ぢい散歩40「皇居周辺美術館巡り」:その1「東宮御所」
「ぢい散歩、記念すべき第40回を迎えました」「よく続きますね。8月4日は今年216日目ですから、5.4日に1回やっているんですね」「ふふふ、甘いな」「何です」「第19回の滋賀京都スペシャルは2泊3日、第36回の蓼科スペシャルは3泊4日じゃ」「うへ……」「今月15日からの北海道スペシャルも2泊3日。これが第47回目になる予定」「え……そこまで行って回数で割ると4.87日に1回、連泊も計算すると4.24日に1度は散歩しているんですか……よく続くなあ」「そうほめるな」「呆れているんです」「今回は皇居周辺の美術館を回る。神田駅集合で、まずは出世不動尊」「こういう小さいの…好きですね」「リクエストがあって、第38回と同じ、御宿稲荷神社と鎌倉橋へも行ったが、同じなので省略」「はい」「さあ、無事に地下鉄の竹橋駅まで到着」「あれ……どうして鉄道を利用せずに歩くんです」「電車賃が20円も安いから」「ケチだねえ」「神田からここまで1222メートル」「はいはい」「写真はお堀端の和気清麻呂像」「歴史で聞いたことがありますね」「道鏡を建てようとして罪を受け、別部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と改名されて流罪となった。出身の岡山とその配流先である鹿児島に和気神社がある。天皇が亡くなって復権するのじゃが、今は御覧の通り、マラソンランナーの荷物置き場」「ひどい扱いを受けてますね」「普通スポーツをする人は回りへの配慮もあるが……上野の子規の句碑も汗をかいたシャツを拡げてあることが多いね」「最近そうなのでしょう」「こちらは震災銀杏と呼ばれる木。一ツ橋一丁目一番地にあったが、関東大震災で回りが全部焼けたのに、この銀杏が生き残った」「奇跡の一本銀杏ですね」「復興の区画整理で、ここに植え替えたという訳じゃ」「歴史的ですね」「区画整理はほんの一部。議員さんが新しい大都市を作らず、昔のゴタゴタした町を残そうという大合唱で、予算も結局何分の一、何分の一と年々削られて新しい都市は生まれなかった。議員さんは終戦後の東京復興でも同じことを繰り返している」「いいのか悪いのか……」「写真で橋の左奥に見えるのが近代美術館。今日見学予定に入っている」「え……まだ他に寄るの」「これから橋を渡り、東宮御所を散策する」「うへ……いきなり散歩ですか」「平川門から入って……二の丸庭園、三の丸尚蔵館などは、また今度東京駅方面から……」「いつになるやら」「今日は天神濠を越えて……」「はい」「白鳥濠へ」「手抜きだね」「汐見坂からの景色。本丸から二の丸へ向かう坂。今日は本丸へ向かう」「はい」「こちらが大奥の跡」「跡形もありませんね」「ここが天守台。二代秀忠が作ったが、三代家光の時に修築され、大天守閣が作られた。高さ58メートル、6階建てじゃ」「すごいですね」「ところが、例の振袖火事、明暦の大火で焼けてしまう。わずか19年しか存在していなかったのじゃな」「へえ」「こちらが桃華楽堂。写真の左に衣食住、正面に日月星、右に松竹梅がデザインされている。八角形で、それぞれに別のデザインがあるのじゃ」「へえ」「こちらは昭和41年の完成」「さて、今日はここで演奏ですね」「ここから見渡すこの庭園全部が御殿だったのじゃ」「へえ、さっき大奥ってありました」「向こうから入って来て、役人達が仕事をしたり、将軍の謁見などをするのが表。その次が中奥で、将軍の日常生活や仕事場じゃな。それから大奥となるのじゃ。直線距離で400メートルくらいになるね」「すごいねえ」「はい、こうして北詰橋門から出ました」「無事終了ですね」「本当は中を突っ切って東京駅の方へ出る予定だったのじゃが、余りの暑さに予定変更。涼しい内にと思ったら、とんでもない。すでに30度を超えてしまった……Tシャツはもうびしょびしょ」「大変ですねえ」「さあ、次回はいよいよ美術館めぐり」「はい、続く」