名作落語大全集

[カテゴリ未分類] カテゴリの記事

全4316件 (4316件中 1951-2000件目)

< 1 ... 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 ... 87 >

• 

  ＲＲＢ散歩「東北を行く」：その６「ホテル」

  「さて、とりあえず無事に、初日の日程を消化」「……わがままばっかりでしたね」「ホテルは蔵王温泉……部屋がどうも不可思議で、和洋折衷という言葉がぴったり」「写真は……」「窓なのじゃが」「なるほど、不思議な雰囲気ですね」「寝る所もベッドではない、蒲団を敷きに来るのでもないという……」「まあ、分かりませんね」「さて、本当は１時間半も前に着いてゆっくり温泉という日程だったが、着いたらもう食事をして下さいという……実はこれも、遅くなるぞって脅しをいれて……」「おどしですか」「いや、連絡をとって」「大家さんだからね」「そんな訳で、まずは食事」「なかなか豪勢ですね」「土地の名物が並んでいるのが心遣いとしてはうれしい」「はい」「後から出た、紅花そばと芋煮」「これもこちらの名物で……」「ただ、遅くなったのもあって、食事を終えてもお茶すら出ない……部屋に戻ってからお茶というのがちょっとね……」「遅くなったのは大家さんのせいでしょう」「さあ、こちらが露天風呂」「白いですね」「ここは温泉らしい温泉として有名。ホテルの前でバスから降りたとたんに、ほら、あの……いかにも温泉らしい匂い……ほら、あの……」「硫黄ですね」「ああ……今、言おうと思ったのに……」「ぼうっと読んでる人には分からない洒落ですね」「中には普通のお湯と、やはり濁った温泉と、二つの浴槽。それにサウナがございます」「元気回復ですね」「さあ、一晩休んで、明日は平泉へ参ります」「奥の細道の旅、まだ続きます」

  2012.05.11

  コメント(0)

• 

  ＲＲＢ散歩「東北を行く」：その５「立石寺の芭蕉」

  「さあ、山寺立石寺の最終回」「ここが入っているのは、もちろん『奥の細道』……って、大家さん、松尾芭蕉は俳句を詠んだんですか」「え……ええと……山寺の和尚さんが、鞠は蹴りたし、鞠はなし……という句を詠んだな」「嘘だよ」「写真はこちらにある芭蕉さんの像」「はい……で、句は」「こちらが句碑。　　閑かさや岩に染み入る蝉の声　がここで詠んだ句じゃな」「今読んでるな……」「こちらは、曽良さん」「芭蕉の弟子で、一緒に旅をした人ですね……随分たくましいですね」「幕府の隠密なのじゃ……実はこの旅は、仙台藩と日光のもめごとを調査する目的があった。芭蕉はそれに便乗したので、日光までは旅費を幕府からもらっていたはずじゃ」「そうなんですか」「途中から登場するのは、記録で分かっていて、芭蕉が江戸を出発したのは『弥生も末の七日』つまり３月27日、曽良は一週間も前、20日に出発している」「へえ、そうなんだ」「ただ、一つの疑問に思うのは、芭蕉さんが旅をするときに連れて行くのはいつも愛人」「え……」「だから、実はもう少し可愛かったのではないかという説もある」「ううん、男同士ですか……随分イメージが違って来ますね」「高校生までの知識ではね……大学に行くとこういうあたりまで勉強する。専門で江戸文学を勉強すると、男同士、女同士、ニューハーフまで研究しなければならない」「ふうん……大変ですね……ちょっと違う意味で」「芭蕉は愛の句を詠む時は必ず男同士の愛を扱っている。それはともかく、幕府との関係もあるから、当時の紀行文はすぐに出版されるのが常識なのに、『奥の細道』は芭蕉が死に、原稿を預かった兄が死に……それでやっと出版されることになったのじゃ」「そうなんですか」「さあ、こちらも芭蕉の碑らしいのじゃが……」「らしって……」「署名は分かるが、文字が読めない。もう暗くなったので写真に捕って、拡大して確認しようと思ったのじゃが、写真も暗くて……」「はい、まだ研究は続きます」「ということで、本日はこれぎり……さ、ホテルに向かおう」

  2012.05.10

  コメント(0)

• 

  RRB散歩「東北を行く」：その５「山寺立石寺」

  「さあ、山寺立石寺へ上っております」「はい、まだ半分ですね」「写真は山頂を望む。左が天華岩、右手前の山頂がはっきりしない方がこれから上るところで、写真に見える岩が百丈岩という」「じゃあ、参りましょう」「こちらは仁王門。1848年に再建されたという……中の仁王像は、邪心を持つ者を止めるという」「へえ……大家さん、よく通れましたね」「いや、そうほめるな」「ほめてないって」「そう言うわけで、無事に門をくぐって上って行きます」「本当に通れたんだ」「仁王門の屋根と、最終目的の五大堂、その手前の開山堂を一緒に」「写真的に……それだけの目的でございます」「さあ、開山堂が見えてきた」「ここで折り返して右の上、五大堂がゴールですね」「８６４年の定礎があり、この寺で最も古いものじゃ」「へえ」「五大堂からの眺め」「天気が良かったら絶景ですね」「まあ、この雨の中をよく上ったということで……まあ足が速ければ２０分といわれたが、写真を撮りながら１７分で上った」「雨で急いだということもあるんでしょうね」「これから下りるのじゃが、ホテルに着いて確認した歩行数……」「万歩計を使っております」「この日、松島から山寺を合計して、9700歩」「あら、大したことないですね」「平日は仕事で最低11000から15000歩歩いているからなあ……まあ、普段と違う山の上り下りじゃったから、翌日は少し足が重かった」「まあ、そんなものでしょう」「ということで」「山寺の報告はおしまいですね」「いや、ここは松尾芭蕉が来たところ……芭蕉の話題がないじゃないか」「あれ……まだ続くの……」

  2012.05.09

  コメント(0)

• 

  RRB散歩「東北編」：その４「山寺」

  「さあ、時間が遅れて、２時には松島を出発しようと思ったのに、４時になってしまった」「次の予定地は山寺・立石寺ですね」「ここは５時で締まってしまってしまうから……」「『しまって』が一つ多いよ」「計画では２時間、順調に行けば１時間半という行程ですから、もう間に合いません」「そこで、寺に電話」「え……」「せっかく出掛けるのじゃから、開けておいてくれって……」「へえ……そんなわがままなことが出来るんですか」「……出来る訳ないじゃろう」「あれ……そうですよねえ……」「だから『わしを誰だと思っているんだ』って……」「またやったの……迷惑を掛けているねえ」「さて、写真は２枚目になりましたが、最初の写真は普通の昇り口。ここが１０８段ある」「煩悩の数ですね」「本堂にお詣りするならあと二つ先まで」「本堂はいつでもお詣り出来ます」「それでこの２枚目の写真となる訳じゃ。ここからが有料」「はい……折角開けさせたのですから……もちろん上りますね」「いや……もし松島と同様、雨がひどかったら、誰が行くもんか」「何てわがままなんでしょ」「さあ、ここからが本番の階段上り。約千段。コースによってちょっと違うのじゃが、早足で約20分の行程」「大変ですね」「上るに連れて、次第に山の中という雰囲気が……」「いいですね」「上って来た道を振り返ると、こんな感じ」「ううん……例によって、どんどん説明が手抜きになるな」「さあ、いよいよお寺などの建物が……」「はい、参りましょう」「長くなったので、また次回」「あら……やっぱり」

  2012.05.08

  コメント(0)

• 

  ＲＲＢ散歩「東北編」：その３「瑞巌寺」

  「さあ、松島の海は大荒れ。瑞巌寺へ行こう」「今回の旅は『奥の細道』のコースですね」「本文のちょうど真ん中が平泉。その前半のちょうど真ん中が松島、後半のちょうど真ん中が象潟……三つのピークがぴったり配分されていることが分かる」「すごいですね」「旅行記のようなスタイルでいて、俳諧の形式と、こうした文学の形式が実に奥深いのじゃ」「ほう」「写真は寺への道」「はい……雨がひどいね」「林の中。写真のちょうど中央、赤く見える当たり」「よく分かりませんが」「昨年の大地震の後、ここまで津波が来た」「へえ……お寺まであとわずかですね」「200もある島々が津波の力を分散したというな……因みに『大地震』は古文では『おおついな』、今は『おおじしん』と読む。『だい』で読むことはない」「そうなんだ」「『大水』『大火事』などの災害はみんな『おお』。東京では音読みを嫌うのじゃ」「ま、どうでもいいか」『「お寺は修復中で、ご覧の通り」「はい、全国の寺社で修復が行われております」「さて、話は戻るが、『奥の細道』では天気は良かったようで、その景観に感動し『松島は笑ふが如く、象潟は恨むが如し』と言っている」「でも俳句を詠まなかったんですね」「感動が強すぎたという、一つの山場を作るためじゃな。明治時代の小学生が、この話を聞いて、『松島やああ松島や松島や』と作ったのが人気になって、全国に知られた」「聞いたことがあります」「この時代の小学生の名作にもう一句、『古池や芭蕉飛び込む水の音』がある」「芭蕉庵の火事で芭蕉が池に飛び込んで難を逃れたということですね」「いずれも、逸話を生かした傑作じゃ」「はい」「ということで、これは奥の院への道。大雨のため、数人しか行かなかった」「でしょうね」「奥の院……撮影禁止」「写真に撮ってますよ」「これは特別」「知ーらない」「大雨でアクシデントもあり、歴史館は省略」「はい、伊達政宗の政治や経済などを見ることが出来ます」「おさかな市場……ここでお買い物の予定だったが、これももう時間切れ」「残念ですね」「計画では松島に１時から２時。２時間掛けて移動して、山寺・立石寺に４時から５時という予定じゃった」「それが、新幹線は遅れる、道路は混む……」「そう。松島出発がすでに４時になってしまった」「２時間遅れですか……ここから山寺まで２時間掛かるんでしょう」「道路がすいていれば１時間半……余裕を持って計画したのじゃ」「それにしてもすごい遅れですね」「山寺は５時で閉門される」「あれ……じゃあ、もう絶対間に合わないじゃないですか」「さあ、どうなりますやら、次回ご報告申し上げます」

  2012.05.07

  コメント(0)

• 

  ＲＲＢ散歩「東北編」：その２「松島」

  「さて、福島駅から松島へ向かいます」「天気は悪そうですね」「川も危ないな……実はこの日の夕刻、松島へ向かう途中が通行止めになった」「川があふれたんでしょうか」「そうかも知れない」「大変な時に来ましたねえ」「わしは晴れ男なのじゃが……実は教員生活３０年、修学旅行などで傘を使ったことがない」「そうなんですか」「カナダで雪が降って傘を差したら、生徒が『ああっ、傘を差している』って写真を撮った。生徒は誰も差さない程度の雪だったのじゃが……教員生活でこの３分だけ」「まあ、大家さんなら納得できます」「さあ、松島に着いたが、ご覧の通り大雨」「すごいですね」「海もご覧の通り」「いつもの通り、大家さんの説明はどんどん手抜きになりますが……これは説明のしようがありませんね」「さあ、そんな具合で、島々を写真に撮りたかったのじゃが、これではしょうがない」「はい」「ということで、瑞巌寺へ向かおう」「行きましょう」「はい、長くなったので、本日はこれぎり」「え……たったこれだけ……」「次回をお楽しみに」

  2012.05.06

  コメント(0)

• 原発が止まった

  「昨夜原発が全て止まった」「はい、電力は大丈夫なんでしょうか」「大丈夫じゃ」「言い切りますね」「関西電力は、不足する割合をどんどん減らして、連休前に15％まで下げたね」「どういう計算ですかねえ」「最初の計算は、一昨年の猛暑の消費電力に対し、昨年ほどの節電は行われないという計算」「身勝手な数字ですね」「そう、その指摘に対して、関西の人には節電の意識はありませんから……って答えていた」「そうなると笑い話ですね」「それでも、昨年の節電実績の半分くらいはするだろうという計算で、15％まで来た。４月の末には同じ批判で17.5％まで下げて、これ以上あり得ないと言っていたのにね」「いい加減なもんですねえ」「さて、企業の電力が17％値上げされる」「一般家庭も夏からは10.3％上がりますね」「これも姑息な計算がなされていて、マンションなどの共有部分は、企業として計算される」「ええっ……首都圏では一戸当たり３千円の値上げとして苦情を申し入れている」「企業なら値上げに同意出来ないんですね」「ところが、個人は拒否出来ない。マンションでは、全員の同意が必要で……まずその書類を作ることは不可能」「ふうん……」「さて、その値上げは、年間の赤字額、この３月での実績、１兆４９６３億円から計算された」「そうなんだ」「ところが、一昨日、原発が止まったままだと、電力会社の赤字は２兆６７６５億円になると発表した」「え……それなら、それを理由にまた値上げ出来るんですか」「単純計算なら18％の値上げ」「すごいね」「ところで、火力発電だけになって、燃料費は自動的に料金に加算されるから、震災以降、毎月値上げされてきた」「はい、去年報道された」「上げることは明記されているが、下げることは考えられていない。それ以外の理由で今回上がるので、この毎月のを下げることはあり得ない」「そうでした」「その燃料費の計算も、ＬＮＧをアメリカやロシアから買っているが、ヨーロッパが10ドルで買うのを、韓国は大量に買うから安くしろと交渉して８ドルで買っていた」「はい」「日本は料金に上乗せするからいいと交渉をやめて、ヨーロッパよりも高い16ドルで買っている」「それがそのまま料金になるんですね」「更に、１ドルが82円から79円になると、4.66％の円高となり、電気料金も同じ率で上がる」「え……だって、火力発電の割合は全体の65％でしょう……その３分の２だけ上げればいいじゃないですか」「そういう計算になっている。これも円が安くなった時下げるというルールは存在しない」「すごい」「さて、こんな中で関西電力はオール電化を推進し、販売実績のあった小売店や子会社に手数料を支払っていた」「え……この時期にですか」「今までの惰性じゃそうじゃ……昨年12月でやめているという」「でもねえ……」「まあ、買う方がバカと思えるが、ガス代が全ていらなくなり、電気代は25％程度上がるだけだと説明しているとねえ……しかし、この１年に関西だけは１割も増えたというから……どうも理解できない」「安くなると思ってるんですかねえ」「電力会社は最大25％と説明しているが、実際にＮＰＯ法人が追跡したところ、消費電力は最低27.5％、最大93.3％増加しているそうじゃ」「随分違いますね……それに、更に10.3％値上げされるんでしょう」「41から113％の値上げじゃな」「ガスが０になって、ちゃんと合うんですかねえ」「今の電力会社の脅迫は、更なる値上げを示唆しているからねえ……ところで、そんな状態じゃから、オール電化を推進する社員がいなくなり、３月に一般募集した」「ほう……でも、誰がやりますか」「そもそも、大変な仕事じゃから少し高めの給与を設定したが、全体の給料を抑える時期じゃからとんでもない安い給料だと断言していた」「まあ、そうでしょう」「基本給が年収１千万円、実績が上がっても２千万以上は保証しないとのこと」「大家さんの給料、停年間近なのに、カットされています……本気で転職を考えたでしょう」「さて、このブログでは、原発を全て止めても、火力発電所が30％しか稼働していないのを47％まで上げれば、十分にまかなえるという数値を出して来ました。もちろん、月々の値上げには火力に切り替える分も計算されるのでございます。これも原発の燃料費は安いという嘘で計算された差額……これに対して、昨年夏は、火力発電をその数値まで上げるのは極めて危険と、原発の稼働率を100％にして対応した」「あれ……」「こうした事実を並べて行けば、おかしいのは誰でも分かる」「でも、原発のある地では、再稼働しないと、補助金が入らない」「そう。町の収入の半分以上が補助金なのじゃ……しかし、福島を見ても、子孫に原発の危険性を残しても、今入る収入を優先させたいと思うのじゃろうか……」「しかし、急に収入停止は……」「こういう他力本願の経済は、何かあった時に対応できない。町興しの対応を何もして来なかったツケじゃ……という意見もあった」「原発が動かなくてもその補助金は出すって言ってましたね」「色々問題があるのじゃ……原発に反対意見を言った人が次々クビになり、再稼働が当然と考えているのは……無駄かも知れないがよく見守って行こう」

  2012.05.05

  コメント(0)

• ＲＲＢ散歩「東北を行く」：その１「ミステリー・ツアーの始まり」

  「さて、この日の前日、奥の細道の三大刹那を尋ねるＲＲＢ散歩に出発しました」「はい……参加者は」「今回４７士が集結……という予定が４２人になった」「すごい人数ですね」「業者が入ってくれると、駐車場や食事場所などの混んでいる場所で優先的に入れるのじゃ」「なるほどね」「さて、これがとんでもないミステリー・ツアーになってしまった」「ミステリー・ツアーって、どこ行くか分からないってやつですよね」「今回の場合は、何が起こるか分からないツアー」「何が起こったんですか」「まず時間通り全員が集まったのに、新幹線が信号機の故障で止まってしまった。30分遅れで走り出したが、わしらの乗る列車はその20分ほど後で、次第に遅れが重なって、結局きっかり40分の遅れ」「あら」「乗ってしまえば後は遅れをどこで取り戻すかって問題だけ……」「まあそうですが」「大宮で最後の人が合流し、スカイツリーで話題の小山、餃子をいただく宇都宮、お茄子が有名那須塩原……」「それ、違う」「かき氷なら郡山」「それも違う……どんどんデタラメになるね」「こうして着きましたのが、生活環境への公的支援は他の県に劣らないという……」「落語の言い立ての口調が、講談に代わって来ましたねえ……で、何県です」「福島県……福祉負けん……」「下らないね」「到着は３５分遅れ……１２時に福島駅からバスが出発して、最初の目的地、松島へ向かいます」「さあ、次のミステリーは天候ですね」「そうなのじゃ。茨城と秋田には大雨洪水警報が出ていて、間の宮城県には出ていない」「大丈夫ですかねえ」「ＮＨＫは危険だから一切海辺には近寄るなと言っている。民法では二つの局で天候の急変に注意しろって言っている……何テレビだか……局の名前は不明」「少しニュアンスが違いますね」「松島へ向かう間、川は増水しているし、高速道路は大混雑じゃし……」「ますます予定が遅れますね」「このツアー、実は新幹線以外は予定時刻を発表していない」「え……」「この時期、世界遺産の平泉などを回るのじゃ、予定通り行く訳がないじゃろう」「せこいね……」「ただ、問題は、この初日の予定が、松島と山寺立石寺……立石寺は17時で締まってしまってしまうのじゃ」「変な日本語」「13時から14時まで松島、16時から17時まで立石寺……そういう予定だったのが、松島に着くのはいったい何時になるのでしょうか」「分かりませんね」「この続きは次回」「やっぱり続き物でございます」

  2012.05.04

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ９

  18：ルトスワフスキー：パガニーニの主題による変奏曲「1941年、学生時代にアルバイトでピアノを弾いていた時に、ピアノ連弾の曲として演奏したものがプロの目に……いや、耳に止まってプロとなる。女性ピアニストのブルメンタールの依頼により、ピアノと管弦楽のための新しい曲として改訂された。1977年の完成。打楽器が駆使され、和音までいかにも現代的な響きを感じるが、なぜか親しみやすい。実は、主題から変奏まで、パガニーニの原作をそのまま生かしているのである。ただし、原曲を２度繰り返している。マニアックな１曲」18.1：レハール：歌劇「パガニーニ」「パガニーニのどの事件を作品化したのか分からない。因みに映画があるが、悪魔との契約を元にしたホラーだった。歌劇は……まさかねえ……日本では『私ほど愛する者は他にない』と『愛は地上の天国』というアリアがレコードになっていたが、入手できなかった。放送でいかにもパガニーニらしいというヴァイオリンによる導入と、『美しいイタリア』というアリアだけを録音していたが、地震でパソコンのデータが吹っ飛んで失ってしまった」19：ロックバーグ：カプリース変奏曲「1970年の作品。音大の先生が、奇想曲第24番による無伴奏ヴァイオリンのための51の変奏曲を作った。新井英治とクレメールを所有しているが、ここではクレメールが演奏したもの（作曲者本人が24曲を抜き出して新たに並べ変えた30分の大曲）をテキストとして説明しよう。夜想曲風な導入から入って展開するが、５曲目でやっとあの主題だと分かる展開がある。６曲目にはベートーヴェンの交響曲第７番、７曲目には同じベートーヴェンの弦楽四重奏『ハープ』よりスケルツォ、８曲目にはシューベルトの『舞曲』作品９から22番『ワルツ』、10曲目にはショパンの練習曲作品10-11、15曲目にはモーツァルトの『魔笛』、20曲目にはマーラーの交響曲第５番のスケルツォ、21曲目にはウェーベルンのパッサカリア……と様々なイメージが展開して行く。そして、何と最後になってお馴染みの主題が初めて完全な形で登場して締めくくる。　ミルシテインから始まり、シュニトケを通過し、エルンストの『夏の名残のバラ（庭の千草）変奏曲』をはさんでこの曲で終わるという、ギドン・クレメールのアルバムが実にドラマチックである。このＣＤでは映画『春の協奏曲』でパガニーニを演じたクレメールがジャケットになっており、この野性的な図と、解説書に白黒で写っている紳士的な姿とが見事な対照となっている」20：ロッシーニ：パガニーニに寄せて一言「ロッシーニの珍しいヴァイオリンとピアノのための作品。パガニーニの旋律的ワルツで、パガニーニの追悼のために作ったともいわれている。新井英治の演奏を所有」「という訳で、ちょうど20人と思っていたら、うっかりウルスナーの作品を忘れていたのでここに追加」21：ウルスナー：ラ・カンパネラ「ホフナー・アコーディオン・オーケストラの演奏を持っている。アコーディオン３台のための編曲。主題から展開までほぼ同じだが、主題が戻るとテンポが代わったり、変奏になったりする。駅の売店で安～く売っていたもの」「さて、実はもうひとつ、日本人が一昨年か、その前年か雑誌に発表した鐘という作品があるのじゃが……ピアノ独奏でＡ４で４ページほどの小品、これも演奏したものを録音したのが震災でふっとび、まだ譜面も発見出来ない。出て来たらもう一回録音しなおすつもり……」「つもりって、大家さんの計画はいつになるか分かりませんからねえ……それでも、これでパガニーニ作品は完結ですね」「それが……どうも……」「え、まだあるの」「ポップスやジャズに編曲されたものが幾つか」「ううん、まだ続くんだって」

  2012.05.03

  コメント(0)

• 今年読んだ本：その１

  今年読んだ本：その１「わしが今年読んだ本をご紹介」「はいはい、またしてもどうでもいい話題ですね」　１：「人生教習所」垣根涼介「サイン本。人生をやり直したいという人を募集した再生教習所に集まる人々の物語。正直な感想を述べれば、まず人物それぞれのこれまでとそこからの再生は典型的……一般の小説では、何かの事件を通して人生を見直し、再生して行くのであろう。ここでは最初から再生を目的として、人生を見直すことを大前提としているのだから、どこにも意外性がない。第一章でもう新しい自分を見付けた人は当然第二章へ進むことになる。ここでやっと自己をつかむ人もいるが、もうストーリーは終わっている。だから第三章では講習の内容がメインになっているような気がする。舞台となった土地を紹介したいという作品なのだろうか。第一章では講義内容がほとんど書かれていないのだから、余計に三章では人物の読み込みの浅さが目に付く。最も物足りないのは、読み始めた時にこうなるかと、想像される通りに展開して結末を迎えるという意外性のなさだろう。いい話なのに、何だか物足りない」　２：「平将門（上）」海音寺潮五郎「エコ・ブックで三冊まとめていただく。女をめぐって物語が展開。魔物とされた将門を、一人の人間として描いた最初の作品。伯父との対立から戦いとなり、約10キロにある集落を一気に壊滅させて鬼神といわれるようになるまでが見事に描かれている。長編小説が、色々な人物を描いて長くしているのが多いように感じる。一人の人間とそれに関わる人という形で書く力量を感じさせる傑作。」　３：「平将門（中）」海音寺潮五郎「親族の争いがエスカレートし、味方からは英雄、相手からは悪とされる。この行き違いから主人公も敵も、友情や愛情にまで疑問を持つようになる。勝てば英雄として人も集まるが、負ければ見放される。様々な歯車の狂いの面白さ。」　４：「平将門（下）」海音寺潮五郎「いよいよ謀反人となっていく将門と、俵藤太らとの人間関係。ここでも前巻と同じように運命の流れを感じる。歯車の狂いが意外な方向に作用してくる。将門の祟りまできちんと描いている。実に見事な作品。」　５：「狙撃者たちの夏」三好徹「エコ・ブック。冒頭闇の中で武器についての交渉をする二人。前半はこの二人の正体が明らかになって行く面白さ。後半は、この狙撃者が東京サミットを狙い……ううん、結末を書く訳には行かないが、何という中途半端。作者があとがきに『作品の主題は、お読み下さった方には、わかっていただけると思う』と書いている。これが一番難しかった。主題は読者が考えるもので、分かり切っていると断言されると……私の解答……　１：タイトルに『狙撃者』とあるのだから、彼の執念を描いたもの。　２：世界の用心に対する日本の警備の現実を描いたもの。　３：万全といえる警備でも、ラストまで行かせてしまう日本の警備の甘さを指摘したもの。　４：これだけの警備でもこういう盲点があるのだという自己の知識をひけらかしたい。　５：新聞記者と警察関係者の駆け引きを描いたもの。　６：その駆け引きの中で起こる殺人事件を通して、人間関係を描きたかった。　７：サッチャー女史の名台詞をギャグにするために、これだけのストーリーを積み重ねて、落語の落ちでびっくりさせたかった。　お読み下さった方は誰でも分かるのだから、私は想定される答を並べて終わりとする……ところで、タイトルは『狙撃者たち』って複数形だけれど、あと誰がいたんだろう」　６：「幽閉山脈」森村誠一「これもエコ・ブック。山で自殺を図った女性を二人のアルピニストが救う。この片方と結婚を決意した時、山の事故でその婚約相手が死ぬ……そこから広がる疑惑、当然もう一人の男が疑われるのだが、その動機が次々に消えていく。真相は見え見えで、正直古いっていう、そういう時代の作品なのだ。事件解決後のエピソードはお粗末としか言えない。そんなバカなというおまけは余計なことに感じる。作品全体では、ミステリーよりも主人公の女性の心理を描いたことが面白いのだ」　７：「砂の器（上）」松本清張「更にエコ・ブック。松本清張の作品は名探偵は登場しない。この作品も地道な捜査を丁寧に描く。映画を見た人は犯人が分かってしまうのだが、映画はその犯人だけに焦点をしぼり、若い刑事にはいかにも役に立たないような印象の俳優を配置していたのが見事。小説では周辺の人物が皆何かを持っている。それぞれの人間ドラマがあり、刑事の人間性もよく描いている」　８：「砂の器（下）」松本清張「若手芸術家のメンバーがそれぞれ描かれる。こうして、意外な事件の真相、意外な動機、意外な殺害方法、意外な真犯人が浮かび上がってくる。それが全て地道な捜査から実を結んでくるのである。映画は時間制限もあるのだろうが、動機だけにしぼって、事件と直接結びつくミュージック・コンクレートを割愛し、過去をさらけ出すピアノ協奏曲にして見事な世界を作り出していた。今ならテレビ・ドラマなどにして、原作にそってグループの一人一人を描き、ミュージック・コンクレートで作れるだろう。ピアニストにした映画の安っぽさも解消される。あ、芸術家グループをアイドル・グループのメンバーみんなで演じるなんてのも面白そうだ。それなら、どの人が本当の犯人だろうって、原作以上の効果も期待できる」　９：「海と風と虹と（上）」海音寺潮五郎「将門を読んだのだから、続いて読まないとねえ……ってんで、無理矢理エコ・ブックにしてもらった。純友が主人公であるが、前半は将門との関連が重く、二人主人公の様相。冒頭のエピソードがびっくり。落語『そってん芝居』なのだ。それも落語よりもはるかに面白い。落語は庶民だから……この平安朝の貴族の話であれば、裸で杓を持っている姿を想像して笑える」　１０：「海と風と虹と（下）」海音寺潮五郎「将門はいつの間にか謀反人にされてしまうのだが、純友は自らの意志で進んでいく。将門は彼に利用されたのか。ある程度関連のあることを示すことで示唆するだけなのだが、なかなか面白い。そして、最後に二人の意外な結びつきが示されて……驚きの結末まで、読み応えのある傑作」

  2012.05.02

  コメント(0)

• ５月の予定：その３「１３日も落語に行こう」

  「さあ、５月の予定のその３」「３回も続けるかね……１回目は奥の細道だけ。２回目は12日の土曜日だけ」「そう、今日はその翌日、13日の予定……だけです」「適当なんだから、もう」「14時から北柏・たんぽぽホールで開催の柏落語会。この日は春風亭柳橋師匠が登場。木戸銭は1300円」「本格ですね」「同じく14時から船橋のスペース１０５で、柳家喜多八師匠の『東西寄席』，木戸銭は二千円」「これまた、お勧め」「14:30から千葉中央・きぼーるで開催される、なまらくきぼーる寄席は、ＴＥＮのメンバー、真打ちになる古今亭菊六、林家たけ平、鈴々舎馬るこ、柳亭こみちという、個性的で実力のある四人が集結」「大家さんのお薦めメンバーです」「若手の本格派ナンバーワンの菊六、林家なのにちゃんとした落語をやるたけ平、新しい落語の世界を広げる馬るこ、それに女性噺家の期待こみち……」「はい、これは見る価値があります」「15時からは行徳Ｉ＆Ｉホールで、喜多八師匠の弟子、ろべえ君の東海道ひとり旅。ゲストは林家楽一で、木戸銭は千円」「このろべえ君もＴＥＮのメンバーで、大家さんの期待の星です」「19時から、浅草の台東区生涯学習センターで開催されるかっぱの勉強会では、橘ノ圓満、三笑亭夢吉という実力派の二ツ目が登場。木戸銭は千円」「これもいい若手ですね」「同じ時刻、横浜にぎわい座では滝川鯉昇師匠と柳家喜多八師匠の睦会。三千円だが、この二人なら安い」「こちらは大御所二人……」「さあ、どこ行きましょうか」「また……大家さん決めてないの」「どうなりますやら、お楽しみに」

  2012.05.01

  コメント(0)

• ５月の予定：その２「１２日の落語会」

  「さて、５月の予定を……」「どうでもいいけど……昨日は奥の細道だけで終わっちゃいましたね」「落語会などあるが、ゴールデンウィークは混んでて落ち着かないから、じっくり聞いてられない。出演する方も同じで、いい噺をじっくり聞かせようとしないから……」「で、どうします」「東京駅丸ビルでチャイコフスキーをやっているから、そちらに行こうか」「５日までです」「本当はからくり展に行きたかったのじゃが、明日まででおしまい」「はい、残念でした」「さて、翌週の１２日（土）、この日にいい落語会がそろっているのじゃ」「参りましょう」「14時から調布のグリーン・ホールで柳家ろべえと柳亭こみちの二人会。木戸銭は千円」「大家さんが可愛がっている2003年入門のメンバーですね」「落語協会には10人が入門。ＴＥＮというグループで活動している。この秋から、その代表ともいえる菊六が真打に昇進するのじゃ」「はい」「芸術協会では夏丸ひとり、円楽一門ではきつつき一人。ＴＥＮに対抗してＴＷＯというグループを結成しているが、二人とも頼りにならないのが何ともおかしい」「今回はＴＥＮの方でございます」「15時から神保町の落語カフェでは三笑亭夢吉の「神田繁盛亭」。木戸銭は1500円で、終演後、マラソンに挑戦できます」「大変ですね」「まあ、任意じゃから、落語だけでもＯＫ」「そりゃそうでしょう……この人もいい雰囲気と実力を兼ね備えた二ツ目です」「同じ時刻、鶴見のとんかつむら井で開催のとんかつ寄席には鈴々舎馬るこが登場」「これもＴＥＮのメンバーですね」「真打になる菊六が正統派のナンバーワン。この馬るこは新しい試みが実に素晴らしい。多分この日も……全く新しい『牛ほめ』を演じる。木戸銭は３千円で、カツサンドとドリンクつき」「これも期待の星ですね」「尚、翌日朝５時代のＮＨＫで『演芸図鑑』に馬るこが登場するのでぜひ……って、テレビじゃ分からないね。新人落語コンクールにも出たが、短い時間では持ち味は出ないから……」「夜18時からの落語カフェは『ヤスケックス』。まだこの題名でやってるんだね」「というと……」「五街道弥助時代から続いている落語会。一昨年真打になって蜃気楼龍玉になっている」「大家さんも披露宴に行きました」「お勧め。木戸銭は、予約で２千円」「皆様もぜひ」「18:30、わしの勤務している土浦の市民会館で、三遊亭小遊三、笑福亭鶴光、マギー司郎による『朝日さわやか寄席』……夜なのに朝日」「文句いわない」「木戸銭は2900円」「大変ですね、どれに行きましょう」「さて、翌日もあるから……また次回」「ううん、多すぎて困りますね」

  2012.04.30

  コメント(0)

• ５月の予定：その１「奥の細道」

  「さあ、バタバタとして４月も終わり」「早いですねえ」「ジャネーの法則は本当だなって感じる」「はいはい」「今週末は４連休」「やったね」「こういう連休の時期は寄席も混んでるから敬遠」「あらら……じゃあ、どうします」「ずっと続けている『奥の細道』の研究で……」「ＲＲＢ散歩ですか……」「ＲＲＢは落語と歴史・文学ってんで……わしが企画して……」「はいはい、もうみんな忘れてますよ」「昨年夏には芭蕉が治水工事を行った神田上水、そして奥の細道のスタートである深川、千住などを廻りました」「遠くに行くのは天橋立から城崎温泉でしたね」「昨年は安芸の宮島にも行って……日本三景のうち、小式部内侍に関連した場所に行った訳じゃな」「で、今回は」「今回は松島、山寺、平泉という、奥の細道の中心となる所を廻る旅を企画」「山場なんですか」「平泉が奥の細道のまん真ん中になっている。その前半のまん真ん中が松島。後半の真ん中は象潟。山場を見事に配置しているのじゃ」「へえ」「それで、車でめぐるのであれば三つをハシゴできるかと思ったが、ちょっと無理だった……それで、足が丈夫なうちに山寺をということで……天気がいいことを祈っている」「はい……大家さんは芭蕉ファンですか」「奥の細道は歴史的傑作じゃな……皆さんもご存知の通り、曽良という弟子がついて行っているが、この人は幕府の隠密で日光を調査に行ったのじゃ。おそらく芭蕉の費用もここまでは幕府が出している」「あ、そうなんだ」「芭蕉が江戸に出た頃は四代将軍家綱で、大老の酒井忠清が実験を握っていた。この人の娘婿が藤堂家藩主、つまり芭蕉の主人じゃ。だから色々コネもある。ところが、老中の堀田正俊は無理矢理綱吉を五代将軍として、酒井の権力を奪った。翌年酒井が死ぬと、綱吉は、自害か病死か調べろと命じ、死骸を墓から掘り起こして骨を砕けとまで言ったという」「すごいですね」「芭蕉も居場所がなくなる。江戸でやっと一旗あげようというところじゃないか。将軍が文学に興味があるのが救い……政治的には柳沢吉保の陰謀で堀田が暗殺されると、柳沢は将軍の男色趣味を刺激し、そこから次第に女の方にむけさせる。自分の妻まで差し出したというが、この男に気が向いているから子供は出来ない……このことが、生類憐れみの令につながって行くのじゃ」「歴史の勉強みたいになってますね」「まあ、学校では男色なんておしえないね。江戸文学の研究では避けることは不可能。学生時代にお嬢様だった同級生が『男色』に難色をしめしていた……いい洒落じゃ」「何です、それ」「実は芭蕉の恋人もほとんど男だったのは有名。最初の旅、笈の小文も、恋人同伴の旅じゃった」「まあ、ここではいいでしょう」「そういうことで、生類憐れみの令に乗って、幕府に取り入ろうとしたのが、　　古池や蛙飛び込む水の音　から始まる蛙シリーズ」「そういう意味があるんだ」「奥の細道でも、　　行春や鳥啼き魚の目は泪　というのは、生類憐れみの令を意識したもの……文学などにうつつを抜かしていると弾圧されるのを避ける意図があるのじゃ」「へえ」「そうはいっても、隠密と一緒の隠密旅行じゃから、芭蕉自身や書物を預けた兄が亡くなるまでは秘密にされ、その後やっと出版されるのじゃ」「へえ」「さて、５月の予定をまとめようと思ったら、奥の細道だけで終わってしまった」「脱線が多すぎますよ」「その後の予定はまた明日」

  2012.04.29

  コメント(0)

• 小沢無罪……政治家の善悪

  「小沢が無罪になったね」「ねえ……いいんでしょうか」「まあ、秘書が何かやって、ご本人が知っていても、罪にはならない」「変ですね」「そういう法律なのじゃから仕方がない。連座制って、問題になるのは選挙違反だけで、お金については、政治家にはとてつもなく甘いものになっている」「そう感じますね」「昔、自民党である代議士が辞任した時、同じ党の人達は、その問題を一切責めなかった」「どうしたんです」「『いさぎよい態度に拍手を贈りたい』、『他の人は秘書のせいにするのに、この人は自分の責任だと言った。偉い』、『こんな立派な政治家は他にない』……」「どっかずれていますね」「そう。政治家の正義、善悪の判断はこの程度のものなのじゃな」「そうですか」「さて、子供の頃に読んだ、ワシントンと桜の木って話が全く理解できなかった」「え……ワシントンって……あの、靴屋ですか」「違う。アメリカの大統領になった人。子供の頃に桜の木を切って、正直に名乗り出たらほめられたという話じゃ」「ああ、聞いたことがありますね……それが何で理解できないんです」「なぜほめられたのか、誰も説明してくれなかったのじゃ。　桜の木を切って、その枝を川に投げ込んでおぼれている人を救おうとしたなど、別の問題があった……それならそのことをほめるはずで、正直に名乗り出たというのとは違う」「なるほど」「名乗り出たってことだけほめられたのが、わしの聞いた話……他の理由があるならぜひご教授願いたい。　すると、こんなことが考えられる。　ワシントンのいたのが嘘つき村で、腹に据えかねていたおっさんが、正直に名乗り出た子をほめちゃった……これでは、この子をほめる話ではなく、この子の育った環境が悪かったという話。そんな環境でもいい人が育ったんだってことになる」「それはおかしいね」「ワシントンは近所で知られたひどい子供で、叱ったりすると後が怖い。だから、名乗り出たのをほめた」「それはないでしょう」「結論、ワシントンをほめた人が善悪も分からないバカだった」「それはひどい」「ね。わしなら、正直に名乗り出たから今回は許すけれど、二度としないようにって諭して帰す。それが諭す部分はなく、正直をほめたたえるだけの話なのじゃ……絶対におかしい」「確かに………じゃあ、どういうことなんでしょう」「ほら、謎を解く大事なポイントを見落としているじゃろう」「どこです」「探すな……ワシントンは政治家なのじゃ」「あ……」「さっき紹介した昔の政治家と同じ。だから悪いことをしても、それを立派な人だという具合にすり替えることが出来たのじゃ」「なるほど」「で、小沢の件、これで無罪になったから党員資格剥奪も解除され、国会で大きな顔が出来るそうじゃ。バカな議員は『完全無罪、真っ白な無罪』と言っていたが、政治の世界ではそうじゃろう」「一般社会では」「わしの会社で同じようなことが起これば、秘書を監督する責任を全うしていないのだから責任問題……今回のように本人も承知していたというのなら間違いなくクビ」「それが普通の感覚ですね」「証言内容もおかしいだろうということばかり。証言集としてまとめると、嘘が並ぶ……しかし、法律ではそういうことは裁けない。法令に従って、秘書が悪いで終わってしまい、小沢は純白の無罪なのじゃ。国民がどう判断するか、次の選挙で分かるじゃろう」「ということで」「あ、もう出勤じゃ」「はい、本日はこれぎり」

  2012.04.28

  コメント(0)

• 無茶苦茶な翻訳という事件

  「観光庁が東北観光博のHPを閉鎖した」「どうしたんでしょう」「英語や韓国語、中国語で紹介しているのが目茶苦茶な訳だというのじゃ」「それはひどいですね」「旧伊達邸がローマ字で『キュウイタツテイ』とか、秋田が『飽きた』という意味、なまはげが中国語で『はげ頭病』という……」「本当ですかそれ……」「と、疑いたくなるじゃろう。翻訳を機械に任せていた結果だというが、なぜチェックしないのじゃろう。その能力のない省庁なのじゃろうか」「また、顰蹙買いますよ」「わしも今週たまたま仕事で英語訳を行っているが、まず自分で英語にしてみる。第２に機械に訳してもらってそれをチェックする。どこをどうした方がいいか、直して、最後にフォリナーの方に点検してもらう」「それだけやればちゃんと出来ますがねえ」「わしは一文ごとにチェックし、段落がまとまったら点検してもらうということを繰り返している。だから、今回の観光庁のようなことが起こること自体、全く信じられない。秋田と飽きたなんて、わしのレベルの英語力でも一目で分かるじゃないか」「ん……まあ、そうですね」「水道を『ヒネルトジャー』のように笑ってもらおうとおもったのかな……ともかく、誰がチェックしていたのか、わしがそういう訳を公開したら責任取らされるぞ」「それが普通です」「それで、これからチェックをするので、ゴールデンウィークには間に合わないのだそうだ」「稼ぎ時で、東北はまだまだ大変なのにねえ」「まあ、海外の方にはゴールデンウィークって関係ないかも知れないが……」「大家さんの話は、大変なのか、どうでもいいのか、分かりませんね」「ともかく、仕事だろう、しっかりしろよって話題でございました」

  2012.04.27

  コメント(0)

• 遅延と地震とＮＨＫ

  「さて、昨日のことじゃが、息子が出張で５時前の出発……ところが、５時17､8分頃の日本テレビで、５時頃に駅でトラブルがあって、常磐線が運休しているという」「あら、大変ですねえ」「息子に連絡したら、駅でＴＸへの振替をやっていたそうじゃ。目的地へは予定より18分ほど遅れるが、無事に進んでいるという」「よかったですねえ」「これが難しいところ……すぐに常総線に乗れたのでいいのじゃが、もしそれに乗れなかったら、そして次の常総線が出て10分程度で常磐線が動き出したら、到着は全く同じ時刻……一つ間違うと横光の小説『頭ならびに腹』みたいになる」「でもまあ、動いているだけで気持ちは安心するかも知れません」「さて、それで20分頃に地震があって、震度３くらい……わしの方にも影響が残るかと思っていたが、テレビでは交通情報については未確認だし、ネットでは５時７分から変更されていない」「どうします」「70歳以上の年寄りならここでＮＨＫになる」「大家さんは」「ＮＨＫにした」「何だい」「いや、天気の時に交通情報もやるから、それを期待してのこと。いつも見ていると分かるが、今ＮＨＫの速報は民法よりも遅い」「そうれはそうですが……で、どうしました」「千葉を震源とする地震で、この地震による影響はなく、関東のＪＲ線、私鉄各線は平常通り運行していますという」「良かったですね」「いや……おかしいだろう。10分前には運休していたのじゃ。それが何でもう平常運行になっているのじゃ」「あれ……遅れは残りそうですよね」「そういうことで一応ネットの方も確認したら、５時半の情報が更新されて、常磐線は一部運休と遅れが続いているという」「あれ……」「あれ、じゃろう……平常通り運行しているというのはどういうことじゃろう」「さあ……」「さて、わしが６時半に駅に行くと、６時からは取手発の電車は通常通り走っているが、長距離の列車はまだ遅れが出ているとのことじゃった」「ＮＨＫのは何だったんでしょう」「ＮＨＫによれば……テレビで流したのは『地震による影響』ということで、他の要因は一切触れておりません……ということ」「ううん……よく分からない」「つまり、常磐線の遅れはそれ以前から出ていたのじゃから、地震による影響はなかった。だから全て平常通り運行されていますという言葉になった……ということじゃ」「何だかよく分かりませんね」「しかし、ＮＨＫとしては全て正しい情報を流している……という認識。まさに、よく分からないというお話でした」

  2012.04.26

  コメント(0)

• 爆笑バトルライブin取手

  「２２日の日曜日に取手市民会館で行われました」「タイトルに書かれているからって、台詞を省略しちゃいましたね」「お笑いの人気者によるライブ」「バトルってのは……」「まあ、別に……」「適当ですねえ」「サンドウィッチマンは面白いねえ……たまたまこの日の笑点にも出ていた」「最高ですか」「ナイツは安定感がある」「はい。大家さんは顔見知りですので……」「Ｕ字工事は場内アナウンスもやっていた」「へえ」「ひどいなまりだなと思って……市の役員がやっているのかと思った」「茨城弁と栃木弁じゃ、随分違うでしょう」「まあ、いずれにせよ田舎じゃからな」「ひどいね……地元からも顰蹙ですよ」「場内では飲食禁止とか、録音録画はダメとか……それを言い間違えて、結局全部禁止だから『ゴメンね、ゴメンね』という」「まあ、アナウンスとして面白いじゃないですか」「まあね……ナマで見ると、テレビではちっとも面白くない人でも、会場の雰囲気とマッチするから面白い」「落語もそうだっていってましたね」「ビールと演芸はナマじゃ」「はいはい……でも、テレビではちっとも面白くないってのは失礼ですよ」「落語では春風亭柳昇師匠がそうだったな。ラジオでは何だいこのネタはと思っていたら、寄席で聞いたら大爆笑じゃ。同じなのに……客席の雰囲気を作るのじゃ」「なるほど」「そういう意味で、テレビでは一度も笑ったことのない、AMEMIYAやいとうあさこもなかなか良かった……ちゃんとお客さんをつかんだということかな」「いいんじゃないですか」「お客さんがテレビに出ている人ならって……そういうこともあるが」「また、失礼な……テレビでは一度も笑ったことがないんですか」「ううん……失笑したことはある」「またまた失礼な」「ただ『冷やし中華』がしつこい……」「他には」「東京０３にからくりどーる……これらも上々」「どういうことです」「いずれにせよ、お客さんが笑ってくれるから、みんな面白くなるね。上野の客と違って品があるし……」「はい、いい雰囲気のライブでした」「しかし、４千円、前売り3500円は高いと思うなあ。寄席では昼席５時間、夜席３時間たっぷり聞いて２千円から、高くても３千円以内」「その上、大家さんは割引券を手に入れるから、最低千円で入りますね」「一番高い寄席でも割引で2300円か……」「このお笑いライブの半額ですよ」「まあ、でも人気者ばかりが集結したし……コンサートなんかだと４千円は普通の値段じゃからよしとしようか」「あれ……高いって文句を言うんじゃないんだ」「まあコネがあるから……」「何だいそりゃ……」「ということで、お笑いのご報告でした」

  2012.04.24

  コメント(0)

• 早朝寄席

  「さあ、またしても早朝寄席」「行きましたか」「行きましたよ」「どうでした」「今日は馬るこ、ちよりん……まあ、後の二人も期待しているので」「参りましょう」「まずは古今亭ちよりん。久し振りじゃなあ……正直今一だったのが、本当に伸びたという印象。今日は『出来心』。実際には落ちになるこの台詞がないし、『花色木綿』のやりとりをメインにしていたから、上方の『花色木綿』という題名の方がぴったり来る……って、実はどちらを題名として演っていたのか、見るのを忘れちゃった」「しょうがないね」「ちよりんちゃんと話していたのが失敗。まあ題名は符丁じゃから、どうでもいいことで……」「言い訳だね」「花色木綿の繰り返しをもっと押してもいいかな。こういう席だしね。一ヶ所言い間違いはあったが、まあいいじゃろう」「林家たこ平」「『動物園』。これは上方ではライオンの毛皮で『ライオン』という題名を使うこともあるが、ライオンではなくトラでなければならないと思うのじゃ」「へえ、どうしてです」「『虎は死んで皮残す』という言葉があるからじゃ」「ああ……『ライオン死んで皮残す』とは言いませんね」「ライオンは歯磨きを残す」「残さない、残さない」「マクラの口調から、本筋に入ると随分調子が変わる。わしは八人芸は好きではないが、まあこの調子なら許せるかな……ただ、噺の都合上動き回るので、裾が乱れるのが……動きも研究が必要じゃな」「はい。さあ、お目当ての鈴々舎馬るこ」「お馴染みの『宮戸川』。そういえばこの日の朝のテレビでは三遊亭王楽が演っていた」「若い人はよく演っていますね」「馬るこの『宮戸川』は、お花ちゃんが肉食系女子で笑える。あっと驚く落ちも仕込まれていて、とにかく面白い」「はい、馬るこは古典をかなり改訂していますねえ」「『たらちね』でも、導入の部分で大笑いさせてくれる。期待できるぞ」「はい……前回の早朝寄席に登場し、秋から真打という菊六と同じＴＥＮのメンバーです」「そう。菊六は正統な実力派で何人も抜いて真打というのもうなずける。『菊六祭り』といえば落語ファンで知らない人はいないという、そちらも二ツ目では実力ナンバー・ワン……」「すごいんですよね」「さあ、わしの評価ではそれに継ぐのがこの馬るこ」「二人は基準が違いますがね」「そう、しかし、必ず新しい風を呼ぶぞ」「さあ、風といえば最後に鈴々舎風車」「『馬の田楽』。のんびりとした田舎の風景がいいなあ……寝足りているのに眠くなってしまう」「ああ……いいですねえ」「ということで……天気がよくないので客が少ないのがいい雰囲気になったかな……しかし、落語が始まってからテーブルをガターンと音を立てて出す、カンを開けるプシューッという音はする、携帯は鳴る……本当に客層はレベル低下している」「はいはい」「ということで、本日はご報告まで」

  2012.04.24

  コメント(0)

• テレビのコメンティター

  「平日は５時に起きて６時に出勤、帰って来る時はちょうど野球のゲームセットを見るくらいの時刻で……」「どうしました、いきなりですね……生活習慣のお話ですか」「どうもニュースを十分に理解せずに、日曜日の番組で確認することが多い」「でも、日曜は寄席や音楽会に行きますねえ」「寄席に間にあるには、早くても朝８時半のバスに間に合えばいい……かなり余裕がある」「ううん、あまりないような気がするなあ」「実は昨日もこの時刻で寄席に行っております。そのご報告は明日」「予告編ですか」「さて、東京都知事が尖閣諸島を買い取るというのが話題になっている」「そうですねえ」「都知事は少し年を取って訳が分からなくなって来ているんじゃないかと思うことが多い」「また……そういうこと書くから問題にされるんですよ」「しかし、今回はよくやったって言いたかった」「そうなんですか」「議論すべきはそういう国境の問題をどうするのってことじゃろう。それに対して一つの方向性を示しただけでも評価出来る」「なるほど」「それで昨日のニュース解説じゃが、コメンティターを何人も並べてしょうがないって番組が……」「この間、けなしたばかりですね」「この日のコメンティターの意見を書き出してみよう。１：都議会の承認を受けていないのだから意味がない。２：地理的には沖縄県ではないか。東京都にするのはおかしい。３：東京都ではなく、国としてやるべきことである。４：領土問題のないはずの日本でこんな騒ぎを起こすと、問題があることを国際社会に伝え、日本がダメだということを印象づける。５：東京オリンピックは諦めたのか。こんな騒ぎを起こしたら開催地に当選するはずがない。６：個人で買うならともかく、税金を使うのは許せない。７：今は借りている。借りているのと、買い取るのと、その金額をきちんと比較しないといけない。８：日本が大人しいから問題にならずにいたのに、中国に反発するきっかけを与えるような行為だ……　どうじゃ」「全部反対意見のようですね」「さて、コメンティターとして合格点をあげられるのはどれ」「え……どうでしょうか……」「はい、正解は全部不合格」「なぜです……ああ、さっき大家さんがよくやったと言ってましたね。賛成意見がないからですか」「そうではない。わしがよくやったと言うのも、一石を投じたということに対してじゃ。これで国が、東京都がやることではないぞ、国がやるって、もし国が動くならそれもよし……都議会が反対して中止されるのなら、またそれでよい」「ええ……じゃあ、何が問題なんです」「今回の問題は国境の問題じゃろう。先のコメンティターの意見で、国際問題として捕らえているのは４と８だけ。国境の問題としては中国との関係なのじゃろうが、二つともそこを避けているように見えないか」「え……まあ、確かに」「４は完全に日中関係を避けようとする逃げの意見。８はそもそもおかしい。中国が勝手に上陸したり、漁をするのを放っておけというのか……従ってこの二つの意見もおそまつ」「それ以外は」「問題の本質にかすりもしない、素人以下のコメンティター」「ううん、また顰蹙を買うよ……大家さん、敵が多いんだから」「今上野に行くと、わしをかたどった藁人形が売られている。釘つきで５千円。わしの本物の髪の毛を入れると一万円」「何でも儲け仕事にしているね」「ということで、大切なのは、こういうコメントを聞いて、鵜呑みにするのでなく、自分で考えることじゃ」「最後にいいこと言ってもねえ……」「結局その番組はコメンティターに勝手なことを言わせて、まとめない」「結論を出すと局の問題になりますからねえ」「大家さんではない、大宅さんがテレビを一億総白痴と評したのと、あまり変わっていないということで、本日はこれぎり」

  2012.04.23

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ８

  「さあ、わしの持っているレコードやＣＤをまとめる……いよいよパガニーニの主題による作品の第４回」16：ラフマニノフ：パガニーニの主題による狂詩曲（ﾊﾟｶﾞﾆｰﾆ･ﾗﾌﾟｿﾃﾞｨ）「日本では最も人気の高い作曲家の一人だろうが、ヨーロッパ、アメリカでは問題にされない作曲家。中村紘子さんがオーケストラに次のコンサートのプログラムとして協奏曲第２番を提案したら、もう何十年も演奏していないと言われたという逸話もある。アメリカでの最初の演奏も、技術は素晴らしいが、協奏曲第２番は、ピアノが弾けてチャイコフスキーを知っている人なら誰でも作れるレベルで、作品としては全く評価できないといわれた。まさにピアノの世界のパガニーニ。　『パガニーニの主題』は1934年に作られた、最後のピアノ作品、この後は交響曲第３番と交響的舞曲が書かれた。主題はもちろん奇想曲第24番。『狂詩曲』と題しただけあって、華麗なピアノ技術と美しい音色を駆使した管弦楽による24の変奏からなる。原曲を離れてメヌエットやスケルツォも聞こえ、第18変奏は『六つの恋の物語』や『ある日どこかで』等の映画の主題曲にも使われている。対旋律風にグレゴリオ聖歌の『怒りの日』が用いられる。これはリストが好んで使用しており、ベルリオーズの『幻想交響曲』のフィナーレでもお馴染みの旋律、ラフマニノフは最後の作品となった『交響的舞曲』でまた用いている。　作曲者のピアノとストコフスキーの指揮による録音があるが、私が最初に聞いたのがこれだった。モノラル録音のため、色彩感が乏しく感じられ、傑作と気付くのは大学に入ってからだった。我が家には４，５枚あるが、ヤブロンスキーとアシュケナージ＆ロイヤル・フィルのをよく聞いている。　尚、クライスラーがヴァイオリンとピアノだけで演奏するように編曲している」17-1：リスト：パガニーニの主題による華麗な大幻想曲「1834年の出版。『ラ・カンパネラ』の最初の作品。長い序奏の後主題が出るが、２オクターブ上に装飾音が鳴る。この時は左手が右手を飛び越えて弾くが、２度目には左手もメロディがあるので、演奏不可能。前打音で弾くしかない。３度目は３連符の連続で、イ短調で弾くから嬰トが弾けない。後に編曲されたお馴染みの『大練習曲』が嬰ト短調になっているのはこれを弾きやすくしたものと思われる。一通り終わると、『ベニスの謝肉祭』が登場して展開、終わりかなと思ったら、とてつもないコーダが付いている。左右の手が交互に飛び越えて演奏する派手な部分、全音域を使った半音階、両手で鍵盤の真ん中でトリルを弾きながら、上下に『ベニスの謝肉祭』のメロディを弾く、10度の和音の連続……まあ、好き勝手な技巧が150小節にもわたって続いていく……無茶苦茶なもので、演奏される機会はないと思われる」17-2：リスト：パガニーニの主題による超絶技巧練習曲「1838年。後に出して我々に馴染みの『大練習曲』と同じ曲目。『大』の方は技巧としては驚くものはないが、こちらは題名の通り、とてつもない難しさ。第１番「アルペッジョ」：「大」では低音部だけになっている主題を右手で弾いてしまえば大した難しさではない。こちらの「超絶」では両手で演奏している。後の部分も「大」では左手が単純なトレモロ、右手が旋律であるが、こちらでは両手を交差させる。再現部のパガニーニお得意の分散和音も、ピアノでは超絶。第２番「オクターブ」：ほとんど「大」と同じだが、下降する音に３度の和音の連続があり、テンポ通りに弾くのは大変。両手で交互に三重和音で半音階を駆け下りるのも大変。後の部分では「大」で右手が和音、左手が半音階になっているが、こちらは右手がメロディと３度の和音による連続の半音階、左手は広い和音のトリル。「大」の方が弾きやすいのに、ダイナミックで効果的。第３番「ラ・カンパネラ」：変イ短調で始まるが「大」のような跳躍ではなく単純な旋律。これは「大」の方が素晴らしい。後は対して違わない。ああ、こんなものねって油断していると、何と長調に転じて全く新しい主題が始まる。これは協奏曲第１番のフィナーレ。しかし、大した難曲でもなく、主題がちぐはぐなのでまとまりに欠けるので、省略されることが多い。第４番「アルペッジョ」：「大」の方は「創意も工夫もない詰まらない編曲」と書いている奴がいる。こちらの「超絶」はとんでもない難しさ。アルペッジョを左右別々に、それも和音で。ホ短調に変わると「大」で３度の和音による３連符が、この「超絶」では低音部に対旋律が置かれ、右手は３重和音の分散和音。ここですでに無茶苦茶であるが、主題が戻ると、これほどピアノを叩きまくる曲は例がない。フィナーレの両手で10度の和音の連続……尚、これは第２版の編曲を説明したもので、「かなり難しい第１版と、無責任なほど難しい第２版」というくらい違うと言われている。第５番「狩り」：この「超絶」を簡略化して「大」を作ったのだなという経過が見えるような作品。難しいが効果は不足。あっさりしているような「大」の方が出来はいい。「超絶」では「ラ・カンパネラ」を思わせるオクターブの連続と半音階の連続が印象的で、スケールは大きい。第６番「主題と変奏」：パガニーニの原曲をそのままピアノに移したという印象は同じだが、技術が桁違い。第１変奏、「大」では原曲通りの分散和音、「超絶」では全て３重和音。第２変奏、「大」は両手で旋律をトスするが、「超絶」では両手が同時に旋律を弾き、両手に原曲のままの装飾が付く。第４変奏、左手が３連符で右手は全く違うリズム。第６変奏、左手で10度の和音が連続。第７変奏、低音部で「大」になかったリズムが加わる。第８変奏が無茶苦茶で、右手が幅の広い分散和音で、左手はとてつもない跳躍の連続。繰り返しでは左右の役割が入れ替わる。第９変奏、「大」では単純な分散和音だが、こちらは同じ分散和音を３オクターブに分けて飛び回る。　ここで説明しない部分も多少の差はあるが、大きくないので省略。第１版が何人かのピアノで録音されているが、第２版の異常なピアノは演奏される機会すらない。大井和郎のピアノで持っているが、ネットで検索したら、本当に素人だと分かる人の批判がついていた……あまり参考にしない方がいい」17-3：リスト：パガニーニの主題による大練習曲「お馴染みの作品。その主題を使った新曲というより、彼が得意としたトランスクリプションと考えた方がいい。1833年に『ラ・カンパネラ』を発表し、1851年に完成させた。第１番「アルペッジョ」：奇想曲第６番に５番の導入部を付けたもの。第２番「オクターブ」：17番をもとにした、ピアノらしい雄大な編曲。第３番「ラ・カンパネラ」：協奏曲第２番のフィナーレ。原作の華やかさを抑えてピアニシモで演奏し、ピアノでなければ出ない効果を出している。第４番「アルペッジョ」：奇想曲第１番をピアノに移しただけで、創意も工夫も感じられぬつまらない編曲。第５番「狩り」。奇想曲の第９番。ヴァイオリンで音階を上下する部分で、ピアノの音階をフルに使う。第６番「主題と変奏」：奇想曲第24番。パガニーニの原作ほとんどそのままの変奏に、ピアノらしい装飾や対旋律を付けている。変奏の中でも主題が聞こえる工夫は効果的。　学校の教師としてグラフマンの定番とも言えるレコードを購入していたが、それがＣＤで安く出たので、ＣＤも手に入れてしまった」「さて、一気に終わらせようと思ったのじゃが、このブログ１回につき１万文字という規定がある。全部やると千字ほど多くなるので、続きはまた次回」「あらら……まだ続くんだよ」

  2012.04.22

  コメント(0)

• 報道とは

  「新聞では、昔は朝日新聞が素晴らしかった」「昔ですか」「40年前から天声人語が大学入試にも出題されるようになり、出題数１位になった」「ああ、よく新聞を読めって言われるようになった時期ですねえ」「ところが編集者が変わると質が落ちて、今度は読売新聞の編集手帳が取って代わった」「逆転ですか」「そして、これも今はダメになった」「あらら……」「さて、今の新聞を読むと、社の方針はあるのじゃろう。新聞社は原発の恩恵を受けているから、再稼働という方針がはっきり見えていやらしい……まあ、中立という新聞社、反対というものも無いではないが……」「が、どうなんです」「政府の発言や住民の意見などをただ伝えているという部分が多いのが問題じゃ。だから社の方針があいまいに見える」「ほう……」「例えば先日の原発のある町の住民達の声……再稼働しないのなら、原発を東京大阪へ持っていけという声だけを伝えている。つまり、原発のある町の人には一切反対はないのだ。電気を使っていながら原発反対を言う資格はない……Ａ新聞の記事はそうとしか取れない」「へえ」「テレビになるともっとひどい。コメンティターを多くするほど、その人の意見を聞いて終わり……局の方針がないのじゃ。司会者がそうした意見をまとめ、全体としての考えを伝えないと……その人達が勝手に言っている意見ですから、局はノーコメントですって……」「そう見えますか」「多くとも三人までじゃな。専門家で賛成派、反対派を並べて論議させればともかく、偏った意見ばかりを並べるのも変……」「はい」「さて、民法の女子アナを悪く言い続けていた……」「大家さんはねえ……テレビを通して伝えるのではなく、仲間で噂話をしているレベルだとか……食べ物のレポートはまだ分かるが、ちゃんとしたニュースは伝えられないとか……」「そう……ところで地デジになったら、無理矢理ＮＨＫに契約させられた。もう30年近く見ていないのじゃが、契約したから見ないと損だと思って見るが……」「が……、何です」「子供の作文じゃな。わしの子供の頃には、相手にきちんと伝えるのにＮＨＫのまとめ方、話し方をお手本にしたが、50年も経って何一つ変わっていない」「古いですか」「それなら、さっきの民法女子アナの方が感情が伝わるから、まだまし」「ううん……まあ、色々ありますが」「地震が起こったらＮＨＫに回すという、30年昔の頭の人がまだいる。実は過去の統計で、情報が出るのはＮＨＫが一番遅い」「ううん……時代は代わっていますね」「ということで、さあ、出勤じゃ」

  2012.04.21

  コメント(0)

• 訳の分からぬ……ゴミを出せない取手

  「取手では、燃えるゴミ、燃えないゴミ、瓶と缶という四つに分けてゴミを出していた」「はい」「それが４月から燃えないゴミとプラゴミを分けるようになった」「そうですね……まあリサイクルにいいことですが」「それはいいのじゃ……それで、ゴミの袋が新しくなったのじゃが……」「どうなんったんです」「いや……どうなったのか、分からないのじゃ」「分からないって……」「そのプラゴミ用のゴミ袋が、どこのお店でも売り切れで……」「ええ……」「そう、まだ見たことがないのじゃ」「どうなっているんでしょう」「無計画だったのじゃろう……発売が遅く、最初だけは燃えないゴミの袋を分けて使ってなどとやっていた。当然すぐ需要が伸びるという計算をしていないらしく、結局半月過ぎた今でも店先では全く手に入らないという……」「訳が分かりませんね」「それで、あわてて、他の袋をマジックか何かで書き換えて使ってくださいって言っているようじゃが……」「どうなっているんですかねえ」「店に出るとたちまち売り切れるとか……買い占めている人がいるのかも」「いますかねえ」「ゴミを出す日は週に１回。わしは津山で一人暮らしをしていたが、プラゴミは10日に一度くらい出していたなあ……燃えるゴミや燃えないゴミは月１回未満じゃった。その計算から言うと、数人で生活している家庭では毎週たまっているはずじゃ。ごみ袋がないというのは、そういう計算のない、まっとうな生活をしていない人が計算したのじゃろうか」「これも政治の問題ですか」「ううん、とりあえず、袋を書き換えて出しているという変な話題」

  2012.04.20

  コメント(0)

• 訳の分からぬ……

  「訳の分からぬことが色々」「まず、大家さん……」「何じゃ」「今日は随分早いお帰りで」「ああ……今日は特別日程の作業で、早く帰れたのじゃ」「そうなんですか……ということで本日はこれぎり」「勝手に終わらすな」「はは……で、何が分からないんです」「第１に、天気」「確かに毎日すごいですね」「一昨日が夕立のような大雨、しかも風も交じって嵐……夏の雨の様相だったのに、昨日は寒くて寒くて……」「そうでした」「常磐線は暖房が入っていた」「へえ」「で、今日は暖かいが、風がすごい」「どうなっているんでしょうかねえ」「第二に」「あら、次行くの」「取手駅で、下りたら、青いビニールのような袋を肩に掛けた女が、後ろにいるおばさんにその袋をぶつけて、おばさんがエスカレーターで倒れそうになったのを、わしが止めた」「そんなことが」「荷物を肩に掛けようとしてぶつかったのかも知れないと思ったが、わしが声を掛けたらエスカレーターを駆け上がって逃げてしまった……これはわざとやったのかも知れないな……わしと同じバスの方向に逃げたのじゃ」「ふうん」「おばさんを助けずによけれ転がしておけば、その女を捕まえられたのじゃがなあ……」「変なの……」「第三に」「もう次ですか」「原発は例によって……電力不足ばっかり報道して、一刻も早く再稼働をという主張。危険性については何も報道されない」「絶対安全だって言ってますよ」「そういうことを繰り返したから、先日のアンケートでは再稼働反対が初めて過半数になった。そうしたら、計画停電を実施するって脅しを始めた」「ひどいね」「嫌がらせとしか思えないね。で、役員で出勤もしないのに月給百万円をもらっているという」「第四に政治。どうでもいいことで時間をつぶして……本当に国民無視」「ひどいね」「第五に……野球……テレビを見ているとアナウンサーがひどい。わめくのが仕事だと思っているから……あれじゃあ素人のファンじゃ」「まあ、そういうのもいますが……」「で、さっき巨人が四番にバントをさせたって話題が出て、ほめていた」「へえ」「そこで一球失敗、次の球で成功したが、見事なバントですってわめいていた」「ひどいね」「相手チームの球場なのに、巨人ファンなのかなあ」「いますからねえ……」「巨人大鵬玉子焼きって……ね」「その言葉を使うと巨人ファンからクレームが来ますよ」「でも、巨人の渡辺オーナーが使っていたから」「あの人は野球を知らないから」「そうじゃな……さて、プロの四番がバントって恥ずかしいな……わしの子供から学生時代には考えられなかったことじゃ。バント自体、そんなに使うものではない。ここぞという時に使う作戦だった。それが、今はランナーが出れば送るかなって……ガキの野球を見ているようじゃ」「まあ、それも作戦ですから」「実はこれも巨人から、渡辺から始まった悪習」「へえ」「巨人が負けて、渡辺が、高校野球を見習え、ああいう野球をやって優勝するチームは負けないじゃないか、あれが理想なんだ。プロ野球は高校生をお手本にしろ……って」「……何だか変ですね」「まあ、野球を知っている人ならおかしいと思うが……今でも素人は、高校生は一生懸命やってるからいいと言う……あえて反論はしないが、心の底では吹き出したいのを抑えて……」「また失礼な」「もう一つ二つ話題があったが、そろそろ酒を飲み始めるので……」「ではまた次回」

  2012.04.19

  コメント(0)

• 雨風に負けるな

  「昨日は大変な雷雨」「すごかったですね」「４時過ぎから激しく降り出して……５時前には雷で停電も……」「はい」「通り雨のような天気の変化だから、６時くらいで上がるかと思ったら……」「計算違いですか」「雨がやむ気配もなく、更に風も強くなってしまった」「大変ですねえ」「……本降りになって出て行く雨宿り……って川柳があるが、まさにそれ……諦めて退社したが、バスは前の停留所で満員だから乗せてもらえない」「どうしたんです」「歩くしかないじゃないか」「ううん……しょうがないね」「風で傘をさすと飛ばされそうになる。駅に近い桜川の橋では、風に押されて川に落ちそうになる人も……」「大家さんならいいんですが……どうしました」「わしが助けた」「えええ………」「驚くな。わしがいたからぶつかって止まっただけじゃ」「納得」「常磐線はまたしても何かあったらしいが、雷による信号故障も重なって、結局20分の遅れ……」「重ね重ね大変です」「それで取手に着いたら小降りになって……家に着く頃には上がってしまった」「あらら……大家さん、普段の行いが悪いね」「そんな訳で、後１時間半待ってから帰れば、家に着くのは１時間くらいの遅れで済んだのじゃな……」「変な所で変な計算して……」「まあ、人間の力は自然にはかなわないということじゃ」「あれ、そっちへ行きますか」「よく言われるのじゃが、『奥の細道』で平泉は義経の昔を忍び、　　夏草や兵どもが夢の跡　という句を詠んだ。人間の営みのはかなさに対し、自然の素晴らしさを詠んだものじゃ」「なるほど」「ところが、今の人はそこだけで納得し、続く光堂を忘れている」「へえ……どういうことです」「この光堂も自然に浸食されていくのじゃ。それを回りに新たに建物を作って守ろうとした。　　五月雨の降り残してや光堂　の句が生まれた」「なるほど。本当は人間が守ったんですねえ」「そこじゃ」「どこです」「探すな……遙かに強大な自然に立ち向かう人間の素晴らしさが描かれているのじゃ。平泉の前半だけで人間のはかなさというのは間違っている。この章全体では人間の素晴らしさがテーマなのじゃ」「なるほど」「ということで、ぼちぼち出勤。本日はこれぎり」

  2012.04.18

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ７

  「さあ、久し振りになっちゃいました……わしの持っているレコードやＣＤ」「どこまで行きましたっけ」「パガニーニの７回目。パガニーニの主題を編曲した作品を４回にわたってお送りする、その３回目でございます」「沢山ありますね……20人の作曲家が今大家さんのところでは聴けるんですね」「パソコンのデータが消えて、３曲を失っているのが残念じゃ」「はい、参りましょう」11：バーンズ：パガニーニの主題による幻想変奏曲「吹奏楽ではお馴染みの人気作曲家。日本でちょっと話題が出て、ブリテンの『青少年のための管弦楽入門』の吹奏楽版を作ることと、この主題を使うことで合意、1988年に初演された。奇想曲第24番を主題として20の変奏曲が付く。もうお分かりと思うが、主題はオーボエで、第１変奏は木管楽器とコルネット、ユーフォニウムの掛け合い、第２変奏はクラリネット、第３楽章はコントラ・アルト・クラリネット……と、次々に楽器と雰囲気を変えていく。学生でも演奏出来るレベルで難しくないが、原曲通りに演奏するにはよほどお金持ちの学校でなければ楽器がそろわない。それからコンクールにも登場するが、絶対に時間オーバーであるから、かなりカットされている……要するにないがしろにされている……作曲家自身が東京佼成ウィンド・オーケストラを振って、日本でレコーディングしたものをいただいた。12：ピルスル：パガニーニ練習曲「ハーモニカのための作品。奇想曲第９番から始まるが、メロディが狂っている、次々に奇想曲の他のメロディがつながるが、やっぱりおかしい。３曲目で第24番が聞こえるが、これはパガニーニ自身が書いた変奏によるもの……ようするに奇想曲の様々なフレーズを使って、それが全部第24番に流れているという作品。それで24番は最後まで聞こえず、９回目に第９番が戻ってフィナーレとなる。12.1：プーランク：３つの歌曲『メタモルフォーズ』「第３曲が『パガニーニ』」12.1：ブゾーニ：パガニーニ風の序奏と奇想曲「いただいた彼の自作自演集には入っていない。解説に書かれていたので」13：ブラームス：パガニーニの主題による変奏曲「奇想曲第24番を主題とした、『ヘンデルの主題』と並ぶブラームスの大傑作。『ヘンデル』は音楽と効果の完全な調和だったたが、新しい『パガニーニ』は、技巧と効果だけを重んじているのである（門馬直美）。ピアニストのタウジヒに感激した作曲家が、技巧だけでも十分な効果を上げられるというので、新しい作品を意図し、リストやシューマンへの挑戦としてこの主題を取り上げた。もちろんパガニーニという超絶技巧が頭にあったはずである。ピアノのあらゆるテクニックを使うので、夫人が『魔術師の変奏曲』と呼んだという。14曲ずつの前半後半から成り、最初に主題、最後がフィナーレとしてやや長めの曲。出版の関係で２部に分けたが、本人は通しで演奏するものと考えていたようだ。友人のローゼンタールがテクニックに困り果て『半分でやめていいか』と尋ねると、ブラームスは『客がもっと聞きたい様子だったら後半を演奏しろ』と答えたという。ともかく技術でも内容でも面白いと思うのだが、親しみやすさに欠けるので人気が低い様子。1863年の作品で、彼の最後の変奏曲となった。これで技術を使い果たしたというところである」13.1：フンメル：ピアノのための幻想曲「パガニーニにとある。不明」14：ブラッハー：パガニーニの主題によるオーケストラ変奏曲「1947年の作品で、奇想曲第24番による16の変奏曲。メロディよりリズムに特色がある。主題が普通にヴァイオリンで提示されると、管弦楽による下降音の積み重ねで、異様な世界に引き込まれる。譜面では３拍子だが、楽器によってアクセントが２拍目だったり３泊目だったりする。５拍子と７拍子、あるいは４拍子と５拍子が入り交じる変拍子。主題の音型を４分音符、８分音符、16分音符で積み重ねていく。原曲の通りの２拍子を強調しているのに、中に７連符が繰り返される……など。レコードが１つだけ出たが廃盤、インバル＆フランクフルトの演奏がＣＤで出て入手した。14.1：フリードマン：パガニーニ練習曲「本で見付けた。作品47ｂとあるが、楽器も内容も一切不明」14.2：ブリカルディ：パガニーニの主題によるアンダンティーノと変奏「ショパンの曲の主題になった『私のママ』は、パガニーニがベニスでの演奏会で挨拶に変曲した『ベニスの謝肉祭』というタイトルを付けた。この題名で思い浮かべるのはフルートだろうね。そのフルート版の名曲がこの人の作品。さて、この作品、何が主題となっているのか……不明」14.3：ブレーメ：パガニーニアーナ「アコーディオンのための作品。奇想曲24番による変奏曲で、１曲ごとにフランス風、ドイツ風、イタリア風……と雰囲気を変えていく。この雰囲気がいかにもアコーディオンで、他の楽器は考えられない。放送で取り上げた演奏を録音したが、パソコンのデータが全部吹っ飛んで無くなってしまった。14.4：ボタームント：パガニーニ変奏曲「昭和34年の音楽雑誌にタイトルが見えるだけで、全く未詳」14.5：ポンセ：パガニーニのソナタ「ギターのソロの曲だが、日本では楽譜も演奏も記録なし。パガニーニの主題によるものか、あるいはヴァイオリン曲のアレンジか……まったく未詳」15：ミルシテイン：パガニーニアーナ「1954年の作品。無伴奏ヴァイオリンによる奇想曲第24番の変奏曲。パガニーニの原作に沿った主題と７つの変奏から成る。さて、この変奏がそれぞれどこかで聞いたようなメロディ……奇想曲の24番以外で使われているヴァイオリンの技巧を使用して変奏曲としているのである。最後は協奏曲第1番も聞こえる。パガナーでなければ理解出来ないと思うのだが、パガニーニのヴァイオリンで演奏したアッカルド、パガニーニの主題ばかりを集めたクレーメルと新井英治、庄司紗耶香が初めてパガニーニに取り組んだという４枚のＣＤを持っている。15.1：モシュレフ：パガニーニ風の珠玉「ピアノ作品とのこと。未詳」

  2012.04.17

  コメント(0)

• 

  桜めぐり：一気に土浦まで

  「ええ、そんな訳で、上野から常磐線で出発」「大袈裟な……家に帰るんでしょう」「途中立ち寄り……柏」「ええ、上野から参りますと、日暮里で山手線、京浜東北線と別れます。千住、松戸、柏というのが比較的大きな駅ってことになります」「その柏から各駅に乗り換えて一駅。本日ご紹介するのは北柏駅」「これもきれいですが……」「満開にはちょっと早いかな……実際には翌週の日曜日（昨日）では盛りを過ぎてってことになるじゃろう」「今回は中途でしたね」「はい、上野と比べるとちょっと寂しい花の様子でございます」「じゃあ、帰りましょう」「わしの住む取手まではもう20分ほど……更に25分ほど行くと土浦」「そこまで行くか」「こちらが土浦の桜……土浦は沢山の桜があるが、これはわしの職場」「はいはい……しだれ桜事件もありました」「土浦の城址も桜があるが、土曜は雨だったし、わしはまだ見るチャンスがない」「普段の行いですかねえ」「はい、もう１ショット」「回りの景色がないですね」「実は一般家庭とビルの間で、わしゃ昼休みに一杯やるのが……いや、一服するのが……」「しょうがないね」「これが駅前。桜川にそって桜が植えられている」「いいですね」「まあ、発想はいい。秋は秋桜（コスモス）が植えられるからねえ」「いいじゃないですか」「それが、住んでいる人は全く観光地の意識はない。秋桜畑もゴミが一杯捨てられている。週に一回か十日に一度か、ボランティアの人がゴミ拾いをしているが、すごい量……だから、わざわざ見に行ってもいい物を持っていながら、行く価値はない」「残念な町ですね」「東京の沿線、鶯谷、日暮里、亀有、千住まで、飲み屋や風俗店も多いのに、駅を下りて感じるのは、掃除が行き届いている。千葉に入るとかなり落ちる。茨城に入ると汚くなる。土浦はもっとひどくて、駅に着いた途端に臭い。駅のトイレは汚いし、ゴミはあふれているし……いやあ、田舎になるとこうなのじゃなあ」「はい、本当に残念」「反対側、霞ヶ浦の方向」「こちらもいいんですがねえ」「昨日は霞ヶ浦の北側を使ったかすみがうらマラソンが開催された。息子が完走したが……やっぱり駅周辺の汚さは……」「はいはい」「しかし、桜の季節に開催というのは初めてじゃないかな。桜が丸一週間遅れているからね」「いいイベントにはなりました」「ということで、夕陽が沈む」「まあ、昇らないでしょう」「これにて、常磐線沿線の桜巡りを読み終わりと致します」

  2012.04.16

  コメント(0)

• 

  上野の桜

  「さあ、上野の桜をご紹介」「一週間遅れで、もう散ってしまったでしょうね」「土浦がちょっと散り始めで、今日が最後かも知れませんね」「先週は面白いニュースもありました」「有名なしだれ桜が今年も満開になりましたって……毎日新聞が写真入りで報道したが、沢山の見物客が訪れた……ところがギッチョン……」「何ですか、それ」「その桜は昨年の９月に折れちゃったのじゃ」「あれ……」「まあ、そんなこともありまして、上野の方は写真の通り」「これは不忍池の回りですね」「これが不忍池」「いいですね。右端が弁天様です」「ここから上野公園に……ここは散歩道になっている」「見事ですねえ」「はい、清水様……東京では『崇徳院』という落語の発端がこちら」「やっぱり落語つながりですか」「はい、反対側から、手前の木が秋色桜。これも春風亭鹿の子師匠が演じている落語でお馴染み……実は講釈ネタ」「これはもう散ってしまったのですか」「はい、枝をアップで」「これからって感じですね」「こちらが動物園側……一番賑わう所じゃな」「すごい人出」「水族館ではない、動物園じゃ」「……人出と海星（ヒトデ）を掛けた洒落ですか」「ということで、その区域の桜をご紹介して、本日はこれぎり」「さすがに東京を代表する桜ですね」「戦後は一番の人気スポットじゃろうな」「戦前は」「飛鳥山とか……江戸時代以来上野は酒や宴会、鳴り物を禁じていたから……落語『花見の仇討』も飛鳥山でないと……上野は仮装なども禁じられていた」「はい」「ということで、次回はその他の桜」

  2012.04.15

  コメント(0)

• 最近のニュースから

  「第一のニュースは原発再稼働について……」「一昨日、大飯原発を再稼働するのは、もっと議論を尽くしてからって……結果を出すのは保留されましたね」「昨日その続きということで、夕刻から会議をすることになったが、夜になってからやっと始まった。９時には再稼働していいよって結論が出た」「随分簡単な議論の尽くし方ですね」「何としても再稼働ってのが見え見えじゃな」「政府の対応は、ともかく原発の推進ですからねえ」「第二は北朝鮮のミサイル」「失敗で良かったですねえ」「振り回されただけで、結局失敗という……ギャグのような結果」「本当ですね」「日本の対応がそれに輪を掛けたお笑い」「そうなんですか」「発射するというのはわずか数日の間、どうして責任者は詰めていないのじゃろう……朝のニュースではなぜか、今日はこんな日程だから発射は行われないんじゃないかって言っていたが……誰が決めたのじゃ……逆にそういう予定があるから打ち上げるのにいいと思ったな……」「油断ですかねえ」「結局打ち上げたという情報が出るまで、韓国やアメリカでは20分後には外務大臣、国防関係の人がもう記者会見をやっていた。それを見てかどうか知らないが、日本では打ち上げたと言っているぞって分かってから確認作業に入ったから、完全に手遅れ。責任のあるはずの人は誰も待機していないというお粗末」「ひどいね」「全く責任感のない大臣達なのじゃ」「政権はまた交替ですかねえ」「第三がそれ……自民のマニフェストが国民をバカにしたもの。民主党の駄目な部分は、自民はこうしますということしか見えない。日本をこういう方向に持っていくというものではなく、民主と比べてくださいという内容で……今国会でやっているのと同じ。国民なんかどうでもいいから、第一党に返り咲きたいというのが見え見え」「ひどいね」「どうなるのかなあ……本当にもう期待は出来ないからねえ」「新党に期待しますか」「第四がその新党……石原が作るというのは、立ち上がれない日本だったっけ……あの現役でいるのが信じられないお年寄りチームと、何回も連立離脱発言を繰り返して、結局自分だけが出ていった亀さん……」「ううん、期待できそうにないなあ」「維新の会ってのも人気は上がっているが、やっていることは大事な部分が欠けている」「何が欠けていますか」「心じゃ……大阪はひどい所だということはよく分かった。だから何でもかんでも規則として決めないと守れない。中国の思想でいうと、法家の思想で、結局は権力が抑えることでいい政治を実現させるもの」「他の思想がいいんでしょうか」「孔子や孟子の儒家の思想が理想かも知れないが、あまり現実的ではない。なぜなら、民主党以前に自民党がすでにダメにしているから、今の日本では立て直しは出来ない」「絶望的なことを言いますねえ」「民主党になって教育や思想についてちゃんとした方向が出るかと思ったが、何一つ手をつけないからねえ……」「しょうがないね」「漢の時代には道家が中心だった。老荘思想ってやつで、これは戦乱の世になると世捨て人的思想で流行するが、現実には自然の成り行きにまかせるということ……そんなことやっている場合ではないね」「どうしましょうね」「さあ、結局そういう色々な考えをぶつけ合い、議論して行かねばならないのじゃ。何としても第一党になって、過半数に足りなければ連立を組んで……数の暴力で進む政治を考えなければならないのだ。衆参両院の逆転現象が問題になるのも、そういう政治しか出来ないから」「議論しようと言っていますがねえ」「その考え自体で与野党でずれているからねえ……期待できないのじゃなあ」「はい、本日はこれぎり」

  2012.04.14

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その７

  「さあ、いよいよつくばの散歩も最終回」「今回は」「みずほ村市場」「こちらは」「今人気の地元野菜や特産品を売っている」「ほう……写真は火の見櫓ですね」「こちらが入口」「はい……例によってどんどん説明が手抜きになるね」「買った物は野菜と苺」「はい……って、この写真は」「トイレのドア」「……ううん、懐かしい雰囲気はあるけれど……写真に撮るかねえ」「こちらは隣接するお花屋さん」「はい」「ということで、以上をもってつくばの報告は読み終わりと致します」「ううん、やっぱり適当に終わっちゃうのね」

  2012.04.13

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その６

  「さあ、落語会の報告で間が出来てしまいましたが、つくばの続き」「参りましょう……どうでもいいけど……」「ここから筑波学院大学を抜けて、目的地は筑波大学……の手前」「大学のハシゴですか」「ここはロボットの実験地域。歩くと写真にあるような看板が随所に見られるぞ」「へえ」「このような道をだらだらと歩きます」「本当にだらだら」「というわけで、松見公園までやって参りました」「こちらは自然な感じですね」「ううん……いかにも作った感じなのじゃが、悪くはないぞ」「そうですか」「池があり、その上に休憩所……レストランにしてもお洒落じゃが、実際には小さな売店がある程度」「写真も島に見えますが」「ここに桜があるが、まだ早かったようじゃな。今頃がちょうど見頃」「はい、残念でした」「ということで、この公園の向こうが人間ドックをやるメディカルセンター」「ここが目的地ですか」「直線で1.3キロくらい、公園の中などぶらぶら歩いているから、２キロのお散歩」「まあ、大家さんにしては短い距離でした」「大きな通りを越えるともう筑波大学。大学も南北に長いので、中を抜けると更に２キロの散歩が可能です」「しない、しない」「ということで……」「つくば散策は今回をもって読み終わり……」「いや、もう一つ、帰りに寄り道があって……」「え……あら……まだ続くんだって」

  2012.04.12

  コメント(0)

• 柏落語会

  「さて、上野で早朝寄席の後は、上野の桜を見物」「そのご紹介は」「またいずれ」「って……つくば散策も中途で止まったままですよ」「ううん、月末になっちゃうかな」「桜の情報がそんなに遅いんじゃあ……」「ま、いいか」「いい加減だね」「ということで、その後柏へ移動して、柏落語会」「落語会のハシゴですか」「本日は古今亭志ん橋師匠がメイン」「待ってました」「まずは弟子のきょう介」「はい」「出し物は『天災』。まあ、型通り……でも、ここのお客さんは本当の素人で……テレビを見ているのと同じ感覚。始まってすぐはおしゃべりをするので注意しないと」「大変ですね」「まあ、これから伸びるということは感じられるが、お客さんがよく笑ってくれるから、助けられたのかも……また続けて見て行かないとね」「はい。志ん橋師匠の登場です」「一席目は『粗忽長屋』。粗忽者のマクラから導入してくるのは型通りだが、そこで客を引きつけている。当たり前だが、この辺り大御所は違うね。早朝寄席のメンバーもこれからということが分かる」「年齢も芸の内」「さて、片方が他方を説得しないと、噺は成り立たない。談志が『主観長屋』と題して演っていたのは、その説得に無理があるから……主観として思いこみ、相手にも押し付け、それで成り立つのじゃ」「ほう」「ところが、この志ん橋師匠は……何が違うのじゃろう……自然な中で説得してしまうのじゃ。この当たりの違いは流れと対話の続きから生まれるもので、速記でも出ないじゃろうし、細かい説明を書き込んではかえって訳が分からないだろうし……」「大家さんには評論家の才能がないってことですね」「ということで、仲入りをはさんで二席目は『井戸の茶碗』。こちらも、最近は侍が『手は見せんぞ』って刀で脅すのが、槍だ鉄砲だとエスカレートしていくのが型になっているが、そんなくすぐりは何一つない」「へえ」「しかし、お互いに金を受け取らないとういやりとりが実に説得力がある。浪人者が単なる意地ではない、筋道を通して受け取りを拒否するから、屑屋の方もどうにもならない……頑固なだけという演者が多いのだから、これは勉強になるじゃろう」「なるほど」「もう一つ客席がわいたのが、屑屋の財布。長い紐を首に掛けているのを見せ、客席からおおおーっと声が上がった。出すとき、しまう時、二度にわたって……これは極端な一例じゃが、ちょっとした仕種に意味があるのじゃなあ」「落語ってそういうものですよね」「だから録音では……というのが分かるな。円生が、録音だからどうでもいいだろうと思ったらとんでもないことで、仕種などはきちんとやらないとダメだと言っていた」「その通りなんですね」「もう一つ、地噺、動きや心理を説明していく落語なら、台本を前にして放送出来るが、本当の落語で会話にするなら、全部暗記しなければ出来ないとも言っている」「どういうことでしょう」「思い入れじゃな。今どんな心理状態なのか、何を考えているのか、それを表現するから、演劇と同じで、全部頭に入れて進めて行かなければならないのじゃ」「ううん、奥が深いんですねえ」「そうじゃな……大衆芸能であって欲しいと思うのと同時に、そういう深い芸術だという世界も持っている……」「早朝寄席がそのバランスですね」「楽しめばいいじゃないかと思うのと同時に、勉強会ではなくただの娯楽になっている。寄席でも客が来るのはいいが、ただの娯楽に堕落しているのは……しかし、大衆芸能なら、それでいいのじゃ」「知っている方がその深みを理解して、より面白いんですね」「音楽もそうじゃな。ぼうーっと聞いていてもいいが、やはり音楽の形式やら何やら理解すると、もうたまらなく面白い」「はい、ジレンマは一生解決しないでしょう」「本日はこれぎり」

  2012.04.11

  コメント(0)

• 早朝寄席

  「さて、今年初めての落語会」「震災以降数が減っていました」「菊六君の真打昇進……といっても秋なのじゃが、とりあえずお祝いを持って行って……」「正式には夏に披露宴があるでしょうね」「そうじゃな。ともかく行ってみよう」「はい。まずは柳家右太楼」「『岸柳島』。口調もいいし、展開も……」「何か引っ掛かっていますね」「最初から侍がひどい。まあ横暴で、町人を見下して……それは当然だが、それがあまりにひどすぎる。これに対して船の客らもひどい口調で非難……もちろん実際に声を出すのではないが……何だか、いい人がいないという印象」「悪人ばかりの登場人物ですか」「だから、屑屋が侍に声を掛けるのは、こいつバカじゃないかって印象を受ける。それだけの侍でないと……」「これが今一」「説得力ということかな……いよいよ戦いというところで羽織を脱ぐのはいいね」「はい。続いて今日のお目当て、古今亭菊六」「『紙入』。人物の心の動きが見事。かみさんが新吉をもてあそぶ会話、これに翻弄される新吉は、逃げ出してからはらはらする。ここの長い演者が多いが、ここはあっさり。旦那の前に出てからも新吉とかみさんがいい。何も知らない旦那だけが心は落ち着いて、変動がないのだが、それが間抜けに見える訳じゃ」「見事ですね」「何十人抜きをしただけのことはある。ＴＥＮメンバーでも群を抜いていたからね」「はい。三笑亭花ん謝」「『ろくろ首』。人物が今一。与太郎ではない、松公だったか、前と後で性格というか、人物が変わっているように思う」「もう一つですか」「全体にはいいのじゃなあ……だから素人目には落語協会の若手はうまい。芸術協会より聞いていて上に思うが、奥深さが足りないのじゃなあ」「さあ、トリは柳家喬四郎」「『プレゼント』という新作。変身をネタに、菊六の真似まで出てきて笑わせた。最後にちょっと子供への思いがあるから、ここにもう一つ、変身願望も加わると深みが出て来るような気がした。新作で時間もなくて、よくやったと思うが、新作一つでは評価出来ないよね」「でも、まあ良かった」「はい、もう繰り返しですが、この早朝寄席は10年通ってきました。菊六の兄貴分菊之丞がわずか６人の客の前で『妾馬』でうならせた。スタンディングオーベーションじゃ。本当に感心したのは彼と今の歌奴。ただ、客層が変わってしまい、勉強するのではなく、普通の演芸会になっていて、飲食はするわ、トイレに立つわ……500円で楽しめますがねえ……通の人は敬遠するようになってしまいました」「はい、愚痴はそういうことで……」

  2012.04.10

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その５

  「はい、そんな訳で、つくばをダラダラと散策しております」「つくばエキスポセンターからです」「センターの向こう側にある池」「彫刻ですね」「これも上に梟（ふくろう）が乗っている」「イメージ・キャラクターですね」「この池の中にあるギャラリーで染め物の展覧会をやっていたが、写真はない」「はい」「続いてそのすぐ先にある古い家屋」「あら」「さくら邸という」「ここは開いているんですか」「え……俺を誰だと思っているんだって言えば開けてくれる」「ひどいね」「中の竈（へっつい）さん」「珍しいですね」「わしの子供時代には母の実家にあったぞ……風呂も薪をくべて焚いたものじゃ」「年が分かりますね」「こちらが座敷」「ううん……懐かしい雰囲気」「お庭は桜がやっと咲き始めたところ」「はい」「さあ、外からさくら邸を撮影」「ううん、いい雰囲気ですね」「まあ、この辺りまでが観光として見る所かな」「じゃあ、今回を持って読み終わり」「いや、これから人間ドックじゃから、もう少し先まで行くぞ」「ええ……まだ行くんだって」

  2012.04.09

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その４

  「さあ、つくばの散策もついに中心地までやって参りました」「言葉は大袈裟だけど……ここまで何もなかったのよ」「向こうに見えるロケットが、つくばエキスポセンター……はるか太古の昔、ここでつくば科学万博が行われた」「言うことだけは大袈裟」「反対側から振り返って」「どうでもいい写真ですね」「残念ながら今日は月曜日でお休み」「あら」「これは球。球体の中を完全に鏡にしたらどうなるか……その逆をやったもので……」「科学ですねえ」「中央の石が数トンの重さなのに、指で押せば揺れるというバランス石」「立方体を斜めにしたんですね」「こちらはガリレオが観測した土星。他にアルキメデスの王冠など」「比重を発見したという奴ですか」「ということで……」「あれ、休みの日なのに、こんなのを見られたんですか」「まあ、顔パスで……」「しょうがないね」「次回は最初の写真にあった池の方をご紹介します」

  2012.04.08

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ６

  「さて、パガニーニの主題による、あるいはイメージによる作品集」「20人の作曲家の作品がありますが、その２回目」6：シュトラウス（ヨハン１世）：パガニーニ風ワルツ「ラジオで録音したのは、家内も聞いて笑った……残念ながらデータ消失で……それで、ＣＤは1999年、ウィン・フィルの『ニューイヤー・コンサート』。作品11となっていて、1828年の作品。第１ワルツの主題が『ラ・カンパネラ』。完全にワルツになっているのがまず楽しい。それから後は……奇想曲が出て来たり、協奏曲第１番が出てきたり……」「だから奥さんも笑ったんですね」「わしのせいで家内もパガナーになっているな」「何です、パガナーって」「パガニーニのマニアじゃ……わしが学生時代に作った言葉」「どうでもいいってことですね」7：シュニトケ：ア・パガニーニ「題名は『パガニーニ風』くらいの意味。シュトックハウゼンやノーノ、リゲティ、ケージといった現代音楽の作曲家から影響を受け、12音体系の洗礼を受けた作曲科。奇想曲24番の主題だが、アンダンテで書かれ、半音階とその間の音まで使う。哲学的な味わいで、何とも言えぬ深みを感じさせる。クレーメルと新井英治の演奏を持っている。8：ショパン：パガニーニの思い出「1829年に作曲したが、取るに足らない作品なので、出版は81年になった。29年といえば、パガニーニがワルシャワで演奏会をしており、ショパンは全ての演奏会に参加した。その時の印象をそのままピアノに移した即興曲。「ベニスの謝肉祭」を主題に、パガニーニの雰囲気が伝わる変奏が聞こえる。パガニーニにとらわれすぎて、ショパンらしさは不足。ハラシェビッチの演奏を所有。なお、リッチがヴァイオリンとピアノで演奏するように編曲しているが聞いたことがない。　ところで、パガニーニは作品13として、ロッシーニの主題による３つの変奏曲を作っている。この２曲目が『シンデレラの主題による序奏と変奏』じゃが、ロッシーニの1817年の歌劇のフィナーレ『もう悲しむことはない』を主題としている。ワルシャワで演奏したのか、ショパンが同じ主題で、序奏を除いて形式もほとんどそのままの変奏曲を書いている。　更に、ショパンには珍しいフルートのための作品『ロッシーニの主題による変奏曲』は、主題が『セビリアの理髪師』の愛の喜びであるが、これもパガニーニが1831年に書いた『ヴィオラと管弦楽のためのソナタ』が、お馴染みのパガニーニスタイルの変奏曲だが、全く同じ主題。ヴァイオリンがフルートになっただけで、序奏から変奏のスタイルまで完全にパガニーニの型を取っている。8.1：ダルラビッコラ：パガニーニの奇想曲によるカノン風ソナチネ「ピアノ独奏曲。未詳」9：テデスコ：悪魔のカプリッチョ「ギターソロのための作品。作品85とあるが、後に管弦楽の伴奏を作り、作品85bとしている。もちろん奇想曲だが、メロディははっきりしない。その主題による変奏というよりも、その曲から受けたイメージをふくらましたという印象の曲。山下和仁の演奏で。9.1：中野二郎：パガニーニの主題による30の変奏曲「ギター作品……でしょうか。雑誌で紹介されていただけで聞いたことがない」10：ネチェポレンコ：パガニーニの主題による変奏曲「ロシアの楽器バラライカのための、奇想曲第24番による変奏曲。かなりの技巧を駆使するものと思うが、ネットで紹介したら、『練習曲程度のものだ』というメールをいただいた。そうだとすると、バラライカって、素人でもかなりのテクニックがこなせる楽器ということなのだろうか……よく分からない。バラライカらしい音を効果的に使い、高い音低い音を飛び回り、分散和音を駆使し……という世界は聞いていても難しいと思う」「それでも練習曲だっていうんですね」「うん、だからこれなら妖精の踊り、ツィゴイネルワイゼンやチャルダシュといったヴァイオリンの名曲を聞いたが、これらもバラライカで演奏すれば易しい曲だってことじゃな」「はい」「そういうことで、やっと折り返し、本日は１０曲まで」

  2012.04.07

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その３

  「今日は夜になりましたね」「パソコンの調子がどうも……朝は機嫌が悪いのよ」「低血圧ですかねえ」「そんな訳で、つくばの続きを……」「２回も使って、斜面を上がっただけでしたね」「はい、こちらがつくばの図書館、左の方は美術館になっている」「この日は土曜日なのでお休みですねえ」「これが美術館の方で……」「面白い柱がありますねえ」「面白いじゃろう」「どういうデザインなんです……何かの作品ですか」「え……あ……次行こう」「分からないからごまかしているな……」「こちらは池のほとりにあった彫刻」「これも梟（ふくろう）ですねえ」「あ……本当だ」「見てないのかよ」「この池の所からつくばエキスポセンターが見える」「じゃあ、参りましょう」「疲れたので、また次回」「ううん……ただ引き延ばしているようにしか考えられない」

  2012.04.06

  コメント(0)

• 

  つくば散策：その２

  「さて、昨日に引き続き、ＴＸつくば駅からの梟（ふくろう）めぐり」「はいはい」「これで斜面を登り切った」「やれやれ」「ＴＸの駅、あるいはバスで来ると、上の通路に行きたくなる。そうすると、この斜面はスルーしてしまうのじゃ」「あらあら」「そんな感じで来ちゃった人も、ここで合流」「合流合流」「無理に繰り返し言葉にしなくてもいい」「てへ」「これでもう図書館の前、ホールも隣接した建物なのじゃが、それはまた次回」「また何回も続けるつもりだね」「という訳で、王様を見て、梟シリーズはおしまい」「一つ一つ説明すればいいのに……」「実際に見て楽しむのをお勧め」「実は適当に見ているから説明出来ないのです」「さあ、ちょっと斜面に戻るが、斜面の真ん中にある変わったオブジェ」「何です、これ」「これは願いの鐘。願い事を祈りながら一回鳴らす。鐘も渦巻き型になっていて、どちらを叩くからで音が違ってくる。まあ、幾つもの願いを込めないとね……」「はい」「さあ、次回は図書館からつくばエキスポセンターまで参ります」

  2012.04.05

  コメント(0)

• 

  つくば巡り：その１「梟」

  「さて、本日ご報告するのはつくば巡り」「つくばって……」「学園都市として有名。昔、筑波万博をやったね」「ああ、その辺りを歩くということですか……どんな散策をしたんです」「え……ああ……血を採ったり、バリウムを飲んだり……」「人間ドックかよ」「あれ、分かった」「そんな報告をするんですか」「結果は５段階のＥでございました」「最悪じゃん」「さて、暇を見付けて周囲の散策……」「どうでもいいつながりね」「ＴＸ……筑波エキスプレスのつくば駅から北側へ……」「南側がお店が沢山あってよく行くところですね」「よく行くノバ・ホールもすぐ南にある」「はい、今回は北側ですね」「駅から道路一つ隔てた向こうの斜面が梟（ふくろう）でお馴染み」「すでに写真がでています」「ここだけではなく、茨城県南はどこでも梟がキャラクター化しているなあ」「生息しているんでしょうか」「わしの住まいの辺りは、ウグイスやホトトギスを聞くし、建物を越えてキジが飛ぶし、狸もいるが……梟は聞いたことがない」「へえ」「斜面を進むのに、願いの鐘があるが、それは後で……まずは梟さんだけをご紹介」「ううん……また何回が続けるという意図が見え見えだな」「この坂を……上がった所が図書館……それから美術館が一緒になって……」「坂を上り始めると息切れするな……」「この散策は月曜日なので、美術館も図書館もお休みで……」「はあはあ言ってますね……なるほど、人間ドッグでＥランクになる訳ですね」「メタボも、胴回り８５．５センチでアウト……同僚は８４．５センチでセーフ」「へえ」「身長が15センチも違うのに……わしの半分しかない、身長９０センチであっても、胴回り８４．５センチならセーフなのだそうじゃ」「はいはい、愚痴が多いね」「さて、坂道を上るのが辛いから、続きはまた明日」「おいおい、まだ駅が見えているよ」

  2012.04.04

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ５

  「さあ、パガニーニがいかに多くの作曲家に刺激を与えたかということで……」「大変そうですね」「これも作曲家の五十音順に紹介しよう」「そんなにいるんですか」「わしの持っているのが20人の作曲家……それでは、参りましょう」1：一柳慧：パガニーニ・パーソナル「岩城宏之先生にマリンバを演奏させようという企画で作曲されたもの。1982年の作品。奥様とのデュエットというのがいい。サインをさせようと狙っていたのに、果たせずお亡くなりになったので帰東したというのはご存知の通り」「で、曲は」「奇想曲第24番による変奏曲。心の奥深く入っている印象が強い作曲家なのだが、非情に明快な作品になっている。『一柳慧の宇宙１』」2：ウィルソン：４台のクラリネットのための「パガニーニの主題による変奏曲」「クワトゥル・シャルモーによる演奏。『クラリネット・アンサンブル』というアルバムに収録されている。もちろんクラリネットの音色、音階や分散和音の広さを駆使した作品。主題から楽器同士のやりとりがあり、後半は８分の６拍子、ピアニシモですっと消えるラストもお洒落」2.1：ウェッバー：パガニーニの主題によるスーパー・ヴァリエーション「『キャッツ』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』など、日本では二期会のミュージカルでお馴染みの作曲家アルンドリュー・ロイド・ウェッバーが、妹のジュリアンのために書いたチェロと管弦楽＆ジャズ・バンドのための作品」「番号が小数なのは」「地震のためデータが吹っ飛んで、録音を失ってしまったのじゃ」「残念でした」「ジャズやブルース、ロックというリズムの変化が面白い作品。全体の構成はラフマニノフに影響を受けた印象じゃ……これは、ポップス系の大傑作。時々探しているものの、見つからない」2.2：エルマン「奇想曲をフルートに編曲したもの。1974年の出版。すでに紹介したとおり、ヴァイオリンの方がすっきりしていて、正直改悪と感じる部分も……」3：カッセラ：パガニーニアーナ（管弦楽のためのディベルティメント）「作品６６とあって、『作品集』に収録されている。奇想曲の幾つかを編曲したものじゃが、原曲を離れてはっとするものも……親しみやすい作品で、パガニーニによる全く新しい作品と考えてよいじゃろう。イタリア・スイス管弦楽団というどこの国なのって楽団の録音が出ている」4シマノフスキー：３つのパガニーニの奇想曲「アッカルドのソロで演奏した『パガニーニのヴァイオリン』というアルバム。パガニーニの使っていたキャノン（ガルネリ）を使って演奏したのじゃ」「すごいですねえ」「ミルシテインの『パガニーニアーナ』……こちらはそちらでご紹介」「はい」「シマノフスキーは奇想曲から３曲を新たにアレンジしたもの。旋律はほぼ同じなのに、ヴァイオリンは新しい展開をし、ピアノは激しいリズムと対旋律で、現代音楽になっている」5－１：シューマン：謝肉祭「1835年の作品。シューマンが仲間達を集めてカーニバルを開催……」「これは有名ですね」「わしの持っているのはアシュケナージ。『ドイツ風ワルツ』が流れ、これをもとにした『パガニーニ』の超絶技巧が続く。それからまた『ドイツ風ワルツ』が戻るという三部構成になっている。それぞれが40～50秒しかない」「番号はマイナス１が付いていますね」「シューマンにはもう一セットあるのじゃ」5-2：シューマン：パガニーニのカプリースによる練習曲・演奏会用練習曲「『練習曲』作品３と『演奏会用』作品10で、1832年、33年の作品。奇想曲からそれぞれが６曲ずつ、６、９、11、13、19、16番と、12、６、10、４、２、３番をピアノに編曲したもので、全24曲を作るつもりだったらしいが、半分で終わっている。24番がないのは残念じゃな……やっぱり最後に持ってくるつもりだったのじゃろう。伊藤恵さんのピアノで」「まだ５人ですが」「長くなったので、今日はここまで」「この計算だと４回も続きますよ」

  2012.04.03

  コメント(0)

• 落語の本：１

  「震災で本棚が全部ひっくり返って、整理を始めているが、今は文庫本が片付いただけ」「遅いですよ」「そこで、整理した物を記録しておくという……」「どうでもいい企画ですね」相羽秋夫「落語を淫する」「お馴染み作家の……タイトルで分かるねって本。落語の男女の関係を整理したもの」青空うれし「夜がうれしくなる本」「これも……タイトルで分かるね。芸人さんの逸話なども……」秋田実「私は漫才作者」「漫才を改革した筆者の作家としての意識と、歴史……上方漫才の歴史も読みとれる」秋田実「ユーモア辞典」（全３巻）「漫才のネタになるやりとりをメモったもの。『いらっしゃいませ、まいど』『え、人違いじゃないの。僕初めてだよ』というような簡単なもの。ノートに書きつづっていたものらしく、同じものが出てくることもある」麻生芳伸「落語特選」上「人気になったシリーズの一冊。古本屋で見付けたので……まあ、全巻そろえる意味はない」麻生芳伸「落語百選」夏「同上」阿刀田高「江戸禁断らいぶらりい」「江戸のエロスについて……すごいね、８冊目までに３冊がその関係だよ」阿刀田高・他「お笑いを一席」「現代作家達が落語を創作したもの。そのまま演じることが可能なのは２、３作。落語という物になっていない、会話だけで書かれた小説だよって作品が多い。逆に少し知っている人は余りに作りすぎてしまう……」粟野真木子「落語（日本語ライブラリー）」「外国人が日本語を勉強するために、読む練習として使う本。『寿司』と２冊を入手。三笑亭笑三師匠が協力しており、高座の写真を使って、落語そのものから解説している。残念ながらサインはもらいそこなった」「ここで、切りますか」「ちょうど１０冊ですからねえ……この後安藤さんの本がずらりと並びます」「はい、次回に続く」

  2012.04.02

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ４

  「さて、パガニーニの作品もいよいよ独奏曲までやって参りました」「長いですねえ」24の奇想曲：イツァーク・パールマン「実はレコードとＣＤの両方で持っている。ある意味定盤の一つじゃ」「ある意味って」「実は演奏がちょっと荒い。しかし、それには理由があって、全体を一つの作品と考え、連続演奏しているのじゃ」「24曲をバラバラに録音するのではなくて、一気に演奏しているということですか」「全部が一気にではないな……途中で弦が切れるアクシデント……ＣＤでは気付かないじゃろうが、レコードでははっきり分かる。それもそのまま収録しているのは勢いがあるからじゃ」「へえ」24の奇想曲：イリヤ・カーラ「これもなかなか。ちょっと全体に重い印象は丁寧な演奏をしているというところかな」「色々持っているのは、名曲だからですか」「学生時代にはレコードがなかったのじゃ。この24番の主題はリスト、ブラームス、ラフマニノフ……その他わしが持っているだけでも20曲くらい……これが世界一人気のある曲ということ」「なるほど」「さて、リストはラ・カンパネラ以外すべてこの奇想曲が主題。シューマンの練習曲もそうじゃが、シューマンは１２曲編曲して途中でやめてしまったから、24番はない。9番が有名な『狩り』、13番が『悪魔の微笑』、それに24番が特に有名な変奏曲」24の奇想曲：加藤元章「同じ曲をフルートに編曲したもの。ヴァイオリンのあらゆるテクニックを駆使する作品を、フルートでやるのだから大変……まあ、わしも24番は演奏する。正直な感想、フルートらしいテクニックを入れようとして曲を壊している。わしの編曲の方が上じゃ」「はいはい」バガニーニとサラサーテ：パパヴラミ「サラサーテといえば『ツィゴイネルワイゼン』以外演奏されることがなかった。これもパールマンが演奏してから他の曲も注目されて、色々演奏されうようになったのじゃ」「へえ、そうなんだ」「小品をいくつか。パガニーニについては奇想曲から5曲、『常動曲』、それから『ネル・コル・ピウ』が入っている」「これも有名ですか」「これは客席で耳で聞いて譜面に起こした人がいて、楽譜が残ったもの。演奏不能」「え……」「とにかくパガニーニの曲は、普通の人では絶対に指が届かないということを言われた。実は曲の途中、伴奏が鳴っている時に調弦を変えていたのじゃ。だからそのまま演奏すると指は届かない」「それが悪魔の正体ですか」ロマンチック･ギター名曲集：ガルシア「メンデルスゾーンの無言歌、シューベルトの歌曲をギターで演奏している。その中にパガニーニの奇想曲第９番と24番、『グランド・ソナタ』のギター･ソロ版を収録」「これもマニアですね」ギター作品集：ジガンデ「パガニーニの作品の集大成。ＣＤ４枚で全作品を収録。約40曲のソナタ、先ほどと同じ『グランド・ソナタ』の独奏版、単楽章の小品を幾つか。それに『気まぐれ』と題されたスケッチのようなメモまで……鑑賞するほどの曲ではないが、資料として……」「はい、これでパガニーニはおしまいですね」「いや、これからその主題による作品を……」「え、まだ続くの」

  2012.04.01

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニ３

  「さあ、パガニーニの作品の続きじゃ。前回まではヴァイオリンと管弦楽の作品。今回は室内楽」「室内楽といっても……」「そう。彼の作品は全部ヴァイオリンとギター。ここでも全てヴァイオリンとギタの二重奏曲。作品１として、かの有名な『奇想曲（カプリース、カプリッチョ）』を出版、作品２と３が今回のヴァイオリンとギターのためのソナタ。その後弦楽合奏曲が出たが、これは演奏されていない。一度出たが、販売会社が注文を間違えて送ってきて、しかもそこがつぶれてしまい、いまだ入手できない」「色々ありますね」「では参りましょう」ソナタ集：テレベジ＆ブルンバウアー「レコードで３枚が出た。作品２と『チェントーネ・ディ・ソナタ（ソナタ集くらいの意味）の一部、作品３と『チェントーネ』の一部、『チェントーネ』の残りと『グランド・ソナタ（大ソナタ）』、『ソナタ・コンチェルタータ（協奏的ソナタ）』がセット。初めてのレコード化ってんで話題になった。演奏は大人しく感じるが、とてもきれい。パガニーニが語っているように、愛を歌ったものと解釈すればいいのかな」ソナタ集：テレベジ＆ブルンバウアー「ＣＤ２枚組。同じ音源をＣＤ化したもので、『チェントーネ』も曲順の通りに並べ変えられている。因みに一般の『チェントネ』は最初の６曲だけ」ヴァイオリンとギターのための作品集：セィントジョン＆ウィンベルグ「ＣＤで２枚別々に出た。１枚目は『ソナタ・コンチェルタータ』、作品３、『バルバカ』、それにあの美しい『カンタービレ』。２枚目はヴィオラ・ソナタ、『愛の二重奏』、作品２、『カンタービレとワルツ』、それに奇想曲第24番のギター伴奏版。演奏も定盤を出そうという意欲を感じるし、資料としても素晴らしいもの。苦情を上げるとすれば、『大ソナタ』が入っていないのがちょっと寂しいという程度」チェントーネ・ディ・ソナタ：ハマー＆クラフト「さて、一般にはこの作品は１番から６番までしか演奏されていないが、ようやく全曲が出たというのがこれ。ＣＤ３枚に６曲ずつ。正直言えばみんな同じパターンだから、マニア以外には必要ないじゃろう。ロッシーニの主題も聞けるから、ファンにはたまらない」Paganini For Two：シャハム＆セルシェル「海外版。作品３と『チェントーネ』からの抜粋、『グランド・ソナタ』の有名な『ロマンス』、それに『コンチェルタータ』全曲、『祈りのソナタ』、『カンタービレ』、有名な『常動曲』を収録。演奏が素晴らしく、『カンタービレ』が人気になったのはこのＣＤから。テレベジもセィントジョンも４分半で演奏しているが、このＣＤでは３分４７秒。協奏曲第１番でフランチェスカッティのがひどいと書いたが、これは早いのがお洒落に感じるな」ロマンツァ：ハジェット＆サヴィノ「『グランド・ソナタ』と『ソナタ・コンチェルタータ』が収録されたのはこれが元祖だったはず。日本での発売はかなり遅かった。わしの持っているのも海外輸入版。ジュリアーニの協奏的二重奏曲を収録。タイトルはもちろん『グランド・ソナタ』の第２楽章から」「有名なんですか」「パガニーニといえばヴァイオリンの名手で、これまでのソナタも、ほとんどヴァイオリンが大活躍してギターは伴奏に回っていた。そこで共演していたギターの名人が、一度楽器を替えてやってみようよと提案した。その時にパガニーニが作ったのがこれで、ギターが大活躍して、ヴァイオリンはオブリガードを添えるなど脇役に徹している」「面白い話ですね」「実際には共演していた時期よりずっと早く作曲されていることが分かっているので、完全な作り話なのじゃが、パガニーニの作品を考える上では実に面白い逸話となる」「なるほど」「さて、そのような人気曲じゃから、ヴァイオリンを省略してギターのソロでもよく演奏される。それは次回の独奏曲編に登場するはずじゃ」「まだ続くんだって」

  2012.03.31

  コメント(0)

• 東電やらせの連続

  「５月には電気料金を値下げするそうじゃ」「いいじゃないですか」「本当は出来ないはずなのに、とにかく目先を誤魔化そうとしているなあ」「大家さんはみんな皮肉に見るから」「月々上がっていて、昨年と比べるとまだ高いのじゃ」「ああ、本当だ」「一昨日、関東の知事達が値上げをするなって東電に申し入れしているが、これも見るからにやらせ」「え、そうなんですか」「だって、４月１日から値上げになるのを今頃申し入れて間に合う訳がないじゃないか」「まあ、確かに……日曜日ですものねえ」「それから、給与を30％下げろと言った」「無理だってはねつけましたよね」「しかし、その場で国家公務員の給与の平均がこれだけ、東電社員の平均がこれだけって即座に答えている。つまり最初から準備したものじゃろう」「ああ、そう言われると……」「東電社員は高卒が２５％だったかな……大卒しか取っていない部分の平均と比較している訳じゃ」「じゃあ、本当は……」「東電の平社員で、大卒の平均年収は1020万円」「ええっ……停年間近の大家さんよりずっと多いじゃないですか」「停年間近は余計じゃ……わしゃボーナスもカットされ、４月からもあれ、これ、それもカット……」「ええっ、こんなに……」「つまり、東電新卒の平社員に完全に負けている」「じゃあ、幹部は」「もっともっともらっているということじゃろうなあ……」「ううん……」「さて、今日、ＪＡＬの経営再建のためにクビになったパイロットなど７６人が訴えていたのが却下された」「へえ」「なぜ東電はそういう改革をしないのじゃ」「本当ですねえ」「取りあえず、値上げなどは即刻行うが、リストラなど内部の改造は来年度から手を付けるといっている」「手を付けるって言っても、これじゃあねえ」「政府が甘やかすから図に乗っているのじゃろうなあ……政府は原発を動かさないと電力が足りないって……」「私は節電しますがねえ」「国民はしないとキッパリ言っている訳じゃ。一昨年の猛暑で最大使われた数字と比較すると１６％不足する」「大変ですねえ」「これは最大値じゃよ。昨年は涼しかったから良かったが、春にはやはり計画停電などを実施し、こんなになるぞと脅迫して出した目標が１５％」「１５……じゃあ、何とかなりそう」「まあ、現実には涼しかったこともあり、１０％出来ればいいということじゃった。３月には１日の目標数値を超えると東電から何をやっているんだとお叱りの電話が掛かって来たものじゃ」「仕事が暇なんでしょうね」「わしは冷房が嫌いだから、岡山で一人暮らしをしていた時、夏２年間で２回しかクーラーを付けなかった。室温３８度を超えるとさすがにやばいと思った」「そりゃやばいですよ」「そんなわしの家でも、２２％の節電に成功した。もともと使っていないのじゃぞ……わしの同僚は、クーラーガンガンかけていて、その設定温度を２５度まで上げ、しかも１時間付けると１０分止める……これだけで３０％も節電できたって自慢していた」「あれ……」「それでもわしの家の倍の電気料金を払っている」「お得意さまですねえ」「さあ、この夏もどうなりますやら……我が社では暖房を緩くしているので、社内でコートを着ていないと寒い」「大変ですね」

  2012.03.30

  コメント(0)

• またしても、またしても……巨人は……

  「さて、昨日は早く帰って大リーグの試合を見られた」「いいですね」「しかし、プロ野球は、巨人が自分のやった悪いことを誤魔化して、機密漏洩問題にすり替えたのが、そのまま……」「そうですね」「で、大リーグが来たら、またしても巨人のふざけた話が話題に……」「何です」「イチローを監督にって……承知するならすぐ監督の座に据える用意をしておくという」「すごいですね」「選手としては最低だが、監督にはいいのかなあ」「え……誰がです」「もちろんイチローじゃ」「最低ですか……最高の選手じゃないですか」「わしもそう思うが、巨人の○たなべって奴がそう言っていたじゃないか」「そうなんですか」「パ・リーグではチェンジになると、アウトに取ったボールをスタンドに投げ込んだりするじゃろう」「ああ、やっていますねえ」「どうしてセ・リーグではやってないのじゃ」「え……どうしてです」「イチローがやったのをわ○なべって奴が批判したのじゃ。セ・リーグの観客は、『巨人・大鵬・玉子焼き』という、ド素人ばかり。取り合って怪我でもしてはいけないから禁止するとわた○べが決めたのじゃ」「そうだったんですか」「その時に、『そういう危険を考えない非常識な行為、最低の選手だ』と批判した」「なるほど」「それで、セ・リーグは禁止したという訳」「巨人・大砲・目玉焼きって……何です」「あ……そうか、お前は若いという設定だった」「忘れないで下さい」「大宅壮一という人がいる。テレビに対して『一億総白痴』と言って、考えないでも理解出来るというのを批判し、これを見ているとみんなバカになると言ったり、『男の顔は履歴書である』といって、四十になったら自分の顔に責任を持つべきだと唱えた」「大家さんなんか、無責任の塊ですものねえ」「そうほめるな」「ほめてないって」「女の顔は請求書である」「……それも大宅壮一さんが言ったんですか」「いや、これは大宅さんじゃなくって、大家さん」「お前かよ」「そういうことで、『巨人・大鵬・玉子焼き』というのは、子供の好きな物を好むということ、大人になったはずなのにガキじゃないのかっていう、考え方が成長していないのを言った言葉」「そうなんだ」「そういうことで、わたな○は、自分で最低の選手と言ったイチローを監督に迎えると言う……訳の分からない話題なのでございますよ」「まあ、そう考えるとおかしいですが……」「指名するって約束しておいて、他の人を指名したって話題もいくつかあるね」「２人は超有名です」「そう、その一人、き○はらは、もう使い物にならない状態になってから、とてつもない契約で使ってくれた。裏切られた時に泣いたのは何だったんだ……ってそう思ったよな」「まあ、そんなこともありました」「だから、今回も、金の力でイチローを動かしてみせるって言いたいのじゃろうなあ」「前科があるから、そう言われても仕方がないですかねえ」「ということで、本日はこれぎり」

  2012.03.29

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニの２

  「前回に引き続き、パガニーニのヴァイオリン協奏曲」「１回目は協奏曲のレコードでした」「協奏曲ではないが、管弦楽伴奏のものを全て収録しました」「で、今回は」「同じく協奏曲のＣＤ編」「はい、参りましょう」協奏曲全集：ｱｯｶﾙﾄﾞ「これが本当に定番。４枚組のＣＤに、６つの協奏曲と、レコードでもカップリングされていた管弦楽伴奏付きの変奏曲をほぼ全部収録。『魔女達の踊り』『春』『マエストーサ・ソナタ・センチメンターレ』『ヴァイグルの主題による変奏付きソナタ』『シンデレラの主題による序奏と変奏』『ナポレオン･ソナタ』『こんなに胸騒ぎがによる変奏曲』『常動曲』が入っている」「貴重な資料ですね」「『マエストーサ』はハイドンの有名な旋律、『ヴァイグル』は当時のヒットソングで、ベートーヴェンも同じ主題で変奏曲を作っている」The Best of Paganini：ﾁｪﾙｺﾌ「奇想曲９、17、24、協奏曲第1番、ホ短調のソナタ、ネル・コル・ピウというバラエティに富んだ内容。エルサッサーのオルガンで、『インプロヴィゼーション』が入っているのが奇妙」協奏曲第1番：庄司紗耶香「ショーソンの『詩曲』、ワックスマンの『カルメン幻想曲』、ミルシテインの『パガニーニアーナ』を収録。彼女の出世作といってもいいアルバム。ミルシテインもパガニーニの主題じゃが、これについては独奏曲の時にご紹介」協奏曲第1番：ﾌﾗﾝﾁｪｽｶｯﾃｨ「パガニーニの弟子に習った唯一の後継者といわれるヴァイオリニストなのじゃが……」「問題でも」「簡単に言うと第二楽章の演奏時間は４分05秒。庄司のが５分10秒、アッカルドのが５分58秒。要するに情緒もへったくれもないという、さっさと弾いてしまう、インスタントな演奏。とてもいただけない」「あら」「こんな演奏が正統派だというのじゃから、パガニーニが見下されるのは当然じゃな。ラロの『スペイン交響曲』はいい演奏だと思うのじゃが」協奏曲第４番：ｸﾚｰﾒﾙ「最も優れた作品とわしが言っている第４番。これが何と新鮮な演奏じゃろう。迫力のある演奏で、カデンツァが現代音楽……亡くなったばかりのシュニトケへのオマージュになっているのじゃ。初めての人はびっくりするから、やはりアッカルドから聞く方がお勧め」「でも、歴史的な挑戦ですね」「他に『ソナタ・ヴァルサヴィア』を収録。これはレコードのところで紹介した、『変奏付きソナタ』の新編曲。管楽器が印象的な近代的編曲で、これも新鮮じゃ」「はい」「ということで、ＣＤの協奏曲は以上。次回は室内楽をご紹介します」

  2012.03.28

  コメント(0)

• またしても東京電力

  「原発がまた一つ止まって、動いているのは一基だけになった」「夏は大変だといいますね」「だから目一杯動いても夏の予想電力の９割しか供給出来ないそうじゃ。電力不足は、一昨年の猛暑を基準に言っている。今年は国民が節電しないという計算で……またしても電力会社が電力不足をあおって、原発再稼働のために流している情報じゃ」「嘘ではないが、怪しい数値ってことですね」「報道関係もどうかしているのは、それをそのまま伝えている。報道関係の会社も原発の恩恵を受けているのじゃろうか……アンケートではどれもこれも原発に賛成という国民が反対派を上回った」「ちょっと信じられませんねえ」「さて、火力発電は燃料費がかかるから、原発を止めると値上げせざるを得ないという」「そうですねえ……そういえば、値上げについて、大家さんが企業は応じなくていいって言っていたのが、今は常識になりましたね」「そう。しかし個人は断れない……企業がみんなで値上げに応じないのを理由に、家庭用電力に上乗せしてくるから……要注意じゃぞ」「やりそうですね」「さて、火力発電の燃料費が高いというが、実はこれも全くインチキ」「そうなんですか」「あれ……知らないの……一番よくまとまっているのは２月２５日の『中日新聞』かな……４分の３はLNGじゃが、その輸入価格じゃ。ロシアが売っている１Btuあたりの値段が、ヨーロッパ諸国は10ドル、韓国は８ドル、日本は16ドル」「え……韓国の倍なんですか」「そう。韓国は大量に輸入するから安くしてくれという交渉をして、ヨーロッパよりも安く輸入することに成功した。さて、日本は……何も国内では言わないが、売る方の国に、なぜ日本にだけ高く売るのかと尋ねると、『日本は高くても自動的に電気料金に上乗せ出来る国だから』」「ふざけるなって言いたいですね」「これはつまり、日本がそのように説明しているのじゃろうなあ」「ひどいですね」「さて、この夏に向けて、火力発電の燃料費は1600億円と報道されている」「韓国と同じなら半額になるんですね」「ヨーロッパと同じでもちょうど1000億円……16という数字が一致しているから、一目で計算できるね」「それで、高い高いと言っているんですか」「アメリカからの輸入も全く同じ。他の国よりもはるかに高い値段で買い取っているのじゃ」「すごいですね」「原子力は、発電そのものは安い。しかし、これは誰でも知っていると思うが、おかしいのは色々。まず、原子力を導入する時、『東京新聞』では電気料金は100分の１まで下げることが可能という試算を公開している。実際にはどんどん上がり続けて、世界でも最も高い電力になっているのじゃ」「他に原因があるんですか」「だから、発電そのものは安い。その燃料の精製、研究開発、監視、審議などの複数の委員会、原発所在地、処分場への補償……それから何一つ成果の上がっていないプルマーサル計画……これは日本以外ではこれだけやって何一つ出来ないのだから不可能という結論を出しているが、日本では『不可能という証明がされていない』と言って投資を続けている」「見込みがあるってことですか」「いや、さっき言った通り……原発が始まってから世界中で研究が続いたが、何一つ可能性が出ないから、海外では諦めたのじゃ」「日本は不可能と証明されていないと……」「まあそういうこと。日本では六ヶ所村の今ある廃棄物が落ち着くまで300年と言っているが、フランスでは最終処分場では千年から２千年の監視が必要と言っている」「随分認識が違いますね」「これだけの出費があるのだから、原発がとてつもなく高くつくことはもう分かっている。それでも続ける……まあ、国民の意志じゃから、仕方がない」「諦めちゃいますか」「それから更に今回の事故の補償……それが税金から行われるじゃから……また東電が金をこれだけ出してくれって請求したが、すでに合計２兆数千万……」「すごいね」「それで、わしの勤務先では電気代も大変だし、給与などの削減をされている」「どこもそうですね」「停年間近なのに、とうとう東電の新入社員より下になってしまった……昨年のボーナス、東電社員は最低でも百万円が補償されたが、わしの方は下がる一方、息子なんか事実上ボーナス無し……」「それが普通ですよね」「因みに東電の百万円補償は、最低の身分の社員のボーナスの金額なのでございます」「『の』ばっかり続いて読みにくい」「これで原発が安いから一刻も早い再稼働をと言い続けているのじゃ」「私は納得できませんがねえ」「それから、燃料精製のためにCO2を大量に出している。実は火力発電と変わらない数字が計算されるが、電力会社は発電からは出ていないという部分しか公開しない」「嘘ばっかりですか」「さらに、日本海では、原発のある所だけが魚の生態が変わっていて、県境一つだけ北へ動いている」「熱湯を捨てているからですか」「他で出ていないからそうとしか思えないが……日本では原発は関係なく、地球温暖化の影響だと言っている」「そこだけなのがおかしいですねえ」「お金の面でも、自然破壊の面でも、決していいとは思えないのじゃが……報道でもその部分は一切出さないから、アンケートでは原発賛成がどんどん増えるのじゃ……もちろん、関西以西では今回の被害は他人事かも知れないから……わしの住んでいる所では、０．２という、避難区域をのぞく地区では最高値を示していた」「あら……いたってことは変わりましたか」「市役所駐車場の除染作業が行われて、何と０．１６まで下がった」「それでもその数値ですか」「家の回りには土手があって、水が溜まったりするからもっともっと高いんじゃないかな……今度調べてみよう」「大変です」「それでも、皆さん、原発の方がいいんですか」「そうそう……国民のアンケートでは原発賛成が反対を上回ったんですよねえ」「それが日本の行き方だというなら仕方がないね……だまされている方が幸せだというのは理解できるけれどね」「変な結論」「ということで、まだまだ安心できない原発のお話でした」

  2012.03.27

  コメント(0)

• 

  まだ春通し？

  「さて、もう３月も末になってしまった」「早いですねえ」「まだコートを着ている。昨日も寒くて寒くて……」「そうですね」「さて、写真は梅……昨年は２月14日、バレンタインデーに落語会があって……」「よく覚えていますね」「女性の噺家さんからチョコレートをいただいたから……」「ああ、いやしいから、そういうのは覚えているね」「その日の帰りに大雪になり、駅から家まで１キロちょっとなのに３台も車がスリップしていた」「常識のない人が多いですからねえ」「スリップした瞬間と、木にぶつかったのを写真でご紹介しました」「するな」「今年はやっと梅が開き始めた」「写真は梅……から随分余計な説明が……」「鶯の初音は３月３日、今年はメジロは見ておりません」「はい、春の訪れのご紹介でございました」

  2012.03.26

  コメント(0)

• わしの持っているレコード・ＣＤ：パガニーニの１

  「さあ、いよいよ最大の作曲家ということですが……」「わしが学生時代から収集したパガニーニの作品じゃ」「参りましょう」「今回は協奏曲のみ」「あら……何回も続くの」「パガニーニはナポレオンに仕えていたヴァイオリニスト、何も書いていないものは全てヴァイオリン曲です。ナポレオンと別れた後、ソリストとして活躍しますが、演奏会の入場料を普通の十倍も取ったりします。彼の演奏を聴いて、音楽に志したのがシューマン、ショパン、リスト……シューベルトは病気になってパガニーニの演奏を聴くために全財産を投げ出し、医者に掛かるのが遅れて死んだとか、女性でパガニーニの演奏を聴いて失神しないのは恥だとか、演奏している彼の背中に悪魔を見たと言う証言が続いたり……死んだ跡も埋葬が許されなかったり……まあ、話題には事欠かない。後で出る、彼の主題による曲というのが、世界一多い作曲家と言えるじゃろう」「すごい説明ですね」「で、本日は協奏曲だけを……」「参りましょう」協奏曲第１番・第２番：ﾒﾆｭｰｲﾝ「学生時代に図書館でパガニーニを読み、すぐにレコード屋で調べてもらったら、この１枚しか存在しなかった。序奏部分を省略していて、今ではもう古い」「無名の作曲家だったんですか」「技術だけで音楽性がないと言われ、みんなそう信じていたのじゃ。パガニーニの主題で思い出す作曲家の一人にラフマニノフがいる。日本では人気の高い作曲家じゃが、ヨーロッパ、アメリカでは今でもパガニーニと同じで、音楽的には見る価値がないときっぱり言われているなあ」「で、パガニーニは」「同じ扱い。協奏曲も腕前を見せるための物で、音楽的価値はないといわれた。聞き込んでいない評論家はそのまま同じことを書いている。序奏の後、ヴァイオリンが入ると最も低い音から最も高い音まで一気に駆け上がる。すごいテクニックを見せて、続いて美しいメロディ……そのようなパターン。その中にパガニーニが発明したフラジォレット（ハーモニック）を二重音で聞かせる……つまり４本の指を使っている。本人はこれに親指でのピチカートを入れたという……第１番はフィナーレで弦の上で弓をはずませるスタッカート・ポランテを使っている。第２番は有名な『ラ・カンパネラ』。リストの編曲で有名」「そして、次のレコードが出て見直されることになるんですね」協奏曲第３番：ｼｪﾘﾝｸﾞ「ひ孫に当たる姉妹が演奏していて、これはパガニーニの作品に違いないと思って姉妹に尋ねた。最初は誤魔化していたが熱意に口説き落とされ、ついに楽譜が世に出た。パガニーニが使っていたキャノン（ガルネリ）で演奏した、世界初演録音」「すごいね」「今の演奏しか知らないと大人しく感じられるかも知れないが、当時はその音のすごさに圧倒された。最後にパガニーニ運弓という特殊奏法があり、一気に地獄の底に引き込まれる」「これで人気が出たんですね」「音楽的にもいいじゃないかってんでね。それから既に発見されながら演奏の機会がなかった協奏曲が次々出ることになった。この曲が入って、協奏曲の番号は全部１つずつ後ろに移動したのじゃ」協奏曲第４番：ｱｯｹ「初めて出た第４番。シャミナードとのカップリング。この曲は驚いた。音楽性、深み、全ての点でこれまでの３作を越えている。数年後に忘れられた名曲として取り上げられて見直されるが、パガニーニの最高傑作として文句なし」「いい曲ですか」「いまだに最初の２曲を聴けばあとは全部同じって書いている評論家がいるが、この曲を聴いているのかな……後のアッカルドの物が定番中の定番になるじゃろう。リストがこれを聞いて、『パガニーニはヴァイオリンの魔術師だ、私はピアノの魔術師になりたい』と言ったのが有名」第５番：ｱｯｶﾙﾄﾞ「未完成の楽譜を完成させたもの。第１主題がワルシャワ・ソナタと同じ。他に変奏曲を収録しているが、詳しくはＣＤで」第６番：ｱｯｶﾙﾄﾞ「初期の習作を完成させたもの。これも変奏曲が入っているが、ＣＤで」変奏曲集：ｱｯｶﾙﾄﾞ「これまでに収録出来なかった作品だけを集めたもの。『ワルシャワ・ソナタ』『マリア・ルイーザ・ソナタ』『変奏付きポラッカ』『田舎の踊り』を収録。ＣＤになっていない貴重なものばかりじゃ」「そうなんですか」「ワルシャワは、その土地へ行った時の挨拶として演奏したのじゃろうな。地元の民謡とか、当時の流行曲を主題にしてよく演奏しているのじゃ」「それで人気もあったんですねえ」「マリア・ルイーザはナポレオンの二度目の奥さん。結婚のお祝いに作ったもので、『ナポレオン・ソナタ』と同じ、ヴァイオリンの一番低い音を出すＧ線１本だけで演奏、主題もよく似ている。やはり１本の弦で上下に旋律が聞こえるようにして二重奏を演奏するもの。ロッシーニの主題による作品の序奏としてこの部分を転用している」「説明だけですごいね」「ポラッカは現代になってから伴奏を作って演奏したもの。後に出て来るクレメールが管楽器を駆使した彩りも鮮やかな伴奏で演奏しているのがすごい。こちらはオーソドックスだが、意外性はないと感じるかな」「それから『田舎の踊り』という作品」「愉快な主題による変奏曲という副題で、６回ごとにオーケストラが主題を演奏する。テンポや調をほとんど変えずに30分、変奏ごとにヴァイオリンのテクニックが代わるので飽きさせないという……パガニーニでなければ存在しない曲」「色々ありますねえ」「レコードはこれでおしまいかな……後はＣＤじゃが、長くなったのでまた次回」「大変なことになりそうですね」

  2012.03.25

  コメント(0)

• WHY

  I can't use Japanese...Why?

  2012.03.24

  コメント(0)

• 巨人の品の無さ

  「今朝も巨人の渡辺のひどい台詞が朝から流れた」「ドブネズミとか、泥棒猫って言ってましたね」「落語を聞かせてやりたいね。人間をダメにするにはどうしたらいいか……悪い言葉を使うことじゃ」「はい、落語家さんはいい言葉を使うことで、心も体も健康にってやっています」「まあ、これはわしが大変な巨人ファンだったのに、王さんに対して同じようなひどい言葉を吐いて追い出したことから……」「もう皆さんお馴染みで……」「こうなると、巨人ファンやめますか、人間やめますかって言いたくなる」「あれ、それは行き過ぎでしょう」「あの渡辺を取り上げるテレビもねえ……朝から人の気分を害する……いい言葉は人間をいい気持ちにさせる。悪い言葉は気持ちを悪くする」「さっきの落語ですね」「ということで、出掛けましょう」「はい、行ってらっしゃい」

  2012.03.23

  コメント(0)

全4316件 (4316件中 1951-2000件目)

< 1 ... 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 ... 87 >