42:居候講釈(いそうろうこうしゃく)
【粗筋】 勘当されて元の番頭の家に居候することになった若旦那、番頭から勘当を解いてもらうためにも何か銭儲けを考えるようにと言われ、講釈師になろうと、まず蝋燭を買いに行く。代金が1銭足らんと言われ、「1銭くらい何じゃい」 と蝋燭屋を殴って帰って来た。番頭が呆れて、「顔見知りなのだから、そういう時は、ついでの時に持って参ります、と言えば、相手も商人やから、いつでも結構ですと貸してくれます」 とたしなめる。 講釈が始まると、「難波戦記」が次々変わる五目講釈となり、家康が真田に追われて市電で逃げ出す。片道6銭の運賃なのに5銭払ったと言うので、客が,「1銭足らんやないか」 と言うので、「足らん分はついでに持って参ります」 【成立】 市電6銭というのは大正から昭和初年まで。もっと前から演じられたかも知れない。本で読んだもので、聞いたことはない。上方では「いそろこうしゃく」とルビがふってある。