名作落語大全集

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  ぢい散歩29「土浦の花めぐり１」：４「フラワーパーク」４

  「茨城県フラワーパークでバラのご紹介」「まだ続いています」「写真はファーストラブ」「初恋ですか」「♪すなや～まのすなに～」「歌わなくていいの」「こちらはただラブ」「つながりですか」「♪ラブ、ラブ、ラ～ブ……」「歌わなくていいの」「シャルダン・ドゥ・フランス」「可憐な花ですね」「たそがれ」「ううん、イメージかな……難しい」「のぞみ」「これは大木に育てているんですか」「マリア・カラス」「これは歌手ですね」「歴史的なソプラノ歌手だな」「はい」「ラバグルト」「色も色々」「ラプソディ・イン・ブルー」「これも音楽ですか」「ガーシュインのピアノ協奏曲じゃな」「ジャズっぽい作品ですね」「ブラックバッカラ」「これも色が面白いですねえ」「ミラマーレ」「これも面白い色」「ああ、疲れた」「花を並べているだけで、何も考えていないのにねえ」「はい、バラのご紹介は次回に続く」「え、まだ続けるの」

  2013.06.24

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  ぢい散歩29「土浦の花めぐり１」：３「フラワーパーク」３

  「茨城県フラワーパークのバラをご紹介」「続きです」「ビエールドロンサール」「これも色合いが面白いね」「カクテル」「ううん、なるほどと思うかどうか……」「フィオルド」「はなやかだね」「スターザンストライブス」「こちらは面白い色合いで」「インカ」「黄色も面白いねえ」「ニコロ・パガニーニ」「作曲家ですね。大家さんが４０年も前からマニアになった」「その主題をアレンジした作曲家が数十人という、世界一人気のあるメロディを作った人。悪魔に魂を売ったお陰で、誰にも弾けないテクニックを身に付けた」「すごいね」「プリンセス・ミチコ」「ちょっとくたびれていますね」「先日紹介したプリンセス・アイコと交代かな」「そんな失礼な」「ポルカ」「これも音楽ですか」「ファンタジア」「これも音楽……かな」「ノスタルジィ」「いい名前だね」「花の雰囲気もね……ということで、バラはまだまだありますので」「ええ……まだ続けるの」「次回に続く」

  2013.06.23

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  ぢい散歩29「土浦の花めぐり１」：２「フラワーパーク」２

  「茨城県フラワーパークへ参りました」「今日はバラ園をご紹介ですね」「ここでは７５０種類が育てられている。そのうち春に咲くのが６５０種類」「すごいね」「ここでは毎日１０種類ずつ紹介するから、二ヶ月は掛かるな」「そりゃないよ」「はい、まずはノックアウト」「名前が面白いですねえ」「フリージア」「あれ、そんな名前の花がありますね」「ダブルディライト」「色が面白いね」「ハーモニィ」「大家さん音楽好きだから、こんな名前なら撮って来ます」「ハマナシ……♪しれーとこーのみさきに～」「歌わなくていいの……それハマナスだし……でも変わった形のバラですね」「ガーデンパーティ」「はなやかですか」「ミスターリンカーン」「人の名前のものも多いですね」「こちらは指揮者のアルトゥロ・トスカニーニ」「すごい……名前が」「ロサルゴサアルバ」「意味が分からないのも……形も変わっていますねえ」「ウィリアムロブ」「色々ありますねえ」「ということで、今回はこれまで、次回に続く」「え、また」

  2013.06.22

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  ぢい散歩29「土浦の花めぐり１」：１「フラワーパーク」１

  「ぢい散歩、２９回目と３０回目２度に分けて土浦の花めぐりを企画しました」「土浦といえば、駅から歩ける範囲の桜を見ました……あれでも本気で回れば７、８キロでしょ」「今回は車でないとねえって場所。まずは茨城県フラワーパーク」「名前から花の名所ですね」「さあ、中に入った」「例によってどうでもいい写真だなあ」「噴水と山」「広いですねえ……お花はどうしました」「写真右の山の上に建物が見えるじゃろう」「え……はい」「まずそちらに向かってみよう」「思いつくままだね」「はい、お待たせ、花」「何という花ですか」「え……ええ……白い花」「予測通りの答えだね」「さあ、山道に掛かるぞ」「公園の中ですよねえ……」「さあ、山頂に見えた展望台からの景色」「すごいですねえ」「３６０度の見晴……この山は筑波山」「え……大家さんの住む取手や勤務先の土浦からは二つの山が見えますよね」「ここはほぼ真横になるのじゃな」「反対方向を見ると龍神山」「これも面白い形」「つくばの研究学園都市まで見えるというが……ちょっと分からない」「はい」「こちらは山頂にある歌碑。　　筑波嶺のさ百合の花のゆ床にも　　愛しけ妹そ昼も愛しけ　これは防人の歌で、残していく妻を詠んだものじゃな」「はい……フラワーパークって、花はほとんど出て来ないね」「じゃあこちら……」「蓮ですか」「こちらも」「大輪ですね」「これからバラ園へ行くぞ」「あ、これからが本番ですね」「それはまた次回」「あら、やっぱりね」

  2013.06.21

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• 原発についてもう一言

  　日本でも原発はもういらないという人がいる。かなり多くなったように感じたが、自民党が圧勝したのは、国民は原発を望んでいるからだ、と自民党の人々は言っている。それを受けてのバカ一……いや、高市の発言だった。ごめんなさい。ちょっと指がおかしくて打ち間違いは出ると思います。　それで、一刻も早く再稼働と動いているわけだが、自民党が失敗したのは、民主党を攻撃して、再稼働の条件を厳しくさせちゃったこと。それがなければこの夏にも再稼働できたのだ。　もう一つ、日本国民の多くは納得しているのだろうが、私があきれるのは、海外に原発を売り出すというのだ。　あきれるのは、海外の方が買うという答えを出してくることだ。なぜだろう。　第一に、海外では危険性の実感はないのだ。アメリカで、テロなどの後、核兵器で攻撃されるのではないという噂が流れたことがある。アメリカ国民はどうしたか……防空壕を掘ったのである。　そんなもので防げるはずはないのに、アメリカでは原爆の威力を知らないのだ。日本でも、占領軍は原爆の状況を隠すため、長崎の主要な証拠品は隠ぺいされ、建物などはどんどん壊された。日本人が原爆の被害を本当に知ったのは、占領軍が去った後、朝日が出した写真風によってであった。あまりの悲惨さに嘔吐するほどで、批判された。　そんな状態だから、原子力の力……いや、その怖さを知っているのは日本だけなのかも知れないのだ。　知らないから原子力を受け入れるのか……日本では事故があったことは知っている。それでも受け入れるのはなぜか。　それが第二の理由……日本の宣伝がいいのだ。　その概要は……原発の事故を体験したのは日本だけだから、その対処法は分かっている。その事故も大きな事故にも関わらず、一人の死者も出ていないし、今後も出る可能性は皆無。だから絶対に大丈夫。　日本の大きなビジネスとして期待したい……私以外の日本人は期待している。

  2013.06.20

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  土浦交響楽団演奏会

  「やっと６月の報告に入れる」「ひどいね……半日の散歩の紹介に一週間も掛かるから」「この日はつくばノバホールで土浦交響楽団の演奏会」「土浦に交響楽団があるんだ」「今勤務先が土浦じゃから、ご招待を頂いて……」「やっぱりタダだ」「ボロディンの歌劇『イーゴリ公』序曲。この曲の中では、昔『だったん人の踊り』といっていた『ポロヴェッツ人の踊り』が超人気曲」「はい」「序曲も面白いと思うのじゃが……」「何か」「管弦楽団の楽器バランス。低絃が多くてヴィオラが少ないので真ん中が抜けてしまっている。上下の音がちぐはぐな感じ。曲によってメンバー入れ替えなどした方がいいかな……しかしそれでは管に負けちゃうし……難しいね。２曲目のブラームスの『ハイドンの主題による変奏曲』も同じ印象じゃが、この曲では主題と変奏の取り合わせがうまく行っていたかも知れない」「はい」「仲入り後はドヴォルザークの『交響曲第８番』。これは気まぐれに次々雰囲気が変わっていくのがいかにもおかしい。わしゃ吹き出しそうになるのじゃ。それが出るのはいい演奏だったという結果じゃろうな。第３楽章の揺れ動く心からから間を取らずにフィナーレに突っ込んで行く。わしの感性とぴたっと来た」「良かったんですね」「アンコールはもちりん、『スラブ舞曲』」「ということで」「演奏会のご報告を終わります」

  2013.06.20

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• 高市という奴が……

  　6月17日、自民党の高市という奴が、「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない。今後も出ない。」　と言った。翌日福島県などから批判の声が上がった。　県の反論によれば、震災や原発事故による避難などにともなう、県内の死者は1415人。原発に近い大熊町の病院では、避難が遅れ、震災後20日の間に入院患者40人が死亡した。高市によれば、これは震災や津波の心労が原因で、原発とは何の関係もないというのだ。避難先で仕事も失い、生活への不安から自殺者もいる。それは原発と関係ないのだ。本人の心の弱さが問題なのだろうか。　批判を受けて釈明したが、間違ったことを言ったとは感じていないのだ。「誤解されたのなら、しゃべり方が下手だったのかもしれない」　と言っていたのだ。ではどういう意味で行ったのか、少しも説明はない。自民党内からも反発と言われていたが、党の考えとしては官房長官が、「前後を見ると問題になるような発言ではなかった。」　と擁護している。前後は何だったのか。批判された発言が正しい発言だったということになるのなら、それを説明してもらいたい。これは報道も片手落ちで、前後を読めば高市が言っていることは間違っていないというのだから、その前後を報道すべきだ。　ところが、高市は、19日になって「発言を撤回し、福島の皆様にお詫び申し上げます」と陳謝した。結局何を誤解されたのか分からない……本気で死者は出ていないと言っていたということに落ち着いた。　このおばさんが出ていたテレビ番組で、国民からの声が紹介された。国民の一番の関心事は「エネルギー問題」だという数字が出た。これに対して、このおばさん、「これは心得ています。一刻も早く原発を再開させます。それが国民の声なのですから。」　と応対した。前年に意見会を開き、原発に関する意見を集めて、その結果民主党は原発廃止を謳ったが、政権が代わって、そうした民主党の取り組みは全てゼロに戻ったと、自民党が宣言している。民主党時代に「エネルギー問題」といえば、原発を止めてどうするかであった。それが、自民党になったとたんに、一刻も早く原発を動かせというのが国民の声と変わったのである。これに対して彼女は付け加えた。「東北のすべての県を回りましたが、どこへ行っても原発を早く動かしてくれと言われました。」　と。福島でも原発再稼働を求める声しかなかったことを強調した。　番組の後、国民が「エネルギー問題」と言っているのは原発をなくすことを求めているのではないかという問いに、「選挙で自民党が圧勝したでしょう。これは原発の再稼働を求める声なのです。」　と説明した。反論の余地はない。　さて、原発廃止で各地で意見会があったのを書いた。原発を多く使うという意見を述べたのが電力会社の社員で、日本の将来にはどうしても必要だと訴えた。あれが批判されたことは誰でも憶えているはずだ。さて、その社員の中に、「原発事故で死者は出ていません。」と訴えた社員がいた。誰でも今回の高市の言葉を聞いて思い出しただろう。あの時の批判を受けた社員のセリフと、今回のバカ一の……あ、打ちそこなった、高市のセリフが一致するのはどういうことだろう。　因みに、あの意見会は、民主党がやったことだから、全てゼロにリセットされた。自民党の中にはあれはパフォーマンスでやらせだったと公言する人もいる。これも、国民が自民党を選んだ選挙結果から、国民の望む結果だという。　たとえやらせでも、リセットされていたとしても、あの意見会を知らないとしたら……この議員は全く不勉強、今回の発言は責任は重く、辞任しない方がおかしい。　知っていたとすれば、東電の回し者と言われても仕方がない。自民党は東電からリベートをもらっているから、そういう発言をするのは当然だということ。阿部が辞任させないのなら、それが自民党全体の意見ということである。

  2013.06.19

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  カンパーニャでかんぱあいにゃ

  「新宿、大久保から帰って、家族と食事。パスタのお店カンパーニャへ」「また多分どうでもいいご報告になると思います」「ここは昔海老フライの店だったが、海老は小さくて、しかも揚げ型が下手」「ひどいね」「だからつぶれたんじゃろう。その店でおいしかったのは、剥いた殻を揚げたもの。捨てる物を再利用したのじゃから安かったし、この殻揚げだけはいただけた」「すごい言い方」「まずは前菜。サラダなど」「はい、パンもついています」「本日のピザはアサリと海老で」「いいですねえ」「パスタはベーコンと」「はい、最後はデザート……でおしまい」「はい、やっぱりどうでもいいご報告でした」

  2013.06.18

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  ぢい散歩２８「大久保」：その６「諏訪通り」

  「はい、ぢい散歩では大久保を歩いていますが、もう早稲田ですねえ」「高田馬場駅前の早稲田通りから一つ南の諏訪通りを歩こう」「参りますか」「まずは田植地蔵」「墓地ですね」「この奥にある」「はい」「玄国寺」「早いね……説明もなく」「本堂」「はい、庭の工事中でした」「こちらが弁財天。御開帳されていた。ふっくらとしたお顔を見ていると思わず微笑んでしまう」「はい」「諏訪神社。この辺りを守る神様」「お参りしましょう」「塞神三柱（さいのかみみはしら）の塔。天和２（１６８２）年の石塔。右の方に諏訪上下大明神と正八幡大菩薩、左は天と彫られているが後は読めないが、もう一つ稲荷大明神とある」「はい」「本殿」「はい」「さあ、更にずうっと東へ進んで、放生寺」「忙しいなあ」「こちらは本堂」「はい」「神変大菩薩も御開帳……精悍ないい顔をしているぞ」「色々ありますねえ」「さあ、その先穴八幡の流鏑馬」「お参りは」「最初から言う通り、お昼には帰らなければならないので、もう時間が……」「あ、だから急いでたんだな」「さあ、早稲田駅からの漱石通り」「ここから地下鉄で帰るってことですね」「漱石の碑。ここが夏目漱石誕生の地だという」「へえ……根津にも住居跡がありましたね」「そうじゃな。朝日新聞の編集長になり、また早稲田に住むことになる。漱石はお金について色々記録されているから面白いな」「そうなんだ」「明治の人は、お金に執着するのはみっともないってんで、漱石もずいぶん非難されている。はっきりしていていいと思うがなあ……」「はい、ということで……」「昼食を家族と共にするので、早稲田の駅から地下鉄で帰宅」「あれ……逆回りで高田馬場から乗った方が乗り換えが少ないじゃないですか」ＪＲだけで帰るより、地下鉄からＪＲに乗り換える方が電車賃が安い」「ケチだね」「そういうことで、地図上では８．５キロ、実際には万歩計で1万５千歩なので10キロくらい歩いた計算になります。新宿のホテルから駅まで、間の交通費はゼロ。木戸銭など必要な所はありませんので、タダ。さすがに昨夜９時間も飲んだ二日酔いで、途中飲み物を買って、100円。お寺などのお賽銭が全部で100円」「ケチだね……暑かったのに飲み物１本ですんだんですか」「ホテルの朝食で飲み物はくすねて来ていたから」「本物のケチだね」「まあ、そんな計算で、大久保のお散歩は読み終わりと致します」

  2013.06.18

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  ぢい散歩２８「大久保」：その５「箱根山」

  「ぢい散歩では大久保を歩いております」「今日はどちらでしょう」「少し戻るが、大久保の犬御用屋敷跡。抜け弁天の東側、余丁町小学校と第８機動隊の辺り、合計２万３千坪が、江戸時代の犬御用屋敷、ここに野良犬を収容していたのじゃ」「犬って……生類哀れみの令ですか」「そう。元禄８（１６９５）年に設置され、10万匹の犬が収容されたという。それでも足りないので、中野に移転し、元禄10年、２年４ヶ月余りで閉鎖された」「へえ……写真は」「この前に説明板があるのじゃ」「なるほど」「こうして大久保通りへ出る。こちらは統計資料館」「これも博物館といってもいいですね」「その北に広がる戸山公園。住宅地の中にあるが、そこに箱根山がある」「天下の嶮ですか」「これが山頂への道……まあちょっとお散歩で上れる程度の山」「はい」「ここが山頂」「憩いの場ですねえ」「さっきの写真でも見える新宿のビルをアップで」「よく見えますねえ」「ここから公園を西側へ抜けて……明治通りへ」「これは……」「学習院の旧正門。明治１０年に神田に出来た時の門じゃ。明治19年に校舎が焼失し、門はあちこちに移転するが、昭和5年に目白の学習院に戻り、戦後こちらに移った。現在は学習院女子大学などの門」「門にも歴史があるんだ」「はい、副都心線西早稲田の駅近くです」「これから諏訪通りを西から東へと回りますが……」「あれ、また次回ですか」「はい、続く」

  2013.06.17

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  ぢい散歩２８「大久保」：その４「抜弁天周辺」

  「ぢい散歩、大久保の辺りをぶらぶらと歩いております」「今日は抜弁天からでしたね」「こちらが抜弁天の前の交差点」「抜けてる大家さんがご紹介します」「ははは……そうほめるな」「ほめてない」「お祭りの準備中。この裏が抜弁天じゃ」「参りましょう」「この厳島神社はＹ字路の角にあり、両方の道路に抜けるようになっている」「あ、手前に鳥居がありますが、奥にも鳥居が……」「そう、あちらが向こうの入り口」「短い距離ですねえ……すぐ抜けられますね」「だから抜弁天というのじゃ」「へえ」「お前の方が抜けているぞ」「てへ」「１０８６年に源義家がここで富士山を望み、厳島神社に勝利を祈願し、後にお礼としてここに神社を造った」「へえ」「通り抜けが出来、苦難を切り抜けるというので信仰されたのじゃ。江戸の六弁天の一つ、また山の手七福神の一人」「ここらを代表する神様なんですね」「ここを右手へ、住吉町、曙橋方面へ向かうと、すぐにあるのが発明学会ビル」「大家さん、珍発明がありますからねえ……」「鉛筆と消しゴムのように、一緒に使う物を一つにすればいいって発想で、箒のお尻にちりとりをつけたら……使えなかった」「しょうがないね」「ここが明治の文豪坪内逍遙が住んだ場所。早稲田大学で学生を育て、『早稲田文学』創刊、シェイクスピアの作品の翻訳などを行った。『ジュリアス・シーザー』を歌舞伎に翻案した『自由太刀余波被斬（じゆうのたちなごりのきれあじ』から……原作、　「Brutus， You to？」　「Hand for me！」　一般の訳、福田恆存で、「ブルータス、お前もか」「この手に聞け」　坪内先生の訳、　「おお、ブルータス、お前も余を裏切るのか。」　「もうこの上は、この手に物を言わせてやるのだ。」」「面白いね」「彼は敷地内に文藝協会演劇研究所を儲けたが、建物などはなくなってしまった」「残念です」「ここから北へ抜ける……ちょっと東に寄って……」「本当に立ち寄りです」「出世稲荷」「大家さんは出世は望めません」「そうほめるな」「ほめてないって」「さあ、元の通り……抜弁天から牛込へ向かう道。この坂道が団子坂」「おいしいですか」「とんでもない。湿地帯の坂で、歩くと泥んこ、泥団子になる坂なのじゃ」「へ……」「江戸名所図絵にも『馬の首だんごさかと云』と記されている」「大変だあ」「大江戸線の若松河田駅の裏にあるのが小笠原伯爵邸」「すごい邸宅ですね」「普段はレストランになっているが、偶々この翌日が一般公開される日になっていた」「へえ……」「その準備中で、掃除を手伝った」「大家さんにしては奇特なことをしますね」「その代わりに中も見せろって」「やっぱり図々しい」「写真は出さないってことで……小さければいいじゃろう」「よくないって」「まあ、そんなことで、次回に続く」

  2013.06.16

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  ぢい散歩２８「大久保」：その３「西向天神社周辺」

  「さあ、大久保から東西に通る道、抜弁天通りを東へ向かっております」「今日はどちらへ」「抜弁天のすぐ手前の寺社をぐるっと回ろう」「これは……道ですか」「こちらが江戸時代より前に、草創久左衛門が開いたため、久右衛門坂という」「古いんですねえ」「この坂にあるのが永福寺」「どういうお寺です」「次行こう」「いい加減だね」「抜弁天通りを挟んだ向こうにある専福寺」「どういうお寺です」「次行こう」「やっぱり」「法善寺。七面明神が祀られている。落語にも『七面堂』というのがあるが、新宿の七面様として有名」「ほう」「鳥取の池田家の依頼で七面天女を作り、ここに一宇を建立、『江戸名所図会』にも紹介されているが、万治年間（１６５８～１６０）の頃に移動があったとする」「歴史がありますねえ」「この先、右手奥に鳥居が見える」「おや……こちらは」「西向天神社の裏なのじゃ」「お詣りしましょう」「本堂」「やきそばが目に付きますが」「大聖院文書。大聖院と別当寺に当たるこの西向天神の由緒が書かれた文書が収められている。１７５１年から１８７１年に掛けての二巻五冊一葉が収められる」「古文書として貴重ですねえ」「その資料にもある紅皿の墓」「どういう人です」「太田道灌が今の面影橋……都電荒川線に駅がある……そこらに鷹狩りに来て雨にあい、雨具を借りようとした」「あれ……それ、両国にもありましたね」「埼玉にもある。両国の方は道灌の領地だった縁かも知れない……まあ、どうでもいいのじゃが……」「適当だね」「まあ、こちらではその時山吹の花を出した少女が紅皿という」「へえ」「彼女は道灌に免れて歌の友となり、この大久保で余生を送り墓も出来たというのじゃ」「あちこちにありますね」「探して見ると面白い。文献によれば、江戸中期にこの話が出来、幕末から一気に広まったらしいね」「後から出来るんですねえ」「こちらが正面」「裏から来ましたので」「脇の坂道が、さっきの紅皿の碑に直接登るので、山吹坂と呼ばれるようになった」「山吹の里はここではありません」「ということで、この脇を抜けると、今回最初に紹介した永福寺と専念寺の間、抜弁天交差点に戻ります」「はい、本当に寄り道でした」「では、次回、抜弁天へまいります」「続く」

  2013.06.15

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  ぢい散歩２８「大久保」：その２「鬼王神社周辺」

  「さあ、大久保の散歩、前回の小学校から出ると大久保百人町の通り……こちらは東の端にある抜弁天に因んで、抜弁天通り　と呼ばれております」「さあ、目的地は」「出た所の交差点が鬼王神社（きおうじんじゃ）前となっております」「はい、お参りしましょう」「こちらは水鉢。鬼の姿の上に水鉢を乗せたデザイン。加賀美某の屋敷にあったが、毎夜井戸で水を浴びるような音がするので、刀で斬り付けると、その後家人に病や災いが起こるようになった。それで１８３３年、ここに寄進されたという。今でもその刀傷が残っている……と記録されている」「本当にあるんですか」「見ても分からない」「あれ……」「本堂。右の木の陰に壷が見えるじゃろう」「え……はい」「そこから竹がつながっているが、ここを水が流れている」「何になるんです」「水琴窟という。水の落ちる音が響いて美しい音色が聞こえる。向島百花園などにもあるが、普通はひしゃくなどで水を流してやると音がする。ここは自然に水が流れるようになっている。貯めるのも雨水なのじゃ」「へえ」「裏にある岩。富士詣でのようなものとか、歌や句を彫った碑もいくつも見える」「へえ」「さあ、通りに出て東へ。東新宿駅のＡ１出口の手前にあるのがこちらの碑」「何ですか」「島崎藤村旧居跡」「へえ、道路に住んでいたんだ」「……お前と話していると、作家がみんなホームレスのように感じるな……明治３８年に上京した藤村は、一年半ここに住んだ。ここで『破壊』を書き上げたが、三人の娘を犠牲にしたのじゃ」「娘を犠牲って……」「生活苦から死に追いやった。批判されて、芸術のためには仕方がないという趣旨の文章を発表して、芸術至上主義をアピールしたが、まあ本心ではないのじゃろう」「そういう場所ですか」「さあ、更に東へ向かって進みますが……」「それは……」「また次回」「はい、続く」

  2013.06.14

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  ぢい散歩２８「大久保」：その１「小泉八雲所縁の地」

  「同窓会で新宿へ……そのまま泊まりました」「今日の予定は……」「お昼を家族と食べる予定なので、とっとと帰ろう」「はい……新宿からなら２時間あれば着きますかね……」「まずは新宿プリンスホテルから北へ……」「あれ……歩くの」「西武新宿駅の北側にある、長光寺」「え……見学するの」「右側にあるのが薬師如来。弘法大師が近江国ではやり病を止めるために作った。こちら大久保の百人町を開いた久世三四郎が願って自分の屋敷に祀ったところ、夢に薬師如来が現れて、俗家にいたくないから、一宇を建立してくれと願ったことからここに移した」「へえ……贅沢なことを言う如来さまだね」「そういうことを言うと罰が当たる。お参りした人に幸せを与えて下さるのじゃ」「大家さんと出会った不幸をお助け下さい……」「更に北へ進むと多国籍な町……早朝に散歩するといかにも怪しい雰囲気じゃな」「そうですか」「さあ、新大久保駅からの大久保通りにある全龍禅寺」「どういうお寺です」「次へ行こう」「やっぱり」「こちらが小泉八雲記念公園」「怪談の作者ですか」「ラフカディオ・ハーンじゃな。昨年夏から怪談の舞台や関連の場所を回ったが、ここがとりあえず最後になるかも」「色々行きましたからねえ」「八雲関連では、ホテルニューオータニの脇、ムジナの坂などを見物したね」「はい」「こちらがやっちゃん」「八雲像でしょう」「ええ、ここでお知らせが……実は朝早く出て、開園３０分前に来てしまいまして、次回ご紹介する鬼王神社を先に回っております。このブログでは道順でご紹介いたします」「どうでもいい報告だね」「裏門。大久保小学校前に出る」「ううん、またしてもどうでもいい紹介だね」「その小学校が小泉八雲終焉の地」「え、こんな道路で……」「な訳ないじゃろう」「じゃあ小学校で亡くなったんですか」「はいはい……それでは鬼王神社の方へ参りましょう」「それはまた次回

  2013.06.13

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  ぢい散歩２７「新宿」：その７「新宿追分から駅まで」

  「ええ、そんなわけで、新宿をぶらぶらしておりましたが、そろそろ時間なので……」「何の時間です」「この日はわしのワンマンショー」「え……客は来ないね」「それでこの後は会場めがけて移動するだけ」「参りましょう」「新宿末廣亭」「はい、お馴染み。日本一古い寄席ですね」「１８９７年創業。建物は空襲で焼けて、１９４６年に再建されたものじゃ」「へえ」「新宿追分」「へ……」「新宿が宿場として栄えたのは、江戸から出発して、甲州街道最初の宿場じゃ。東京の人は今でも『しんじく』と発音しているな。宿場はどこも日本橋から二里の場所だったが、この甲州街道だけは四里先の高井戸が最初の宿場だった。そこで１６９８年に宿場とする認可が下りたのじゃが、客引きの女達が並んで、宿場ではなく遊郭になったためにわずか二十年で廃止された。理由は別につけたが、『猥なる儀これ無きよう』と記録されているので間違いない。１９７２年に再興されると１５０人いた女がたちまち５００人を越えて、四宿の一つになった」「すごい歴史ですね……前回紹介された子供合埋碑ってのが理解できました」「追分というのは分かれ道のことで、ここで青梅街道と分かれるのじゃ」「へえ」「その南にある雷電稲荷神社。追分から新宿駅に行くなら、地下道が便利じゃが、こういう所を通るのも乙じゃ」「はい」「新宿駅北側にある馬水槽。宿場で馬や犬猫、人間に飲料水を与えるために作られた」「え……いつの時代です」「これはロンドンで１９世紀に使われていたもの。友好の印として贈られたのじゃ」「へえ」「ということで、本日の会場新宿プリンス・ホテル」「３月には大津のプリンスに泊まって……縁がありますかねえ」「わしも回りからプリンスと呼ばれてるしなあ」「ないない」「終わった、終わった……飲み会はホテルの中で……「写真は」「損保ビル。二次会で近くのセンタービルまで移動したのじゃ」「飲んでばかりだね」「ということで、新宿を飲み歩くこと９時間」「すごいね」「無事プリンス・ホテルへ戻って宿泊致しました」「ううん、結局どうでもいい報告でした」「本日のぢい散歩は以上。万歩計で７６５４歩。約５キロかな」「はい、飲み会の移動も含む」

  2013.06.12

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  ぢい散歩２７「新宿」：その６「正受院と成覚寺周辺」

  「ぢい散歩では、新宿を散歩しております」「靖国通りへ戻ったが、この辺りも面白い物が色々ある」「そうですか」「馬のオブジェは昔この辺り一帯が馬場だったことを示すのじゃ」「そうなんですか」「高田馬場（たかたのばんば）という地名も残っておる」「あ、そうか……」「その後のバス停には、バスの歌の音符が書かれていた。　　♪ちょこっと走れば違う町～……」「歌わなくていいの」「そんな訳で正受院へ参りました」「お参りしましょう」「梵鐘。宝永８（１７１１）年、神田の河合兵部藤原周徳の作品」「貴重ですね……どういう人です」「太平洋戦争で金属供出され、武器等になったと思われていた。それが戦後アメリカで発見され、昭和３７年に返還された」「へえ……って、作者について聞いたのに、ごまかしたな」「小見外次郎翁之像と針塚」「どういう方です」「さあ」「本当いい加減なんだから」「こちらには奪衣婆の像が安置されている」「だつえばって」「三途の川を渡った場所で着物をはぐという婆さん。江戸時代に人気になったというが、あの小野篁が作ったという伝説もある。板には元禄の年号があるが、出来たのはもっと前であることは間違いない」「へえ」「さあ、お隣の成覚寺へ参りましょう」「参りましょう」「こちらは旭地蔵。寛政の末１８００年から１５年間の不慮の死を遂げた人の名が記されている。七組は心中した遊女と客らしい。新宿御苑の北側に流れていた玉川上水の岸に作られたものが、明治になってから移った」「新宿の遊郭は落語でもありますねえ」「こちらは子供合埋碑（こどもごうまいのひ）」「子供って……ガキですか」「新宿の遊女……表向きは飯盛り女となっているが、亡くなると共葬墓地に捨てられた。それを祀ったもの」「千住にも投げ込み寺がありましたが、ここにもそういう歴史があるんですね」「恋川春町の墓。江戸の浮世絵師、狂歌師など……『金々先生栄花夢』などの戯作が有名で、カットも自分で描いている」「ほう」「脇には、　　我もまた身はなきものとおもひしが　　今はのきははさびしかりけりという辞世の歌が刻まれている。案内板には句とされているなど間違いもあるが……」「はいはい」「はい、こちらが本堂」「最後に来るかねえ」「そろそろ時間も……新宿駅へ参りましょう」「はい、それはまた……」「次回でございます」

  2013.06.11

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  ぢい散歩２７「新宿」：その５「花園公園・三遊亭円朝から自証院まで」

  「さあ、新宿の散歩開始です」「まずはどちらへ」「新宿御苑前駅のすぐそばにある秋葉神社。祭りの準備をしていたな」「神社仏閣は行かないとねえ」「そこからちょいと北へ。緑が見えて来たね」「はい」「あちらが花園公園」「何があるんでしょう」「三遊亭円朝の旧居跡。明治２１年から２８年までこちらに住んでいた」「へえ」「寄席に出なくなったのは明治２４年。両国にも旧居跡があるし、最後は日暮里全生庵に葬られている」「はい」「靖国通りへ出る前にあるのが源慶寺」「どういうお寺です」「通り掛かりにあったお寺」「……すみませんね、どうしょうもない説明で……」「靖国通りを越えて、自證院。尾張の徳川光友の奥様の名前じゃな」「その方を供養したのですか」「そうなのかな……」「すみませんね、いい加減で」「小泉八雲が『瘤寺』とその周辺を書いているが、その瘤寺というのがこちら」「瘤ってどういうことです」「建物に檜を使ったが、その節目が多かったので、そう呼ばれたらしい。節寺ともいう」「阿弥陀三尊種子（しゅじ）板碑。弘安６年とあるから、１２８３年じゃな。新宿で最古の物。」「ほう」「裏に回って、富受稲荷大明神」「はい」「今回の目的地の一つ……」「え……工事現場ですか」「再開発中。ここが永井荷風が住んでいた場所ってはずじゃったのじゃが……」「はい、残念でした」「さあ、靖国通りへ戻って……」「次はどこでしょう」「次回に続く」

  2013.06.10

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  ぢい散歩２７「新宿」：その４「新宿御苑の薔薇」その３

  「新宿御苑のバラをご紹介しております」「バラだけで３回もやるかねえ」「ルー・ゲルタ」「これは黄色ですね」「モーツァルト……チロロ、チロロ、チロローラン……」「踊らなくていいの」「マジョリー・フェア」「はい」「手前がハニー・ブーケ、奥がツル・ゴールド・バニー」「これも組み合わせでお楽しみ下さい」「バレリーナ……チータリラリラーラ、ラーラ……」「踊らなくていいの」「アンダルシアン……ンタカタ、ンタカタッ……」「また踊る」「お待たせしました。プリンセス・ドゥ・モナコ」「可憐ですねえ」「ジーナ・ロロブリジーダ」「舌噛みそう」「コンラッド・ヘンケル」「いかにも薔薇らしい形ですね」「ということで、一回り。全景をご紹介して、バラ園のご報告と致しましょう」「息切らしているな」「次回はいよいよ三遊亭円朝の史蹟へ参ります」

  2013.06.09

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  ぢい散歩２７「新宿」：その３「新宿御苑の薔薇」その２

  「はい、新宿御苑でバラをご紹介しています」「続きです」「リリー・マルレーン」「人の名前のついたものも多いですねえ」「プリンセス・アイコ」「日本で開発された品種ですね」「オリンピック・ファイアー」「聖火ですか」「クリーム・デライト」「花の名前だけ並べて……そろそろ飽きて来たな」「白いのがシャンパーニャ、赤いのがピュア・ポエトリー」「組み合わせるのも面白いですねえ」「プレイガール」「そういわれると……そんな気がしますかねえ……」「プレイボーイ」「ううん……なるほど……かな」「イエロー・フィレッテ」「色も色々」「ノーブル・アントニー」「同じ系統の色でも少しずつ違いますね」「ジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ」「モナコの皇子ってことですか」「モナコといえば、王妃のグレース……好きだったなあ」「はいはい……それもバラにありますよ」「これで写真10枚か……」「え、まさか」「はい、次回に続く」「やっぱり」

  2013.06.08

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  ぢい散歩２７「新宿」：その２「新宿御苑の薔薇」その１

  「ぢい散歩は新宿御苑に参りました」「本日はバラをご紹介ってことでしたね」「バラと言えば、わしはよく似合うって言われるな」「そうですね……文章だってバラバラ、目鼻もバラバラですから」「そうほめるな」「ほめてないって」「こちらは全体の様子を、白いのはムーンライト、赤いのはチンチンじゃ」「ワン」「チンチンしなくていい」「すみません、つい……」「後は歩いたコースでご紹介。ニコル」「大家さんには珍しく、種類の名前が出て来ます」「前回の柏の葉公園で、色だけ紹介したら、何だか分からないというバカ……いえ、バカに探求心の強い方がいらせられて……」「はいはい」「大変だったのじゃ。６月２日には茨城県フラワーパークに行ったが、そこで育てている薔薇が７５０種類、春咲きの物はそのうち６５０種類」「ひええ……全部紹介しますか」「ということで、ピックアップして……」「ですね」「トランペッター」「楽器の名前だ」「エーデルワイス」「え……エーデルワイスって、もともと花の名前ですよね」「ねえ……訳の分からない人がつけたのじゃろうな」「不思議です」「カウンティ・フェア」「どういう意味です」「次行こう」「……聞いても無駄だったね」「ゴールド・バニー」「はい」「意味は聞かないのか」「このくらい分かります」「ピカソ」「画家ですね。色の組み合わせからでしょうか……」「ストロベリー・アイス」「これも色からでしょうね」「ブラスバンド」「音楽好きだから、こういう品種は記録しておかないと」「アラベスク」「ううん、そのままなのかなあ……」「はい、とりあえず１０枚の写真をご紹介。次回も続きを……」「まだやるの」

  2013.06.07

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  ぢい散歩２７「新宿」：その１「新宿御苑」

  「ぢい散歩も２７回目。本日は新宿を散策します」「いきなり庭園ですか」「新宿御苑からスタート、落語や歴史に関わりのある場所を回ります」「参りましょう」「水辺の亀」「ううん、庭園がテーマのはずなのに、いきなりどうでもいいような写真からだね」「日本庭園。これから躑躅が咲くのじゃな」「はい」「茶室の楽羽亭。明治39年に建てられたが、空襲で焼けてしまい、昭和62年にようやく再建された」「見えませんね」「それが茶の心じゃな」「本当ですか」「花と蝶」「何という花です」「次行こう」「やっぱり」「流れに沿った庭園」「いいですねえ」「旧御涼亭」「はい」「お花」「名前は……聞くだけ無駄だね」「深い森の雰囲気」「場所によって随分雰囲気が変わるんですね」「海のイメージ」「はい」「ま、こんなもんで……」「かなりいい加減だね」「西洋庭園ではバラが満開。イベントも色々。屋台があり、歌があり……まあ、それはどうでもいいが、バラは次回紹介しよう」「まあ、期待しないでおきましょう」「はい、続く」

  2013.06.06

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  ぢい散歩２６「柏の葉公園」：バラ園と陶器市

  「ぢい散歩、２６回目は軽く柏の葉公園へ参りました」「軽いですか」「写真は日本庭園」「いい雰囲気ですね」「西洋庭園は薔薇が見頃」「見事ですね」「で、ここからは説明なしで……」「ほら、始まった」「赤いの」「白いの」「オレンジ色」「黄色」「済みませんね、この程度の人間なんで」「さて、今年も陶器市へ参りました」「恒例ですね」「通常２割から３割引き、お皿や茶碗で100円均一まで……ともかく色々ございます」「大家さんは……」「盃のちょっと気に入った物……定価1200円を端数を削らせ、更に半額まで負けさせて……」「500円ですか……やってますねえ」「ということで、柏の葉公園へのお散歩は以上をもって読み終わりと致します」「あらら」

  2013.06.04

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  息子の結婚

  「さて、息子が結婚するというので、式に招待された」「え……招待されたんですか……」「家内は何をするか分からないから……って息子を説得したようじゃが……」「分かるなあ」「それで披露宴へ。まずはズワイガニとかぼちゃのお菓子見立て　赤かぶジュレと高知県産アメーラのメルヘン風」「お料理だけの紹介ですか……高知県というのは……」「新婦の出身地なのじゃ」「へえ」「ジュースも出身地の『ごっくん馬路村』というゆずのジュース。お酒も『美丈夫』と『南』という二種類をご用意」「なるほど」「『南』が美味しかったので、ボーイさんに命じて、こっそりお土産に取っておくように……」「おいおい……」「その新婦のオススメ！　紅イモのクリームスープ」「いい色が出ていますね」「新郎の一押！　石川県産金沢市近江町市場直送天然真鯛と天然海老のポレンタ粉ポワレ　ゆずこしょう風味のプーンプランソース」「石川県は……どなたの出身地で……」「別に……シェフが一番いい素材をって探してくれたものじゃ」「へえ」「オーストラリア産牛フィレ肉のディアブル風ロティ　赤ワインソースで」「オーストラリアの出身者はいないね」「モーツァルトじゃあるまいし」「それオーストリア」「え、違うのか」「ダメだこりゃ」「これはオースとラリアって漫才がやってたネタ」「ないない」「天然真鯛の洋風茶漬け」「このコースでお茶漬けですか。面白いですねえ」「デザートはタンバルエリーゼ　アメドーム添え　二人のウェディングバージョン」「面白い形ですねえ」「二人がバドミントンで知り合ったので、シャトルとネットをデザインしてある」「へえ」「ウェディングケーキもこれ」「すごい。右上の山は筑波山ですね」「二人の出会った茨城を象徴したもの」「左下の魚は」「彼女の出身地高知をイメージ」「へえ」「彼女は昨年バドミントンの某大会で全国優勝している」「彼女の方が強いんですか」「我が家と同じで尻に敷かれそうじゃな……ははは」「笑っている場合じゃありませんよ」「何が……」「何がって、新郎のお父さんは挨拶をしないと……」「何……誰が決めた」「常識でしょう」「本当か……しまった……酒を抑えて置くんだった」「またですか……どれくらい飲んだんです」「ビール５杯と日本酒６合かな……」「もう、知りません」

  2013.06.04

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その８「北千住」

  「ぢい散歩、足立区柳原まで来ております」「もう北千住駅まで１キロちょっとしかありません」「そこをまっつぐ帰らないのが　ぢい散歩」「分かってます」「まずは前と同じ地名をいただいた柳原稲荷神社」「ここは、もう駅から８００メートルしかございません」「葛西誌という書物によれば１５９９年の創建とある。疑問なのが、柳原村というのが元禄時代に別れて出来た、新しい方に存在すること。１５９９年は元々のもので、元禄時代に分祀したかも知れないな」「はい」「西へ行けば駅じゃが、北へ向かう。柳原寺」「はい」「中にあるのがほうき地蔵」「あちこちにありますね」「箒で掃き清めることで、心も清めるのじゃ。レレレの小父さんのモデルじゃ」「本当ですか」「はい、こちらが本堂」「次行きましょう」「こちらは日ノ出神社。素盞雄尊（すさのおのみこと）の息子、倉稲魂神が祀られている」「素盞雄尊って、暴れん坊の神様でしょう」「高天原から下る時に穀物を持って来たという伝説がある、子供も五穀の神なのじゃ」「そうなんだ」「こちらは長栄寺」「住宅の中ですね」「すごい場所だね。地図で見つけてふと言って見たのじゃが……」「本当に行き当たりばったりですね」「さあ、間もなく荒川、北千住の北の端……東武線の線路をくぐり、常磐線との間にあるのが清亮寺。実は目の前の道は昔の水戸街道。道の向こうまでつながる大きな松があった。大名行列が通ると、槍持ちが槍を横にすることは許されない。そこで、枝を切ることになったが、これをお聞きになった水戸の光圀公が、ここで槍を立て掛けて休憩し、出立の時に改めて槍を手にすれば槍を倒したことにならない……と枝を守ったのじゃ。それで槍掛けの松と呼ばれた」「その松は」「昭和２０年に枯れたという」「残念ですね」「寺は１６１９年の創建、本堂は１８３３年に建てられたもので、山門も再建され、額は中村不折が書いている」「根岸に住んでいたから、この辺りにも関わりがあったんですね」「氷川神社まで参りました」「これは北千住の散歩で来ています」「南にあるめやみ地蔵」「めの字やお地蔵様を描いた絵馬が有名」「同じ敷地といっていい、長円寺」「はい」「何とこちらが、ご神体の石造漁籃観音。優しいお姿じゃ。ご開帳でありがたい、ありがたい」「はい。ここも乳塊乳泉石など色々ありまして、子宝が授かるので有名ですね」「ここから西へ行くと、昔の家、絵馬屋へ出る」「これも２月に行きました」「ということで、これにて予定終了。京成曳舟までと、北千住からの交通費の他は……あれ……東武博物館は混雑でパスしちゃったし、百花園はみどりの日で無料だし、セイコーミュージアムは只だし……」「一つもお金を使っていませんね」「寺社へのお賽銭が５円ずつで３０円。昼食のラーメンはトッピングと餃子でちょうど千円。歩いたのが万歩計で１８７６５歩。わしの普段の歩き方なら１２キロ半じゃな」「はい、以上をもちまして、鐘ヶ淵の散歩、読み終わりと致します」

  2013.06.03

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その７「鐘ヶ淵から千草園へ」

  「さあ、鐘ヶ淵の散歩を続けましょう」「前回、狸寺で有名な多聞寺へ参りました」「写真はそのすぐ隣、香取神社」「さあ、本日はどちらへ」「こちらは荒川と隅田川が接近して、５００メートルも離れていない。間に彫られた水路を渡る」「写真はその橋の上から……隅田川ですか」「隅田川は西からへ流れて来るが、ここで急カーブし、２７０度も回って南へ流れる。写真はそのぐうっと曲がっている部分じゃ」「これが名代の鐘ヶ淵ですね」「白鬚橋公園の外れ、鐘淵中学校の脇に由来の看板が出ている。　川の曲がり型が大工の使うさしがねに似ているから『かねが淵』となった。台東区にあった普門院が亀戸に移る時、梵鐘が落ちたというのは後から作られた話。明治の頃には紡績会社が出来、鐘ヶ淵紡績から『鐘紡』となった。昭和４４年に工場はなくなったが、跡地が利用されていることがよく分かるな」「はい」「さあ、北千住の方に移動して、最初に訪れたのは西光院」「またしてもお寺巡りです」「こちらは石出常軒の碑。石出帯刀吉深という名で、江戸町奉行の配下で牢屋奉行（断獄令）を勤めた。明暦の大火、いわゆる振袖火事の折、小伝馬町の牢に入っていた囚人を避難させてその命を救った」「へえ」「後に慣例となるが、それをやった最初の人なのじゃ。常軒というのは隠居後の号で、源氏物語の注釈を完成させている」「すごい人ですねえ」「この碑は息子が父の事績を書き残したもの。かなり風化して読めないが、『新編武蔵風土記稿』に一部が記録されている」「面白いね」「京成線堀切橋近くで線路とくぐると、十一面観世音が鎮座ましましていた」「小さな祠ですね」「このすぐ先にあるのが柳原千草園」「植物園ですか」「小さな流れをくみ入れ、雰囲気は悪くない」「はい」「花の中の少女像」「はい……どうやらいつものように……」「黄色いの」「はい」「ピンク」「ほら……」「紫」「説明がいい加減になると思った」「最後に白」「はいはい」「さあ、次回はここから北千住のお馴染みの場所まで含めてぶらぶらと参ります」「いよいよ最後かな」

  2013.06.02

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その６「狸の寺・多聞寺へ」

  「ぢい散歩、鐘ヶ淵の辺りを散策しております」「さあ、今回は」「水神大橋からの景色。これを渡って行くと、南千住まですぐじゃ」「スカイツリーも見えますね」「反対側がいよいよ鐘ヶ淵じゃが、写真はなし」「はい」「住宅地に戻ると、橋があり、庭園風になっている。そこが梅若橋」「写真は省略」「写真は住宅地を北へ抜けた、圓徳寺」「こちらも何かありますかねえ」「本堂」「それだけ」「大きな庚申塚があって有名なのじゃが、阿弥陀像と三猿が彫られ、なかなかの出来……のはずじゃが、岩面が削れ、写真でははっきりしないので」「またしても省略」「さあ、この辺り最も北に当たるのが多聞寺」「はい、落ち着いた雰囲気ですね」「江戸中期に造られた山門。江戸初期に造られたが、焼失し、享和３（１８０３）年の火事で焼け残ったとあるから、それまでには再建されていたことになるな。墨田区の中で最古の建造物じゃ」「へえ」「本堂が見えて来たな」「広々としていますねえ」「ここは江戸時代にも火事が多く、近代も震災や空襲で焼けている。写真は昭和２０年３月１０日、東京大空襲で曲がってしまった浅草国際劇場の鉄骨。その他焼けた木もあるぞ」「すごいですねえ」「Ｂ２９、３３０機による壊滅作戦で、碁盤の目のように火を放ち、その間を機関銃で撃った。分かっているだけで１０万人が死んでいる」「ひどいことをしますねえ」「日本だって同じことをしている。中国で毒ガス実験もやっているのじゃからな。それが戦争なのじゃ。それが常識じゃろう。今の自民党は、侵略はなかった。中国を西洋の手から守ってやった恩人だなんて言っている……非常識じゃな」「はいはい、今はどうでもいい話題」「この寺は狸寺として有名。あちこちに狸がいるぞ」「へえ」「こちらも」「お馴染みのスタイルですね」「こちらは映画人の墓」「何です」「よく分からない」「何だ……狸の途中で入れる意味は……」「いや、狸が続くので、少し変化を持たせようと思って」「意味ないんですね」「こちらが狸塚。脇に古い木造の看板がある。ここに牛松と呼ばれる大きな松があり、その根元の大穴に狸が住み着き、いたずらをしているのはまだしも、和尚の夢に現れて、人間共に出て行くよう脅した」「図に乗ったって奴ですね」「そこでご本尊の毘沙門天に祈ると、その使いが現れ、狸に「お前の悪行は身を滅ぼすだろう」と予言する。すると、翌朝、二匹の狸が死んでいたというのじゃ」「それを祀ったんですね」「草の陰にもこんな狸が」「あらま」「門の外にもこんな大きな奴が」「すごい」「通称狸寺にふさわしい、面白いお寺でした」「はい、またしても続く」

  2013.06.02

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」その５「梅若塚木母寺」

  「ぢい散歩、向島から鐘ヶ淵へ向かっております」「さあ、今回は」「梅若塚、木母寺じゃ」「はい、参りましょう」「梅若というのは、能でお馴染み。お寺で修行をしていた梅若という子供が、人買いにだまされてここまで来るが、病に倒れてしまう。可哀想にと葬られたが、翌年母親が探しに来て、子供の死を知り発狂するという……」「悲劇ですねえ」「落語ではこちらに来ていた在原業平が、都に帰る時に歌を残した。土地の人が我々には過ぎた物だとその和歌を埋めたから……埋め和歌だという」「へえ」「梅若は、　　たづね来て問はばこたへよ都鳥すみだ河原の露ときえぬと　という辞世を詠んだというが、これも業平の歌に影響されているね。その塚は見られないので、これを詠んだ詩歌の碑を見学しよう」「はい」「ちなみに、木母寺という名は、梅という字をバラバラにしたのじゃな」「へえ」「碑は色々あるぞ。こちらは華笠文京翁の碑。幕末の劇作家で、波乱に富んだ生涯を綴ってある。弟子だった仮名垣魯文が建てた」「仮名垣魯文って」「明治の作家で、『浮世床』のスタイルで明治の世を描いた『安愚楽鍋』が有名」「へえ」「天下之糸平の碑」「これは大きいですね」「高さ５メートル、幅３メートル以上。明治の初めの貿易商田中平八の通称が天下之糸平という。文字は伊藤博文」「これも貴重ですね」「お待たせしました。こちらが落語の三遊塚。三遊亭円朝が、初代円生のために建てたもの。題字が円朝の友人だった山岡鉄舟、銘文が高橋泥舟。明治22年とある。能瀬の妙見様にある桂の碑も同じ頃に出来たのではないかと思われる」「はい。落語ファンにはお馴染みですね」「題隅田堤櫻花（隅田堤桜花に題す）の碑。文政12年、亀田鵬斎の詩を本人の書で彫ったもの。銘はなんと当時9歳の清水孝の書じゃ」「色々ございます」「身代わり地蔵尊。体の悪い所を差し上げて、自分は良くなるという……」「大家さん、頭を差し上げれば……」「そうほめるな」「ほめてないって」「こちらは珍しいお姿」「何です、これ」「清姫じゃな」「ああ、安珍というお坊さんを追っかけて蛇に変じたってお話ですか。どうしてここに」「さあ……」「いい加減だね」「はい、こちらはこの寺に残る梅若縁起絵巻。絵はほんの一部。母と子のたわむれ、舟で隅田川を渡り、子供の死を知る……というドラマが描かれている。ここで紹介したのは、子供の幽霊が出る場面」「へえ」「こちらでは母親が発狂せずに庵を建てて住、この寺の元になる」「はい」「ということで、次回に続く」

  2013.06.01

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その４「正福寺から隅田川神社へ」

  「向島から北へ、鐘ヶ淵を目指します」「さあ、今日は」「ラーメン屋の裏道を行くと、まずあるのが正福寺。和みの像というのがお迎え」「お参りしますか」「手洗水盤。寛文７（1667）年の物だと彫られている。墨田区では最古のものじゃな」「へえ」「弘法様」「ほとんど説明のないのが大家さんの特色で……」「露仏も面白い」「はい、お寺の由緒など出て来ないんですねえ」「この目の前にあるのが首塚地蔵尊」「すごい名前ですね」「名前と裏腹、可愛いお地蔵様で」「はい」「こちらは下稲荷神社」「色々ありますからねえ」「さあ、住宅地やら運動場を越えて川の方へ入ると、隅田川神社がある」「ここも由緒などは省略ですか」「ご希望なら……ここは水神の森と呼ばれ、『江戸名所図会』にも紹介されている。水神というのが隅田川神社で、船で上る人には、この先いよいよ鐘ヶ淵だという目印になる」「へえ」「森は戦災でも残ったのじゃが、戦後の再開発で容赦なく切り取られ、神社も下流に移された」「へえ」「つまりこの辺りの住宅全部が森だったのじゃ」「すごい広さだったんだ」「ということで、次回はメインの梅若塚木母寺へ参ります」「続く」

  2013.05.31

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その３「セイコーミュージアムから白鬚橋、正福寺へ」

  「向島から歩いて来ました」「隅田川に沿って北上しているのに、一度も川は見えませんね」「こちらはセイコーミュージアム。もちろん、時計の博物館じゃ」「はい、聖子の博物館ではありません」「普段は要予約。1時間くらい掛けて案内してくれるが、今日は人も少ないので、何ヶ所かで説明してくれる」「写真は……」「日時計じゃな。中国古代のもの」「日時計も芸術ですね」「土浦でも道路にあるぞ。なかなか面白い。千葉に出来た時に設定やら何やらの説明書をいただいたこともある」「はい、原始的な生活だから、大家さんに似合いますよ」「こちらはゼンマイ式の時計」「決まった時刻に鐘が鳴るんですね」「時計や万歩計も売っている。万歩計は通算で東海道をどこまで歩いたとか、そういうことも分かる」「面白いね」「さあ、その先、やっと隅田川へ出たぞ」「橋ですね」「白鬚橋。ここをまっつぐ行くとお化け地蔵を経て南千住辺りへ出る」「へえ」「橋から川を……ずっと奥が向島、湾曲しているので、浅草までは見えない」「はい」「さて、ここから住宅地があって、ちょうどお祭りだった」「いいですね」「屋台が出ているが、住民のやる素人屋台」「お祭りで楽しければいいんですよ」「スカイツリーの方を振り返って」「はい」「さあ、ひとまず元の道へ戻って、こちらが今日の昼食」「ラーメンですか……屋台の方が安上がりなのに」「青系強調のボタンを押してしまい、変な色になった」「ま、いいでしょう」「麺は★★★★☆、汁が★★★☆☆、具が★★★★☆。まあまあというところじゃな」「次行こう」「はい、次回に続きます」

  2013.05.30

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その２「向島界隈」

  「ぢい散歩、向島百花園から出ました」「スカイツリーが見えますね」「南西の方向へ向かう」「何があるんでしょう」「この細い路地……この辺りに幸田露伴の住んでいた」「作家ですね」「日暮里、谷中墓地の五重塔が、『五重塔』のモデルじゃな」「へえ」「南に抜けた所に小さな公園があり、そこにこの碑が立っている。露伴の作品『運命』の一節」「はい」「じゃあ、戻ろう」「軽いね」「百花園から西に抜けた所に、子育地蔵尊がある」「はい、こちらは」「文化年間（1808～18）に隅田川の工事をしていたら、土の中から掘り出された。神輿代わりに子供が担いだというが、殺人事件の犯人を教えたという伝説があって、その地蔵だってことになった」「そうなんですか」「11代将軍、家斉がこの話を聞いてここに御堂を建てて地蔵を安置した。目の病、出産にご利益があるぞ」「大家さんもどうです」「わしゃもう出産は……」「老眼ですよ」「その向こうにあるのがきびだんごのお店。なぜか有名」「岡山でもないのにねえ」「ここから白鬚神社までの道が墨堤の道といって、江戸の寛文の頃（1661～73）桜が植えられ、憩いの場、花見の名所となった。湾曲した道だったが、関東大震災や空襲の後整備され、雰囲気が残るのは、ここと向島五丁目の辺りだけになった」「なるほど、湾曲していますね」「白鬚神社から振り返ると、御覧の通り」「はい」「さあ、こちらが白鬚神社」「参りました」「まずは鳥居。この辺りは茄子の名所。茄子の形の最中など、百花園でも売っているぞ」「大家さんは……パスですね」「鳥居を振り返ると、中にスカイツリーが」「ああ、面白いね」「さあ、お詣りしよう」「はい」「ここは書道家、西川春洞、寧親子が住んだ場所としても知られる。また、漢学の鷲津毅堂の碑もある。この人の娘が、永井荷風の母」「色々ありますね」「漢詩の墨多三絶、岩瀬鴎所の墓も……まあ色々あるので文系の人は一度行ってね」「静かなたたずまいもいいですね」「さあ、歴史的な場所を見て、今度は近代的な展示を見に行こう」「はい、また次回」

  2013.05.29

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  ぢい散歩２５「鐘ヶ淵」：その１「向島百花園」

  「ぢい散歩、記念すべき第２５回を迎えました」「といっても、前回のような軽いドライブもあるし……」「滋賀・京都のように三日もかけた大旅行もあった。差し引きでちょうどいいじゃろう」「適当なんでねえ」「今日は鐘ヶ淵に行こうと思い立った。向島から千住まで歩くのじゃ」「大家さんのは歩き過ぎですよ」「京成線曳舟駅をスタート。次が押上でスカイツリーじゃ」「へえ……どうしてこんな中途な場所をスタートにしたんです。南千住なら乗り換え無しだし、東向島駅なら近いし……」「それはじゃな……曳舟へ行くのが一番安いのじゃ」「あらら……ケチだねえ」「という訳で、東向島駅まで６３５メートル歩いて最初の目的地」「大変だ」「こちらは東武博物館。東武電車の資料がある」「いいですねえ」「特急けごん」「これは表に展示されています」「昔の電車」「これも……中には入らないんですか」「この日はゴールデンウィークで、子供イベントが盛り沢山」「あ、最初の写真にも親子連れが多かったですね」「並んで入場に数十人、入ってからジオラマなどの順番待ちもあって、今日は通るだけ」「あらら」「どういうことで、その先にある向島百花園まで参りました」「これはもう庭園としてお馴染みですね」「文人達が色々勝手なことを言って作り上げた。歌や俳句の碑はそれだけで見応えもあるが、今日は抜粋で……」「はい」「芭蕉の句碑は紹介しておなければなるまい。　　春もやゝけしきとゝのふ月と梅」「月と梅があればもう、春らしい雰囲気ってことですね」「こにやくのさしみも些（すこ）しうめの花　こにやくというのは蒟蒻（こんにゃく）。碑の前に生えているのが蒟蒻じゃ」「へえ」「他に気になる碑は、茶筅塚と並ぶ柘植黙翁の句碑、山上憶良が秋の七草を詠んだ歌、狂言やしのぶの塚、誰だっけ、　　紫のゆかりやすみれ江戸生れ　なんか、いかにも江戸の雰囲気を出した句じゃな。後は宝井其角」「はい、２０を越える碑がありますので……」「それで、省略して、池とスカイツリーってことで……」「そうなりますか」「そういうことで、お花を色々……」「また……花の名前分からないじゃないですか」「とんでもない、今回はちゃんとメモって来たぞ」「自慢にならない」「がくめ」「はい」「すずしろ」「大根ですか」「ばいかうつぎ」「べにばなさんさし」「自慢じゃないが、メモしなくても分かる、ふじ」「誰でも分かるよ」「みやこわすれ」「むさしのきすげ」「はなそとかざぐるま」「最後にこれ」「何という花です」「しらん」「あれ……メモったんでしょう」「だからしらん……紫蘭と書くのじゃろう」「あれ……」「さあ、取り急ぎお花を見て回ったので、次回はこの辺り、向島界隈をお散歩します」「はい、続く」

  2013.05.28

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  ぢい散歩２４「酒々井」：アウトレットとまがり家・飯沼本家

  「仕事が忙しく、５月３日からやっとお休みに入ります」「おg-ルでんウイークですね」「さあ、今日も良い天気」「写真はスカイツリーですね」「我が家からこの程度に見える」「はい。もうお馴染みですよ」「朝靄などで久し振りだったので……はい、本日はこれぎり」「あらら……大家さん、出掛けるんでしょう……ほら、タイトルが……」「あ、そうか……忘れちゃった」「しょうがないね」「今日は最近出来たばかりの酒々井（しすい）アウトレットへ」「大家さんには珍しいね」「イギリス郊外の小さなショッピングモールへ行ったら、お店の数が５００幾つ……見ているだけで疲れた。ここはずっとスケールは小さいようじゃが、わしゃどうも好きではない」「疲れるからですか」「いや、お金を使うから」「ケチだね」「人気のポップコーン。10時開店じゃが、渋滞を避けて30分遅れで入ったら、今並ぶと夕方５時からの販売で確実に手に入るって……やーめた」「ですね」「結局わしと家内の夏服、食器でなかなか良い物を見つけて、1時間半でおしまい」「はい、ご苦労様」「さて、帰り道、まがり家・飯沼本家という看板を見つけた」「何でしょう」「造り酒屋で建物が画廊になっているらしい」「はい、写真の建物ですね」「中は御覧の通り」「屋根裏部屋ですね。これが画廊ですか」「今回はこのような静物画がメイン」「はい、こういう場所に似合う絵ですねえ」「ということで、杉玉をご紹介」「当然お酒もいただいて……」「試飲しないと申し訳ないから……甲子正宗、初花といったお酒を作っている」「はい」「そんな訳で、これから千葉の義父の墓参を終えてから昼食。２時近くになってしまいましたが、この日は以上」「はい、散歩というよりドライブのご報告でした」

  2013.05.27

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  サンマルクで食事

  「息子二人がいるが、長男が昨年結婚。次男も今月結婚した」「おめでとうございます」「お祝いは、言葉ではなく現金で」「何です、それは」「で、先月末、結婚式を前に、家族みんなで食事」「ここで報告ですか」「サンマルクという、焼き立てパンが何種類も出て来るのが人気のお店」「参りましょう」「まずはサラダ」「はい」「お魚の前菜」「はい……今日はお魚尽くしですね」「キノコソースでいただくお魚」「お魚ばかりでも味わいが変化して参ります」「ホタテとイカのリゾット」「これもメインはお魚ですが、ハンバーグなども選べます」「最後にデザート」「すごい手抜き紹介だね」「ま、そんなもんで、おしまい」「すみませんね、いい加減で」

  2013.05.26

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  ぢい散歩２３「上野から銀座へ」：その３「画廊めぐり」

  「上野から銀座まで歩くという企画、江戸橋を渡って、日本橋という地区に入りました」「さて、この日はたまたま日本橋、銀座の画廊や古美術商のお祭りで、一番安いのが５０万円なんてお店も、今日は気軽に入れるのじゃ」「大家さんのことだから、沢山回ったのでしょうね」「それが、コンサートの予定があって、２５ヶ所で中止した」「すごいね」「ではその中から幾つか抜粋してご紹介しましょう。春風洞画廊の阪東佳代展」「美人画ですね」「色っぽいのもある。沢山紹介したいが、各画廊で一枚にしておこう」「はい」「ギャラリー戸村の小岩敬之展」「これはまた過激ですね」「はっきりヤバイというのもあった。さすがにそれを出す訳にはいかないかな」「はい」「金井画廊の中尾成展」「これはまた面白いタッチですね」「同じように幻想なのか写生なのか分からない世界が作られている。わしゃこういうのも好きじゃな」「はい」「アートスペース繭の井上洋介展」「これは版画ですか」「荒削りな感じが面白いね。棟方志功も連想させるが、独自の世界を作っているな」「はい」「ギャラリームサシの小柳吉次展」「リンゴですね」「この人はこういう果物を配置している」「へえ」「中央通り……あ、もう銀座通りになるのかな……こちらへ出て、ポーラミュージアムへ」「化粧品のビルです」「なかなか面白いのをやっているので、時々来ているのじゃ。What’s Goldという展覧会」「金ですか」「ここは特別サービス。中の様子も」「あら、闇の中に不思議な世界が……」「写真の左は洋服のボタン、右手前はハンバーガー」「え……」「本当に不思議な空間じゃ」「はい」「さあ、一気に銀座の向こう端まで飛んで、ノエビア美術館」「らんどまあく＠東京って……」「雑誌に出た絵の原画展」「へえ」「彩波画廊の田辺直美展」「これはまた抽象的ですね」「わしゃ、こういう絵も面白いと思う」「何でもありだね」「さあ、ニコン写真館のアフリカの戦争写真展」「色々ありますねえ」「今わしのカメラがニコンになったので……」「どうでもいいね」「さあ、ここで時間切れ。演奏会へ参ります」「はい、また次回」

  2013.05.25

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  ぢい散歩２３「上野から銀座へ」：その４「工藤重典コンサートから歌舞伎座へ」

  ぢい散歩２３「上野から銀座へ」：その４「工藤重典コンサートから歌舞伎座へ」「ぢい散歩で上野から銀座まで歩いて来ました」「もう疲れましたよ」「ここで一休み。工藤重典のデビュー３５周年記念コンサート」「はい」「わしも茨城デビュー３５年」「どうでもいい」「記念撮影」「図々しいからねえ」「出来たばかりの歌舞伎座へ行くことにした」「参りましょう」「歌舞伎座の前に群馬のテナントショップがある」「ぐんまちゃんですね……いい年したオッサンがよくこういうのを追っ掛けますね」「さあ、こちらが歌舞伎座」「はい」「ここへ来たらお詣りを……歌舞伎稲荷大明神」「はい……またメインが何だか分からなくなるね」「裏にある本当のお稲荷さん」「あら」「最後に出来たばかりの金澤翔子美術館」「書道ですね」「ということで、東京駅まで出て帰りました」「やれやれ」「本日歩いたのは万歩計で……おっ惜しい、１４２８５歩。９キロくらいの散歩でした」「惜しいって……何が惜しいんです」「末尾に７があれば……算数の好きな人なら一目で分かる。１４２８５７を２倍、３倍……７倍までやってみよう。これは小学校で割り算を習い、７の割り算から発見したな……有名なものらしいが」「はい」「交通費は上野までと東京から自宅まで。間はゼロ」「ケチだから」「演奏会、記念ＣＤ、本やパズルなど全部合わせて６５５０円。昼食が４８０円でした」「はい、これを以て読み終わりといたします」

  2013.05.24

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  ぢい散歩２３「上野から銀座へ」：その２「和泉橋から江戸橋へ」

  「上野から銀座まで歩く散歩、上野の寄席から歩き出しました」「はい、まずは昼食ですか」「海鮮丼がこの日のお勧め。これで480円はかなりお得」「はい……どうでもいいグルメ情報ですね」「パズルショップtoritoで５つのパズルをゲット。本屋さんで３冊をゲット。土屋賢ニ先生のサイン本をいただく」「はい、これもどうでもいいって話題で……」「そのまま昭和通りを歩いて神田川へ」「はい」「神田川に架かる和泉橋」「毎度お馴染みですから、次へ行きましょう」「川沿いにある柳森神社」「こちらもよく出掛けていますね」「江戸城の鬼門に当たるので、そこを守るために太田道灌が造営。神田川の河川工事で移ったのじゃ」「へえ」「５代将軍綱吉の母、桂昌院が福寿神を祀った。ここは狸が有名」「はい。狐はよく見ますね」「桂昌院は八百屋の娘だが、春日局に見出された。大変な出世をした訳じゃ。狸は他抜きに通じて、立身出世の神とされた。先代の小さんがよく絵に描いていたね」「色々ありますね」「これが福寿神」「はい」「さあ、須田町から北乗物町、紺屋町へと抜けまして、こちらが竜閑川を埋め立てた跡地」「はい。これも何度か紹介しています」「このまま神田駅の方に行くと、中央通りに橋があったし、更に神田橋まで行くと、また資料が残されている」「はい、これは省略」「ちょいと中央通り方面に入ると、福田稲荷神社」「ビルに入り込んでいますね」「この辺り一帯のお稲荷さんじゃな」「江戸では稲荷はすごい数だったといいますね」「このお稲荷さんは伏見の神道系。豊川の仏道系もあるのじゃな」「へえ」「こうして江戸橋を渡りまして、いよいよ日本橋と呼ばれる区域。これから画廊を回ります」「はい、次回に続く」

  2013.05.24

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  ぢい散歩２３「上野から銀座へ」：その１「早朝寄席」

  「４月28日、第23回ぢい散歩は上野から銀座まで歩きます」「また恐ろしい企画ですね」「地図上で直線距離で5キロはあるかな」「大変ですね……で、写真は」「ああ、朝月が面白かったので」「ううん、最初からどうでもいいぞ」「まずは上野鈴本演芸場の早朝寄席」「若手の勉強会ですね」「本当に残念なのじゃが、わしもすっかり勉強会では無くなった世界に馴れてしまった」「はいはい」「ということで、早朝寄席の内容に参りましょう」「はい、最初（はな）は喬四郎」「『くわばら』。雷の小咄がもっとあるから、色々入れても面白いね」「二人目は時松」「『天狗裁き』。単純な繰り返しにならないには、人物をしっかり作ることじゃな。良かった」「三人目、玉々丈」「『金明竹』名古屋版。言い立てから勘違いの説明へ……もっとポイントを抑えてほしい」「トリは金兵衛」「『高田馬場』。ドラマとして描けているのが面白い。前半でハラハラさせ、後半物見遊山で出掛ける連中の軽さが好対照となり、そこで侍との対話。久し振りに早朝寄席で本格を聞いた印象」「良かったですね」「そういうことで、これからいよいよ銀座まで歩きます」「さあ、大変だ」

  2013.05.22

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  ぢい散歩２２「館林トレジャーガーデン」

  「ぢい散歩。３月までは暇で、水曜と土日を利用して行っていたのですが、４月半ばからはちゃんとした仕事をしていまして……」「それまでいい加減だったってことですか」「まあそれで、ちょっと忙しくなりまして、なかなか遊び回れません」「はい」「今回遊びに来たのは館林のトレジャーガーデン」「散歩ではなく、ドライブですね」「ふらり途中下車の旅なんてどうじゃろう」「大家さんフラフラと歩くからね……でも車でドライブなら途中下車じゃないね」「ま、いいか」「適当なんだから」「パノラマ撮影が使えるようになったから、面白がって」「どうでもいいね」「はい、ここでは芝桜が見事です。花の色を変えて模様が見えるのもいいですね」「いいですねえ」「やはりピンク系がそれらしいかな……向こうに見えるのは教会」「これもパノラマ」「はい、アップで」「こちらは違うお花」「名前調べたら……」「そのアップ」「これは青いの」「ネモフィラじゃないですか」「あ、そう……ひたち海浜公園で見たね。向こうの方がスケールが桁違いに大きい」「ここもこれからでしょう」「これは白いの」「花の名前を調べたらどうですか」「では、建物へ行こう」「あれ……」「こちらは中にある教会」「はい」「ステンドグラス」「パイプオルガン」「さあ、入り口へ戻ったぞ」「適当ですねえ」「ということで、家に帰ろう」「はい……」「途中にある静御前の像」「へえ……どういう関係があるんです」「さっぱり分からない」「ひどいね。出身地じゃないんですか」「さあ……そもそも白拍子っていって旅芸人で美人だから身分のある人が側に置いたの。『平家物語』でも、清盛が他の白拍子に心を移したって話があるじゃろう」「そうなんだ」「だから義経が殺されたって別に……鎌倉の鶴岡八幡宮で奉納の舞を命じられ、それが終われば無罪放免じゃ」「へえ」「だから、出身地だって言われてもねえ……」「謎ですね」「岩井まで帰りました」「岩井のお城ですか」「まあ、新たに作った物で、見るまでもない」「あらら」「ところで、昼食は、トレジャーガーデンから少し離れて、板倉町の農産物直売序『季楽里（きらり）』で天丼と蕎麦のセット。天丼は地元野菜でお見事、蕎麦は腰があって素晴らしい。★★★★☆」「なかなかいいですね」「ま、そんなことで……今回のレポートを終わります」「ひどいレポートでした」

  2013.05.22

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  ぢい散歩１４＋２１「土浦」：その３「まちかど蔵と飲み会」

  「はい、道筋にある土浦名所をご紹介」「まだあるの……」「まずは神社。亀城公園からはこの中を抜けるのが近道でした」「はい」「蔵をそのまま使った、その名も蔵という喫茶店」「はい」「この脇にある塚も見応えあり」「何度も紹介しているので省略」「通りへ出ると、さっきの喫茶店が右奥にある野村という家」「はい」「ここの先代が、わしの叔爺さんと同じ、予科練の最後の研修生じゃった」「取材に行ったらお亡くなりになったんですねえ」「この脇に、昭和の初期には赤煉瓦の五十銀行があった。今の常陽銀行じゃな」「へえ」「向かいにある大徳」「観光案内所になっています」「資料、奥の蔵も見るといいね」「はい」「矢口酒店。震災でのダメージがひどく、修復中」「はい」「というわけで……」「どういうわけ」「駅近くへ戻って飲み会。まずはサラダ」「ううん、例によってどうでもいいグルメ情報になるな」「お造り」「はい。三人前です」「ピザ」「これは珍しい形」「お鍋」「いいね」「唐揚げ」「甘辛煮だね」「酒蒸し」「はい」「これで鍋で饂飩とおじや　をいただいて……お酒まで込みで５千円」「大家さんの飲む量を考えたら安いのかな……何杯飲みましたか」「……大ジョッキが５杯と、日本酒５合くらいかな……遠慮して……」「どこがじゃ」「そんなことで、土浦のお散歩は読み終わりと致します。歩いた距離は１回目が３キロ、２回目が約５キロ。本当に軽い散歩でした」

  2013.05.21

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  ぢい散歩１４＋２１「土浦」：その１「亀城公園」

  「さあ、ぢい散歩では職場のある土浦を散策しております」「今回は昔の土浦城、亀城公園ですね」「はい、御覧の通り」「あら……もう散っているね」「桜を写しても、もう寂しい花になってしまった」「はい、残念でした」「お堀に映る桜。これは資料館の前じゃ」「はい」「資料館では、面白い形の兜の展覧会をやっていた」「はい、５月の連休で終わっています」「公園内。まだ提灯がぶら下がっているが、桜はほぼ終わっている」「はい」「こちらは櫓。昔の物がそのまま残されている。この中も資料館になっているぞ」「へえ」「ということで、すっかり時期を過ぎた桜をご紹介しました」「どうでもいいレポートだね」「本来はここから片道１．５キロの先にある土浦第一高等学校、真鍋小学校も桜の名所。今日は飲み会を設定したので、残念ながらまた来年」「あらら」「そういうことで、このまま駅へ向かって飲み会と致します」

  2013.05.20

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  ぢい散歩１４＋２１「土浦」：その１「桜川と市役所」

  「さて、実は土浦に７年も勤務したのに、まだ土浦の桜を見たことがない」「あら、それはすごいかも」「実は土日くらいしか行けないのじゃが、タイミングが悪く、行ける時には散っているということが続いたのじゃ」「普段の行いですかねえ」「そうほめるな」「ほめてないって」「そこで一つ、みんなで飲み会目当てに散歩しようという企画」「タイトルの１４＋２１って何です」「ぢい散歩の１４回目というので３月に行ったところ、桜はまだだった。そこで少しコースを代えて４月にもう一回」「はい、写真は」「駅から出たところ、桜川じゃ」「『百人一首』にある筑波山から流れる男女之川は、今は恋瀬川と呼ばれ、この桜川になり、霞ヶ浦へ注ぐ。「はい、それで桜の名所になるんですね」「ずっと上流では花見も行うが、この辺りは1枚目の写真のようにまばらなのですいているぞ」「いいじゃないですか」「秋には河川敷にコスモスを植えるぞ」「へえ……なぜです」「漢字で書いてごらん」「……あ、秋桜か」「さあ、最初の２枚はまだ咲き始めた３月のもの。こちらが４月じゃ」「あれ……どこが違うんでしょう」「もう盛りを過ぎて終末を迎えているのじゃ。次の土日には終わっているじゃろう」「あらら」「川沿いも、ごらんの通り、もう寂しい桜」「はい」「これではもう誰も花見に来ないじゃろう」「そうですね」「さあ、少し西まで歩いて市役所」「１００円のバスもありますよ」「市役所は高台にあって、南側が椿、北側が桜。まずはメインの桜だけをご紹介」「いいですねえ」「こちらから筑波山も見える」「ううん、わざとらしい構図だ」「最後に坂の下から市役所を見上げる」「はい……どんどんどうでもいい構図になるね」「さあ、３月には椿が見事に咲いていた」「見事ですね」「それが４月には花が散って、石段まで全て花びらの絨毯」「すごい」「ということで、再び桜川を超えて、亀城公園へ向かいます」「はい、続く」

  2013.05.19

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  ぢい散歩２０「つくば」

  「４月２日の火曜日。雨の中を　つくば散策」「大家さんには珍しく雨になりましたか」「駅から北側へ登ると中央公園。ここは桜が……」「はい、今年は早かったですからねえ」「図書館、美術館などもあるが、今日は一気にエキスポセンターへ」「ここまでが中央公園内ですね」「１９８５年につくばで科学万博が開かれた。その施設で、プラネタリウムの他、体験的な展示が多く見られる。春休み中なので、子供のためのイベントが盛り沢山だった」「はい」「科学万博で見せた日本地図がお勧め。地球の丸さ、山の高さまで再現されている」「へえ」「その他、指１本で動かせる巨大な石、オルガンを弾くロボットも」「はい、写真は省略」「向こうの池に浮かぶ公園事務所を使って地域に関する催しが行われている」「機会があれば足を向けて下さい」「その先すぐあるのが、さくら邸」「これは……昨年は開いていないのを無理に開けさせたんですね」「こちらは竈（へっつい）。関西ではかまどという」「はい、お釜が乗っていますね」「お湯を沸かしてある。折角だからお茶を入れるようにと命じて……」「また迷惑かけているな」「昭和の頃を思い出す和室」「ううん、知らない世代でも懐かしさを感じるかな」「その先が筑波学院大学」「桜が見頃ですね」「一昨日の京都、円山公園より豪勢じゃな。まあ大学内だし、この程度なので花見には物足りないかな」「花見の場所ではありませんね」「さあ、更に奥へ……陸橋を渡ります」「まだ桜が続きますね」「ここも１キロに満たない。取手は４キロ続くから、ずっと上。その時期は見事じゃが、これも花見をする人はいないな」「名所の方がやっぱり……」「渡った右側が松見公園」「ここも桜ですね」「そういうことで、片道１．５キロの散歩。後はまっつぐ帰るだけなので１．３キロ」「はい、短いぢい散歩です」「お花見弁当は屋内で」「はい」「スポンサーのご厚意により、全ての入場料は無し。つくば駅までの交通費のみという……これをもってご報告を終わります」

  2013.05.18

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２８「知恩院と京都駅」

  「さあ、八坂神社から東山駅へ出て、地下鉄を利用、一旦ホテルへ戻ろう」「ホテルって……」「戻るまで荷物を預かっておけって命じたので」「図々しいね」「はい、公園を出てすぐにあるのがよしもと劇場祇園花月じゃ」「入りたいでしょうが、本日は時間がないので……」「パス……実は岡山時代にはテレビで毎週２回の放映があって見ていたのじゃが、一度も笑ったことがない。わしとはセンスが合わないのじゃな」「しょうがないね」「続いてこちらは知恩院」「はい、桜はどうですか」「まだちょっとじゃったな。写真で分かる通り、新門を覗いただけ」「でした」「その先お堀の桜」「どうでもいい紹介になりますね」「その先は柳に代わる」「ああ、いいですね」「ということで、一端ホテルへ戻って荷物を手に京都駅まで参りました」「話は早いね」「京都駅も空中回廊があって、初めてという人もいたのでご案内」「はい」「だんだん高くなって参ります」「実況中継だね」「真ん中に見えるのが通路になっているのじゃ」「はい」「ここから見ると、目の前に京都タワーが……もう上れるようになったのじゃったかな」「調べなさい」「東側。右に清水寺が見える。左が高台寺の前の霊山観音じゃ」「見えますかねえ」「親切に、矢印をつけておいた」「はいはい」「はい、こうして無事に全日程を終えて新幹線で帰東したのでございます」「やれやれ」「そんな具合で、この日歩いたのは万歩計で２７０００歩。わしの普段の歩き方なら１８キロ」「まあ、滝までの道がすごかったですから……大原で東西５キロを往復、三千院だけで２キロ、それがほんの一部なんですから……参加者は辛かったでしょうね」「出費は都区内から自宅までの交通費。本日はオプショナルツアーなので京都市内のバスと地下鉄のフリーパス１２６０円じゃが、消費税は出さなかった」「出さないってのがひどいね」「それに寺社の木戸銭、昼食まで全て含んで、合計２３００円でご参加いただいた。わしのその他の支出は、寂光院でガイドブックが３００円。各寺社にお賽銭１０円ずつでトータル５０円。ちょっと奮発して自宅への土産に日本酒２１００円」「奮発してもその程度」「京都限定の抹茶を使った菓子を土産に１２６０円。今人気らしく、４，５０人が並んでいたが、なぜ人気なのじゃろう……正直言わせていただけば、普通のお菓子」「大家さんじゃあ分からないでしょう」「まあ、職場の女性には好評じゃった」「はいはい」「ということで、最終日は６０１０円。三日間の総支払い高、１３４８０円でございました。東京からの往復、宿泊、２日目までの寺社などを巡る参加費５０００円が加わりまして、合計１８４８０円という超豪華な散歩でございました」「主催者なのに参加費を出したんだ」「全員平等という主義なので……」「本当かね」「はいはい。終わった、終わった」「適当なんだから」

  2013.05.17

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２７「円山公園と八坂神社」

  「ぢい散歩、京都は高台寺へ参りました」「はい、そのまま円山公園へ向かいます」「写真は、祇園さんですか」「知ってるね。高台寺からもよく見えるぞ。　　♪ち～きはおぼろに東山～」「歌わなくていいの」「はい、こちらが円山公園にあるその歌『祇園小唄』の碑」「カラフルですね」「わしはザ・ピーナッツが歌ったのを持っているが、テンポも歌い方も純和風で、伴奏だけが洋風という面白いもの……まあ、ピーナッツはそれが常識。『うちら祇園の舞子はん』『舞子はん音頭』という歌も歌っているぞ」「はい、ここではどうでもいい情報で」「こちらが円山公園名物のしだれ桜。海外の本にも紹介されていた」「大きいのは伝わりますが、花は……」「さあ、盛りを過ぎてしまったのかな……大したことはないなあ」「ひどい言い方」「こちらが屋台の賑わい」「桜も咲き始めましたね」「しかし、桜の木はとびとびで、かなり間が抜けている感じ。これでは満開になってもなあ……」「そうですか」「はい、御覧の通り、何だか寂しいお花見で……」「人は多いですね」「そうじゃな。集まった人に、桜の花が負けているという感じ。満開になると、もっと人が出るのじゃろうか」「かも知れませんが、きっと本当の花見の名所が別にあるんでしょう」「はい、ちょっとガッカリして八坂神社に参りました」「こちらも有名」「花見に行っているのか、この程度しか人がいなかった」「すいてるね」「奥にお化け屋敷があったが、本日は時間が無いので……」「残念ですね」「門」「はい……気が抜けて神社も抜けて来ました」「そういうことで、次回はいよいよスペシャルの最終回」「いやあ、長かったねえ」

  2013.05.16

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２６「高台寺」

  「ぢい散歩スペシャルで、京都へ参りました」「八坂の塔から歩いていますが……」「ねねの道でお馴染みの坂を上がって……」「こちらは……」「高台寺。実は幽霊画でお馴染み」「へえ」「実は大変な人出で、建物が写らないほど。それで、この写真は昔のものでございます」「はい、申し訳ございません」「はい、これがこちらの名物、しだれ桜」「見事ですねえ」「ちらしにはライトアップの写真が使われている」「ほう……これも見事な」「こちらは庭の様子。」「はい」「上の写真にある廊下」「長いね」「上にある建物」「ううん、例によって手抜きの説明が続くな」「同じく」「はい……同じくって色変えるかね」「下りて来る道の竹林」「ここへ来たらこの写真……毎回ですね」「竹をイメージした龍の頭」「おお、見事ですね」「さて、こちらは幽霊画で有名。前に来たのは幽霊画コレクションを見に……東京の全生庵にある応挙の幽霊が美人なのじゃが、同じポーズで恐ろしい絵がある。もしかしたら連作ではないかと……」「はい……幽霊と関係があるんですか」「落語『幽霊飴』では、清水の所にある飴屋さんに幽霊が買いに来る。三年坂に幽霊が出ると聞いてってきた坊主が二年坂で追い付いて、なぜ飴を買いに来るのか尋ねると、埋葬されてから赤ん坊が生まれ、それを育てるためだと答える。それで、『お前はどこから来るのだ』と尋ねると、『高台寺（子を大事）』」「下らないね」「それが実話なのじゃ。今でも幽霊子育飴というのがあって……」「写真はそのお店ですね」「ここに女が飴を買いに来るが、お金が石に変わっている。数日後、高台寺のお墓で赤ん坊が掘り出されると、その女は現れなくなったという」「へえ」「さあ、次回は円山公園の桜をご紹介」「また続く」

  2013.05.15

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２５「八坂の塔から高台寺」

  「ぢい散歩スペシャル、最終日はオプショナルツアーで大原へ参りました。　　♪京都～大原三千院」「まただ……大家さん、そのメロディは『まんが日本昔ばなし』ですよ」「三千院から一度バス停まで戻り、それから先を考えるってぇことになりやした」「適当なんだから」「バス停までの道は流れに沿っている。写真は流れの中に落ちている椿」「雰囲気がありますねえ」「途中にある椿地蔵」「これも椿ですか」「ここから大原の町が一望出来るというのじゃが、あまりいい景色ではないなあ……最初の方で山に靄が掛かっているのを紹介しているので省略」「はい」「こちらは『女ひとり』の碑。　　♪京都～」「歌わなくていいの」「さて、バス停に来ると、ちょうど京都駅まで行くバスが出ておりました」「来るのには地下鉄からバスを乗り継いだんですねえ」「ホテルからはその方が便利。一度京都駅に出なければならなかったのじゃ」「なるほど」「そこでバスに乗って京都市内へ向かうことに決定」「適当だね」「写真は途中、車窓から撮した桜」「どこです」「京都じゃ」「いい加減なんだから……」「清水寺へ行こうと思ったが、もうその手前から大変な渋滞。バス停一つ進むのに何分もかかる。後で知ったが、すごい人出だったそうじゃよ」「はい、それで……」「手前で下車して、八坂の塔へ」「はい、この狭い道もお馴染みですね」「塔の手前にある金剛寺。猿の寺として有名」「カラフルに何かがぶら下がっていますね」「あれが全て猿なのじゃ。災難を去る、厄を去るというので……」「なるほど」「岡山の津山にも似たものがあったね」「はい」「門の屋根も、御覧の通り」「三猿がいるんだ」「さあ、西へ、円山公園に向かうが、この辺りの桜がなかなか見事」「通路だからお花見は出来ませんね」「さあ、清水寺を諦めて、京都を代表するしだれ桜を見に参ります」「どちらです」「はい、次回のお楽しみ……って、バレバレだね」

  2013.05.15

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２４「三千院と昼食」

  「♪京都～大原三千院……」「また踊ってるよ……大家さん、その歌おかしいですよ」「え、何が……読んで下さっている皆さんは何も文句を言わないぞ……」「聞こえてないんです。続きを歌ってみて下さい」「そうか……　　♪京都～大原三千院　今も昔も変わりなく～」「ほら……歌詞は『女ひとり』ですが、曲は『まんが日本昔ばなし』になってるでしょう」「あれ……」「ともかく行きましょう」「大原の中心とも言える、三千院でございます」「はい……この前に地図の上で１０キロを往復、実際は山道を上り下りしております」「昔ブームになった時は、最初から最後まで行列で歩いたという……山の中の静かな雰囲気を味わいに来たのに、京都の町中の方がすいているという……そんな報告があったな」「はい」「寂光院も、ドラマで平家が扱われて大変な人が訪れたという話を聞いたぞ」「今はどうですか」「雨にもかかわらず、やはりここは多め」「はい、他は全て貸し切りでしたからね」「でもゆったりと見られる程度じゃったぞ」「はい」「池」「はい」「山の雰囲気を味わわせる庭園」「はい」「本堂」「はい……全然説明になっていないね」「観音堂の裏手」「はい」「表側」「あ、こちらは人がいますね」「秘仏の写真も撮らせていただいたが、公開は出来ません」「あしからず」「名物のお地蔵様」「はい、幾つもあるので、探してみましょう」「奥の院」「堂」「巨大地蔵」「ううん、勢いで回ってしまった」「こうして本堂まで戻りました。法話１０分の他に、３０分も歩いてたから、境内だけで２キロ以上歩いた計算になるのか」「すごいね」「さあ、ちょうどお昼になるから、混まないうちにすませよう」「はい」「旅行案内では、ここでは京都の本格料理、京懐石やフルコースを楽しむ。そうでなければ大混雑を覚悟ということじゃった」「大変ですね」「それがこの日はすいていた」「はい……朝方雨でしたね……そういえば写真で傘を差している人が見えませんね」「わしは使わなかった。晴れ男だと行ったじゃろう」「恐ろしいね」「さあ、食事は京美茶屋で10食限定のちらしセット。うどんがあっさり系でいける。ちらしは蒲焼きがあって丼のような……下に海産物もあって、味わいが代わる。総合★★★★☆」「はい、どうでもいいグルメレポートでした」「ということで、バスの時刻が代わって、ちょっと慌ただしく回ったが、時刻を確認して、うまくバスが来たら京都市内へ行ってみよう」「駄目なら」「近くで見る場所を調べてある」「はい、では次回はどちらになるか……お楽しみに」

  2013.05.14

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２３「来迎院と音無の滝」

  「ぢい散歩スペシャル、京都大原まで来ております」「西の外れ、寂光院へ行きましたね」「今度は東の端まで歩くぞ」「すごいね」「地図にも道が書かれていないのじゃが……２キロ半くらいかな」「ううん、しかも山道」「さあ、写真は一番東にあるお寺、来迎院」「お詣りしましょう」「中はいかにも山奥という風情」「すごいですね」「こちらが本堂」「礼によって説明が手抜きで……」「天井画の天女がなかなか面白い」「ほう……」「聖応大師良忍上人三重石塔」「はい……って、一つも説明がないね」「このお寺から先は地図にも載っていない道」「いよいよ山道だね」「上から読んでも山また山」「それ、変」「いやあ、大変な道じゃったが、音無の滝に到着」「はい」「わしと一緒じゃとちっとも疲れなかったじゃろう」「ううん……肉体的には……でも、精神的に疲れるね」「そうほめるな」「ほめてないって」「来迎院に塔があった良忍上人は、声明の修行をしていた。その時に滝の音と声が和して、ついに音が聞こえなくなったというのじゃ」「ああ、それで音無の滝ですか」「実は更に上流に二つあるというが、ここまでで諦めよう」「はい、では三千院へ戻りましょう」「それはまた次回」

  2013.05.13

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２２「寂光院」

  「ぢい散歩、滋賀・京都の最終日は大原へ来ております」「まず、どこへ向かいますか」「わしゃ文学少年じゃから、平家所縁の寺、寂光院へ」「還暦迎えるおっさんのどこが少年ですか」「じゃあ、少女」「もっとおかしい」「安徳天皇の母、建礼門院がここで余生を送ったのじゃ。さあ、バス停から向かう途中にあるのがこれ」「何です」「朧の清水といって、建礼門院が寂光院へ向かったとき、この辺りで日が暮れてしまった。月明かりでこの清水に己の姿が朧に映り、そのやつれた姿を嘆いたというな」「へえ」「実は昔から歌枕にもなっていて、　　住み慣れし朧の清水せく塵をかき流すにぞ末はひきける　西行　　入る月の朧の清水いかにしてつひに澄むべき影を止むらん　順徳院　　大原やいずれ朧の清水とも知られず秋は澄める月かな　兼好　　春雨の中に朧の清水かな　蕪村などの作品が知られている」「ほう」「こちらは落合の滝」「これが……滝ですか」「津山にせこい滝があったが、こちらの方がけた違いに小さいな」「すごいセリフ」「これも建礼門院が歌を詠んだので有名になった。　ころころと小石流るる谷川の河鹿鳴くなる落合の滝　当時、ころころなんて俗な言葉を使ったとは思えないのじゃが……本当だとすると、よほど下手だったのじゃな」「ひどい言い方」「さあ、寂光院に着いたぞ」「石段がすごいね」「しっとりと雨に煙る風情はいいね」「もっとひどくなるかも知れませんよ」「わしは晴れ男。ここまで傘は使わずに来ている」「すごいね……無理しているのかも」「石段を振り返って」「おや、木々の背面がすごいね」「庭園」「侘び住まいという雰囲気はありますね」「こちらが本堂。ご存知の通り、昭和１２年放火で焼かれてしまった」「残念ですねえ」「特別のご配慮で、寺の歴史などをお話しいただいた」「良かったですね」「こちらは姫小松。平家では１２巻の後に灌頂巻があり、それが建礼門院のお話。　　思ひきや深山の奥に住まゐして雲ゐの月をよそに見むとは　建礼門院　　池水に汀の桜散り敷きて浪の花こそ盛りなりけれ　後白河法皇　落合の滝の歌は素人じゃが、この歌は本物じゃな」「ひどいね」「さて、この松も、建礼門院と後白河法皇が対面する場面で、　池の浮き草浪にただよひ、錦をさらすかとあやまたる。中嶋の松にかかれる藤なみのうら紫に咲ける色……　と平家物語にあるもの。残念なことに、これも放火で焼け、後に枯死したことが確認されている」「残念ですねえ」「再建を機に、建礼門院像も出来ている。写真はちらしから」「はい」「こちらは山種美術館にある建礼門院の像。今村紫紅の『大原の奥』という作品じゃな」「ほう」「ということで、お墓もお参りして……」「寂光院のすぐ隣を上ります」「さあ、これから戻って三千院方面へ向かいます」「またしても続く」

  2013.05.12

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  ぢい散歩１９「滋賀・京都スペシャル」：２１「最終日スタート」

  「おはようございます。ぢい散歩スペシャル、滋賀・京都のお散歩もいよいよ最終日となりました」「はい、今日は自由行動ですね」「はい、それで参加費２３００円のオプショナルツアーを用意致しました」「どちらへ」「まずは朝食からじゃ」「あらら」「和食もあるが、この日は開店が遅い。仕方なく洋食バイキング。最初の一皿」「はい……最初って……」「四回目にもらってきた、最後のデザートとコーヒー」「ううん……いつもながら、本当にどうでもいい写真だね」「図は京都観光一日乗車券。定価１２６０円」「はい」「周遊券を使って、二条城前駅から乗ってもいいのじゃが、乗り換えの烏丸御池駅まで歩いてしまおう」「ここ、歩かなくてもいいのにね」「途中に色々あるのじゃ。西福寺。これはわしの家の宗旨、真宗じゃ。秀吉がここにあった小川寺を移転させて京都の政庁を建てた。これが妙顕寺城という。石の碑が立っている。家康が江戸に移った頃、ここに新たにこの寺が開かれた」「写真は省略です」「閑院跡。藤原冬嗣の屋敷だったかな……公季（きんすえ）が名前を付け、後鳥羽天皇が即位した場所。鎌倉時代に焼失」「写真は省略です」「福井藩邸跡……説明していると長くなるので省略」「ううん、これだけで一回終わるね」「それで写真は薬祖神祠。建物にくっついてちゃんと鳥居があるのも楽しい」「はい……それだけですか」「祀られている神様が面白い。大巳貴命（おおなむちのみこと）、大国主命と小彦名命（すくなひこのみこと）。大国主は兄達に襲われて様々な薬で命を救われるから、薬と縁があるな」「他には」「中国の医療神、神農。それからビックリ、ギリシャのヒポクラテス」「え……」「江戸初期に薬問屋が集まって神農祭というお祭りをやったという。江戸末期の蛤御門の変……わしの先祖も関わったが……この辺りも焼失したが、祭りは休まず行われたという。明治維新後途絶えたのを１８８０年に復活。欧州から来た人もいて、ヒポクラテスも加わったというのじゃ」「へえ」「昭和の末には５０軒の薬問屋があったというが、平成に入って激減、１０軒ほどになり、２００６年のお祭りではとうとう夜店が消えたという」「歴史がすごいね」「さて、もう一つ気になったのはお店で、京名菓はいいが、家喜芋と書かれていた」「え……やきいもって読むんですか」「そうじゃ。気になるじゃろう」「どんな菓子でしょうね」「え……わしゃ菓子には興味がない」「え、何が気になるんです」「名前だけじゃ」「ひどいね」「で、写真は京都国際マンガミュージアム」「漫画ですか」「京都市と京都精華大学が資料を集めた。木戸銭は８００円じゃが、団体割引で６４０円で入れるよう交渉した」「では中へ行きましょう」「わしは入らない」「あれ……」「周遊券を入手しているのじゃ。マンガ関係を回るなら、安いバスの周遊券でいいじゃないか。そのくらいなら全部歩いて行くぞ」「ケチだからね」「そういう訳で、烏丸線を利用、北の終点、国際会館まで参りました」「写真は、駅に近い川の桜」「へえ……何という川です」「え……高野川の支流」「いい加減だね」「さあ、こうして今度はバスを利用。大原まで行くのですが……ここで大きなアクシデント」「何がありました」「前の日からバスの時刻が改訂され、ぴったりで来たつもりが30分も待たされた」「あらら」「そんな訳で、予定がちょっと遅れることとなるが……」「とりあえず大原まで参りました」「ここはしっとりとした感じがよく似合う」「それで雨を降らせているんですか」「わしゃ晴れ男じゃから、傘はいらないじゃろう」「大丈夫かな」「山の靄が雰囲気はいいじゃろう」「はい……どこへ行くんですか」「さあ、どこから見るか、次回のお楽しみ」「あれ……着かないで終わっちゃうの……ひどいね」

  2013.05.12

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