという。海外から来た人が、西郷隆盛はヘラクレスのようだと書いている。これは筋肉質で逞しい男を創造するのじゃが、上野の西郷さんはまるで相撲じゃな」「これも薩長がそう仕立てたんですか」「これは明治政府じゃろうな。まあ、いずれ謎を解こう」「どうでもいい話」「こちらにも注連縄が」「いいですね。三回くぐるんでしょう」「ほう、よく知っているな」「今年の第１回ぢい散歩でやりましたからねえ」「その奥の大黒天」「はい、今度は七福神を並べようと企んでるな」「と、こうして明神の坂まで参りました。ここが漱石の『こころ』で歩く道」「前々回の続きにたどり着きましたか。随分遠回りしましたねえ」「先ほどの昌平坂の道の続きもご紹介、こちらが昌平橋」「これも真っ直ぐならすぐなのに」「この近くで落語会なのじゃが、まだ早いのでちょっと寄り道しようか」「またですかあ」「次回に続く」

  2014.02.03

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その５「本妙寺坂から水道記念館へ」

  「ぢい散歩、夏目漱石の小説にある菊坂から脇に入ります」「ここがタイトルにある本妙寺坂ですか」「さあ、菊坂を隔てた向うに本妙寺があったのじゃが、そこへ向かうこちらの坂がそう呼ばれた」「坂の上にある建物。江戸時代は武家屋だったが、昭和59年に写真の建物を建築しようと掘ったら１万８千年前の遺跡が見つかった。地名から真砂遺跡と呼ばれた」「へえ。お武家さまは庭を掘らなかったんですねえ」「壱岐坂通り向かう手前の交差点」「スカイツリーが見えますね……見えるかな」「ここはただそれだけ」「あれ」「この交差点の床屋さん」「ここは」「前回出た石川啄木は、その後現在の太栄館に引っ越したが、明治42（1909）年、朝日新聞の校正係になって、ここに出来たばかりの喜之床という理髪店の２階を借りた。嫁姑の争いや新聞記者として社会性に目覚めて社会派の作品を書いたが、２年２ヶ月で病気のため小石川へ移った。そこで８ヶ月後に死んでしまう」「はい、前回説明があったように、小説などを書いたのがここなんですね」「その建物は明治村に移されて残っている」「そのすぐ南、三河稲荷神社。三河の国にあったが家康が信仰していた。江戸に入ってから造営し、元禄時代には町地として譲られ本郷元町という長出来るが、まあ色々あって、明治26年にここに移った。関東大震災で焼失し、翌年再建されたのじゃ」「色々な歴史があります」「そのすぐ南が御茶ノ水の水道記念館。まずは附属の公園じゃ」「はい」「水を利用しているが、鳩の彫刻が目につくな」「はい」「これが神田上水跡」「ほう」「松尾芭蕉は神田上水の工事で財産を得て俳人としてスタートした。大阪には化け物というほどの人気俳人・西鶴がいて、これから売り出すのは無理。そこで江戸に出て日本橋に居を構えるが、上司だった藤堂家が失脚したため、宛が外れる。そこでこれで資金を作り、生類哀れみの令が出るのを見越して「蛙飛び込む」のような小動物を詠む作品で人気になるのと同時に、幕府に取り入ったのじゃな。侍が参勤交代で利用する深川を拠点にしたのも成功し、侍の多くが弟子になった。赤穂浪士のほとんどが弟子で、俳句を作っているのもお馴染みの通り」「無理矢理文学に結び点けているな」「こちらは記念館の中の長屋。上下水道完備だった。江戸は全てそうなっていたのじゃが、吉宗が将軍になると、ご存知の通り火消しを配置するなど防火対策に努めた。この水道が火を運ぶものとして廃止されてしまうのじゃ。落語に出るような水売りが登場するのはその後ということになるな」「へえ」「はい、水道のキャラクター」「結局どうでもいい写真になるね」「東京都の水道の水は、そのままペットボトルで販売されるくらい美味しくなった。ここでは冷水器があって、無料で飲み放題」「それで、お腹がそんなにダブダブになったんですね」「昼食代は半分ですむな」「ケチ」「さあ、これから湯島から秋葉原へ向かおう」「はい、またしても続く」

  2014.02.02

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その４「こころの散歩道・菊坂」

  「ぢい散歩、小石川のこんにゃくえんままで参りました」「さあ、これから秋葉原の万世橋まで２．３キロ歩きます」「漱石の『こころ』の下で、主人公が散歩したコースを逆行する」「参りましょう」「写真は菊坂下」「これから坂を上ります」「坂といってもこの程度」「なだらかですね」「途中にも色々あるのじゃ」「これは古い建物のようですね」「ここが昔は質屋で、その名も伊勢屋」「江戸時代には多かったようですね」「ここは樋口一葉が通ったという」「へえ」「その先の火伏稲荷」「あら、これだけ」「さあ、まっすぐ歩けば東大まであと２５０メートルくらいなのじゃが、ここでコースを外れよう」「あれ……」「ここを北へ折れる」「これはマンションですか」「ここに本妙寺があった」「へえ……って、何です」「1654年麻布の質屋の娘、梅乃は寺小姓に恋をして、その小姓が着ていた着物と同じ柄の振袖を作らせた。そのまま恋煩いで枕が上がらず、翌年1月１８日に１７歳で死んでしまった。この寺で葬儀が行われ、振袖は寺に奉納され、古着屋に売られたが、これを買った娘、紀乃が翌年同じ日に１７歳で死んでしまった。この葬儀もここで行われ、振袖は再び古着屋からまた別の娘、幾の手に渡った。この娘が翌年の同じ日に１７歳で死んでしまい、さすがに寺の住職が不気味に思い、その日の午後、３人の娘の親を呼んで、この振袖を焼くことにした。　経文を読みながら火をつけると、この着物がまるで生きているように飛び出して本堂に火が移ってしまう。これから神田、日本橋、江戸城の一部まで焼く大火になり、３日間燃え続けてにようやく鎮火したが、10万人が焼死した」「すごい話だね」「これが世にいう明暦の大火、振袖火事と呼ばれているが、最後の娘が亡くなった日に親を呼んでというのがあまりにも手回しがいいのが疑問じゃな。しかもその日は朝から大風だったというから、火をつけるのもどうだろう。そこで、近所の武家屋敷が火元だったのをごまかしたとか、幕府が都市再構成のために放火したとか、色々な説があるのじゃ」「へえ」「はい、お寺は昨年ご紹介しましたが、巣鴨に移り、そこにこの火事の供養塔もございます。遠山の金さん、千葉周作、本因坊などの墓があったのもそちらでご紹介しました」「そうでした」「なお、明治末期にはここに女子美術学校が出来たことも合わせてご報告しておきます」「ほう」「これはその先のマンション。徳田秋声、坪内逍遙、石川啄木らの言葉が展示されている」「いいですねえ」「さあ、ここから脇に入って、現在あるのはこちらの長泉寺」「はい」「文学散歩では、その手前の建物に注目」「何ですこれ」「石川啄木が故郷を追われ、北海道を放浪したが、どうしてもいたたまれず、22歳で東京に逃げて来る。３度目の上京じゃが、金田一京助の援助で、ここにあった赤心館に下宿した。これは作家として生きようとしたのであるが、４ヶ月間生活し、その後１月の間に小説５編、原稿用紙で３００枚を完成させた」「へえ」「残念ながら全く売れないで、またしても京助の助けで６丁目にある下宿へ移った。その後に住んだ場所でやっと落ち着くが、それはこの次の報告」「続きがあるんだ」「作家を目指しながら作品は売れず、プロの意識なく詠み続けていた短歌が後で大評判になるのじゃ」「不思議なものですね」「そこから更に脇道に入ると本郷菊富士ホテル跡」「歴史あるホテルですか」「大正３（1914）年の創業で、東京で行われた博覧会で客を呼び、外国人客を目当てに文豪も集まった。谷崎、夢二、安吾なども泊まっている」「へえ」「さあ、菊坂へ戻るが、東大を目指さずにこのまま南下しよう」「どうなるんです」「それはまた次回」

  2014.02.01

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その３「こんにゃくえんま」

  「さあ、前回の岩田専太郎から南へ４００メートル、東京医科大学の脇へ参りました」「これは……見覚えがありますね」「夏目漱石が住んでいたのがこちら。碑文は川端康成の字」「へえ……左上に猫がいますね」「我が輩は猫であるを書いたのがここにいた頃。後にプロとして自覚した頃から、早稲田に居を移している」「そうなんだ」「そのまま南へまっすぐ300メートル。こちらが東大の地震研究所」「これは何です」「関東大震災の後、初めて本格的な地震を測定する機械を導入した。建築学教授の岸田という先生が建物と石飾りをデザインしたのじゃが、地震計と当時のデザインに使われた日月を組み合わせた記念碑じゃ」「へえ」「このすぐお向こうにある願行寺は省略して、すぐ南にある西教寺。落語でもお馴染み酒井雅楽頭の屋敷にあった門を、明治になってから移設したもの。関東大震災で瓦をやめて銅板棒葺になっている」「歴史的なものなんですねえ」「この後が一番つまらない道……途中に何もないのじゃ」「はい、皆さん地下鉄の東大前駅で消えてしまいました」「本郷弥生の交差点。ここを東へ行けば弥生式土器の発掘された辺りで、弥生美術館などもある」「よく行く道ですね。日暮里からここへ直通で参ります」「それを西に折れて、ブンブン進むと、こんにゃくえんまじゃ」「蒟蒻閻魔ですか、珍しい名前ですね」「まずはこんにゃくえんまをお参り。七福神の一人、毘沙門天」「りりしいね」「塩地蔵」「え、塩漬けですか」「漬け物が真ん中に立っている」「嘘だい」「この寺が出来た江戸初期、この地蔵はすでにあって親交を集めていた。塩を清めにして、病気や怪我を治し、健康を祈願するのじゃ」「すごいね」「こちらが閻魔堂。木造で、写真では見えないが、肉眼ならかすかに見える。高さ1メートルと４ミリ。いつ作られた物か分からないが鎌倉時代と推察される。1672年に修復したという記録があるのじゃ」「これも歴史があるんですねえ」「夏目漱石の『こころ』で下の巻の『私』が下宿していたのが小石川、この境内を抜けて行ったという記述がある」「へえ、この裏なんだ」「お嬢さんと結婚を決めた後、ぶらぶらと歩き回るが、ここをスタートして、南へ。後楽園の水道橋を渡って神保町まで２キロ。そこから東に折れて、小川町、淡路町、須田町の交差点まで１．４キロ。昔は、というが、わしの学生時代まではこの道は全部本屋だった」「へえ」「万世の橋を渡って、神田明神の下まで５００メートル。これから明神の坂を上って東大前へ出、菊坂を下って小石川の谷へ……つまりここまで戻って来るのじゃが、これが２．３キロ」「合計６キロ以上ですね」「前半部分の神保町から神田・秋葉原までは何度も歩いているので、今日はこの後半を逆にたどって万世橋、秋葉原まで行くのじゃ」「うへ、大変だ」「さあ、その道筋はまた次回」

  2014.01.31

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その２「鴎外記念館」

  「さあ、日暮里から歩いて来ました」「参加者が２人もいたのはすごいですねえ」「他に問い合わせが３件もあったが、歩く距離が最低10キロと聞いてみんな断ってしまった。ははは……」「笑い事じゃないでしょう」「参加した２人も、地下鉄の駅を見付けたら、ここで失礼っていなくなっちゃうし……」「結局全員脱落ですか」「写真は前回の続きで団子坂」「はい、上っています」「団子坂で有名なのは新宿の方。向こうはちょっと雨が降ると泥団子になるという意味じゃ」「へえ」「こちらの坂の上にあるのが、森鴎外記念館」「あら、こんな所に」「鴎外への年賀状という企画が最後だったので、ぜひ見たいと思ったのじゃ」「はい、26日で修了しました」「こちらは年賀状ではないが、鴎外の手紙」「いい字を書きますねえ」「相手は鴎外の遺書を書いた人物じゃ」「へえ」「こちらは写真。この建物のあった場所で撮ったものだね」「そうなんだ」「裏へ回りました。この敷地が、鴎外の住まいで、観潮楼と名付けていた……海が見えたのかのう」「さあねえ」「まあ、これで、上京して住んだ場所、最初の結婚で住んだ家、昔津和野の生家にも行ったから、鴎外の家４つをクリアしたようじゃな」「すごいね」「その通りが藪下通りといって、文学者が鴎外の家へ通った道じゃ。両側が笹藪で、生い茂った笹で道がふさがれたと、小説にも登場する。ここに一色邦彦の彫刻がある」「はい」「鴎外の家の前だからかな、『舞』という作品じゃ」「舞姫ですか」「少し先にあるのが岩田専太郎コレクション」「絵は見たことがありますねえ」「さあ、これから南へ、東大を目指すぞ」「はい、まだ続きます」

  2014.01.30

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  ぢい散歩５「文学散歩」：その１「谷中」

  「さあ、ぢい散歩の五回目。今回は日暮里駅をスタートして、文学ゆかりの地をめぐります」「ゴールは秋葉原……って、それだけでみんなギブアップですね」「途中棄権でいいってんで、２人が参加」「参りましょう」「駅から経王寺まで、朝倉彫塑館、龍泉寺という各所は省略」「はい、お寺があればお参りします」「写真は観音寺。赤穂浪士、四十七士の中にいる近松勘六行重と奥田貞右衛門行高は、実は兄弟で、その間にあたる兄弟がこの寺で修行をしてていた文良であった。これが後に第六世朝山大和尚となる」「講釈だね」「本堂の脇にある印塔は、四十七士を慰霊したものともいわれておる。1707年に、先ほどの朝山大和尚が建立したらしい」「へえ」「さあ、続いては長安寺。ここは板碑などがあるが」「写真はお墓ですね」「明治初期の日本画家、狩野芳崖の墓じゃ。芸大に観音様や不動明王のような仏画が残されている。入った所に彼の業績を掘った碑もあるぞ」「はい」「さあ、続いては功徳林寺脇の笠森稲荷神社」「あれ、お寺じゃなくって脇の神社ですか」「芝居にもなった絶世の美女、笠森お仙がいたのがこの前の茶店」「へえ、有名なんですか」「愛する男と結ばれずに悲劇に陥るという芝居になっているが、実は御庭番の娘で、同じ仲間の侍と結婚して子供を四人も生んだらしいぞ」「へえ」「この辺りは面白いお店や画廊もある。韋駄天は省略、写真は絵馬屋」「いいですね」「さあ、こちらはお馴染みの全生庵。三遊亭圓朝が祀られておる」「噺家ですね」「というより、すごい作家じゃな。時代の風俗を背景に人間の愚かさ、素晴らしさを描いている」「はい……文学散歩ってうたったから、無理に文学にしているな」「そのすぐ先の大圓寺」「さあ、こちらには何があるんでしょう」「こちら鈴木春信の碑。絵師として有名じゃな」「はい」「春信さんが錦絵に描いて有名になったのが、笠森お仙」「あれ、さっきの場所は」「向こうが本物。稲荷神社はいくつもあって、春信さん、こちらだと思って描いちゃった」「へえ」「彫ってある文は永井荷風のもの。　　女ならでは夜の明けぬ　日の本の名物……　という七五調の文語体で書かれている」「面白いね」「さあ、こうして団子坂下まで参りました」「地下鉄千代田線なら、北千住で乗り換えてここへ直通できますね」「千駄木駅じゃな。さあ、これからこの坂を上るぞ」「はい、続く」

  2014.01.29

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  ぢい散歩４「神宮前」

  「今年のぢい散歩、第４回は神宮前の駅周辺をぐるっと一回り」「それだけ」「はい、お昼からのスタートです」「いきなり料理ですか」「イタリアン・プレート。ミモザとパルジミジャーノチーズのサラダ、大山鶏とゴボウのガランティーヌ／イタリアンマッシュポテト添え、紅鮭とほうれん草と長芋のペペロンチーノ～フリッジ～、これにバゲットとコーヒーがつく」「はい」「今回は増田いずみさんの再起動コンサート」「再起動って」「出産などのために７年ほどブランクがあった。病院などでは歌っていたのじゃが、この度本格的なコンサートを復活させたのじゃ」「へえ」「第１部は固くなっているのが分かったな。声が伸びないし……ただ、子を思う歌は、昨年わしにも孫が出来たから、胸に響いた」「いいですねえ」「ヘンデルの『ありがとう』、『優しい木の下で』、村松崇継さんの『生命の奇跡』、ベッリーニの『大好きなママ』、シューベルトの『愛しき我が子よ』、『子供たちへの祈り』、阿久悠『愛する度に生まれ代わって』、以上第一部の曲目」「はい、色つけるの面倒になったな。いつもは作曲家赤、曲名青などつけるのにねえ」「第２部は、越天楽をアレンジした『星降る夜に』、トゥーランドットの『誰も眠らないで』、ドビュッシーの『ため息の竪琴』、ブラジル民謡『青い鳥』、ナポリ民謡『僕の奥様』、カルメンの『ハバネラ』、植松伸夫のファイナル・ファンタジーより『Distant Worlds』、チックコリアの『12月の雨』」「一気に曲目を並べて息切らしているな」「アンコールが素晴らしい歌声に客席は満足しちゃった。もう一曲用意していたのに」「そういうこともありますね」「それをまた出てきて歌うのも一興」「あらら」「本格的な声も復活、癒し系というと、要するに下手のことだというのが世間の常識じゃが、これが本物の癒しの歌声」「ほめますね」「ほめないと、サインしてくれないんだもの」「あらら」「過去に出た３つのＣＤ全部にサインをさせて……」「図々しいね」「記念写真も」「ひどい」「因みにＣＤじゃが、コンサートの前、１２月２１日に大阪でやったコンサートがあり、最初のヒール・マオイ・ハートが残り１９枚、レッド・スワンが３枚、ロミオとジュリエットが２枚しか無かった」「大変ですね」「ネットで売っていたものまで、本人が全部買い占めて間に合わせた」「すごい」「さあ、続いて駅のすぐ近く、太田記念美術館」「こちらは、年末に行きましたね」「富士山の浮世絵の展示」「富士山関係は今年４つめですね」「富嶽三十六景はご存知の通り。その後の浮世絵の面白さは、遠くに富士を望むが、近景が邪魔をしていたりすること。近くの物がまず目に入って、それからゆっくりと富士を見る」「面白い仕掛けですね」「まあ、太宰治じゃないが、俗でいかんと思っている山を見直したということじゃな」「はい」「ということで、本日の散歩は以上。　歩いたのが万歩計で５千歩、３．９キロと出ている。　使ったお金じゃが、ゼロ」「え……」「増田さんのコンサートは予約してあったし、後は財布を忘れたことにして、全部女房に出させた」「適当だね」「ということで、ぢい散歩第４回を読み終わりと致します」

  2014.01.28

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  ぢい散歩３「上野」：その７「東京都美術館と芸大大学美術館」

  「ぢい散歩、今年の第３回は上野を散策しております」「はい、今回は」「東京都美術館。まずはＴＯＫＹＯ書２０１４」「またしても書道展ですか」「坂本素雪の作品」「荒々しい感じですね」「わしは平安調の柔らかい感じの仮名が得意……ということを高校の書道の先生に見ぬかれた。だから、こういう書は面白いと思うのかも知れない」「はい」「これは訳が分からないが、田岡楚香の作」「へえ」「こちらは地下のギャラリー。Field of Paintingという」「横向いてますね」「入り口にこの通り看板が横になっているのが面白い」「はい」「まあ、面白かったのはこちら。富士をみつめて」「富士山ですか」「昔の絵、現代作品、写真など、様々な富士を集めてある」「お正月にふさわしいということですか」「さあ、続いて芸大の大学美術館」「忙しいねえ……写真は」「上の展望室からの景色」「展覧会は……」「写真に見える建物で、油絵技法材料研究室小品展」「題名が長いね」「こんな物を使ってこんな物が出来ましたという」「説明じゃ分からないや」「見ること・描くことという展覧会」「これは」「先ほどの油絵の関連。佐藤一郎が退任する記念展の関連で、研究室の出身者１５０人、在学生１３人、それに関係の深い作家も含めて１９７人の作品が展示されている」「へえ、すごいね」「さあ、その佐藤一郎退任記念展。１９７０年に芸大を出て、油絵の材料や技法を磨き続けた」「功績のある人なんですねえ」「学内の展覧会なので、全て無料だったが、先日１９日で終わっている」「残念」「２６日から今月いっぱい、卒業・修了作品展を開催。こちらも無料じゃ」「はい」「同時に、２１日から始まっておるが、ヌードと山水、風景を集めたコレクション展、琵琶湖の辺りの観音像の展覧会もある。こちらは４月13日まで。木戸銭は全部見て500円」「はい、皆様もぜひ」「さあ、こうして日暮里駅まで歩きました。日暮里の大仏様、額の毛が光っている」「あ、本当だ」「ということで、上野の散歩はこれぎり。　歩いたのは万歩計で２５０００歩、２０．３キロと出ている」「すごいですね」「まあ、最初に説明した通り、秋葉原からスタートしたし、美術館の中などを歩いているので余り距離は気にしていないが、さすがに最後は疲れたな」「大丈夫ですか」「翌日が仕事じゃから、懸命に取り組む振りをして休んでいよう」「ひどいね」「使ったお金、木戸銭はゼロ。絵葉書、カタログなどのグッズが全部で１５００円。昼食は少し奮発して９５０円。最初の本屋さんはこの企画外なので省略」「はい、以上」「ぢい散歩第３回を読み終わりと致します」

  2014.01.27

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  ぢい散歩３「上野」：その６「東京国立博物館」

  「上野の散歩、東京国立博物館まで参りました」「トウハクとしてお馴染み」「わしらの世代だと、国立へ行くといえばここを指したものじゃ。今は現代美術館、近代美術館、競技場……色々なのがありすぎてピンと来なくなってしまった」「はいはい、年寄りの愚痴ですね」「まずは干支に因んで馬の埴輪」「はい」「こちらは昨年紹介しているが、十二神から、午の守護神」「はい」「馬に乗った神」「色々ありますねえ」「さあ、今回見たかったのがこれ、松林図屏風」「大きいんですねえ」「博物館のアンケートで見たい国宝のナンバー１に選ばれたものじゃ。26日（日）で展示は終わっておるぞ」「残念ですねえ」「こちらは貝合わせ。源氏物語が描かれておる」「はい、お正月の遊びですか」「お正月らしい打ち掛け」「鶴亀ですか、華やかですね」「こちらはちらしのトップになっているめでたい」「楽しい作品です」「これは壽の文字に名所の図を当てたもの」「はい、これもおめでたい」「これは七福神」「お正月らしいものばかりです」「これも着物じゃが、鶴が沢山羽ばたいておる」「いいですねえ……さっき着物があったから並べればいいのに」「撮影順で」「整理する気ないのね」「まあ、後は仏像、絵画なども素晴らしい物があって、写真は撮ったのですが、今回はお正月らしいものということで」「はい、ではまた次回」

  2014.01.26

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  ぢい散歩３「上野」：その５「科学博物館」

  「上野の散歩の続き。今度は科学博物館」「いくつもハシゴですねえ……」「下町と上野の森はそれぞれ30分掛からなかったし、西洋は入らなかったし、動物園は１時間くらい、これでお昼じゃよ」「無駄なく回ってますねえ」「こちらは人気の大恐竜展」「いいですねえ。２月２３日で終わりですね」「写真は地球館の恐竜」「え、またですか。前回はアングルで勝負でしたが」「今回は頭部のアップで」「ううん、同じじゃないか」「首の長いの」「はい」「顔のでかいの」「説明がいい加減なんだから……」「小股の切れ上がったの」「どういうアングルですか」「ま、こんな感じで……」「いやあ、本当に適当な人ですね」「そうほめるな」「ほめてないって」「もう一つは砂漠を生き抜くという展示。これは恐竜の展示にあったゴビ砂漠との連動じゃ」「なるほど」「カラフルな民族衣装」「いいですねえ」「これはコーヒーを入れる道具」「面白いね」「さ、最後に今年の干支に因んで馬の展示。馬の骨格や祖先となる古代の動物など」「これも楽しいですね」「間違い探しのパズルも出ているので挑戦してね」「はいはい」「さ、まあこんなところで切り上げて、国立博物館へ参りましょう」「それはまた次回」

  2014.01.25

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  ぢい散歩３「上野」：その４「上野動物園」

  「さあ、上野の散策、今日は動物園へ行こう」「美術館じゃないんですか」「今作っているゴリラの植木」「ガチャピンみたいですね」「パンダ。顔の方からも撮ったのじゃが、後ろ姿に哀愁があるなあ」「ないない」「お正月にふさわしく丹頂の鶴」「ふさわしいのかなあ」「白熊君はお昼寝」「疲れてますね」「お正月飲み過ぎたのじゃろう」「ないない」「お猿さんの親子」「赤い顔ですね」「お正月飲み過ぎたのじゃろう」「ないない」「こちら元気な子供」「いいですねえ」「冬休みが終わってやけになっているのじゃろうか」「ないない」「するどい目が印象的だったエミュー」「はい」「上司と喧嘩をしたのじゃろう」「ないない」「さあ、不忍池の向こうにスカイツリーを望みます」「どうでもいい写真も入ります」「フラメンコ」「フラミンゴでしょう」「赤いのはやっぱり飲み過ぎたのじゃろう」「ないない」「キリンさん」「頭だけというのも面白いですね」「キリンビールを飲み過ぎたのじゃろう」「ないない」「サイ君」「さい」「カバさん」「はい……説明が面倒になってきているね」「こちらも」「カバの昼寝ですか……大家さんにそっくり」「そうほめるな」「ほめてないって」「こちらはプレリードック」「可愛いね」「鳥さん」「可愛いね」「寛永寺の塔と鶴」「よく見えないけどね」「お正月らしさを狙ってみました」「ううん……無理矢理だね」「ということで、動物園は一気にご紹介しました」「忙しい散歩だこと……次回に続きます」

  2014.01.24

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• どうした……どうかした……どうかしている読売新聞

  　読売新聞の社説をそのまま紹介。段落前の番号のみこちらで付けました。１：選挙結果にとらわれずに、政府は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めるべきだ。２：沖縄県名護市長選で、辺野古移設に反対する現職の稲嶺進市長が、移設の推進を訴えた新人の末松文信・前県議を破って、再選された。３：１９９８年以降の５回の市長選で、最初の３回は容認派が勝利し、前回以降は反対派が当選した。民主党政権が無責任に「県外移設」を掲げ、地元の期待をあおった結果、保守層にも辺野古移設の反対論が増えたことが要因だろう。４：公明党は、党本部が移設を支持しているのに、県本部は「県外移設」を崩さず、市長選を自主投票にした。党本部がこの方針を“黙認”したのは、移設を推進する与党として問題だった。５：末松氏は、政府や沖縄県との連携を強化し、名護市の地域振興に力を入れる方針を前面に掲げた。だが、同じ容認派の前市長との候補一本化に時間を要するなど、出遅れが響き、及ばなかった。６：昨年末に仲井真弘多知事が公有水面埋め立てを承認したことにより、辺野古移設を進める方向性は既に、定まっている。７：そもそも、在沖縄海兵隊の輸送任務を担う普天間飛行場の重要な機能を維持することは、日米同盟や日本全体の安全保障にかかわる問題だ。一地方選の結果で左右されるべきものではない。８：仲井真知事が市長選前に承認を決断したことは、そうした事態を避けるうえで、適切だった。９：名護市長には、代替施設の建設工事に伴う資材置き場の設置などの許可権限があり、工事をある程度遅らせることは可能だろう。ただ、権限は限定的で、辺野古移設の中止にまでは及ばない。１０：稲嶺市長は、末松氏が集めた票の重みも踏まえて、市長の権限を乱用し、工事を妨害する行為は自制してもらいたい。１１：政府は今後、在日米軍の抑止力の維持と沖縄の基地負担の軽減を両立させるため、沖縄県と緊密に協力し、建設工事を加速させることが肝要である。１２：工事が遅れれば、市街地の中央に位置する普天間飛行場の危険な状況が、より長く続く。在沖縄海兵隊のグアム移転や県南部の米軍基地の返還といった基地負担の軽減策も遅れるだろう。１３：仲井真知事らが求める工事の期間短縮や、円滑な実施には、地元関係者の協力が欠かせない。政府は、辺野古移設の意義を粘り強く関係者に説明し、理解を広げる努力を続ける必要がある。（1月20日 読売新聞）　１・２は、選挙の結果について米軍飛行場の辺野古移設に反対する稲嶺氏が再選されたが、政府は移設を着実に進めよという意見を述べたもの。（論点Ａ）　３～５は、賛成派の末松氏が負けた理由の分析。民主党政権が無責任に県外移設を掲げたこと、公明党の与党としての自覚のなさ、末松氏の出遅れという三つ。第一のものに対しては、５回の市長選で最初の３回は容認派が勝利しているという証拠も上げている。（論点Ｂ）　６から８は辺野古問題の分析。県の仲井真知事が承認したので既に決まった事項であり、日米や国の安全の問題だから、地方選は関係ない。だから県知事の決断が適切だった。（論点Ｃ）　９～１０は、移設は中止できないから、反対するなら工事を遅らせるしかないが、基地賛成派が集めた票の重みを考えて、職権乱用して妨害することをするなという要求。（論点Ｄ）後は政府の対応。工事を加速させないと、普天間の危機と沖縄の基地負担の軽減が遅れるのだから、理解を広げる努力をせよということ。（論点Ｅ）　読売新聞は最近どうかしているんじゃないかと思ったが、この文章はすごい。一つずつ反駁してみよう。　Ａについては反駁しない。これは基地移転賛成派なのだから、それを主張しただけのものだ。　Ｂについて、反対派の稲峰氏が勝った理由が全く説明されていないのが片手落ちである。三つの理由の第一。民主党の無責任がまだ影響しているのか。基地に反対するのはそれに踊らされているということだろうか。市長選で最初の３回は容認派が勝利したという証拠も、選挙で勝つために基地問題は争点としなかったということは誰でも知っている。なぜそれをあえて隠したように結果だけを示したのだろう。　公明党の問題。沖縄では自民党のＯＢが稲峰支持に回ったではないか。自民党にも問題があるのか。そうではなくて、そこが統一できない理由があったのではないのか。　こうして見ると、三つ目の敗因、出遅れがなければ末松氏が勝利していたということである。　ところが、論点Ｃでは辺野古問題は選挙の争点にはならないといっているのである。すると、敗因の第一、民主党の無責任は何の意味もないこと。第二の公明党攻撃も、県本部は「県外移設」を崩さずと説明していることも、選挙とは関係のない内容ではないか。　そういうことで、何だか説明のできていない、意味不明の文章なのである。論点Ｃで県知事の決断をほめているが、正しいことをしているのに、なぜ県民は反発しているのだろう。　以上をまとめると、要するに全く意味のない基地問題で踊らされている辺野古市民や沖縄県民が馬鹿だという内容にしかならないではないか。　この新聞社は先週の木曜、原発は国としての問題だから、都知事選で争点にするのは間違っていると言った。翌日から、その候補者はこんな矛盾した発言をしている、五輪招致に反対した人だからオリンピックをダメにする、などと批判キャンペーンを繰り広げている。系列のテレビでも、「高齢化、保安、五輪などを争点に選挙戦が始まりました」と言っていた。これも、原発は争点にならないが、争点にはなりませんと言うと、それにあおられて反原発派に票が入ることを恐れているのだ。つまり、都民はバカだからあおられるのだ。全く同じ構図が見える。　それを受けて、まるで脅迫のような論点Ｄ。「職権乱用」、「妨害」という言葉で反対することが悪いことであると印象付けている。ここで、最もすごい意見が出てくる。１０段落にある「末松氏が集めた票の重みも踏まえて」という部分である。つまり、４４％も取ったのだから重いというのだ。つまり、稲峰氏の５２．３％を捨てても、そちらを考えろというのだ。　読んでいて怖くなる文章ではないか。では、選挙戦をもう一度分析してみよう。　末松氏は基地受け入れの交付金による地域振興策を訴えた。稲峰氏は交付金に頼らない４年間の実績をあげ、交付金は一時的、基地のリスクは百年続くと訴えた。そして、新聞社が行った世論調査では、重視する問題で「基地」が５６％、「地域振興策」は２３％だったのである。この数字だけ見ても基地は争点にするのがおかしいという主張がずれていることが分かる。　更に問題にすべきは、政府自民党の姿勢である。知事からの承認を得るため、県連に圧力を掛けたり、振興予算を大盤振る舞いしたり、結局知事がどういう経緯で承認したのか不明のまま。基地軽減を約束しながら県内に移設するのだ。　国は市内のキャンプ・ハンセンで、協力しない区域を優先して返還した。それによって軍用地料が入らなくなるという明らかな嫌がらせだ。それが選挙の直前に行われた。　さらには菅官房長官、石破幹事長が、選挙期間中に基地の場所は国が決めるから、地域は関係ないと発言し、選挙が終わった途端に、何の話し合いもなく工事の入札を始める。嫌がらせ以外の何の意味があるのだろう。　石破は、選挙３日前に名護に行って、基地を受け入れれば５００億円を出すと言った。財源はどうするのか説明もなく、私からはいかにも嫌らしい札束で頬を叩くというやり方にしか見えない。　読売はよほど原発や基地から恩恵を受けているのではないか……それは以前から何となく感じてきたところだが、ここまで一方的な文章はすごい。

  2014.01.23

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  ぢい散歩３「上野」：その３「上野の森美術館と西洋美術館」

  「ぢい散歩、上野へ参りました」「さあ、今日はどこへ」「上野の森美術館。金澤翔子さんの書道展じゃ」「この人は……」「ダウン症の天才書家と紹介されているが、それは嘘じゃな」「違うんですか」「彼女は天才ではない、努力の人じゃ」「努力してこれだけの字が書けるようになったということですか」「こちらはお正月、ここで初日に書いたもの」「いい字ですね」「除夜の鐘の直後に一つ書いたというから、今年二つ目の書ということになる」「はい」「気に入った文字をもう一つ」「力強いですねえ」「太宰治記念館での書道展も評判になったな。こちらは上に『斜陽』、下に『津軽』の一部が見えるが、太宰作品の題名を書いたもの」「人間失格ですか……大家さんにぴったりの言葉ですね」「そうほめるな」「ほめていないって」「今年の葉書」「午年ですものねえ」「さあ、こちらもお馴染み、西洋美術館へ参りましょう」「はい、三月に一度は来ております」「庭にあるカレーの市民。毎回一人ずつ顔を紹介してきた」「どうでもいい企画でした」「今回は特別」「二人目ですか」「実はムンクの版画を見たかったのじゃ。それがこの日は休室だといわれたので、来月出直すことにした」「はい」「さあ、上野のお散歩はまだまだ続きます」「また次回」

  2014.01.22

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• ぢい散歩の予定

  「さて、これからのぢい散歩の予定をご紹介。参加希望の方はメールで」「ないだろうな」１月２５日（土）：鴎外・漱石を歩く「明治から大正の文豪の世界。　９：２５頃に日暮里駅出発。芝居になった美女の笠森稲荷と大圓寺を経て、怪談で有名な全生庵を経由、森鴎外記念館へ参ります。鴎外の年賀状展を見学。　漱石旧居、川端康成の文字で説明文がございますのを見学し、『こころ』の人物が住んでいた辺り、こんにゃくえんまの源覚寺から、菊坂を経て東大へ出ます。これが『こころ』で主人公が歩いた道の逆コース。時間があれば水道記念館を見学、聖橋、昌平橋、万世橋を渡りますが、その間に神田明神と、『こころ』の主人公が歩いた淡路町（小川町）と須田町へ。この後ＡＫＢ落語会に参加して、多分４時過ぎに秋葉原駅解散。　歩くのは８．７キロ以上。参加費３千五百円と昼食代。ただし、日暮里までと秋葉原からを除く。　落語会は定員制なので、参加出来ない場合があります」「大変だね」「この後、２月２日（日）から５日（水）まで、奈良・京都へ参ります。全て英語で案内しますので、日本の方は参加出来ません」２月８日（土）：東京駅周辺「東京ステーションギャラリーを１０時に飛び込もうという計画。『プライベート・ユートピア』を見学。　出光美術館『板谷波山の夢見たもの』、三菱一号館美術館『ザ・ビューティフル』、相田みつを美術館『ただいるだけで』、フィルムセンター『小津安二郎の図像学』、途中の画廊を見物して、ブリヂストン美術館『画家の目・彫刻家の手』、その後夢枕獏さんのトークショーに参加。５時頃に東京駅解散。　歩くのは４キロ半プラス６つの美術館と幾つかの画廊の中。参加費６千円と昼食代。ただし、東京駅までの往復を除く。夢枕獏さんのトークショーは定員があるので、参加出来ない場合があります」２月１１日（火）：山手線西側「渋谷駅を９：５０頃にスタート。渋谷区の郷土博物館の文学館、戸栗美術館『鍋島焼と図案帳展』、山種美術館『かわいい日本美術』、東京都写真美術館（何を見るか未定）、松岡美術館『理想郷』、自然教育園の自然を散策して、白金台駅で４時前に解散。　参加費は木戸銭３８００円のところを３千円で。プラス昼食代。渋谷駅までと白金台からの交通費は含みません。　ただひたすら歩くので、道を歩くのが約８キロ、プラス美術館の中」「ううん、恐ろしい企画ばっかりだね」「参加希望の方はメールで……」「ないない」

  2014.01.21

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  ぢい散歩３「上野」：その２「不忍池と下町風俗資料館」

  「さあ、今年３回目のぢい散歩は、上野、不忍池へやってきました」「はい、いかにも冬の景色ですね」「江戸城の鬼門に当たる方角で、京都の比叡山に当たる寛永寺を作った。だから東叡山と名付けられたのは知っているね」「なるほど」「琵琶湖に見立てた池で観音様も祀ったが、昔は舟で渡り、後に橋が架かり、愛する男女が死んだ伝説から今のように歩いて渡る埋め立てが成された。江戸初期の記録に比べると、周囲は４分の１、面積は３分の１に減っている」「恋の伝説があるんですか」「回りを調べると恋に因んだ名前がいくつかみつかるぞ」「へえ」「池の畔にあるのが下町風俗資料館」「はい、ここもお馴染み」「長屋の写真はもう毎度なので、お正月らしいのを」「獅子舞ですね」「まだ紹介していない家……これは鍛冶屋じゃろうな」「はい」「二階では明治から昭和にかけての女性の着物や小間物、生活の変化を知るという展示」「貴重ですね」「そうそう、下のお稲荷さんではおみくじがいただける。今年はこんなの」「はい……読めませんね」「わしは読めるぞ。引いた所に解説書があるから、詳しく知りたい人は参照すること」「親切ですね」「さあ、不忍池といえば弁天様。その弁天様から上野の山に登ると、こちら」「これは清水様ですね」「東京では崇徳院という落語の出会いの場面がここになっている」「はい」「さあ、目に付くのが真ん中の木」「え、あ、本当だ」「月の松といって、江戸名所記にも登場するのじゃ。本殿から見るとご覧のとおり」「観音堂が中に見えるんだ」「はい、次回からは上野の美術館・博物館めぐりになります」「続く」

  2014.01.21

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  ぢい散歩３「上野」：その１「湯島」

  「さあ、ぢい散歩の３回目は御茶ノ水辺りをスタート。実は神保町の古書店で本を受け取りまして、上がって来ました」「そちらは省略」「まずは孔子像から」「学問の神様ですか」「湯島聖堂。もちろん梅はまだ」「はい」「さあ、この石段を登ってお参りします」「参りましょう」「はい、本殿」「屋根だけですか。ひねくれ者だねえ……」「ここは武士達の学問所として人気になった。一般庶民は敬遠していたそうじゃ」「ほう」「上野へ向かいます。お馴染みの妻恋神社」「はい」「私の美しい妻が、今年も健康でありますように……」「……」「……」「……」「……ああ、怖かった」「奥さんが後ろからのぞいたんで……」「もし本当の気持ちを書いていたら、殺されていたぞ」「はい、次行きましょう」「こちらもお馴染みの実盛坂。平家に味方して木曾義仲と戦ったが、手塚太郎光盛に討たれた。年寄りだというのを同情されぬよう、また首を取られても見苦しくないように、白髪を染めていたという伝説があるね。この坂の下に塚や首洗いの井戸があったと江戸の本にはある」「本当は分からないんですか」「さあ、湯島の天神さん。聖堂が武士の区域だったのに対し、こちらは町人が集まった。屋台がいっぱいでその雰囲気を感じさせるなあ」「はい、梅の時期はまたにぎわいます」「ここを下りればすぐに不忍池。今回は上野を散策します」「ううん……神保町に行ったんだから、もうすごい距離を歩くことになりそう」

  2014.01.20

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  事件

  「さて、ぢい散歩以外の近況を……」「どうでもいいんだろうなあ」「お正月に紹介した一つだけ咲いたチューリップ、見事に５つ揃いました」「へえ」「昨年は咲いて１週間もすると駄目になったが、今年は半月たってもまだ大丈夫」「何が違うんでしょうね」「これは昨日の写真」「え……何です、これ」「ちょうど橋の上を通り掛かったら、白鳥が車道に飛び出した。車が急ブレーキを掛けて止まったが、白鳥はその場でグッタリ」「どうしました」「運転手の小母さんが出て来て、わしも白鳥をしっかりせよと抱き起こしたがが、そこでカクッと力尽きた」「ドラマチックにするな」「大怪我をしていたので、すでに車にはねられていたのじゃないかなあ。あるいは犬などに襲われたのか……歩道まで運んで、車が通れるようにして、渋滞になるから運転手さんはそのまま行ってもらい、わしが警察に連絡をとった」「へえ」「この道は毎年色々なことがあるなあ」「そうですか」「川に飛び込もうとしていた人を助けたこともあるし、具合が悪くなって座り込んだお婆さんを助けたし、雪の中で自転車が止まれずに突っ込んで来たのを止めたこともあるし、スピードを出して来た自転車がわしの鞄にハンドルを引っ掛けて宙返りしたことも……」「どんどん無茶苦茶な話になるなあ」「まあ、今年も色々あるようで」「ありますねえ」

  2014.01.18

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  ぢい散歩２「皇居周辺」：その３「国立公文書館」

  「皇居周辺の散歩、最後は国立公文書館じゃ」「こちらもお馴染みですが、今回は……」「妖怪退治伝という展示。２月１日まで」「妖怪ですか。まだお化けめぐりは続きますね」「最初の図は源平盛衰記。その昔八岐大蛇が退治され、その体内から出た剣が三種の神器の一つ。それが源平の合戦で平家と共に海に沈むので、それが描かれているのじゃ」「へえ」「さあ、続いては俵藤太のオオムカデ退治」「これは落語にもなっていますね」「藤太は平将門と会う。右が将門。物語ではだらしのない格好で会い、人を見下した態度に藤太が反感を感じることになっている」「はい」「将門は討ち取られ、その首が京都でさらされた」「はい、その続きが今回の散歩の初めに紹介した将門首塚になるんですね」「海音寺潮五郎の小説が、人間的な将門を描いて、関東の守護神となるのも、化け物のように思われるのも納得の作品になっていた」「傑作ですね」「これは源氏一統志。源頼光に忍び寄る土蜘蛛じゃ」「こわいねえ」「これがこの本の最初の口絵で、葛飾北斎の作なのじゃ」「すごい」「これは羅生門で鬼の腕を切ったという話。乳母が来て腕を見せるが、この乳母が鬼の化けた物で、腕を取り返すというお馴染みのお話」「はい」「これは船弁慶。平知盛の亡霊に立ち向かう弁慶の姿」「これも落語にもありますね」「これは源頼政の物語。夜道に行きくれた女性を助けて背負ったのじゃが……」「ほら、鬼に変身する」「怖いねえ」「背中の人物は女性のままなのに、川に移った影には角が生えているなんて、そんな絵もあったぞ」「へえ」「これから鵺（ぬえ）退治になるのじゃが、まあ、こんな感じで楽しい展覧会でございます」「いいですねえ」「出口にある案内板。帰り道はくれぐれも、妖しげな美女には気を付けてという注意書きが何とも楽しい」「いいですねえ」「さあ、今日のお散歩は以上。歩いたのは万歩計で１７０００歩、１４．２キロと出ている」「すごいですねえ」「大したことはない。この翌日の初出勤、歩いた歩数はちょっと少なめじゃが、距離は１４．３キロじゃったぞ」「へえ」「使ったお金。木戸銭が必要だったのは工芸館の５００円。絵葉書などのグッズが全部で２３００円。江戸手帳というのを愛用しているが、１５００円。神保町で買った古本が、落語関係１９６０円、小説１２００円。昼食が５９０円」「ずいぶん使いましたねえ」「ということで、今回のぢい散歩、読み終わりと致します」

  2014.01.18

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  ぢい散歩２「皇居周辺」：その２「皇居東御苑・国立近代美術館工芸館」

  「ぢい散歩、今年の２回目は皇居周辺ということで……」「はい、今日は御苑に入りますね」「写真は大手高麗門」「こちらから入ります」「今回のお目当ては庭園」「はい……でも季節的には期待できませんね」「椿の花の絨毯」「あ……いい感じ、なのかなあ」「さあ、同心番所、百人番所は前回ご紹介しております」「前回は松の廊下跡から回って来ました」「写真は二の丸雑木林にある、昔正門にあった石橋の電燈」「はい、歴史的なものですね」「二の丸庭園の流れ」「冬の雰囲気だなあ」「中心になる池」「はい」「諏訪の茶屋」「説明も適当になってきたね」「茶屋の西側には各都道府県の木が植えられているが、省略」「はい」「白鳥濠、汐見濠、天神濠を経由して、平川門へ抜ける。お濠も全て昨年紹介したので省略」「あれ……今日の目的地は工芸館だから、北詰橋門の方が近いでしょう」「時間が早いのでちょっと神保町に寄り道。　なお、北詰橋門へ参りますと、大奥の跡や天守台もご覧いただけます」「こちらは昨年夏にご紹介しました」「一応最後にもう一つ。皇居所蔵の富士山の絵がいくつもありまして……」「お正月らしいですねえ……作者は」「さ、次行こう」「いい加減なんだから」「平川門から東側にかけて歴史的な碑や像があるが、ご存じの通り、マラソンランナーが荷物置き場にしている」「すごいですよねえ」「マラソンやる人は文化は分からないのじゃろうな。写真を撮ろうとしてもペットボトルや荷物、またはゴミが占領していてねえ……太田道灌も、和気清麻呂も、震災の跡も省略いたします」「はい、残念」「そこから北へ行くが、途中のホテルなどの庭にある休む旅人、鳳凰の石灯籠などは省略」「省略ばっかりだね」「新島襄生誕の地の記念碑、テレビにもよく出る東京大学発祥の地を経て……」「はい、これも省略です」「写真は日本野球発祥の地の記念碑」「全部学士会館の回りです」「正岡子規が、ベースボール大好きで、試合をやるために仲間を引き連れて東大に入学、横浜の米軍と試合をして勝って話題になったが、一般庶民はベースボールというゲームを知らなかった。子規は文章だけで説明しているが、これは名文じゃな。みんなも、自分の好きなスポーツを文章だけで全く知らない人に説明してみるといい」「難しいでしょうね」「ついでに、上野の動物園から出て右、文化会館の裏に子規記念球場がありまして、野球を詠んだ句碑もございます。子規は幼名を登と申しまして、その洒落で野球（のぼーる）というペンネームを使ったのが、現在の日本語のもとになったといわれております」「はい、次行きましょう」「このまま神保町へ出て、古書店をひやかし、昼食をいただきました」「はい、出ている絵は」「集英社の展示館でいただいたファイル。わしゃ趣味がないのでわからない。ほしい人がいたら、このファイルと殺せんせーのシールをセットで差し上げます」「はい、応募はメールで」「ただし、ケチなので取手か土浦まで取りに来られる方」「けち」「さあ、それで工芸館じゃ」「はい」「工芸からKOGEIへという展覧会。古いものから最新のものまでを比べるというもの」「はい」「この日は江戸小紋の小宮康正さんがお出でになってお話をされた」「なるほど……それで時間をつないだんだ」「江戸小紋というのは戦後の言葉だそうじゃ。型紙作りの職人、布の職人、その他色々、現代に合わないので売れないから作らない。もうこうした染織も滅びる運命になるようじゃな」「寂しいですねえ」「朱鷺と同じじゃなあ。さまざまな条件の一つでも欠けるともう成り立たない」「水戸でも板彫の印刷がもうダメだって言ってましたねえ」「ちょうどテレビでも、おせちなどは買って来るものになって、自宅で作らなくなったという話題が出ていた。これは料理というものが衰退する兆候じゃ」「わざわざ面倒な話題に持っていってるなあ」「ということで、本館の近代美術館は年末から同じ展示ですので、省略。そのお隣の公文書館へ参りましょう」「はい、また次回」

  2014.01.17

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  ぢい散歩２「皇居周辺」：その１「三井記念美術館・貨幣博物館・将門首塚」

  「さあ、今年のぢい散歩、２回目はお正月らしい絵画を求めて、皇居周辺を歩きます」「はい、参りましょう」「神田から歩いて、お馴染みの三井記念美術館」「はい、楽茶碗と新春の「雪松図」と出ていますね」「年末に近くへ行きながらパスしたのは、この雪松図を見たかったのじゃ」「１２月には展示されていなかったんですね」「お正月にふさわしい企画じゃのう」「はい、今月２５日までご覧いただけます」「午年にふさわしい瓢箪から駒の図」「いいですねえ」「新年にふさわしい富士山」「いいですねえ」「さあ、そんな感じで、お正月にふさわしい日銀へ」「どこがですか」「貨幣博物館の、お馴染み古代のお金」「お正月とはあまり関係ないなあ」「千円札に富士山がついておりますので、皆様ご覧ください」「無理やりだね」「読売新聞社前の、箱根駅伝の像」「これもお馴染みですね」「そばに歴代優勝校の一覧もありますよ」「はい」「さあ、今年も一年間の健康と安全を祈って」「これは将門首塚ですね」「京都でさらされた首が飛んで来たのがここ。鎌倉時代に荒れていたのを真教上人が回向して神田明神に祀った」「神田明神は将門なんですね」「明神というのが将門なのじゃ。明治維新で天皇が皇居に入ることになるが、関東で天皇を名乗ったので反逆者となっているので、別の神様を中心に置き、将門は脇に置き換えられて今に至る。」「へえ」「江戸時代には、関東をよくしようと働いた人だということが分かっているから、関東全土の守り神とされ、徳川家でも信仰していた。だからこちらでは俵藤太よりも将門の方が人気があったのじゃ」「なるほど」「落語でもお馴染み、酒井雅楽頭の上屋敷。歌舞伎では先代萩の伊達安芸と原田甲斐が殺害された場所」「いろいろありますねえ」「さあ、こうしてお堀端へ出たので、皇居へ入りましょう」「続く」

  2014.01.16

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• ぢい散歩の予定

  「さて、今年もぢい散歩を実施いたします」「はい、地井武男さんとお会いした折に、洒落名前を提案したのですが、『あなた、俺よりずっと年下だろう』って笑われたのでございます」「さて、その予定」「１月２５日（土）、夏目漱石の『こころ』で、主人公が歩いたコースを回ります。観光地らしきものは、こんにゃく閻魔、神田明神などの神社仏閣」「あまり行きたくないね」「６キロ歩いて、秋葉原へ。ＡＫＢ落語会を見て解散。参加費３５００円」「歩くだけで死にますよ」「２月３日（日）から３泊４日の京都。もちろん毎日数キロ歩きます。参加費２万円」「ひどいね」「この翌日の５日、寄席を中心とする散歩を予定しているのですが、ちょっと出演者が決まっていないので点……」「いい加減だね」「８日（土）は東京駅周辺。ステーション・ギャラリー、出光、三菱一号館、ブリヂストン、三井、相田みつを、フィルムセンターを予定。文芸作家のトークがあって木戸銭と本代まで含めて７千円」「お高いぢい散歩ですね」「この後、千住から吉原、浅草から向島へというコースで１０キロ散歩を計画中。２月１６日なら南京玉すだれなどの大道芸、３月９日なら雀踊りを見学。梅が咲くのを待って決定」「どんどんいい加減になるぞ」「さあ、後は日程をこれから調整しますが、　上野１：下町風俗館、上野の森美術館、西洋美術館、科学博物館、国立博物館を回る。　上野２：弥生美術館と夢二美術館、上野動物園、東京都美術館、芸大美術館を回る。　銀座画廊めぐり……などを計画しております。３月には桜めぐりも」「はい、参加希望は、ないだろうけど、メールで」

  2014.01.15

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  ぢい散歩１「調布」：その４「神代植物公園から多摩川住宅まで」

  「さあ、神代植物公園も後はおまけじゃな」「はい、写真は……」「冬の雰囲気をお伝えして」「ううん、どうでもいいなあ」「さあ、南側の出口から出ると、深大寺のすぐ裏」「前日、お参りしましたね」「それで、不動の滝でお馴染みの不動院なども回ったが、写真は省略」「で、写真はどちらです」「植物園付属の水生植物園じゃ」「こちらは何もありませんね「こちらも」「少しは説明しろよ」「何もないので、無料で入れます」「どうでもいいね」「さあ、不動の滝へ戻り、多聞坂を上って、青渭神社まで参りました」「深大寺東側のバス通りですね」「ここは注連縄の輪がお馴染みじゃな。といっても、わしは20年振りなのじゃが」「中をくぐるんですか」「右から左から、更に右からじゃったか、三回もくぐってからお参りするのじゃ」「へえ」「バス通りを南へ。２キロほどで常性寺。成田山じゃ」「はい」「こちらで小休止、甘酒をいただいた」「あれ……お詣りじゃないんですか」「ついでにお詣りも」「ついでかよ」「更に南へ５５５メートル。京王線が調布から国領辺りまで地下を走るようになり、踏切がなくなった布田駅前を通って……」「地元の人しか分からない説明」「品川通りへ出た所が椿地蔵」「椿の花があるんですか」「さ、次行こう」「説明しなさい」「さあ、無事に多摩川住宅の西の方へ来ました」「こちらは散歩道になっている。途中に世界の石を展示したものもあるが、省略」「はい」「そんな感じで、取りあえず本日の宿泊場所まで参りました」「多摩川は」「初日の出で紹介しましたので省略いたします」「適当だね」「歩いたのは万歩計で１１５０６歩、９．３キロと出ている。午前一番に福袋を買って来たのを含む」「え、並んで散歩の時間なんかないでしょう」「こちらは店の前で番号札をいただき、開店後にいつでも商品と取り換えるので、並ばなくていいのじゃ」「へえ」　使ったお金はお賽銭全部で50円」「安上がりって、実は今年もケチだねえ」「ということで、今年最初のぢい散歩を読み終わりと致します」

  2014.01.15

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  ぢい散歩１「調布」：その３「神代植物公園・蘭と薔薇」

  「今年最初のぢい散歩。調布の神代植物公園へ来ております」「はい、もう３回目ですが、読者が飽きてますよ」「いや、そんなことはあるまい」「どうしてですか」「新年を迎えたばかりなので、まだ秋（飽き）は来ないでしょう……おそまつ」「本当にお粗末だね」「さあ、今回は蘭をご紹介」「はい」「白いの」「ほら……色しか説明できないんです」「黄色いの」「はい」「紫の」「きれいですねえ」「藤色の」「模様もありますねえ」「これは何だか面白くて」「あら、不思議な色ですね」「さあ、表の噴水から温室を振り返って」「周囲は省略ですね」「さあ、バラ園を紹介」「季節外れですよねえ」「名残を感じるなあ。♪庭の千草ぁぁの～」「歌わなくていいの。何で庭の千草なんですか」「原曲は夏の名残のバラというタイトルなのじゃ」「あ、そうなんだ」「これなんかいかにも名残のバラって雰囲気で」「まあねえ」「季節外れでも面白い」「ううん、無理矢理のような気もするけれど……」「では次回はいよいよ感動の最終回」「期待しないよ」

  2014.01.14

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  ぢい散歩１「調布」：その２「神代植物公園・温室の蓮とベゴニア」

  「ぢい散歩、神代植物公園を散策しております」「さあ、今度は温室へ行こう」「手前は」「バラ園じゃが、季節はずれじゃな」「まあ、当然でしょう」「まずは蓮」「はい」「青いの」「はい」「紫の」「色しか伝えられないんで……すみませんね」「続いてベゴニア」「白いの」「わしの台詞じゃ。お前が色を紹介したら、わしの言うことが無くなるじゃろう」「しょうがないね」「黄色いの」「はいはい」「オレンジ色」「はい」「ま、こんなことで次回に続く」「ううん、いい加減なレポートだこと」

  2014.01.13

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  ぢい散歩１「調布」：その１「神代植物公園・和太鼓と牡丹」

  「さあ、お正月、今年最初のぢい散歩」「もうやったの」「調布の神代植物公園」「あれ……初詣に深大寺へ行きましたね」「ちょうど裏じゃな。植物公園の駐車場を利用することもある」「出直しですか」「はい、２日から開くもので……」「で、写真は……」「お正月にふさわしく、富士山を」「どうでもいいのね」「さあ、神代植物公園では、お正月イベント」「和太鼓ですか」「風神のお二人」「お正月らしくていいですね」「いしい昭さん。たくましくて力強い」「はい」「福士夏子さん。美人じゃなあ」「はい」「さあ、もう一つのお正月のイベントが牡丹展」「きれいですねえ」「こちらはピンク」「はい」「色代り」「ううん、大家さんじゃあ植物の説明する能力はないし……」「まあ、そんな感じで、今年の第１歩を開始しました」「去年までと全然変わらないね」

  2014.01.12

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  ぢい散歩６８「銀座」：その２「東京ミチテラス」

  「今年の話題、東京ミチテラス」「線路だ」「東京駅の中に、蒸気機関車Ｃ６２の車輪が展示されているのは知ってるな」「鉄道ファンは知ってますがねえ……こちらは走るんですね」「音が出て蒸気が出て……」「あ、色が変わっている」「色は色々」「つまらない洒落」「こんな感じで……」「ねえ……いいじゃないですか」「わしは丸の内通りから来たので、並ばずに入れたが、東京駅から来ると待ち時間１０分以上と言っていたなあ」「そちらが混んでるんですね」「ということで、東京駅へ出て、帰宅しました」「はい、ご苦労様」「歩いたのが、万歩計で９６５０歩、８キロと出ている。ただし、午前中仕事だったので……　使ったお金は、交通費は東京駅までの往復のみ。木戸銭その他、お土産代もなし」「最後はケチで締めくくりですね」「と言うわけで、これで２０１３年のぢい散歩は全て終了」「６８回ですから、３６５日で割ると、遊びに出たのか１８．６３％ですか」「ちょっと待て……京都、蓼科、北海道と、宿泊旅行があったから、実際の日数では７５日じゃ」「え……じゃあ年に２０．５％……５日に１日はぢい散歩」「薬屋の広告のような説明をするな」「遊び回っていますねえ」「ぢい散歩にはならなかったものの、寄席だけとか、演奏会だけとか、それだけの目的で出掛けたのが７回あるな」「合計８２日ですか……仕事をしている暇はないでしょう」「え……ちゃんと仕事をしている……つもりじゃが……」「どれだけやってます」「ううん……まあ、１日中働いているはずはないからなあ……家では起きてから出勤まで、朝食や準備で１時間ちょっと。昼休みが４５分あるな。帰ってから風呂上がりに一杯やって、寝るまで２時間。計算上は睡眠時間が８時間取れるようになっているから……」「合計で……もう１２時間になりますよ。仕事でない時間は３６５日の半分、１８２日半という計算ですね」「通勤時間は、朝はつながりがいいので１時間１３分。体調がいいときは１キロを１１分で歩くので１時間６分で着く。帰りはつながりが悪く、買い物をしたりということもあるから……合計３時間ということにしておこう」「年間４５日半」「休むのは国民の休日……祝日は無くなったのじゃな……これが16日あって、日曜日が５２日、土曜休みの会社もあるが、わしの所は隔週で行事などがあると休めないので、月に１回という計算」「１２日ですか、休日のトータルは８０日ですね」「お盆と正月の休みが１週間ずつ、今年の年末年始は８連休だ」「すると合計９５日」「そんなものかな」「ええ、合計３２３日……ということは働いているのはたった４２日分」「それでぢい散歩に行くのじゃから……」「あれ、８２日分を引くすか……マイナスになっていますよ」「本当だ……何だか給料もらっているの悪いなあ」「ということで、やっと昨年のぢい散歩の報告が終了となります」「はい、今年もぢい散歩は続きます」

  2014.01.11

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• 細川出馬

  「いやあひどいニュースが出たな」「何です」「細川元総理が都知事選に出馬するかも知れないという」「ああ、あれはひどいことですか」「いや……細川はもともと好きではないし、どうでもいい」「あれ……じゃあ、何がひどいの」「それに対する甘利という奴」「奴ってひどくないですか」「そいつが『殿ご乱心』と言って笑っていたという話題じゃ」「ああ、ニュースになってますね」「ご乱心は気が狂ったということじゃろう。こういう場所で使うのか」「良識には欠けていますね」「良識ある人間なら使わないな。わしは『ドン・キホーテ』を思い出した」「どういうことです」「作者は笑い話として書き始めたが、書いていくうちに、主人公の悲劇に変わって行った」「へえ」「彼は言うのだ。『夢を追う自分が狂っているのだろうか、自分を笑う世の中の人が狂っているのだろうか』」「ああ、なるほど」「おかしくなった人は、まともな人がおかしく見える……という見方をすれば、甘利って人と、回りの人間がおかしいんじゃないかと見える」「非常識というレベルじゃないですね」「それから、自民党はやっぱり電力会社からかなりもらっているのじゃろうなあ。火力発電に対して問題点を口にしているが、事実とは違う、電力会社が言っていることの々」「そうですか」「もう何度も繰り返していることだから具体的な数字は省略するが、日本の原発はＣＯ２の削減には全く役立たない。火力発電と同じ量を出している。それからＬＮＧは世界の倍の値段で買っているのだ。電気料金は言っていないが、火力や水力の100分の１で出来ると説明して原子力を推進した自民党と電力会社は、その値段に対して説明もしていない」「ひどいね」「自民党は独自候補者が出せず、追い出した候補者を支持するなんて馬鹿を言い出している。批判をする前に、自分の考えを出せる候補者を出したらどうじゃ」「本当ですね」「とにかく、あきれ返った事件でございました」

  2014.01.10

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  ぢい散歩６８「銀座」：その１「演奏会とイルミネーション」

  「さあ、昨年の ぢい散歩の報告」「まだ残っています」「今回は銀座へ」「またですか」「今月だけで三度目」「目的は……銀ブラですか」「銀ブラは今回も実現せず」「では、何を……」「はい、水野由紀さんの独演会」「それ、音楽の時は演奏会って言うんですよ」「いつから」「前から」「へええ……」「そんなに驚くな」「ＣＤArpeggioneSonata発売記念。彼女の２枚目のアルバム」「へえ」「１枚目はお馴染みというか、親しみやすい曲ばかりを並べたもの。それが２枚目でアルペジオーネ・ソナタじゃ。びっくりじゃな」「大変身したんですね」「そう。１枚目のＣＤだけだったら、こういう会に参加したかどうか……」「はい」「演奏会はまず１枚目のＣＤから親しみやすい曲、サン=サーンスの白鳥まで」「それで、後半は」「こちらのアルバムから、ショパンの序奏と華麗なるポロネーズがトリ」「説明まで落語会みたい……ショパンのは大変な曲ですか」「技術がしっかりしていないとだめじゃな。それにメロディに繊細さもある。彼女の演奏は偏っていないから素晴らしい」「はい」「ということで、後はサインをいただいて……ピアノが大活躍するんだから、ピアニストの方にも参加していただきたかったな」「はい、どうでもいい感想ね」「さて、ちょうどクリスマス明けの日だったので、イルミネーションを……」「銀座通りですね」「柳通りも……」「さあ、説明が適当になるぞ」「こちらは丸の内通り」「毎年人気のイルミネーションですね」「今年も同じだが、ミッキーマウス型のライトがある」「へえ、どこでしょう」「ほら、ここ、ここ」「見えませんよ」「……」「……」「……」「どうしました、固まって……」「今日伝えるべきことは全部伝えた」「何ですそれ……帰るんでしょう」「いや、まだあるの」「え……どうなるの」「続く」

  2014.01.09

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  ぢい散歩６７「水戸」：その３「水戸あちこち」

  ぢい散歩６７「水戸」：その３「水戸あちこち」「もうちょっと先の薬王院。こちらはお正月を迎える準備中」「茅葺き屋根の切りそろえですか」「本堂」「本当」「さて、戻って、吉田古墳」「これも久し振りだね」「前方後円墳とか、色々知っているが、これは多角形だったのではないかと言われ、まだ調査中」「難しいねえ」「さあ、これから逆川緑地へ出て、自然に親しみながら北上しよう」「はい、参りましょう」「さあ、西へ向かい、素鵞神社は写真省略、逆川の緑地まで参りました」「はい、川に沿って北上ですね」「千波湖まで１．５キロほど進みます」「途中で見付けた鳥」「固まってますね」「はい、ちょっと横を向いてもらいました」「どうでもいい写真だなあ」「まあ、こんな具合で水戸の近代美術館まで参りました」「これは９月に台風の中をやって来ましたねえ」「ロダンが有名なのじゃが、こちらは新しい彫刻」「へえ」「写真撮影は禁止じゃが、資料をくれる。この資料の写真を出してもいいかって尋ねたらいいんだって」「あれ……」「今回は聖なるものへと題した展覧会。神聖を感じさせるものから、命の尊さを感じさせるものなど」「いいですねえ。今月１３日までやっております」「その中の一つ、小川芋銭の狐隊行」「いいですねえ」「こうして見ていくと、いいなと感じる作品はやはり著名な作家のものが多いのじゃなあ」「いい作品が多いから有名になったんですかねえ……大家さんの感性が合っているとは思えないんだけど」「とまあ、こんな感じで、ぢい散歩はおしまい」「軽いねえ」「歩いたのは万歩計で１万歩、７．９キロと記録されている。　使ったお金、昼食が８５０円、レンタサイクルが５００円、納豆スナックが２７０円、お酒が４２０円、近代美術館の木戸銭が８５０円、木の枝のフックを買ったのが７４０円」「合計３６３０円」「ということで、報告を終わります」

  2014.01.08

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