17:牛かけ(うしかけ)
【粗筋】 喜六、清八の二人旅、ある村に来ると、嘘つき村だったから、すぐ夜が明けると騙されて旅を続けると、すぐに日が暮れかかる。近所の百姓が見つけて気の毒に思い、牛の背中に乗せてやるが、くしゃみで驚いた牛が走り出して振り落とされる。 そこへ現れたのは色情狂の娘で、「据え膳食わぬは……」と思って近づくと、無理心中を迫られ、ついに出刃包丁で刺され、ウウンと倒れる喜六……親が心配して持たせた玩具の包丁だった。親の所まで包丁を届けると礼を出すと書いてある。「この包丁は酒屋の切手みたいなものやな」「ああ、それで酒御入用の節は切れ物(入れ物)持参としてあるのや」【成立】 南の旅の一部だという。演じられたのを聞いたことはない。昔は酒屋で徳利などの入れ物を持参して買った。切手は商品券のようなもの。