151:女天下(おんなでんか)
【粗筋】 いつも女房の尻に敷かれている魚屋の金太が、隣の銀行員・山田さんに頼んで、女房に意見をしてもらおうとするが、行ってみると山田さんも奥さんに小言をいわれている最中。仕方なく二人そろって老学者・根津先生を訪ねると、先生は二人に,「何といういくじなしじゃ」 と叱りつけるが、いざ奥さんが帰ってくるとやっぱりペコペコ。金太と山田さんは帰る途中で、あんまり情けないから身投げをしようかと相談、そこへ先生が追ってきて、「まあ、死ぬほどのことはない。わしが君達の細君に意見をして上げれば、少しは変わるじゃろうから」「そうしていただけますか」「その代わり、君達二人で僕の家内にとくと御意見願いたい」【成立】 益田太郎冠者作。嬶天下という言葉は江戸時代から。気の強い女房を「嬶左衛門」、夫の頭が上がらないのを「嬶大明神」といった。