42:あした元気になあれ(あしたげんきになあれ)
【粗筋】 入院中のお爺ちゃん、実はもうすっかり治っているのだが、三食昼寝付きで、若い看護師が手を握ってくれる、子供が孫を連れて見舞いに来てくれる、というので退院せずにいる。長男夫婦が孫を連れて来て、リクエストされたの高級うな重を持って来た。お婆ちゃんは孫に果物やお小遣いを渡して返す。先生の回診、退院していいというのを、あそこが痛いここが痛いと無理を言う。先生は午後必ず退院しろと念を押す。 入れ替わりに娘夫婦が来たが、リスクエストのデザートは持っていない。甘い物は体に悪いからダメときっぱり。病院で出された物は栄養バランスまで考えているのだから、うな重なんかとんでもないと自分が食べてしまう。先生が退院していいと言ったことを伝えると、娘は突然泣き出した。先生が家で最後を迎えさせたいと仰っていたと言うのだ。爺さん、びっくりするが、廊下で娘婿が,「お父さん、そんなに悪かったんか」 「お父ちゃんつけあがるから、そう言うてくれてお母ちゃんに頼まれてん」 【成立】 桂文枝の創作落語、57作目。1985年12月初演