名作落語大全集

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• 東電の陰謀

  「やっと企業向けの電力について政府も認めた」「知らなかったように会見をしていましたね」「本当に知らなかったのじゃろうなあ……中小企業でも知らずに支払うしかないと思っていた所も多かったじゃろう」「大企業はどうなんでしょう」「大企業は元々安い料金設定になっている。今回の値上げも、大企業は値上げ率が小さい」「大変な中小企業が負担を強いられるところだったんですねえ」「さて、これがばれちゃったから、今度はどうするか」「どうします」「一般家庭にそのツケが回って来るのじゃ」「ええ……確かに６月から値上げって言ってましたね……でも、今年中は拒否出来るんでしょう」「いや、一般家庭は国が認めて認可するのだから、個人に拒否権はない」「あら……」「すでに何度も述べているとおり、震災以降は燃料費の増加によって勝手に値上げを続けて来た。探して昨年２月と今年の２月を比べてごらん。びっくりするぞ……」「地域によって違いますが、関東は確実に値上げされております」「さて、中小企業から吸い上げられないとなると、後は一般家庭しかないじゃないか」「どうなるんです」「正式に認可される値上げと同時に、原発などが動かないのを理由に、燃料費を上乗せして来ること間違いなしじゃ」「原発を動かせば値下げされるということですね」「いや、値上げは出来るとしているが、値下げについては明記されていないから、手続きが必要じゃろう。すると、値上げと値下げを同時に行うという矛盾が起こる。これは絶対に値下げしない」「キッパリ言うね」「国民の半数以上が原発に賛成しているが、全くメリットは来ないと思うな」「事故のリスクについても、全く検討されていないですからね」「電力会社の考え通りに行かなければ、電気止めますよって言われる。どうにかなりませんかねえ」「結局、どうしたらいいか分からないのね」

  2012.03.22

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：ハイドン

  「さあ、いよいよ大作業となる『は』に入る」「どうなりますやら」「本日はハイドンだけ」「はい、どんぞ」交響曲第101番「時計」・トランペット協奏曲・弦楽四重奏曲「ひばり」・セレナード：ﾊﾟｲﾔｰﾙ「これは素晴らしいね。モーツァルトと1枚ずつ２枚セットで１組。ハイドンといえば明快で分かり易いといわれるが、楽譜を見ると実に複雑で、どうしたらいいか迷う。その処理の面白さじゃな」交響曲第99番・101番・94番「驚愕」・ナポリのフェルディナンド４世のための協奏曲：ｼｮﾙﾂ他「これも２枚組。まあいいかって演奏」交響曲第48番「マリア・テレジア」・第59番「火事」・92番「オックスフォード」・弦楽四重奏曲作品64（通算63番から65番まで）：ｱﾄﾞﾙﾌ他「こちらも２枚組。さっきのと同じシリーズ」交響曲第39番・第60番「うっかり者」・協奏交響曲：ｳﾞｪｰｸﾞ「さて、ハイドンといえば、時計とか驚愕とか、ちょっと楽しいギャグがあって……」「そうなんですか」「このアルバムもそういう冗談音楽として購入したもの」「どういうことです」「流行歌が主題になっていたり、音を外したり……すごいのは、始まってすぐにぷつっと止まって音合わせを始める」「へえ……『驚愕』ってのは聞いたことがありますがねえ。きれいな旋律で居眠りを仕掛けた人にドカンという奴でしょう」「それは嘘じゃ」「え、そうなの」「第２楽章のきれいな音楽が始まってすぐじゃないか……いくら何でもまだ寝ない。この時代の交響曲は客が入場したりするときの音楽で、みんな音楽ではなく挨拶などに気を取られている。そこでドカンとなるからおかしいのじゃ」「へえ」チェロ協奏曲：ﾜﾝ「お馴染みの協奏曲を２曲。取手で演奏会をしていただいたセルゲイ・ナカリャコフさんがフリューゲル・ホルンで演奏されているが、聞き比べとして面白い。そこでまあいい演奏の物をと奮発したＣＤじゃ」「ハイドンも多いですねえ」「全集にも５、６枚あるじゃろうなあ」「それはまた別として……」「次回は最も多くの音源を持っている作曲家の登場です」

  2012.03.21

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• 読売の矛盾

  「今日はお休み」「ゆっくりしますか」「昨日から熱と咳がひどくて……」「インフルエンザですかねえ」「まあ、風邪ではないからなあ」「そうですね」「さて、ニュースを見ていると、ひどいのが読売」「まだやってますね」「第一に、当時は規則ではなかったと言う」「まあ、2004年に他の球団のが公開されて問題、2007年に横浜と西武がやって、とんでもないと厳重注意の上規則になったんですね」「その前にばれていたら、同じく厳重注意じゃろう。今になって分かったが、それ以前だから規則ではないから問題はない……という主張」「これは問題でしょう」「第二に、一億円というのは目安とされていたのだから、越えても問題はない……という主張」「それなら他の球団も注意される必要はありませんね」「それ以上に、目安は一億円、実際に渡した金額は十億円。目安って、どういう意味じゃ」「ううん、説明が支離滅裂ですね」「本来ならば一言誤ってしかるべき。それが一言の謝罪もなく、問題ないと繰り返すだけ……一方、情報漏れが問題で、犯人は清武以外にはいないと名指しで攻撃」「ううん、これも何だかおかしいですね」「この攻撃にも問題があるな」「どういう点ですか」「第一に、他にはいないという状況証拠。新聞社がその姿勢で報道するのは問題……って、新聞社ではないのかも知れないが……　第二に、それも他の人からは話を聞いた。清武からは聞いていないという……清武は関係ないと言っているじゃないか……つまり、他の人は話を聞いて信頼した。清武は違うと言っているが最初から犯人として見ている」「おかしいですねえ」「第三に、前に説明した通り、契約金を上乗せしたことは明らかに問題。これを誤魔化すために秘密を漏洩した犯人捜しという方に目を向けようとする姿勢じゃな」「おかしいことばかりですか」「第四に……」「まだあるの」「新聞社は、情報源を守るのが使命じゃ。今回の犯人捜しは、報道の姿勢を根本から揺るがすものになる。これから読売系では全ての情報源を明らかにするのじゃろうな。そうでなければ今回の場合のみという大きな矛盾が起こる」「あ、確かに」「そんな具合で……今回の報道を見ていると、読売というか、渡辺の矛盾が次々出てくる」「大阪の市長が独裁者と言われて、渡辺よりましだって言ってましたね」「ああ、大阪市長のは中国では紀元前200年、日本では軍国主義に走る時代のやり方……自民党が言った批判はある程度当たっている」「卒業式事件がそれを象徴していましたね」「一方、関西電力に申し入れするというのは応援したいね。原発を無くすようにという……ただ、再稼働してその後次第にという……再稼働したら、また止めるのが面倒だから、今の状態で我慢していいと思うが」「はいはい」「東京新聞では、電力値上げに対して異議申し立てをすれば値上げ分は支払わなくていいと報道している」「へえ……知りませんでした」「電力からも通達するようになっている」「そうなんですか」「通知の隅っこに何かあったらご連絡を……って、連絡して話し合い、合意の上で値上げの金額での支払いになるのじゃ」「え、じゃあ、みんな連絡するでしょう」「そこを電力会社では告知していない。記録はそうなっているが、連絡をして下さいと書いてあるから、これで通達は終わった。もし連絡をしないのなら、合意したと見なすのじゃ」「ひどいね」「今になっても隠していることが次々出てくるし、その後も天下りが横行していることが分かったし、安全宣言を出しながら危険で入れないと繰り返しているし……」「どうなるんでしょう」「それでも国民の半数以上が原発に賛成しているから、更に推進すると言っている」「先週の震災の一周忌には、うちは関係ありませんとキッパリ言っていましたものねえ」「独占だから何をやっても許される。それが続いているのじゃ。残念ながら国民の支持を得ているから、わしが言っても仕方がないが、わしゃ反対を続けるぞ……嫌がらせメールにも負けないぞ」「はいはい、一人で頑張りなさい」

  2012.03.20

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• 政治と原発

  「さて、昨日は久し振りにお休み。朝のニュースなど見て墓参」「お彼岸ですからねえ」「さて、ここで驚いたのは、原発がいよいよ復活に向けて動き出すという様子が見えてきた」「あら、そうなんですか」「電力不足の不安をあおって来た電力会社の恐喝がうまくいったようで、昨日ニュースで発表されたアンケートで、原発賛成と答えた人が反対という人を越えた」「ええ……そうなんですか」「福島の事故は検証も出来ぬままになっているが、福井では避難訓練もやって、もう大丈夫と言っているし……」「いよいよ動き出すという予感は分かります」「わしは原発は必要ないとここでも話して来たが、国民の声はそうではなかった……」「原発が再稼働すると、電力は安くなるんでしょうね」「それが賛成意見らしいな。燃料費などの高騰による値上げは自動的に行えるが、下げることは許されていない」「え……」「それで、今回は自然な経費の値上げではないから、公式に値上げを申請して上がるぞって言っていたのじゃ」「そういえば、昨年毎月料金が値上げされていたって、気付かない人もいたかも知れませんね」「各過程でも、何キロワットって契約するが、ある月にこれを０．１でもオーバーすると、その月は超過料金、翌月からは基本料金が一つ上の契約に自動的に代わる」「あら、じゃあ、使わないようにして戻さないと」「いや、戻ることはない。完全に一度契約を解消しないと……」「それはひどいですねえ」「ひどいことを今まで許していたのじゃ。独占企業じゃから……」「ううん、何とかなりませんか」「ならない。政治の方で介入するしかないが、ご存知の通り……やっているのが『子供手当』を何という名前にするかだけで何度も何度も話し合いをして、半年掛かりでやっと名前が決まったようなレベル」「ひどいね」「昨年の今頃、復興のために協力してほしいと民主党が申し出た。自民党の谷垣総裁に復興支援大臣になってくれないかって……これを自民はキッパリ断った」「民主党には協力出来ないって言ってましたね」「その後、復興よりも政局ときっぱり言ったしねえ」「しょうがないですね」「さて、今回も大連立に対して自民党があり得ないと……それが笑える、相手の沈没しかかった船を助ける余裕はないって……」「それ、自分達も沈没しそうだって意味に聞こえますね」「そうじゃろう。まあ、どっちもどっちじゃから……我々は出来ることをやるだけ……政治は復興を進める意志はない。『絆』というが、瓦礫処理にしても頭から受け入れ拒否という報道ばかり……福島は福島でやるしかない……結局自分でやるしかないということじゃ」「さあ、今日もしっかりやりましょう」

  2012.03.19

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：ナ行

  「ううん……」「どうしました、何か悩んだ顔をしていますね……脳天気な大家さんが……」「『業平橋』という駅があった」「あれ、過去形ですか」「これが一昨日まで、昨日から『東京スカイツリー』になった……『前』が付いたかな……」「それが何か」「江戸情緒を感じさせる名前で、いかにもあの辺りに似合っているのじゃが……」「時代は代わるんですねえ」「そう。東京スカイツリーって駅名でわくわくするのかなあ。わしは失われる名前の方に寂しさを感じるのじゃ」「年寄りの愚痴ですね」「車内放送で、『業平橋～、東京スカイツリーにお出での方はこの駅をご利用下さい』でいいのじゃないかな」「はいはい」「そういうことで、本日はこれぎり」「あれ、大家さん、タイトルが……」「え……ああ、そうか、話をそらさないでよ」「誰がそらしているんですか」「わしの持っているレコードやＣＤのご紹介、『な』に参ります」「はいはい、行きましょう」ナイマン：蜜蜂が踊る場所・ピアノ協奏曲：湯浅卓雄「1944年生まれの現代音楽とはいえ、ロマン派的な印象を受ける。『蜜蜂』はｻｲﾓﾝ･ﾊﾗｰﾑのサックス、協奏曲はｼﾞｮﾝ･ﾚﾈﾊﾝのピアノ・ソロ」「ロマン派的というのは古いんですかねえ」「これは映画音楽を元にしているからかな。『ピアノ・レッスン』のための曲を構成したのじゃ。まあ、映画を知らなくても面白い」ノーノ：森は若々しく生命に満ちている：ｶﾆｰﾆ「さて、ナ行は一気に『の』へ」「あら」「ニコライは世界一の人気歌劇なのに、それだけで一枚の物を持っていない。『ぬ』で始まる作曲家は1人も思いつかない。ネチェルコンツェも、アルバムに収録されているなど……ナ行の作曲家はみんな１曲２曲がアルバムに収録されている程度」「で、ノーノですか」「1924～90という、現代音楽の代表的作曲家。マンガなどでは現代音楽の作曲家にヤーヤという名前が出て来るが、この人の名前を洒落たものじゃ。これも自作自演があったはず……録音構成だから『自演』というのも変なのじゃが……震災でデータが吹っ飛んで、こちらに納まることになってしまった」「はい」「歌なのか声なのか、微妙な声とピアノによる『．．．ソッフェルテ・オンデ・セレーネ．．．』という作品。それから『森』の方も４人のソロによる声、クラリネット、銅板……」「不思議な世界ですね」「しかし、自然に包まれるような安らぎを感じてしまった。タイトルからの印象ではなく、音楽的に……いや、音的に」「音符にするものとは違うんですかねえ」「……ということで、ナ行の作曲家を一気に終わり、いよいよハ行ですが、ここは大変な内容になると思います」

  2012.03.18

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• また巨人か

  「プロ野球のドタバタはおかしいね」「でも、巨人は当時は最高標準は目安であって、問題とはならないって言ってますよ」「巨人がやったのは1997年から2004年。正式に規定となったのは2007年」「だから問題ないんでしょ」「問題は当時何も公開しなかったということかな」「だってプライバシーの問題だからって巨人は言っていますよ」「なぜ、それが規則になったのか……2007年、西武や横浜がこの標準を越えた額を出したと分かって、両チームには厳重注意、それからは禁止事項となったのじゃ」「あれ……」「分かったか、同じことをしていた西武と横浜は厳重注意の上、規則として改められた。後からばれた巨人は昔のことだから何も問題ないという……もし巨人が早くばれていたら、西武や横浜の事件は起きなかった」「何だかおかしいですね」「まあ、巨人はお古の有名選手を集めて、お爺ちゃん球団なんてあだ名がついたこともある」「そういえば、すごい選手が来ますね」「ドラフトで裏切られた清○らなんか、間違っても巨人に入るはずがないじゃないか……それが行くのはお金持ちだから」「今回の報道も根本はお金の力ですか」「役に立たない清○らに何億を出すことが出来るのは巨人だけじゃろうなあ」「大家さんはアンチ巨人ですか」「子供の頃は異常なほどの巨人ファン……実は王選手のファンだったのじゃ」「ああ、なるほど」「王選手のファンは誰でも巨人は嫌いじゃ」「納得」「ドラフト制度のルールをゆがめて江川事件を起こしたり、自分のチームに有利な日程変更をしたり……あの頃から巨人はおかしくなった」「だから、タイトルが『また巨人か』になったんですか」「そういうことじゃな。まあ、今回は昔のことだからという弁明が間違っているとは言わないが、問題ではないとは言えないということで、本日はこれぎり」

  2012.03.17

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：ドヴォルザーク

  「わしの持っているレコード、ＣＤについて」「参りましょう」「今回はドヴォルザークのみ」「はい」交響曲第９番・スラヴ舞曲選：小澤征爾「ウィーンフィル・コレクションというシリーズ。第一巻が半額なので購入したが、定価で買う価値があるかどうかは、それぞれの判断で」「中途な意見ですね」「そもそも第９番は『新世界より』といい、タイトルがついているので人気の曲」「また、大家さんはひねくれ者だから」「ストコフスキーが自分でピアノを弾きながら解説している録音があったのじゃが、震災でデータが失われた」「残念でした」「彼は全部アメリカの黒人の歌だという解説をしているが、わしの学生時代には彼の故郷であるチェコのメロディであることが分かっていた。アメリカに永住することになって最初の演奏会用に作ったもので、『新世界より』故郷への望郷の念が感じられる……なんて解説される」「いいですねえ」「おいおい、まだ行ったばかりで望郷なんて早過ぎるぞ」「本当はそうなのかも知れませんね」「地の底からわき上がって朝を迎えるような冒頭から、第１楽章は聞き応えがある」「はい」「第２楽章はお馴染み、『家路』という歌になって人気。イングリッシュホルンの音色が印象的で、最後に途切れ途切れになっていく演出も面白い」「傑作ですねえ」「第３楽章はスケルツォ。実はこれが大変な人気で、初演の時は拍手が鳴り止まず、この楽章だけがアンコール演奏された」「そうなんだ」「第２楽章が人気になるのは、歌詞がついてヒット・ソングになってから」「へえ」「さて、ここまで素晴らしいのに……正直、最終楽章はねえ……」「あら、駄目ですか」「最初に新しい旋律でわくわくさせるが、その後はこれまでの３楽章のメロディが、テンポ以外は何も変えずに、そのまんま出て来る」「あら、工夫がないですねえ」「まあ、もう馴染みになったメロディだから……実はドヴォルザークはこのパターンが好きだった。形式的には面白みがないが、その場で聞いていると、あ、知ってる曲だってんで……」「受けるんですか」「素人には受けるが、クラシックを聞き込むと物足りない構成に感じるな」「そうなんですか」「しかし、最後のクライマックスは、これを吹き飛ばすほどの素晴らしさ。だからまあ、傑作であることは疑いない」「微妙ですね……曲の解説で、演奏については触れていないし」「ウィーンフィル・コレクションと銘打って第１巻で悪い演奏のはずがないということで……」交響曲第８番：ﾍﾝﾘｰ･ｱﾄﾞﾙﾌ弦楽セレナーデ：ｸﾙﾄ･ﾚｰﾃﾞﾙ「わしは音楽的には『新世界より』より優れていると思うな。ハイドンの交響曲第82番『熊』とのカップリング、『弦楽』の方はスラブ舞曲５曲も収録。２枚組」「弦楽セレナーデも有名ですね」「チャイコフスキーのとカップリングされている物が多いな。まあドヴォルザークの傑作の一つであることは間違いない」「はい」スラヴ舞曲集：ｱﾙﾌﾚｯﾄﾞ･ｼｮﾙﾂ「解説もなにも付いていないＣＤ。６曲の他、売られた花嫁の舞曲とﾊﾝｶﾞﾘｰ舞曲４曲を収録」「舞曲を集めたということで」交響曲第４番：ﾎﾞｸﾞﾆｱ「これも海外版でボヘミアの管弦楽団らしいが、よく分からなかった。『スターバト・マーテル』とのカップリングが魅力的だったので」チェロ協奏曲：ｼﾞｬﾝﾄﾞﾛﾝ「素晴らしい作品じゃな。弦楽四重奏曲『アメリカ』に通ずるものもあって……『新世界』からどうもアメリカについて作曲したイメージが強い」「でも、事実アメリカに移住したんですね」「雄大で素晴らしい曲。サン＝サーンスの協奏曲、フォーレのエレジーが入っているので、もう満足間違いない一枚」「こんなものですか」「後は中学校時代に買ったレコードで、新世界と未完成のカップリング。カラヤンの名盤。それから、『アメリカ』など、いくつか全集の中に収録されたものがある」「ということで、タ行の作曲家は以上でございます」

  2012.03.16

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• 大阪卒業式事件

  「大阪ではとんでもない卒業式が行われたようじゃな」「そうですか」「先生達が君が代を歌ったかどうか、校長や教頭が口の動きを見ていたそうじゃ」「ああ、市長が当然のことだって言っていましたね」「当然なのか」「だって、監視する立場でしょう」「それ以上に大事な立場がある。卒業生を送り出す責任者じゃ」「あら……」「わしも狂飲じゃったが……」「飲んべえですからねえ」「漢字が違った。わしは教員だった。卒業式といえば卒業生を見てやるものじゃ」「あ、それは当たり前ですよね」「当たり前のことが出来ていないのじゃよ。それが当然のことだというのは、どうかしているんじゃないか」「ううん、それはそうですね」「そうしなければならないほど、大阪って所がひどいのじゃな。一般常識がないから法令によって取り締まるのじゃ」「そう言われても仕方がないですかねえ」「中国では……」「あれ……話題が代わりますか」「春秋戦国時代には色々な思想家が生まれてきた。有名なのは人間を育てて国を強くしようという儒教」「孔子や孟子ですね」「これと対立した道教、老荘思想が国語や社会ではよく取り上げられる」「何となく聞いたことがありますね」「実は一番この時代に流行したのが法家という人々で、人間がダメだから法律によって既成しようという人達」「あ、今の大阪ですね」「一つでも外れたら処罰。だから、いざ戦争になったら、最初の戦いで負けたらもう逃げてしまう」「任務が果たせなかったということですね」「そういうこと。つまり、今の大阪は、中国の歴史では紀元前200年頃の状態。これを押し進めることによって、適当に処罰を免れていればいい人間を育て、一つミスったら造反する……そういう社会が出来る」「それはまたひどい言い方ですね」「大阪は、それだけひどい職員、先生ばかりなのだということはよく伝わる。教師は、生徒に過ちを教え正してやるのが仕事。間違っていることを悟らせて導くのじゃ」「大家さんに似合わない台詞」「それが、大阪ではその指導者であるべき教師が、自ら正す能力がないから、規則でしばるしかないということじゃ」「ううん、教師やめてほしいですね」「三つの違反でクビだそうじゃから、一つ問題を起こし、卒業式と入学式で君が代を歌わなければいい」「全員でやったら全員クビですか……パニックになりますよ」「法でしばるというのがそういうことだと教えないと……まあ、そういう先生方にはそれをやる度胸はないだろうな」「はい、もっとしっかりしてほしいというお話でございます」

  2012.03.15

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• 原発再稼働への道

  「関西では原発再稼働に向けて動くというニュース」「昨日からやっていますね」「新聞やテレビも大賛成のようだが……現実にはどうなのじゃろう」「問題ありますか」「あるある……まず安全だという根拠は震災の前の数値をそのまま使っている」「え……福島の経験は生かさないんですか」「あれは想定外のものだから考える必要はないそうじゃ」「いいんでしょうか」「夏の電力不足はみんな報道するが、福島の検証はどうなっているのじゃろう。同じようなことは絶対起こらないと、どうして決めつけることが出来るのか。その神経が分からない」「電力不足で脅迫する報道が多いですねえ」「それなのに、昨日の政府の発表はニュースになっていないようじゃな」「何かありましたか」「枝野大臣の発表。再稼働のための報告書に２３６ヶ所の間違いがあったという……いまだにずさんなことをやっている東電や保安委なのじゃ」「ううん」「それでも原発を再稼働しますか……原発は安いといって、火力発電を動かしているから値上げ値上げを繰り返しているが、原発によって地域への税投入やら補償やら発電そのものは安いのに、原発の方が余計なお金が掛かるから、１００分の１になってもおかしくないと言うのに原発が導入されてからどんどん値上げされているのじゃ」「そうでした。でもＣＯ２は」「原発から出るＣＯ２はゼロ。しかしその前の過程で精製のためのＣＯ２排出は他の発電と同じだけ出ている。それは全く問題にしない……都合のいい部分しか公表していないのじゃ」「ううん……大変ですね」「さて、震災が二度と起こらないとしても、使い終わったプルトニウムなどをどうするか……世界全てが再利用は不可能としたのを、日本だけは再利用のために数億円掛けて研究を続けている。これも税金や電気料金で……それで、最終処理場。青森六ヶ所村では使えなくなった物を貯蔵しているが、２４時間人の目で監視している。今ある放射能が消えるまで３００年という……」「あと３００年は監視が続くってことですか」「何を言っている。今ある原発からも出るのじゃぞ……電力会社も報道もこういう点は考えない」「そうですね」「ともかくアメリカ全土の半分、ヨーロッパ全土の３分の１の数を動かさないと日本の電力をまかなえないというのはどういうことじゃろう」「すごいですねえ」「戦争になったら、ここを攻撃すれば日本は滅びるな」「そんな心配は……でも、ミサイルが飛んだなんて事件もあったし……」「さあ、そういうことで、電力不足を選びますか、放射能を選びますか」「他は無いんでしょうか」「ソーラーや風力は何の役にも立たないというデータを出している。ソーラーで発電するなら、北海道全部をソーラーシステムにしないと、日本の電力はまかなえない」「本当ですか」「どうじゃろう。上野の科学博物館の屋上を見学に行くといい。その他、屋上のシステムでそのビルの電力をまかなっているところはいくらでもあるぞ」「あると思いますね」「因みに、関東でも他の電力会社が給電している場所があって、値段は10分の１」「へえ」「で、我々の所でもと思うが、新電力会社が電気を送るのに、国は今ある電力会社以外の送電線を認めないから借りることになる。東電に支払う使用料を加えると、どうしても東電よりも高くなるようにしているそうじゃ」「へえ」「ソーラーの余った電力の買い取りも、供給の10分の１以下……」「ひどいですねえ」「さあ、原発、どうします」

  2012.03.14

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：テレマンから「と」まで

  「さて、わしの持っているレコードやＣＤの続き」「参りましょう」テレマン：フルート協奏曲・トランペット協奏曲「カメラータ・ロマーナの演奏で、他に２本のホルンのための協奏曲とターフェル・ムジークからトリオ」「どういう作曲家ですか」「ヴィヴァルディと同じ頃の作曲家で、はるかに優れた作品を作った。ナチスの政策からヴィヴァルディが見直されると、人気が逆転」「音楽の歴史も色々ありますねえ」テレマン：ターフェル・ムジーク（２枚組）「２本のフルートと管弦楽のための作品、トランペットと２本のオーボエと弦楽のための……リヒターとフンメルのトランペット協奏曲も収録」テレマン：ターフェル・ムジーク「ヴェンツィンガーによるフルートと弦楽のための組曲、四重奏、オーボエ・ソナタ、３台のヴァイオリンのための協奏曲」「フルートの組曲は名曲ですね」「２本のリコーダーとフルートのためのソナタがあったと思ったら、カラオケだけのようじゃ……後は放送から録音した物だけ。一番傑作なのがないとは驚いた」「大家さん、アホですから」「さて、一気に『と』へ行こうと思ったら、ドヴォルザークしかいなかった」「あれ……色々いるんじゃないですか」「トマはフランス音楽の作品集に入っている。ドビュッシーはもちろん、自作自演の方に分類」「じゃあ、ドヴォさんに行きますか」「今日は朝ゴタゴタして、今書き込んでいる」「それがどうしました」「こんなに早いのは調子が悪くて早く帰ったから……だから、またいずれ」「しょうがないね」

  2012.03.13

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• 復興に向けて

  「かくて、震災から一年。政治は昨日話したように、低次元の世界でドタバタを繰り返している」「ひどいね」「もう二十年も前の本に、今の政治は国民のためのものではなく政局のためにある……って書いてあって納得したのを覚えている」「今当てはまりますね」「井沢元彦だったか、落合信彦だったか……二十年前ではちょっとはっきりしない」「毎年百冊読んでるから……でも、記録してるでしょ」「震災でデータが全部消えちゃったからね……」「しょうがないね」「芸能人やスポーツ選手が様々なイベントで、支援を忘れないように呼びかけている」「はい、芸能ニュースも今日は多分そういう話題でしょう」「ある選手が、今年も成績に応じて寄付をすることを公表した」「やってくれますね」「家族からは、それは嫌らしい、匿名で行うのが本当のボランティアだという意見が出たそうじゃ」「ううん、それもそうですね」「それに対して、一年経って忘れかけているところで、忘れては行けないというアピールになるのではないか……という気持ちを話し、家族の了承も得たという」「なるほど」「我々で出来ることはないかなあ」「生活があってボランティアには行けませんからねえ」「わしはまだ体調が……昨日もろべえ君の落語会があったが行けなかった」「そうでした……じゃあお金を寄付したら……」「わしの家も修理にお金が掛かったのじゃ。それでも職場、職場の市、住んでいる市、スポールボランティア団体など、７つに寄付した」「じゃあ、後何をしましょう」「それじゃ」「どれです」「探すな。心が大切なのじゃ。いつも何かなにか考えること。我々が助かったことを有難いと思って、精一杯の生活をすること……それで十分じゃないかな」「今をきちんと生きることですか」「被災した人、いまだに避難を強いられている人、そういう人達のことを考えたら、不平不満を言うことも申し訳ないと思う……しかし、全てに満足する人間は逆にどこかおかしいと思うな……そこで自分のやっていることが社会にも役立つのなら、それが自信となる」「でも、仕事に不満があったら」「好きなことして、勝手にやって、それで給料がもらえるなんてとんでもない。大変だからお金が出るのじゃ。仕事ってそういうものじゃろう。自分で好き勝手にやるなら自分で会社を作るか、一人でやる仕事をするか……」「ううん、それはそうですが」「だから、今日も辛い仕事に出掛けよう」「愚痴ですか……では、行ってらっしゃい」

  2012.03.12

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• 震災から一年

  「さて、今日は追悼のため、完全休業とした」「一周忌ですねえ」「一年振り返って、まず政治……未だに『子ども手当』の名前をどうするかって話し合い決裂、『いおうとう』ではなくて『いおうじま』だってんで話し合い決裂……中身の精査はされずに予算は与党の賛成多数で通過、他方では野党が多いから否決されるが、差し戻しで成立が決定……これらが最近の話題」「ひどいですね」「二つ目がいまだに進まぬ瓦礫処理。過激派の東京都知事が、各都道府県に分配する命令を出せと言っているが、これだけは賛同できるな」「本当に進んでいませんからねえ」「三つ目って……これが一番大きな問題だが、原発の問題。福島の被害は地震と津波だけならもう復興が進んでいるじゃろう。それが、全く進まないのは原発が原因」「そうですねえ」「地震と津波だけなら５年で復興出来るという。それが原発のために３０年は人が住めないんじゃないかとまで言う」「政治家は楽観視していますね」「４０年先に廃炉にするというのんびりとした計画じゃ。ヒロシマでも同じことを言われたからね……それがたちまち復興した。しかし、今回の放射能はヒロシマ以上、通算ではチェルノブイリを越えているともいわれている」「安全神話が崩れたといわれていますね」「それが普通だと思うが、崩れたというのは素人考え」「え、そうなんですか」「政府も東電を初めとする電力会社も、一刻も早く原発再稼働をって言っているじゃないか」「あ、確かに」「つまり、これくらいは当然のリスクだから、他の原発を止めるのは行けないということじゃろう」「ううん……確かに、安全性については議論されませんね」「それで東電は電気料金を値上げし続けた。これはコストに対する当然の値上げ。補償やら何やらが足りないから、正式の値上げを決定した」「当然の権利って言うのが腹立たしいですね」「今後も福島というだけで米や野菜は売れないだろうね……安全だといってもそれが当然の判断じゃろう。仕方がないのじゃ……これを東電はどうするか」「でも、ばらまかれた放射能は東電の所有物ではないって判決が出ましたね」「そうじゃ。水俣病などの過去の判例もそうなっている。だから解決までに長い年月を要した」「今回もどうなんでしょう」「原発の事故ももう収束したというが、中には入れない、近付けないのじゃから……本当に解決したのか、あやしいものじゃ」「そうですね」「それで東電の責任は全くないというのじゃから」「この間の事故報告書ですね」「新聞テレビでも政府の責任ばかり伝えている。東電は責任者である会長や社長が出てこないのはおかしいという点だけが問題とされ、後は全て政府の対応の悪さと結論付けていた」「おかしいですね」「ということで、まだまだ復興は出来ないという……負けないで努力しましょう」

  2012.03.11

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• 土曜日出勤

  「昨日の朝から体の調子がおかしい」「頭はいつも……」「頭が腹痛で、腹が頭痛で……」「それ、おかしい」「頭の頭痛が痛くて……」「無茶苦茶な日本語使ってますよ」「それでインフルエンザかなって期待したら……ただの風邪らしい」「鬼の霍乱だね……良かったじゃないですか」「どこがいいのじゃ……インフルなら休めるが、風邪なら休めないじゃないか」「訳の分からない文句を言われてもねえ……」「まあ、仕方がないから出掛けよう」「はいはい、行ってらっしゃい」

  2012.03.10

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• 額田王の正体（１）

  「さて、昔から謎解きが好きだった」「はい、大家さん自体が謎って評判ですが」「今回から問題とするのは額田王（ぬかたのおおきみ）」「万葉集の歌人ですね」「実は高校の時に、あることに気付いて先生に質問した。先生は『面白いところに気付いたね。調べてみてごらん』と答えた」「ふうん……それは……」「そう。多分、先生も分からなかったのじゃ。まあ実際に解明したのは大学に入ってから。高校生では万葉集全巻を読むなんて余裕はなかったからねえ」「はい」「さて、手元にあるのは昔の教科書。角川のもので十年以上前のものじゃが、これがいい歌ばかり取り上げているのじゃ」「では、これを使ってやって行きましょう」「額田王とはどういう人か……」「会ったことがないから分かりません」「藤原鎌足の嫡室である鏡姫王の妹という説もあるが、これは万葉集の中でやりとりがあるから」「当てにならないということですか」「歴史の本にあるのは、『額田王、鏡王の娘で、大海人皇子（天武天皇）の妻となり、十市皇女（といちのひめみこ）を生む』というだけ……口語訳で紹介したのは、これもある問題を含むから……」「何でしょうね」「さて、歴史にはそれだけしかないのに、『万葉集』では重要な歌人になっているのじゃ」「それじゃあ、天智天皇との三角関係というのは……」「和歌を並べて作られた事実となっている」「和歌から生まれた歴史なんですか」「さて、次回は実際にその歌を並べてどうしてこの関係が生まれたのかを解明して行こう」「はいはい、まただらだらと続くだろうね」

  2012.03.09

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• 我が家のレコード・ＣＤ：『つ』から『て』へ

  「さて、今朝は書き込みがありませんでしたねえ」「パソコンが疲れたって言って働かなかった」「あらら」「いつもと同じ時刻に起きて電源をいれたのじゃが、やっと動き出したのは出勤10分前」「じゃあ、書き込めないですねえ」「休めばいいのじゃが、わしは真面目で……」「ううん……全く説得力がない」「そんな訳で、今日は仕事を切り上げて、もう帰ってきた」「え……さっきと矛盾しますよ」「前回は『ち』まで行きましたが」「それで続きだね」「『つ』っていますか」「ツィポーリなどいるが、一人で一枚というのは……」「やっぱりね。『て』に行きますか」ディーリアス（1862～1934）：作品集「グレンジャーの作品が最初に入っていて、この主題による『イギリス狂詩曲』、時代的にもまだロマン派の香りが残る。分かりやすい作品ばかりかな。『ノルウェー組曲』『ダンス・ラプソディ』など。最初の２曲はライブ」「へえ」「咳をするお客さんがいるのがちょっと……まあ、中国のライブを聴くと、曲の途中でブビーッと鼻をかんだりするからね」「それもちょっとね……」ティペット（1905～98）「こちらは『コレルリの主題によるファンタジア』と『交響曲第３番』。これは全曲ライブ」「生没年を見ると、現代の作曲家ですねえ」「交響曲を聞くと意外に思うかな……弦楽器がバロック風の音階を奏でると、金管が不協和音で応える」「不思議な雰囲気ですね」「弦楽器、木管、金管、打楽器の組み合わせが面白い。それがねらいのように感じる。第１部ではその組み合わせを聞かせるが、どっかで聞いたような……第２部になると更にびっくり」「何が起こります」「同じような展開から、突然はっきりとベートーヴェンの第九のフィナーレ冒頭の音型が出てくる」「あらら」「それが慌てて転ぶ」「何です、それ」「そこからソプラノが登場して、今度は弦、木管、金管、打と歌とのコラボ……再びベートーヴェンが戻り……」「クラシックファンなら面白いですかねえ」「そうじゃな。バロックから現代までの歴史を感じる。『コレルリ』もこの解説で何となく感じられるかな……録音もいいから、ライブということを忘れるな」「いいですね」ディトーシュ（？）：レコード「バロックというか……それ以前というか……『四大元素』という題のついた２曲を収めたアルバム。ルベルの冒頭に圧倒されるじゃろう」「すると、ルベルという名前でまたですまか」「そうなるかな」「はい、では次へ」「次はテレマンということになるが、幾つか持っているので……」「また次回って逃げますか」「『て』で始まる作曲家、他にディッタースドルフは１枚あっていいと思ったら、放送から録音した物しか持っていないという……とんでもない事実が発覚」「何それ」「次回はテレマンから『と』まで行っちゃいましょう」「乗りは軽いんだけどね」

  2012.03.08

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  小林香織演奏会

  「さあ、昨日の続きじゃ」「美術の次は」「もちりん、音楽じゃ……小林香織ちゃんの演奏会」「小林香織といえば……」「今や日本を代表するジャズのサックス奏者」「はい」「新しいアルバム……『SEVEN』」「７枚目のアルバムってことですね」「毎年出しているから、彼女の年齢も……」「女性に失礼だね」「気持ちの若さは実年齢とは違うのじゃ」「で、最初の曲は」「『England Funk』って声と同時にイントロが流れた」「かっこいいね」「でも、マイク使って話をしていたから……」「あれ」「楽器の準備が出来ていないのじゃ。改めてやり直し……彼女はイギリスに行ったことはないそうじゃが、イメージでこのリズムとメロディを作った。二階建てバスが出たり……色々」「音楽にはイメージも大切ですね」「二曲目は『October 20th』」「10月20日ですか……何の日でしたっけ」「彼女の誕生日」「あれ……」「これは曲が先に出来て、明るい青空からイメージしたのが自分の誕生日という……」「後からタイトルが付いてきたってことですか」「楽器の音楽はその面白さがあるね。歌詞があると、歌詞先行になってしまう」「面白いですね」「続いてはブラック・ベリーズの『ONE！』」「アレンジですか」「アレンジとしては他に、ショパンのノクターンや韓国映画の曲も収録されている」「へえ」「彼女は、いつもタキシードを着ている人に、ジーンズを履いても似合うじゃないですかって感じで編曲しているらしい」「面白いですねえ」「わしは逆に、鬼太郎にスーツを着せたり、アッコちゃんにドレスを着せたり……」「アッコちゃんは『シンデレラ姫が現れた～』って、ドレスを着ますよ」「お前、若い設定なのじゃから、古いアニメを知ってちゃおかしいぞ」「あ、そうか……」「因みにアッコちゃんというのは和田さんではありません」「分かってますよ」「そういう訳で、最後の曲はＣＤでも最後の曲『It’s the Star Connection』」「はい」「この日は新しいアルバムの各曲の由来と解説をして……」「これも面白い企画ですねえ」「音楽は、聞いてどんなイメージか自由に想像するものというのが本来の形じゃろう。それからタイトルでイメージを結びつける。クラシックでも、『運命』とか『別れの曲』とか、曲とは関係のないザブ・タイトルがついて、勝手なイメージを持ってしまう場合がある」「それはありますね」「しかし、一方、作曲者の意図は何だったのか……それを考える必要もある。彼女の場合、自作自演なのじゃから、どうでもいいと言えばそうなのじゃが、楽譜も売っているから、演奏する時のイメージという点では面白いな」「まあ、良かったということで」「そういうことで、ジャズ・バンド、ロック・バンド、本人が４本のサックスで共演したり、歌も歌っていたり、津軽三味線が加わったり……」「面白い編成ですね」「もちろんＣＤをいただき、サインをさせて……」「また迷惑かけて」「まだ１度しか聞いていないが、とりあえず編成の変化も考えた構成、曲の並び順は納得。音楽の深みを感じるには後２、３回聞かないと……」「本でもそうですが、大家さんは３回は繰り返さないと本当の批評はしないんで……手間の掛かる人です」「はい、そういうことで、本日はご報告まで」

  2012.03.07

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  またしても東京

  「さあ、今日はもう帰ってきたぞ」「あら、早いですねえ……とうとうクビになりましたか」「何やかやと忙しくてね……さて、昨日のことじゃが、またしても東京駅から銀座まで散策」「また東京ですか……仕事って言いながら、遊び回っていますね「ちゃんと仕事の帰りに東京駅に」「職場から二時間以上掛かるんですから、帰りがけって訳にいきませんね」「まあ、ついでがあるからね」「理由を付けて遊び回るんですねえ」「まずはGINZA GALLERY HOUSE。『結』という展覧会が行われている」「結ぶんですか……」「ちらしで分かるね。江戸の時代をテーマに、帯を結ぶというのと、髪を結うという二つのモチーフで」「へえ、江戸好きですから、大家さんなら見たいテーマですね」「それぞれの作家がいらっしゃったが、男の人が来たのは珍しいって、お茶もいただいて……」「図々しいね」「いずれもミニチュアじゃが、出来るだけ本物らしい物を作り出そうとするもの。帯は一本の帯から織り込むのじゃが、一つの基本の形から色々変化を出すことが出来る。一方髪は大胆なアレンジの物が面白かった」「大胆って、普通の江戸時代とは違うんですか」「そう。マンガやゲームで、こんな髪型している武将や侍はいないよって世界が広がっているな……それに対して、女性の髪は意外と大胆なデザインは見えない。作家は参考にするといいぞ」「え……そこまで言う」「短い時間だったが、来て良かったという展覧会……まあ、ゆっくり見ても５分もあれば……」「さて、折角出てきた田舎者の大家さん、これだけで帰るとは思えませんね」「はい、それはまた次回」

  2012.03.06

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• もうすぐ一周忌

  「来週の日曜日、震災から１年になる」「もう１年ですか」「この間に復興は全く進まない」「原発が原因でしょうね」「原発の事故の調査結果が出たが……ひどいものじゃなあ」「そうですか」「ほとんどが政府の責任。ほめたのは逃げ出した東電社員に戻れと言ったことだけ。後は素人が口を出して混乱させた……東電に任せておけばこんなにならなかったということか」「そうなんでしょう」「半月以上は東電が隠していた。政府はそれで動いていたじゃろう……そこまでが全部政府責任」「東電の責任は問わないんですか」「東電の責任問題は、幹部が出なかったことだけ……」「え……」「たとえ一企業であっても、これだけの事故なら会長、社長らが出て当然ということだけを述べている」「あれえ……」「で、値上げも会社として赤字になっているのだから、当然の権利……本当にこれでいいんですか」「ねえ」「さて、議員さんが、この日電気も止まったのだから、一日電気を使わないというキャンペーンを打ち出した」「へえ」「ちょうど日曜日だし、家族みんなで電気を使わず、防災について見直そうというのじゃ」「いいじゃないですか」「で、丸一日はかなり無理が出るから、お昼過ぎから深夜までと縮めた」「まあ、お昼はあまりいらないでしょうし……」「まあ、長々やっても……ってんで３時から９時までに短縮された」「だんだん短くなるね」「日曜日は子供達が『サザエさん』を見るだろうって……」「そういうことも検討するんですか」「でも、子供達のために、ちゃんと教育して、今日だけは見ないでおこうって言い聞かせるのだと、きっぱり」「いいじゃないですか。そういう主旨なら、ビデオも使えませんね」「ところが、ある議員が、大河ドラマはどうするって言い出して……」「もちろん、同じでしょう」「いや、これは仕方がないってんで、８時までに切りつめられた」「あれ……」「結局、暗くなってからという、６時から８時までということで決着」「随分短くなっちゃったね」「ま、笑点が見られるならいいか」「結局テレビの問題か」「そういうことで、震災から一年何が動いたのか、見直すのもいいな」「大切ですね」「学校、地域でのいじめは２％増えた」「あ、増えちゃったんだ」「福島からの非難民へのいじめが全体の５％を占める」「……ということは、これを除いたら減っているって計算ですよ」「そう。いじめの１位は福島から来た子供はこの公園には入らないでくださいというもの」「ええっ」「２位は幼稚園や保育園への入園拒否。小学校以上は拒否できないから仕方がないという注がついていた」「ええっ」「３位は転校して来た子供に『原発』『放射能』というあだ名を付ける。先生が付けたという例もあって、呆れるなあ」「ひどいね」「昨年の今年を象徴する一字に『絆』が選ばれたが、口先ばかり。廃材も放射能を理由に受け入れ先もなく、そのままになっている」「それが復興の進まない理由でもあるんですねえ」「こんなことは二度と起こらないと断言しているが……」「本当ですか、信じられませんよ」「でも、電気が足りないから、一刻も早く原発再稼働をというのが日本の動きじゃ。反対意見は抑えられるのか、テレビ、新聞ではあまり出てこない。芸能人が洗脳されたのを追っ掛ける暇があったら、放射能の洗浄を追っ掛けてもらいたい」「ははは……って、笑い事じゃないね」「世界にお手本を示し、原発を推進すると東電は自身満々じゃが、税金が何千億使われていた……今回は事故を受けて１兆円を超えるんじゃないか……原発がある所、処理場がある所への地域支援など、表に出ない数字もすごいから……」「だから電気料金はどんどん上がったんですね」「火力発電の100分の１で発電出来るが、これは燃料費。人権費やそうした支援で逆に100倍の使用料金に上がっているのを、消費者は気付いているぞ」「さあ、わめきだしたから、そろそろ病室へ戻りましょうね」「うん、帰ろう」「はい、本日はこれぎり」

  2012.03.05

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：『た』行に

  「さて、しばらく間が空いたが、レコード・ＣＤのご紹介」「どうでもいい」「作曲家の『た』で始まる人、まずはタヴナー（1944～）奇蹟のヴェール「表題はチェロと管弦楽のための作品、ソプラノ、テープと管弦楽のための『イン・アリウム』とのセット。チェロはあのクリーゲルってだけでワクワクするね」「ファンは多いでしょう」「ヴァイオリンじゃないのって高い音から入り、長く伸びる。ここに高い音のオーケストラがソミソミソミソミと重なるが、これは不協和音、途端に初めてチェロが広い音域で分散和音を奏でる。ここから不安定な音の動きになり、四半音が混ざったり、不安を感じさせるものになる。長く伸びる音と、オーケストラの音階練習みたいな型が主題となっているな。例えば第２の部分では音階が下上下上と変わる。長く伸びる音が旋律のように細かい動きになっても、伴奏に同じ音の動きがある」「作曲家はまだ生きているんですかねえ……現代音楽ですね」「形式のしっかりしたものは聞いていて納得できる。曲は二つとも幻想的。ソプラノはアイリーン・ハルス……はい、『た』で始まる作曲家は以上でございます」「あらら」「いちいちずっこけるな……ギャグが安っぽいぞ。吉本じゃないんだから」「たった一人ですか」「タルティーニとかタレルガとか……みんな1枚になっていない。だから長々と曲の説明をしたのじゃ」「ううん……しょうがないか……じゃあ、『ち』もやっちゃいましょう」「え……じゃあ……チャイコフスキーだから相当あるんじゃないかな……」エレクトリック・キャノン：ﾕｰｼﾞﾝ･ｵｰﾏﾝﾃﾞｨ「1812年を収録」「エレクトリック・キャノンて、何ですか」「大砲の音を機械的に作ったもの。Ｂ面はベートーヴェンの『戦争交響曲』じゃが、やっぱり大砲をドカンドカンと鳴らす」「変な企画ですねえ」「まあ、２曲ともちっとも面白くない曲なのじゃから……この試みは成功と言えるじゃろう」「次行きましょう」後期交響曲全集：ﾍﾙﾍﾞﾙﾄ･ﾌｫﾝ･ｶﾗﾔﾝ「レコード２枚組で、交響曲の４から６を収録。４番が人気になったが、５番の素晴らしさを認識したﾚｺｰﾄﾞじゃ」「いい演奏ってことですね」白鳥の湖：ｴﾙﾈｽﾄ･ｱﾝｾﾙﾒ「レコード２枚組の全曲集。やはりバレエ音楽といえばこの人はね」「そういう人なんですか」「ストラヴィンスキーのバレエをほとんど全部初演した指揮者で、複雑怪奇な曲でもクラシックのようにすんなりと演奏している。素晴らしい指揮者の一人じゃろうな。全曲と書かれているが、一部カット。同じ曲が後でまた演奏されるとか、そういうのはカットされている」「でもいい演奏だということで」「以上がレコード。後は全集などに加わっているのがあるが、そちらに分類したので……紹介しない者が10枚はあるな」「じゃあＣＤに行きましょう」四季：ﾚﾌ･ｵﾎﾞｰﾘﾝ「これはガソリンスタンドか何かでいただいた１９９５年のカレンダー付きＣＤ」「当時はお店で随分ＣＤをもらいましたねえ」「そんなものだと思っても、ちゃんと１２曲入っていて演奏もいい。こういうのをいただくと、ちょっとうれしいね」「はい」弦楽セレナーデ・ロメオとジュリエット：ﾍﾙﾍﾞﾙﾄ･ﾌｫﾝ･ｶﾗﾔﾝ「定番の一枚。チャイコフスキーらしい迫力と旋律の美しさはいいね」弦楽セレナーデ：ﾕｰﾘ･ｼﾓﾉﾌ「グリーグの『ホルベルグ組曲』、モーツァルトの『アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク』を収録。グリーグが欲しかった」眠りの森の美女・ロミオとジュリエット：ｼｰｹﾞﾙ「三大バレエの一つがほしいので」交響曲第５番：ｽﾄｺﾌｽｷｰ「一緒に収録されたムソルグスキーの『展覧会の絵』がほしかった。ストコフスキーによるオーケストレーション。一般にはラヴェルの編曲が演奏されているのじゃが、フランス風の色彩的編曲で、原作のロシア風世界とは違っている。他に４０人ほどの編曲があるが、あまりＣＤ化されていないなあ……チャイコフスキーのが面白いので欲しいのじゃが……まだ発売されない」

  2012.03.04

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• 南京大虐殺は無かった？

  「メディアの報道のレベルが低下しているのはご存知の通り」「え……そうですかあ」「Ａ新聞は一時大学入試の出題１位になったこともある。これは天声人語に名文があったから……その記者がいなくなったらレベル低下し、死刑を執行した大臣を『死神』呼ばわりして、レベルの低さを露呈した」「ふうん」「その大臣が頼りないから、今はそういうことを指摘したので、先見の明があったのだとアピールしているが……」「どうでしょうか」「Ｙ新聞はその後、やはり記者の書いた文章が素晴らしくて、大学入試でも取って変わった。これも同じ……今は原発の再開を推進している。理由は電力不足のみ。今起こっている事故は二度と起こらない……と言いたいのか、全く触れないし、廃棄物が300年も放射能が消えないことについても論議しない……わしはそれ以上に地元への補償だとか何だとか、値段の上でも全く安くはないと証明しているのじゃが、それも一切触れないね」「まあ、愚痴になるからよしましょう」「Ｍ新聞はスポーツ紙。Ｙがそうだと思っていたのじゃが、Ｍは話題になるのは駄洒落的タイトルばかり……まさにスポーツ紙の乗りじゃな」「しょうがないね」「さて、名古屋市長が、南京大虐殺はなかったということを言って問題になっている」「あれ……それとこれとどういう関連が……」「テレビなどでは面白い部分だけを取り上げる……あの、週休２日制だって……文科省では休みなんて言っていなかった」「え……そうだったんですか」「土曜日を自由登校にして……つまり学校をやってもいいのじゃ。一方学校に来ないで、地元の産業体験や、見学など、自由な学習に利用使用というのじゃ」「あれ……」「それをテレビがこぞって土曜日が休みだと言って、親も子供も休みだ休みだってんで……親が休めない家はどうするんだ、とか、休みだから遊びに行くとか……勝手な親が色々言って……結局土曜日はお休みになった……本当に文科省の言う自由な学習に有効利用できたのじゃろうか」「ほとんどしていないですね」「もう一つ、円周率を３で計算するというのに、各テレビ局が飛びついた。３．１４と３をイコールで考えると、円周と内接する六角形の周囲の長さが同じになってしまう……こんなバカなことがありますか……って、偉そうに……各キャスターがバカなのを露呈していた」「違うんですか」「３．１４では筆算しか出来ない。３なら暗算で簡単に出来る。まずその計算で大雑把に概要をつかむということで、どこにも円周率を３にするなんて書かれていない」「あれ……」「メディアはそういうもの……本当に根本的なことになると視聴者はバカだから分からない」「あ、また顰蹙を買いますよ」「え……ああ、視聴者は素人だから分からない」「誤魔化しているなあ」「だから面白い部分だけを取り上げて全体であるように伝える……それで批判するのじゃから極めて危険……原発の初期報道で全く同じことがあったじゃろう」「ありましたねえ」「放射能がもれているが、微量で心配ないって……日常受けている量と同じくらいだから大丈夫という説明をしたキャスターもいるが、同じ量って、日常受けている量はすでに浴びているのじゃろう……それが倍になったのじゃ……まずその嘘」「国が発表したままバックアップしたんですね」「そう。国だって東電が発表したものをそのまま鵜呑みにしたのじゃ……今回出た民間の報告書では、東電が逃げたのを、最後まで責任を取れと首相が命じたところまでは評価した。しかし、その後、任せないでやたらに口を出して混乱させたと評価した」「東電ではなく政府の責任ですか」「東電の責任については述べていないな……膨大な資料で、これもテレビではほんの一部、政府の責任だという面白い部分しか伝えていない」「我々がよく調べなければいけませんね」「ということで、本日はこれぎり」「あれ、タイトルは」「え……ああ、そうか。忘れちゃった」「しょうがないね」「名古屋市長が言った言葉じゃ。これも無かったことを中国と話してこじれ、相撲やＮＫＢのイベントが次々中止になった」「大家さんはＮＫＢって知ってますか」「え……なんか、かなり、バカ……」「また顰蹙だ」「これも大虐殺はなかったことを認めさせるということばかりが流れている。しかし、一度に30万人を殺したということには疑問視する面もある。名古屋市長が言ったのはこの部分。きちんと話しましょうと言うのじゃ」「記事では無かったと言っていますね」「無かったというのは乱暴。国際関係を考えない、問題発言じゃ」「それが一人歩きしているのもメディアの問題ですか……じゃあ、名古屋市長は問題ない」「いや、そうだとすると、それがちゃんと伝えられないような名古屋市長は話をする能力がないということで……」「おいおい……」「まあ、本当に、本日はこれぎり」

  2012.03.03

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  ヴィーヴ！ サクソフォーン・クヮルテット演奏会

  「さて、演奏会のご報告も第二部」「今度は……何です」「ヴィーヴ！ サクソフォーン・クヮルテット」「今度はサックスの四重奏ですか」「リハーサルだが、楽しくやっているのが面白い。一般公開のリハで、子供がうろうろしていると、突然曲がディズニーの『小さな世界』になっちゃったり……」「おかしな雰囲気ですね」「楽しい雰囲気って言っておくれ……おかしくなるのは本番じゃから……」「え……」「時間になって若いスタッフが簡単な紹介をして……見たが、まだ来ない」「あれ」「で、ＣＤの紹介とか、何だとか……３分になると、『もう後が持ちません』」「ギブアップですか」「しょうがないから『がんばれ』って声を掛けてやった」「外では東京マラソンの日でした」「店で売っていますと言ったのだから、何時まで開店しておりますので、コンサートの後でぜひお買い物もお楽しみ下さい……とか、皆さん、サックス演奏している人って聞くとか……何とかなるだろうって」「そうですねえ」「後で、アドバイスしておいた」「大家さん図々しいから……」「こうして無事演奏開始。まず３人で高橋宏樹の『アミューズメント・パーク』組曲」「またまた不思議なタイトルですねえ」「『メイン・ストリート』、『ホーンテッド・ハウス』、『メリーゴーランド』、『ローラーコースター』の４曲」「何です、それ」「でも何となく分かるじゃろう。１曲目でわくわく、２曲目で恐怖を感じ、３曲目でリラックス、『美しき天然』のような時代遅れのワルツが似合う、そして最後に緊張と歓声……」「音楽的にも何だか分かる……かなあ……」「そこで、最後の一人荻島さんが登場。３人が『僕らが前座みたいだ』って言うから、仕方がない……登場に『待ってました』って声を掛けた」「あら……本当に寄席の乗りになってきたね」「まあ、でも楽しい雰囲気にはなったぞ。戸田顕『グリーンスリーヴス・ファンタジー』お馴染みのメロディを元にした変奏曲。ジャズになって、ラヴェルのボレロになって……これも大変に面白いのじゃが、その２つだけ……ってのが何だかメインディッシュのないフルコースのような感じで……」「もう少し聞きたいってことですね」「菊池幸夫の『サクソフォンズ・スタディーズ』。これは題名の通り練習曲なのじゃが、４人で演奏することを目的とし、和声とテクニックの練習になる。コンクールなどでは１人だけが上手でも金賞を取るが、これは全員が上手くないとね」「アンサンブルが美しいということですか」「続いて岩田学『ｈｅｒｅ』……これは昨年初演されて、譜面も売り出されているが、まだＣＤに収録されていない。作曲された人も客席に見えていた」「はい、拍手」「次が最後の曲になりましたってんで……ここまでの乗りで仕方ない、『ええーっ』」「しょうがないオッサンだね」「それで終曲。『ありがとうございました』ってこっちを見たから、しょうがない、『アンコール』」「ノリノリですね」「ノリノリだったのはその後」「え、まだあるの」「取り合えずアンコールの『カフェ・サンジェルマン』」「ＣＤの宣伝があったじゃろう。当然サインさせていると、『後、何かある』って言うじゃないか」「何があるんです」「『じゃあ、記念撮影でも』って言ったら、そうしようってことになって……」「ええッ……まさか、大家さん……」「何人かにサインをしていたが、その後わしと記念撮影」「本当に図々しいねえ」「そしたら、楽器持って取った方がいいだろうって言い出して、わしは止めたぞ……」「遠慮深い……ふりだけですね」「ということで、無事記念撮影」「舞台にまで上がって、本当に図々しい」「そしたら、主催のお店の人も撮影しておくってんで……残っていたファンの女子高生たちも撮影していたな」「熱心なファンもいますから」「でも、舞台に上がったのはわし一人……」「だから、みんなまともな神経を持っているんですって……」「とりあえずこの日の予定は全てこなしました」「はい、ご報告はこれにて読み終わりと致します。

  2012.03.02

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  ユーファニアム・テューバ・カンパニー・クヮルテット演奏会

  「さて、演奏会、本日の最初はＥＴＣＱの四人組」「エトセトラＱって何です」「変な読み方をするな。これはユーフォニアム・テューバ・カンパニー・クヮルテットの頭文字。４人の女性によるアンサンブルじゃ」「女性が大きな楽器というのは珍しいですねえ」「アンサンブルの美しさが何より。女性らしい繊細さもあっていいね……低音楽器だけに力強さもあるのが面白い」「ほめますねえ」「編成が珍しいから、彼女たちのために作られた曲が多くなるな。まずは高橋宏樹『乙女たちの３つの踊り』、リハの時は最後の曲に手拍子を打ったのじゃが、本番はちょっとそういう雰囲気では……」「大家さんがやると宴会になっちゃいますから」「続いてスコット・ジョプリンの、お馴染み『イージー・ライナーズ』」「編成が変わると面白い」「最後に八木澤教司の『ラーメン・ヌードルズ』」「何です、そりゃ」「第１楽章『やっぱり塩、煮卵トッピング』なのじゃが、わしは塩はちょっと物足りないなあ……」「え、そういう問題」「第２楽章『ネギたっぷりの味噌』」「どんな曲です」「もちろんミソミソミソミソ……が印象的」「変なの」「第３楽章『こってり豚骨チャーシュー』まあ、いい味」「何の感想だか」「そして第４楽章は『たまには醤油、ライス付』ということで、わしはまずは醤油派じゃから……」「視点が違うって……」「お湯の中で踊るラーメン、お湯切りって訳でいただきますって……」「そんなのも描かれるんですか」「わしの学生時代にバンドで作った『愛しのラーメン』を思い出すね」「知りませんよ」「レコードにしてヒットした……売り上げ30万枚」「えっ、そんなに」「割る1万」「30枚かよ」「とまあ、そんな訳で……」「どういう訳」「愛しのラーメンの歌詞を紹介して本日はこれぎり」「変なの」　１：じっと見つめていると　目が回りそうな　　　なるとのうずまきが　　こわくて　　　いつもまっさきに　　　食べたものでした　　　　　※　ラーメン　ラーメン　ララララ　ラーメン　　　　　　 ラーメン　ラーメン　ラーメン　　　　　　 今も心に残る　ラーメン　ラーメン　ラーメン　２：向こうが透けて見えると　確かめているうちに　　　落としてしまった　　　　焼き豚　　　別れのつらさに　　　　　涙したものでした　　　　　※　（繰り返し）　　　　　ラーラララ　ラーラララ　ラーラララ　ラーメン　　　　　ラーメン　ラーメン　ラーメン　　　　（この部分『グローリア』から『アーメン』に至るバロック調のフーガ）　　台詞　「皆様、本日はご来店ありがとうございます。　　　　ここで一つ、お知らせがございます。　　　　もう一番歌詞を作らないとまとまらなくなってしました。　　　　でも、それを待っているとラーメンがのびてしまいます。　　　　どうかご容赦下さい。またのご来店をお待ちしております」　　　　　　※　（繰り返し）　　　　　　（ドリア調で）ラーメーン　

  2012.03.01

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  銀座のお散歩：その２「東京マラソン」

  「ええ、昨日は失礼を致しました」「画像を入れられないで、朝出勤したため、夕方になってからの完成となりましたね」「こうして無事に動いております……ということで、本日はこれぎり」「また、大家さん、これだけはないでしょう」「あれ……そうか、では昨日の東京マラソン」「はい」「ええ、銀座駅から出た三越の前がJR方面、西から来て北へ曲がり、浅草から戻って来て、またここで今度はさっきの逆の東方向へまた去ってゆくという」「はい」「これが２２．５キロ地点」「大勢が走っていますね」「そうじゃな。向こう側は３３キロくらいになるかな……９時過ぎにスタートして、後ろの人はスタートまで１時間くらい掛かるらしいからまだ２時間しか走っていない」「で、２２．５キロですか」「わしは普通に歩いて１キロを１１分半。つまり今ここを走っている人は、わしの歩く速度の倍くらいで走っていることになるかな」「はい」「午後３時頃に休憩で表に出たら、まだわーわーやっていた……スタートから６時間」「まだ沢山いるんですかねえ」「スタートのロスタイムがないとしたら、３３キロをわしが歩いても６時間半じゃからほぼ互角のペースかな」「まあ、楽しんで参加しているということですね」「写真は宴の後の通り。同じ場所」「後片づけも大変です」「しかし、こうして一日交通をマヒさせて……今度はオリンピックを呼びたいって言っていたが、今の時代に経済効果はどうかな……1964年は確かに手応えもあったし、車の量を考えても交通をストップさせても良かったのじゃが……」「混乱はしそうですね」「それで経済効果があるかどうか……」「難しい判断です」「それを具体的に示してくれないと、賛成できないというのが、今のわしの立場じゃ」「はい、どうでもいいね」「そんな訳で、間の演奏会についてはまた次回」

  2012.02.29

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  銀座のお散歩：その１「美術館めぐり」

  「さて、26日の日曜日のことでございます」「東京へ行かなければならない日でした」「折角状況するなら、イベントをハシゴするという……」「大家さんお馴染みのパターンではあるんですが……」「絵を見るのも悪くはない。朝の歌舞伎関連イベントから夜の演奏会まで、時間の決まったイベントの間があったので、銀座周辺の画廊や展覧会を１７ヶ所回ったのが自己記録」「すごいですねえ」「ただ、絵については表現が出来ない」「出来るなら評論家になっているってんでしょ」「そんな訳で、銀座辺りで絵を見る場所は３０ヶ所以上回っている」「それでこの日は」「東京駅からスタート、まずはO.ギャラリー」「何をやってますか」「まずは久野隆二展。ううん、このような筋肉を描いたのか何なのか……個性的で面白いとは思うが、家に飾りたくはないなあ」「はい、そういうことで」「こちらは坂井淳二展。この絵では分かりにくいが、市松模様のような作品が多かった」「図で言うと紅白を交互に塗った碁盤の目のようなものですね」「それだけなら別に面白くもないのじゃが、木目を思わせるような塗り方がほっとさせる物を持っているなあ」「はい」「さて、間のいくつかのギャラリーも知っているが、今日はちょっと遅れたので……遅れた理由はご存知の通り……」「東京マラソンですねえ」「ということで、途中をカットしてポーラ化粧品のポーラ・ミュージアム・アネックス」「化粧品の会社じゃが、この上が美術館になっているのじゃ」「女性の写真が出ていますが」「これがフランスのカメラマン、ジェーン・バーキン」「彼女の写真展ですね」「そう……だが、そうではない」「何です」「カメラマンの彼女の作品は20世紀の軌跡とか、様々な展覧会でも紹介されたので省略。今回の写真展は、彼女の作品ではなく、彼女を被写体として追った日本人、梶野彰一による写真展なのじゃ」「あら……写真家を撮影した写真の展覧会」「そういうこと。舞台に立つ姿が印象的。ドラマを感じさせるなあ」「ということですね」「さて、このミュージアムの前は東京マラソンのコース。２５キロくらいかな……１１時じゃから、もうスタートから２時間」「じゃあ、そろそろおしまいですね」「しかしなあ……３時頃に休憩で出たら、これから車が通るところだった」「あら……６時間ですか……歩いているペースですね」「道路の向こうに行きたいが、マラソンのために閉鎖」「横断歩道も使えないんですね」「迷惑じゃなあ……車を使う仕事などには支障が出るね」「でも、日曜日ですから……」「これだけ大変なのじゃから、オリンピックなどやったら……」「もっと大変でしょうが……経済の刺激になるでしょう」「前の東京オリンピックはそうだったなあ……見に来た人をどう処理するか、『頭の体操』でお馴染みの多湖輝先生などが苦心されたが、確かに経済的効果があった……しかし、今の時代にどうなるのじゃろう……それが石原のオッサンからは効果があるというだけで説明がなされない」「ううん、確かにね」「そういうことで地下道をくぐって向こうに渡った」「突然報告に戻らないで下さい」「で、階段はちょっと先にあって、目の前にエレベーターがあったから、使おうかと思ったら……」「どうしました」「わしの出た大学院の卒業制作展が行われているじゃないか」「あら……偶然ですねえ」「マラソンをやってなかったら素通りして、気付かなかったのじゃから……運命じゃなあ」「そういうこともありますね」「わしの頃は文学部に所属しつつの活動じゃったが、10数年前に芸術学部として独立した」「ほう」「それで、図のような作品が……」「真ん中は一休さんですか」「これはハンコ彫りの作品。わしも月に何本か彫ったものじゃ」「はい、訳の分からない物ばかりだったとか」「花押を彫ったのは学部でもわし一人じゃった……バカをしているなって言ってくれた先生を思い出すなあ」「今回見えていましたか」「……とんでもない。わしが学生時代に憧れてついた先生は、みんな停年になるかどうかの先生じゃないか。今生きていたら、百歳になる」「あ……ちょっとこういう席にホイホイと来ているとは思えませんね」「そういうことで、今日はとりあえず美術のお話」

  2012.02.28

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• 掌

  「さて、昨日の続きで、桂三枝の演芸図鑑は二週にわたって文楽の人形使いがゲストじゃった」「はい」「人形の動きの素晴らしさ、男らしさ、女らしさをどう表現するか、他の芸術の参考にもなるじゃろう」「そうですねえ」「それから、手のタコ……固く腫れ上がっている。一般の人からは『お好きですねえ』と、ゴルフと勘違いされるというが、どう見てもそんなレベルではない。何十年にわたって何十キロもの重さの人形を支えた跡だ」「すごいですねえ」「ハープの内田奈織ちゃんが……」「あれ……突然ですね」「いや、彼女は手も細くて指も……女性らいし細い美しいものなのじゃ」「はい、それでハープを弾いているのはいかにも優雅ですよねえ」「一見優雅に見えるが、足では半音階を蹴って上げ下げ……そんなに楽なものじゃない」「はい」「そして、握手をするとその手の硬さに驚くのじゃ」「へえ」「特に指先は……それがプロの手なのじゃ。作家がペンだこを作ったというが、今はもうワープロじゃろうが、どんな職業でも、何かプロとしての実績が残るのじゃろうなあ」「ううん……人形使いも、ハープ奏者も、手が物語っているのですか」「それでいて舞台では優雅に……真のプロじゃな」「そうですね」「プロ野球のオープン戦が始まっているが……」「プロつながりですか」「プロも大変な練習を乗り越えて、素晴らしいプレーを見せる。だから怠慢プレーにブーイングを起こす……巨○んのオーナーが『高校野球を見習おう』と掛け声を上げたが、それこそプロとアマの違いが分からない、バカとしか言いようがないな」「本当ですねえ」「練習でぐったりした姿をファンに見せないというプロが多かった。それで高級外車を乗り回すように、豊かな生活をして見せる。しかし、本当に年俸などを計算したら、後々のことを考えていない消費なのじゃ……でも、それがプロとして見せるものなのじゃ」「へえ」「内海桂子さん、相方が亡くなり一人でやっていたが、昨年は万歳復帰……」「話がどんどん変わるね」「お正月、初席で、彼女は毎年新しい着物を用意した。ファンの人が、『去年と同じ着物』などと思わないように……婆さんであっても華やかに正月を演出するためじゃ」「すごい考えですねえ」「それで、年間収入のほとんどが無くなるというが、これもプロの意識」「ねえ、何年かに一度着ればいいのに……」「それでは着物の保存がねえ……まあ、そういうことで、プロの掌（たなごころ）から、プロの姿勢を考えたというお話でございます」

  2012.02.27

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• テレビを見ていて

  「見るに耐えないＮＨＫだが……」「そうですね」「５時からのニュースはＮＨＫのＣＭだし、その後は自局の番組の検証。これも委員が色々意見を言っているらしいが、まとめたものだから何を言っているのか……」「全部聞いてられませんからねえ」「それはそうじゃが、まとまった内容が意味がない」「そうですか」「海外向け番組で、日本のことが十分に伝わらないとか……それは意見としていいが、必ず番組を褒める意見を加えている」「へえ」「それがずれているのじゃ。例えば、今朝のは、日本人がちゃんと英語で話したのがいいって……」「え……それ、何ですか」「そうじゃろう……日本は英語はダメという意味かな……今の日本人は高校まで行くのが当然。まあ中学まで３年間習えば旅行などの会話には困らない。高校まで６年学習したら、英語は話せて当然……更に大学まで英語をやるのじゃから」「でも、現実には……」「そうじゃな。わしの中学時代の英語の先生で、今考えると英語の発音が滅茶苦茶って人もいたから……わしの年代はダメな人もいる。わしの学生時代は、海外に出るには予防接種を受けて証明書をもらい、アメリカでは４つでよかったかな……アジアは７つ８つ……それで申請して許可をもらわないと海外旅行の認可が下りなかった」「大変でしたねえ」「だから、お前らは海外に行くことはないってんで、話せなくてもいいというスタンス。ヒヤリングは入試であるから、聞くことは出来た」「でも話せなかった」「そうじゃな。向こうが何を言っているかは分かるが返事が出来ないというのがわしらの世代。その後英語の教育が変わって、海外旅行が気軽に出来るようになったから、40代の人はちゃんとした教育を受けたはず。40歳までで英語がダメなら、要するに勉強をサボっていたということになる」「まあ、そういう理論はあってもねえ……」「南沙織のレコードが出てきたが、彼女は同じ年の生まれで、歌を聞いていて等身大のアイドルという印象がある」「ありのままの自分ですか」「歌謡曲はそういうもの。クラシックはまず誰が作ったのか。それから演奏家がどう解釈をするか。歌謡曲はまず誰が歌うのか……その違いがありありと現れるのじゃ」「ふうん」「山口百恵の最後の曲がＣＭで流れているなあ」「え……今度は山口百恵ですか」「彼女は南沙織と同じ７年間の活動だったが、映画にも多く出ていた」「そうでしたねえ」「『あなたに女の子の一番大切な物をあげるわ』なんて歌っていたのじゃが……」「メロディが泳げたいやき君になっているけど……」「これが15歳……彼女は最後まで何か作り物めいていてのめり込めなかった」「なるほど……初期にそのスタイルが出来ちゃったということですか」「最後の曲も如何にも作り物という感じで……わざとらしいドラマチックさを感じさせた」「ひねくれ者の大家さんだからかな……」「一方、南沙織の最後のシングル盤って……ほとんどの人が知らない」「え……どうしてです」「英語で歌ったからじゃ……日本人はバカだから英語は分からないってんで、テレビは全くというほど聞けなかった。仕方なく日本語盤が出たが、引退後」「へえ」「それでテレビに出ていたのは、メッセージ性に欠ける曲だった」「そういうこともありますか」「それで、ＮＨＫには珍しく、桂三枝の演芸図鑑の感動を記録しておこうとおもったら……」「どうしました」「もうこんな時間」「あれ……」「出勤しないといけないので、またいずれ」「適当ですね」

  2012.02.26

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• 朝から見たくない

  「朝は情報番組を見たい……ＮＨＫはまあ普通のニュースだが、日曜になると、今日の日曜討論はって、自局の番組がトップニュースになったりする。どうも偏りがひどいのは、二つの意見があるはずなのに、片方しか伝えない。公平な報道とは思えない」「大家さんが言ってもねえ……このブログでもすごい偏りがあるし……」「ニュースの後の情報番組がひどい……主題歌が聴いていてイライラする」「主題歌はどうでも」「でもそうじゃよ……今は５チャンネルのやじうまをみることが多いが、これも６時からの主題歌はひどい……歌詞と曲がちぐはぐ……」「文句ばっかり」「かといって、４チャンネルのひどいキャラ軍は見てられないし、みのもんたの眠気を誘う顔を朝からみるのもねえ……」「本当に愚痴がおおいねえ」「今朝は土曜日でいつもと違うから、４チャンネルを見ているが……」「がって……」「他の局は通販ばっかりだから。しかし、この４チャンネルも天気予報でドラムを叩くバカで出てきていらつく」「いいじゃないですか。朝から元気になるという人もいますよ」「そういう人もいるが、嫌だという人もいるのじゃ……嫌だという人がいるなら、やめるべき……要するに、多数決ではないのじゃ。この辺りをテレビ局は勘違いをしている。一通でもいいお便りが来ると、これが正しいのだって押し通す。だからとんでもないアナウンサーが増長して……って例はいくらもあるぞ」「ううん……」「ということで、またしても愚痴になっちゃいましたあ」「しょうがないね」

  2012.02.25

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• 音源発見：テープの巻

  「レコードやＣＤを片付けていましたね」「テープが出てきたが、再生機がない」「あれ、持ってないんですか」「ウォークマンが懸賞で５台当たったが、使い道がないからみんな人に上げちゃって……」「ううん、どうしましょう」「職場の機械を借りてダビングだけはしようか」「で、どんなのが出ました」「文豪達が、自作の朗読や、ラジオでのインタビューを撮ったもの」「へえ、どんな人が出ました」「会津八一、石垣りん、伊藤聖、井伏鱒二、尾崎士郎、大佛次郎、折口信夫、川端康成、北原白秋、金田一京助、草野心平、久保田万太郎、黒田三郎、久米正雄、倉橋由美子、西條八十、斎藤茂吉、坂口安吾、サトウハチロー、佐藤春夫、志賀直哉、獅子文六、高浜虚子、高見順、高村光太郎、谷崎潤一郎、坪内逍遙、永井荷風、萩原朔太郎、長谷川伸、林芙美子、広津和郎、堀口大學、正宗白鳥、三浦哲郎、三島由紀夫、武者小路実篤、室生犀星、山本有三、与謝野晶子、吉川英治、吉屋信子……ああ疲れた」「息継ぎをしないから」「ということで、もう出掛けます」「行ってらっしゃい」

  2012.02.24

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• ドラマはビデオで……

  「昨日は早く帰ったが、列車がかなり遅れていた」「何かあったんでしょうか」「二日連続じゃな」「ねえ」「わしの家内は、震災の後、実家に様子を見に行ったら大きな余震で、いつもより１時間半多く掛かった」「あらら」「先日も事故の影響で常よりも１時間の遅れ」「大変だったんですねえ」「普段の行いが悪いのじゃなあ」「あれ……昨日の大家さんは」「時刻表よりも30分も前の列車がすぐ発車したので、待ち時間なし」「まあ、そういうこともあるんですねえ」「ところが、今度は駅から自宅までのバスが……」「また遅れですか」「ちょうど真ん中あたりで衝突事故が起こったらしい。いつもの３倍かかった……これなら歩いても同じ時間だったなあ」「で、結果どうなったんです」「列車は余裕を持って駅に着くようにしたが、バスの乗り継ぎはおかしいダイヤになっている」「おかしいって」「列車がついて１分後か同じ時刻に発車するのじゃ。だからエスカレーターの前のドアを占領し、駆け上がり、改札を出て、今度はエスカレーターを駆け下りても間に合うかどうか……バスがちょうど時刻で出たらダメ。発車時刻の分の後50秒くらい付くのなら間に合う」「それは無茶ですね」「そもそもエスカレーターは駆け上がったりしないのが常識。歩くのでも礼儀には失する。わしの子供時代は急ぐ時は『済みません』と声を掛けて追い抜いた。黙って抜くのはガキだけだった」「へえ」「今は片側に寄って追い越し車線じゃない、歩線を作る……これは上方の風習で、東京にはなかった」「へえ」「そもそも２人分を作っているのは、危ないから子供や年寄りの手をつないで乗るためって絵にも描かれている。それなのに、なぜか今は子供も自分の前にやって……この状態なら１人分の幅でいいじゃないか」「まあ、そう言われればねえ」「まあ、田舎に行くほどそうで、東京に遊びに行くと、追い越す人はいない……って、東京都内でも、この様子で田舎かどうか分かるね」「変な判断しているね」「それで、土浦に行くと、一人しか幅がないのに、追い越そうとする大人がいるのじゃから」「ええっ……それは来ている列車に乗りたいからじゃないですか」「それなら階段を駆け下りればいいし……そうでない時刻でもいるぞ」「田舎ですねえ」「まあ、そういうことで、バスを待って乗るという計算だと、結局いつもと同じくらいの時間で帰宅したという……」「何だ」「ということで、本日はこれぎり」「あらまた……大家さん、ドラマの話が……」「あれ……そうか、話をそらさないでよ」「誰がそらしているんです」「それで早く帰ったのに、テレビがろくな番組をやっていない」「で、ビデオになったんですか」「わしが今年撮ったのは演芸が２つだけ。まあ、それで家内の撮ったドラマを見たが……」「がって……どうしました」「２月８日……頃の『相棒』。引きこもりが連続傷害犯を目撃……周辺の人の証言でおかしいことを言っているのが２人。片方は妊婦だから事件を起こすのは無理。だからこの人が犯人と分かるが……例によって、するどく矛盾を付く右京さんが、肝心の事件の真相になる、誰でも気付く矛盾を見落としておる。後から『私としたことが……』ってことになるのかな。２０分余りで止める。続いてその次に撮ってあった『法医学……（なんたら）』これもご都合主義のドラマ。設定が全部事件に関わるように出来ていて……だから犯人がこれだという状況が全部見えているのに……わざとらしく犯人を追う人はその条件とすれ違う。多分刑事がめまいをしているから、犯人と遭遇しても見えなくなっちゃうとか、更にわざとらしい展開をするのだなって見え見え……もう犯人も分かったし……いいかってんで３０分余りでおしまい。寝た」「あれれ……それだけですか」「ドラマとして人物の行動や筋書きの面白さもなかったということじゃろうな……見る価値がないと判断したのじゃ」「でも、それが罠で、真犯人が別人だったら……」「それだけの物を作れるスタッフだったら感動するかな……でも、『相棒』でも、『法医学』のおばさんが主演するシリーズでも、意外な犯人だったという経験は一度もない」「あら……」「まあ、そんなことでした」

  2012.02.23

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• わしの持っているＣＤ・レコード：す

  「さて、作曲家の名前順に、『す』の巻じゃ」「参りましょう」スーザ：バレエ「星条旗」：ルイス「これは行進曲でお馴染みのスーザのメロディを転用したバレエ組曲。おまけとして『キング・コットン』『エル・カピタン』『忠誠』というお馴染みの行進曲も収録」「面白い企画ですね」「しかし、元がほとんど行進曲だからねえ」「変化に乏しいんですか」ステンハルマン：交響曲第２番・天の高みに昇らん：ｽﾝﾄﾞｸｳﾞｨｽﾄ「こちらは現代の作曲家じゃが、聞きやすい作品といえるかな」スメタナ：わが祖国・売られた花嫁・弦楽四重奏曲：ｿﾞﾙﾀｲ「ＣＤ２枚組。１枚目がわが祖国６曲。なぜか１番と２番が逆順で収録されている。２番が有名な『モルダウ』だからということじゃろうか」「さあねえ」「２枚目は世界一人気の歌劇からオーケストラ曲を収録。弦楽四重奏曲は珍しいね」「いいですね」「わが祖国だけを収録したもう１枚あったはずじゃが見つからない。誰かに貸してそのままかも知れない」「じゃあ次行こう」「いやあ……『す』は以上なのじゃ」「あら」「スッペは１人で一枚のＣＤなどになっていない。スクリャービン、ストラヴィンスキーはもちろん自作自演に収録」「ということで、本日はこれぎり」

  2012.02.22

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：シュニトケとショパン

  「さて、わしの持っているレコードやＣＤを整理しようって企画」「レコードは捨てるしかないようですね」「それで今回、シューマンの続きで、シュニトケなのじゃが……」「何か問題ありますか」「自作自演があったかなって……どうも記憶違いだったか……見つからない」「そうですか」「放送から録音していたデータが、震災で消えちゃったのかも知れない」「まあ、しょうがないね」チェロ作品集：クリーゲル「チェロはお馴染みのマリア・クリーゲル。ゲルハルト・マークソン指揮のザールブリュッケン放送交響楽団で協奏曲。バッカード・ゴッドホフのヴァイオリンとの共演で『きよしこの夜』、レイムンド・ハヴェニートのピアノでチェロ・ソナタ第１番。海外版」「マニアにしか分からないね」「現代的な音の響きと、古典風に感じるリズム、まあ聞いていて面白いことは間違いない」「では、ショパンに行きましょう」作品集（カマロフ・泊真美子）「カマロフはモスクワ音楽院の先生。だからサイン入り。これは演奏家の方で分類しておこう」「分類もいい加減」「それに泊真美子さん。こちらも演奏会でいただいた作品集にサインを入れさせたので……」「図々しい」「ＣＤはショパンと日本人作品。女性でありながらパワーがあり、女性らしい繊細さもある、素晴らしいショパンじゃ」「はいはい、またいずれ」変奏曲集（ハラシェヴィチ）「パガニ－ニの資料として、パガニーニに分類」「パガニーニの思い出って作品が入っています」前奏曲・即興曲（ハラシェヴィチ）「同じ演奏家だが、ＣＤにはハラシェウィッチと書かれているね」「どうでもいい話題」ピアノ・ソナタとその他の小品集（ポリーニ）「２枚組ＣＤで、他に１４曲。葬送行進曲が付いている第２番が有名じゃが、わしは昔から第３番のファンじゃった」「はいはい」ポロネーズ集（ルービンシュタイン）「何とまあ、あのルービンシュタインのピアノで」「はいはい」ワルツとプレリュード（ペルルミュテ）「順番通りではなく、独自の解釈で曲を並べ替えてあるのがちょっと異色」「はいはい」夜想曲全集（ルービンシュタイン）「これもルービンシュタインの名盤。ＣＤ２枚で全曲を収録」「はいはい」ロイヤル・フィル・コレクション（演奏者不明）「タイトルで、オーケストラ編曲版かと思ったら、ピアノじゃった。１３曲を収録しているが、演奏が誰なのか、わしの耳では分からない」「はいはい」作品集（オ－ラ）「全７曲」「ショパンは演奏がどうかって話がありませんね」「違いを聴くのは面白いのじゃが……例えば雨だれの前奏曲は、とんとんとん……とまさに雨粒がぽたぽた落ちるようなリズム感で３分ほどで演奏しているものと、ターン、ターン、ターンと７分も掛かるものが両極。標準は４分半から５分くらいかな」「じゃあ、みんなそれで演奏すればいいのに」「それが解釈というものじゃ。また、条件もある」「条件って……」「わしもフルート演奏して、昔は吹奏楽の指揮もやったが、雨が降っていると音が思いからちょっとゆっくり目に、若い人が多いと少し勢いを持って、天気や客層で演奏の仕方も変わる。レコード、ＣＤは一つの解釈を聴くのだから、色々あるのが面白いのじゃ」「そういうものですか」「そういうものですよ。さて、そんな訳で後はレコード。ソナタ２３番、前奏曲、ワルツ、練習曲、バラード……ヴァシャーリの演奏が千円ＣＤで連続発売されたのが多い。これはやはり、名曲集ではなく、それぞれの曲別に聴きたいから、そろえざるを得なかった」「ということで、『し』で始まる作曲家はこれでおしまい」

  2012.02.21

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• 速読の戒め

  「さて、読書のお話じゃ」「速読が誰でも出来るってことですが……」「普通に読むなら原稿用紙３枚を１分前後がわしのペースかな……」「早読みなら時間も無駄にならずにいいですねえ」「ところが……」「え、何かありますか」「書かれた物は芸術作品なのじゃ」「え……どういうことです」「音楽を聴くのに、演奏家によってテンポが違う。すごい例はショパンの『雨だれ』の前奏曲。わしの家ではターン、ターンと陰鬱な調子で演奏する５分余りも掛かるものが最長。一方タン、タン、タンと本当に雨だれのようにぽたぽたと落ちてくる速さで、半分の時間で演奏しているものもある。『ソステヌート』と書いてあるので、これはあまり急ぎ過ぎないようにということ。『アレグロ・ソステヌート』などと、他の速度記号と共に用いられることが多いのじゃ。『アレグロ・ソステヌート』なら、後の方が正しいが、何もついていないのじゃから、前者のテンポが本当かも知れない」「曖昧ですね」「音を十分に保ってという意味でも使うから、それならどちらでも……技量がなければゆっくり演奏せざるを得ない」「どうなんでしょう」「ゆっくりの方が陰鬱で、ショパンの鬱病らしさが出ていいということじゃろうか。さすがに５分は遅いが、４分程度が標準じゃな」「それが、どうしました」「長い曲になると、ゆったり聞いていられないのが現代じゃなあ……わしは日曜日などに何とか聞くようにしているが……」「クラシックは長いですからね」「ウォークマンが５，６台懸賞で当たって、使ってみたことがあるが、あれは鑑賞は出来ない。今もＭＰ３などのデータになったが、ｉＰｏｄはクラシックは全く駄目。またしてもウォークマンに戻ってしまった」「こちらならクラシックにはいい」「そうじゃな。まだ耐えられる。ｉＰｏｄは、ポップスや落語はまだいいが、クラシックは聞くに堪えない」「ふうん」「しかし、ウォークマンだって、音楽鑑賞するものじゃあない。そもそも通学通勤中のながら視聴など、精神分裂になる。回りの状況にを気を取られて、後で聞き直すとちょっとした面白さを聞き落としていたり、演奏家の工夫が見過ごされていたり、そういうことが多すぎる」「やはりいい音楽は、ああいう物で聞くのではないってことですね」「ちゃんと聞くのも疲れるしなあ。だから１時間から１時間半、軽い曲でも２時間で休憩にしないと……死ぬぞ」「死なないでしょう」「だから、時間がないからって、１時間の曲を早回しで４５分で聞いても、それは本当に聴いたことにはならない」「うん、それは分かります」「絵を見るのも同じじゃな」「え……」「そう、絵じゃ。ぱっと見ておしまいという物ではない。全体をとらえ、細部を見て、どうしたって１枚の絵に２、３分掛けないと見たことにはならないじゃろう」「まあ、そうですねえ」「ぱっと見て終わりでいいのなら、美術全集の写真でも眺めればいいので、本物を見に行く価値はないのじゃ」「なるほど」「音楽でも絵画でも時間を掛けることによって本物が分かる。さて、読書はそうではないのか……やはり、心にしみこませるペースがあるのじゃ。今、平将門を描いた『将門記』を読んでいるが、血湧き肉躍るいくさの場面は読むスピードが上がる。恋を描いたり、政治的討論では少し落とす。これは意識してそうしているのではなく、自然の流れとしてそうなっている」「そうなんですか」「自分でタイムを計れば分かる。わしは平均して１分で原稿用紙３枚程度じゃと言ったが、それがいいペースなのじゃな。速読で読み終えるのは、音楽、美術と並ぶ芸術作品ではないもの……そういう物を読んでいる人はそれでいい。速読をやってみたから、本当の読書の大切さを感じているのかも知れないから、体験するのもいいと思う」「はい、本日は速読の戒めでございました」

  2012.02.20

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• 速読法

  「さて、今年も本を読んでいる」「一昨年は120冊、昨年は震災で休みの時期もあったため80冊程度でした……今年は」「今10冊目。いいペースかな」「120冊ペースですかねえ」「まあ、春や夏の休暇でペースが上がるからね」「はい」「さて、わしは学生時代には１日一冊以上のペースで読んでいた」「多いですね」「学校の図書館で週に３冊、住んでいる市の図書館が駅前にあったから、こちらも毎週３冊、これは最低で、週に２回くらい寄って借りたこともある」「ｋろえで一週間に６冊ですね」「学校の図書館と合わせて９冊か……自分でも週に１冊は買うことにしていたからなあ……実際には２冊くらい買っていたから……」「よくそれだけの量を読めますね」「電車で片道１時間掛かったから。今は電車でなく、列車で往復１時間。これは貴重じゃな……歩いて職場に通っていた時代は読書量もとてつもなく少なかった」「はい」「さて、そんな中で、大学の教授らが勧めてくれた本も必ず読んだ」「自分の趣味以外ですか」「それに講義の課題で……最低でも毎週作文があって、読んだ物の感想にすると書きやすかったのじゃ」「要するに手抜きなのね」「それで、忙しい時は斜め読みをする」「どうするんです」「文庫本を１ページずつ斜めに眺めて全体をとらえる。それでちゃんとストーリーはつかめた。１ページ２、３秒」「いい加減だね」「でも、評価は毎回Ａをもらったぞ」「大丈夫かなあ」「そこからつかんだのが、速読法」「速読法を身に付けちゃったということですか」「シークワードというパズルがある」「え、突然何です」「一見デタラメに並んでいる文字から、指定された言葉を探すのじゃ。カタカナでの出題が多いが、まず、伸ばし棒『ー』の入った語を探す。それから半濁音、濁音、特徴のある文字を探すのじゃ」「すると見付けやすいですね」「雑誌などのパズルなら順番に探すのがいい。チェックなどしやすいしね。でも時間を競う時にはそういう見付けやすいものからというのが効果的」「なるほど」「全日本選手権でローマ、ビザンチンの皇帝の名前を当時の綴りで探せという問題が出たが、やはり特殊な文字、アルファベットの上に点々があったり、記号が付いていたり……そういう文字から探すといいのじゃ」「なるほど、順にやるより早くなりますね」「パズルを解くということについて……本日はこれぎり」「大家さん、話題が変わりましたよ」「え……」「速読法の話でしょう」「あ、そうか……話をそらすなよ」「誰がそらしているんですか」「ともかく本を読む方に戻ろう。本を一字一字読んでいると大変だが、今のパズルと同じ、画像として捕らえるのじゃ」「最初に言っていた斜め読みと同じですか」「斜め読みは読んでいない。ハイライトのように飛び飛びなのじゃ。今度は全部を捕らえる」「どういうことです」「本を読む場合は、パズルとは逆で、画数の多い漢字に特色が出る。夏目漱石で例を挙げると、『坊っちゃん』という文字では漢字の後に平仮名が続いている。『坊○ち○ん』という風に見えると、もう『坊っちゃん』として認識される。『三四郎』では画数の少ない二字の後に画数の多めな字が並んでいる」「ふうん」「だからちゃんと一字一字拾ってはいないのに、感覚としてつかんでしまっているのじゃ」「なるほど、これなら早いですね」「まあ、今の速読術というのも同じ論理かも知れないが、わしはさっきの斜め読みからこの方法を編み出した。文庫本見開きの２ページ、昔の本じゃから原稿用紙でちょうど３枚じゃ。これを早読みなら１０秒から２０秒で読んでしまう」「早いねえ」「だから１分で１０ページ、３００ページの本なら３０分。わしの今の通勤で列車を利用しているのが片道２３分から３０分。ほぼ一冊読み終わる」「なるほど」「大学時代は毎日１、２冊、年間４、５００冊読んでいた」「そうなりますね」「で、大学を出た時にやめた」「え……どうして」「その芸術論については、また次回」「ううん、無駄に伸ばしているな」

  2012.02.19

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• わしの持っているレコード：シングル盤とミニLP

  「ということで、前回のやり直し」「しょうがないね」有田美香：いとこ同士「実はみんな友人知人が応援しているので買ってくれよ……って手に入れたものなのじゃ。だから歌手とか曲……わしゃ歌番組を見ないから、売れたのかどうかも知らない」「いい加減でございます」岡晴夫：ＭＬ（前回紹介）小沢深雪：さすらいの歌「これはテレビの関係者からいただいた。『必殺』シリーズの主題歌じゃ」「へえ」春日とよ喜：春の夜の・夜ざくらや・桃の花・八重一重（ＭＬ）「小唄」「突然ここに加わるか」片平なぎさ：純愛「アイドルとしてデビューした曲」「ううん、見たくない」川村ゆうこ：風になりたい「曲は吉田拓郎が彼女に贈ったもの。Ｂ面は本人の作品」「はい」キャンディーズ：危ない土曜日／なみだの季節（前回紹介）コニー・フランシス：渚のデイト「映画のミュージカルで人気のミニボン」「何です、それ」「ファンしか知らないあだ名。彼女の大ヒット・ソングを、日本語で歌ったものじゃ」「気を遣っていますね」さだまさし：吸い殻の風景（前回紹介）沢田研二：憎みきれないろくでなし「サインが入っているから、曲が出てすぐだと思うのじゃが……記憶がない」「ぼけてきましたから」サラサーテ・鈴木清順：ツィゴイネルワイゼン（ＭＴ）「Ａ面は自作自演。Ｂ面は監督の映画からの台詞構成。藤田敏八、原田芳雄、大楠道代、大谷直子、真喜志きさ子らが出演」「変わった構成ですね」「自作自演で途中が切れている。恋に破れたサラサーテが、この悲しい旋律を演奏するのは耐えられないというので、その場で話をしてカットする」「へえ」「それを基にドラマにしたのじゃ」「ほう」「まあ、実はちゃんと話し声が聞こえるから……本当の理由は分かる」「そういうことで……」東海林太郎：泣き笑いの人生／むらさき小唄（ＭＬ）「『泣き笑い』はＳＰレコードの再録で上原敏との共演。『むらさき』は新録音版。杵屋定之丞らの三味線や尺八もあり、水谷良重も加わる」「懐メロでございます」太陽にほえろ「放送100回の記念レコード。４曲入っているのにシングル盤扱いなのは、45回転だから」「すごい」橘まゆみ：哀しみのベラドンナ「魔女狩りを描いた手塚アニメの主題歌。もちろんいただき物」「今までと全く違う作風で話題になった作品ですね」灰田勝彦：燦めく星座・東京の空の下・アルプスの牧場・鈴懸の道（ＭＬ）「懐メロ」「大家さんが中学生の頃に懐メロブームがありました」ハイ・ファ・セット：卒業写真（前回紹介）ザ・ピーナッツ：悲しき１６歳「これは叔父さんが持っていたものかな……実はもう少し年上だったが、１６歳という声で歌ったという……」「二人が売り出した作品ですね」ピーマン：恋のライバル３対１／部屋を出てください（前回紹介）ひのきしんじ：僕から（前回紹介）舟木一夫：絶唱「映画とテレビドラマの主題歌を収録。デビュー三周年記念とある」「やっぱりテレビ関係からのいただきもの」フリーランサー：白い木枯らし「フォーク・グループの、悲しみをつのらせる素晴らしい曲。Ｂ面は失恋を歌った、軽い、いかにも『四畳半フォーク』というタイトル通りのもの」「表裏のギャップがすごいですねえ」「その意味でも、『遠くへ行きたい』以来の傑作といえるかも」「どうかなあ」フォー・リーブス：地球はひとつ「４チャンネル・ステレオのデモンストレーション・レコード」「何ですかそれ」「昔流行ったのじゃ。４つのスピーカーを部屋の四隅に置くのじゃ。クラシックだと、楽器の配置がすごくよく分かるのじゃが、何だかオーケストラの中に座って聞いているようで、落ち着かない」「ダメですねえ」「これは４人のメンバーがそれぞれのスピーカーの位置で歌っている。サビになると、ぐるぐる回り始めるのじゃ。これは面白かったな」「今はそのステレオがありません」マイナー・チューニング・バンド：ソウルこれっきりですか「1976年のヒット曲１３曲をメドレーにした冗談音楽」「よくやりますね」「今売れている曲だから、著作権が大変だった。売れてもその作詞作曲の２６人に支払うため儲けにならない……って言っていたな」「はい、よくやりました」ザ・モンキーズ：オルターネイト・タイトル「Ｂ面の『あの子を忘れろ』の方をしっていたな」「どうでもいい説明」山口美香：ふれ愛讃歌「非売品のレコードを、この曲が発売されますから、よろしく……って、関係者が持ってきた」「あれ……」「これもらったら、誰が買うかねえ……ジャケットがなく、そのレコードのちらしが入っている。まあ、歌はみんな知ってるね」「はい、次行こう」山口百恵：としごろ（ＭＬ）「デビューからの４曲を収めたもの。その次の『ひと夏の体験』と一緒にいただいたが、最初に聞いて捨てておいた」「あらら、ひどい扱い……『ひと夏』の方はここに出ていませんね」「ああ、これはＬＰレコードじゃから」「別に分類ですか」レーモン・ルフェーブル・オーケストラ：ふたりの天使「当時は新鮮だったが、もう古く感じるなあ……Ｂ面はモーツァルトの『愛よ永遠に』」「はい」「ええ、まあこんなところで……実はご近所さんだった南沙織のシングル版が何枚かあるのじゃが……」「これはＬＰレコードが歴史的傑作と言っていましたね」「そういうことで、ちょっと別扱い」「贔屓だね」「以上をもちまして、シングル盤レコードのリストが完成しました」「次のゴミの日に出しますか」「一つ二つ、欲しいと言う人がいたので、上げることにした。後は捨てるしかないじゃろうな」「何だか惜しいですね」

  2012.02.18

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• わしの持っているレコード：歌謡曲編

  「そんなわけで……」「突然歌謡曲ですか」「要するにレコード、シングル版を片付けちゃおうという……」「捨てるってことですね」「邪魔でね」「まあ、一応カタログは付くっておきましょう」岡晴夫：啼くな小鳩よ・憧れのハワイ行路・東京の花売り娘・青春のパラダイス「いきなり……これは大家さんの子供の頃でも懐メロでしょう」「そう。中学時代に懐メロブームが訪れて……」「当時からオッサンだったんだね」キャンディーズ：危ない土曜日／なみだの季節「『土曜日』のＢ面『迷える羊』がなかなかいい。元気な曲ばっかりだったから、落ち着くのじゃ。因みに『なみだ』のＢ面は傷があって諦めた」「はい……こういうアイドルを持っているのがおかしいですね」「デビュー前に注目していたグループで、引退後に関わった……メンバーの弟との関係で……」「前と後ってのがね……」さだまさし：吸殻の風景「Ｂ面が『もう一つの雨宿り』「名曲ですね」「実はあの時代、『雨宿り』が３曲出て、二つはかなり売れた」「一つだけ売れなかった」「そうじゃな。もう一曲は『あなたどこかで～、あなたどこかで～、雨宿り』って……ファンしか知らないかな……」「さあ」ハイファイセット：卒業写真「これもＢ面『美術館』がいいね」「はい」ピーマン：恋のライバル３対１／部屋を出て下さい「これは知らないだろうなあ……合歓の里のコンクールで１位から３位に入った三人がトリオでデビュー。ピーマンというのは、そのコンクールのトレードマークじゃ。まったく個性の違う３人を生かした歌がすごい」「すごいって」「それぞれの個性を生かそうとしたから、かなり無理が生じている。ベートーヴェンの三重ソナタと同じ、消化の悪さがあるのじゃ」「へえ」「２枚目のシングルは整理されていい。Ｂ面の『小さな詩』がほのぼのとした雰囲気で、アイドルから脱皮している」「ほう」「で、これで解散した……のかな」「売れなかったですね」ひのきしんじ：僕から「あの人の旦那さんという方が通る人……歌はＢ面の『ふたりのさざ波』の方が落ち着いていていい。Ａ面は無理に声の域を変えているのが臭い。ほら、あのお笑いソング『Ｊｕｐｉｔｅｒ』のような歌い方じゃ」「はいはい」「で、今気付いたが、五十音順に並べておきながら、仮名の人ばっかり並べちゃった」「あらら」「で、もう出勤しないと行けないから……」「また続くの」

  2012.02.17

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「シュー」の巻

  「そういうことで、シューベルトの作品と相成りましたが……」「が……って……どうしました」「歌曲集、それもカラオケしか持っていない」「ええっ……だって、交響曲とか色々あるじゃないですか」「そうなのじゃよ……で、確かめると、１９０巻の全集に収録されているとか、『未完成』はドヴォルザークの『新世界』とのカップリングとか……そんな訳で、ここで取り上げる物がないってことで、以上」「いい加減だね」「そんな訳で次、シューマンに参ります」「はいはい」交響曲第１・３・４番、ピアノ協奏曲（ﾄﾑｼｯｸ：Pf ﾑﾆｰ&ﾘｭﾌﾞﾘｬｰﾆｬ･ﾗｼﾞｵ･S）「２枚組のＣＤ。交響曲はヘンリー・アドルフとアルフレッド・ショルツの指揮するフィルハーモニア交響楽団」「お得ですね」「安いＣＤとかでお馴染みの演奏家ばかりじゃが、まあ、そういうのに採用されるだけのレベルは持っているので」ピアノ協奏曲、序奏とアレグロ、序奏とアレグロ・アパショナート（ﾐｼｬﾙ･ﾀﾞﾙﾍﾞﾙﾄ：Pf ｴﾘｱﾌ･ｵﾅﾊﾞﾙ：指揮 ｳｨｰﾝ交響楽団）「これは素晴らしい演奏。シューマンのロマン性と、展開の面白さと、演奏技術まで言うことなし。特に『序奏とアレグロ』は面白いぞ」「どう面白いんでしょう」「これは結婚に際してクララに贈った曲。アレグロの主題に日本の山田耕筰の歌曲『赤とんぼ』がほとんどそのまま出てくる」「へえ」「三島由紀夫が海外で耳にしたのがこの曲と思われる。山田耕筰が盗作と書かれたのに抗議文を送って話題になった。実はドイツ国内でも戦後までほとんど演奏される機会がなかったので、山田耕筰が聞いたとは思えない。何かの拍子に流れていて、ドイツの人も知らず、民謡じゃないかって言ったらしい。ようやくレコーディングされるようになって、吉行淳之介が夕刊フジに書いた「赤とんぼ騒動」は、大学入試問題にもなった。しかし、正直言えば、吉行氏のは音楽についての文章になっていない」「そういう曰く付きの曲ですか」「やはり日本の曲で『朧月夜』って曲がある、『菜のは～な』から『赤とんぼ』の『小焼け～の』につながるというのが正しいメロディ」「どうでもいい話題だね」font color="#FF0000">ピアノ名曲集（ｳﾞﾗﾃﾞｨｰﾐﾙ･ｱｼｭｹﾅｰｼﾞ：Pf）「『子供の情景』『謝肉祭』と『幻想小曲集』『アラベスク』『花の曲』を収録。実はパガニーニのコーナーに収録してある」「え、そりゃまたどういうこって」「『謝肉祭』の中に『パガニーニ』という曲がある。直前に『ドイツ風ワルツ』という曲があって、これをパガニーニが超絶技巧で編曲、続いて元のワルツが戻る」「へえ」練習曲集：伊藤恵「『交響的練習曲』と『パガニーニ練習曲』２セット全12曲を収録」「あれ、またパガニーニですか」「これもパガニーニのコーナーに収録してある。彼はウィーンで行われたパガニーニの演奏会を皆勤、プロの音楽家への道を進む決意をする。超絶技巧の練習で指が動かなくなったのが、発狂の要因の一つとなる」「色々ありますねえ」「パガニーニのすごさじゃな。ショパンもリストも、ヴァイオリンでは手も足も出ないからと、ピアノの技術を磨くことになる。まあ、それはいずれ」「はい」「後はレコードもあるが、リヒテルの演奏。『幻想小品集』作品１２はデジタル化したが、片面が傷があるようで、音飛びする。ギブアップ」「色々あります」「もう一枚、ブレンデルの『シューマン・アルバム』、『幻想曲』と『交響的練習曲』、演奏も素晴らしい」「はい」「ということで、『し』の巻はまだ続きます」

  2012.02.16

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• テレビには不思議がいっぱい

  「テレビを見ていると、色々不思議なことがある」「へえ。どんなことがありました」「まず、占い……これは星座でランキングされていたが、１位の星座は絶好調だから、好きな人に告白をって……」「まあ、そういう日ですから」「他の星座の台詞を見ても、全部渡す側……気になる相手からもらえるかも……なんて台詞は出ない」「女性が好きなんでしょうかねえ」「わしの星座、ある日１位だったが、翌日は最下位」「随分変わりますね」「１２時になった途端に変わるのじゃろうな」「まさかねえ」「わしと家内は１日違いで、違う星座」「はい」「これが１位と最下位だったこともある」「そりゃあるでしょう」「わしは朝一番に産まれたという。家内は夜になってからだそうじゃから、わずか何時間で１位と最下位に別れたのじゃ」「まあ、別にいいじゃないですか」「もっと分からないのは、月曜日に、今日はレジャー運が最高、気の合う仲間と一緒に出かけましょう……って言われてもなあ……」「月曜日じゃあねえ」「そういうことで、女子供の見るものだという……」「その言い方、また顰蹙を買いますよ」「さて、ＢＳはもとより、土日の朝は地デジでも通販番組ばっかり」「すごいですねえ」「その中で理解に苦しむのは、ある食材のいい成分を取り出したということ」「え……ああ、よくありますね」「例えば、一日に必要な野菜はこれだけ……と言っているが、本当に必要なら、取っている人がどれだけいるのじゃろう……」「まずいないと思います」「それなら、それが理想ということで、実際には取らなくてもいいということにならないか」「あれ……そうなりますか」「日曜日にたまたま見たのが、これ……１粒にしじみ300個分の成分が入っているそうじゃ」「ああ、体によさそうですね」「でも、それが１瓶に90粒ということは、これだけで２万７千個分の蜆が使われているということになる」「あ、すごいですね……」「更にすでに50万人が愛用って……114億個……みんなが１日１粒だとしても、毎日蜆１億５千万個分……年間に採れる蜆って何個なのじゃろう」「大変な数字になります」「面白いなあ……今度は梅エキスの数字をチェックしてみよう」「しょうもないことばかり……暇な年寄りはろくなこと考えないね」「因みに、日本で採れるホタテの半分以上がシウマイの崎陽軒が買い取っているそうじゃ」「ホタテなんか出てないし……貝つながりですか」「因みにシウマイというのは、このお店が発明したもの」「あれ、中国料理じゃないんですか」「中国人コック数人に、新しい料理を開発するよう研究させて出来たのがこれ……他の店がマネをして発音通りシュウマイと書いたが、偽物の方が一般に通用するのじゃなあ……待ち針、藪医者、招き猫……いくらでも例はある」「はい、これはまたいずれ」

  2012.02.15

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「し」の巻始まり始まり

  「お待たせしました。『し』で始まる作曲家の巻」「誰も待ってませんよ」「これも先に自作自演は外しておく。シベリウスとジョリヴェじゃ」「はい、それ以外の作曲家ですね」「実はショパンも自作自演があるのじゃが……」「え、まさか」「死んだ後に作った曲で、どうもあの世でラフマニノフの影響を受けたらしいな」「何です、それ」「霊媒師に乗り移ったショパンの自作自演なのじゃ」「いらないですね」シェン「管弦楽作品集」サミュエル・ウィン&香港フィル「中国の作曲家。『中国の夢』『二つの詩』『南京！南京』を収録。正直に言えば日本の作曲家が1960年頃やっていたもの。中国の音楽とクラシックの融合というのじゃろうか」「ちょっと古いですか」「まあそれが新鮮かも……ほら、その当時の古臭いドラマと同じ内容をやっている韓国ドラマが今人気になっているのじゃから……」「はいはい」「中国との国交復活の時に演奏会も随分あったが、ずっと同じ印象。現代音楽を作る意欲もあるが、必ず中国的な音階を入れるのがね……それはそれで面白いが、この作曲家の世界というものが不足する印象」「ふうん」カール・ジェンキンス「レクイエム」「イギリスで買ってきたＣＤ。『レクイエム』は面白いぞ。サブタイトルを並べてみよう。　イントロイト、怒りの日、雪は昨日ぞ（澤吾山の俳句による）、レックス・トリメンダエ、呪われし者、心から（小杉一笑の俳句による）、涙の日、人魂で（葛飾北斎の俳句による）、ああイエス、月も見て（加賀千代の俳句による）、永遠の光、さらば（熊沢蕃山の俳句による）、イン・パラディスム」「不思議な世界ですね」「他に序曲『亡命の歌』『今だ！』、『グレイ』、『ボーン・ジス・イヤー』、『イン・ジーズ・ストーンズ・ホライズンズ・シング』を収録」シチェドリン「カルメン」ﾃｵﾄﾞﾚ･ｸﾁｬﾙ&ｳｸﾗｲﾅ国立交響楽団「これは傑作。学生時代に欲しかったが、日本では発売されなかった曲だった。ようやく手に入れて、ひとつの区切りになった」「まだ手に入れていない物がありますか」「後は、チャイコフスキーの『展覧会の絵』。これだけは出ないなあ」「いつか出るでしょうかねえ」「さて、問題のＣＤは、ビゼーの歌劇を転用したバレエ。メロディは次から次とお馴染みのものが出るが、打楽器が多様され、現代的な印象を受けるじゃろう」「面白い曲ですねえ」「『カルメン』は編曲したいと思う曲ベスト幾つかにはいるのじゃろうな……その中でもかなりの傑作じゃ。特に面白いのが『闘牛士の歌』はメロディだけが消えている」「あら……カラオケですか」「聞いている人があのメロディを思い浮かべるのじゃな……いやあ、面白い」「いいですねえ」「他に『お茶目なチャストゥシュカ』を収録」「このタイトルもお茶目ですね」「さあ、ここからいよいよシューベルト、シューマンという大作曲家に掛かる……」「大変そうですね」「はい、それはまた次回」

  2012.02.14

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• 情けない国会

  「国会は空回り」「本当ですね」「年金問題はひどいが、そもそも発端は自民党時代のいい加減さ……ばらまきと使い込みであるはずのお金が無くなったのじゃ」「そうでした」「年金会社に勤めていた人が、自分に必要なお金は使い放題……しかし、もともとちゃんと使っていたものも記録がいい加減だから、勝手に使ったお金は返さなくていいという」「ひどい話でした」「テレビに堂々と出て、一人百万くらいは使い込みましたって言って平気な人……そういうのを作ったのが自民党だったのじゃ」「それなら何とかしないと」「だから、今は政局を見ているだけ……国民のことなんか考えていない」「そうですね」「だから新党が出来たら、ずるずる動いてしまうんじゃないかな」「あり得ますね」「でも、まさか第１党にはならないじゃろうから、結局既成の党と協力する、それなら今までの政党と何も変わらないだろうという予測が出来る」「確かに」「民主党の支持率ががた落ち」「１６％まで落ちましたねえ」「それで自民党もお付き合いして１７％。一昨日発表された日本テレビ……これはニュースを見ていると分かるが、かなり自民寄りと感じる。しかし、これまでは比較的支持率は維持されてきた」「へえ」「それが今回は２５．６％まで下がった。この局のでは初めて３割を割った」「これは政府の支持率ですね」「そう。政党支持率はやはり１９％と２割を下回った。自民党は２４％を維持しているのは、日本テレビだからじゃろうか」「まあ、いずれにしても困った数字ということですね」「国会ではクイズ大会で攻めて、一定の効果が得られたから、同じ手法を続けていた」「しょうがないって思いました」「小池百○子が、今の外交問題で、日本と関わりのない国はどれでしょうって問題を出した」「本当にクイズですね……この人はこういうパフォーマンスは好きですから……」「そうじゃな、郵政民営化の時代から、こっちの方が受けるからって……三日前と違うことを言っているとか……そういう姿を何度も見てきた」「それで、今回はどうしました」「それに対して、現大臣がちゃんと答えて、その問題に関連して、あなたが大臣だった時代に起こった事件が元になってますが、もちろんご存知ですねって切り返した」「へえ、どうしました」「小池のおばさん、え、何それってうろたえて……いやあ、笑えた。後で、与党に対して方針などを質疑する時間に、野党に対して質問するのは卑怯で、与党としての資格はないと……」「ははは……本当に笑えますね」「自民の最後総理の所信表明では野党の皆さんはどうする積もりなんですか……って……これ質疑じゃないのって……あれを思い出したな」「いやあ、こんなことをしていていいんですかねえ」「問題はそこじゃな。停年を迎えたら趣味に生きようって心づもりをしていたのに、６５歳まで働けって言うし……震災の復興は何一つ動かないし……原発はまだ問題あるのに、東電が大幅値上げをするのを許容しているとしか思えないし……震災から一年の間に電気料金はちびちびと値上げしているのに、更にじゃ……」「ねえ、国民のことを考えていないんですか」「国会の空回りについて、自民党は昨日の政治討論会で、今は政局が問題なんだときっぱり言い切ったからね」「さあ、どうなるか……期待しないで見ていましょう」

  2012.02.13

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：カラオケ

  「作曲家の五十音順に見てきたのが、突然カラオケですか」「これを整理しないと、後が片付かなくて」「本当に適当だね」「ということで、カラオケの１回目」「何回か続くのか」ｱﾙﾋﾞﾉｰﾆ：オーボエ協奏曲集「作品７－３と６、それにかの有名な作品９－２」「作品９－２はＣＤなどでもいくつか持っていましたね」「アルビノーニといえばこの曲。第１楽章の哀愁ある響き、第２楽章の伸びやかな響き、そしてフィナーレは弦とのフーガ風のやりとりが面白い。バッハの２つのヴァイオリンの協奏曲を思い出せる」「傑作ってことですね……あ、でも、大家さんはフルートですよね」「そう。フルートの音色ではその面白さは出ない」「じゃあ意味がないでしょう」「それで、３年掛かりで演奏法を工夫した。かなり受ける」「レパートリーになったんですね」「第１楽章は手を抜いて軽く吹くことで雰囲気を出す。第２楽章は目一杯力を込めて……」「あら。常識とは逆なんだ」「それでもう勢いでフィナーレへ突き進むが、ほっとしてよく入りを間違える」「しょうがないね」ｳﾞｨｳﾞｧﾙﾃﾞｨ：ヴァイオリン協奏曲集「作品３からイ短調、ニ長調、二つのヴァイオリンのためのイ短調が入っている」「これもフルートで」「そう。イ短調はお馴染みの練習曲でも取り上げる作品だから演奏も楽。あまり面白くないので、和音を吹くようにしたが、今度は難しすぎて……」「しょうがないね」ﾊﾞｯﾊ：ヴァイオリン協奏曲集「第１番と第２番を収録。第１番は何とかなるが、第２番はフルートでは無理じゃな。わしはト長調に編曲して吹くことがあるが……そのうちコンピュータで作るか」「意味無いことをよくやっていますねえ」ﾊﾞｯﾊ：２つのヴァイオリンのための協奏曲「この曲は素晴らしいなあ……演奏していて更に奥深さを感じる」「一人ではダメでしょう」「いや、ちゃんと第１ヴァイオリン用、第２ヴァイオリン用、両方なしという３種類のカラオケが入っているのじゃ」「へえ」「全く同じようなことを繰り返すから、どちらでも演奏可能だと思うのじゃが、第２ヴァイオリンはフルートでは難しい」「へえ」「職場でヴァイオリンを演奏するカナダ人の社員がいて、イベントの時に二人でこれを演奏したこともある」「はいはい」チェロ名曲集「白鳥、モルダウ、母の教え給いし歌、トロイメライ、感傷的なワルツが入っている」「チェロでは全然世界が違いますね」「実はわしがフルートを手にして最初に吹けた曲が白鳥じゃ……要するにほぼ２オクターブ上を吹くのじゃが、まあ無理なく吹ける曲ばかり」「はい」ヴァイオリン名曲集「ゴセックのガヴォット、ベートーヴェンのメヌエット、金婚式、ユモレスク、タイスの瞑想曲を収録……さっきのチェロと同じ……無理なく吹ける曲ばかり」「適当な紹介」ヴァイオリン小品集「ユーモレスク、ドルドラの想い出、夢のあとに、愛の挨拶、おまえが欲しい、わが悩み知る人は……を収録。Ｇ線の部分をオクターブ上にするか、低音部でちょっと変えるかという程度のアレンジをしている」「フルートでも演奏する曲がありますからね」「ドルドラ以外は全部普通に吹くな」「はい」ヴァイオリンでヒット・ミュージック「ＳＡＫＵＲＡドロップス、ワダツミの木、風になる、亜麻色の髪の乙女、陽の当たる坂道、桃色片想い、おさかな天国、fragile、Dearest、Best Friend、白い恋人達、島唄、PIECES OF DREAMを収録」「これは演奏すれば受けるでしょう」「しかし、易しすぎて演奏している方はあまり面白くないな……音楽的にもクラシックよりは深みがないし……島唄など盛り上げる曲は奏法によっては面白いが、１曲で力を使い果たす」「やれやれ」ヴァイオリン・ポップス・アルバム「ミザルー、イエスタディ、ベサメ・ムーチョ、ジャンバラヤ、オリーブの首飾り、川の流れのように、精霊流しを収録」「変わった選曲ですね」「演奏会でちょっと息抜きって時にいいね」休日のヴァイオリニスト「オリジナルの練習曲から始まって、きらきら星、聞かせてよ愛の言葉を、家路、ムーン・リヴァー、愛の夢、星に願いを、素晴らしい日々へ、青春の響き、トップ・オブ・ザ・ワールド、主よ人の望みの喜びよ、ピエ・イエズ、ニュー・シネマ・パラダイス、マドリガル、もののけ姫、アルフィー、愛の挨拶、ふっくとおん、エーデルワイス、クリスマスメドレーまで２６曲」「でも休日っていうから、気楽な曲ばかりですね」「そういうこと……さて、取り合えずフルート以外をご紹介」「ううん、フルートのカラオケがあるということは……まだ整理できないじゃん」「ん……そうなるかな……」

  2012.02.12

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• 建国記念の日

  「さて、建国記念の日じゃが、わしはやっぱりこれから出勤」「はい、仕事があることは幸せです」「ところでこの日は、神武天皇が即位した日だというので、反対運動もある」「へえ、そうなんだ」「反対するなら休まなければいい」「大家さん、休みじゃないからいじけてるな」「天皇制度に対する反発というのじゃろうが、当然天皇誕生日も反対なのじゃろう」「そうですね」「大阪では橋本知事のごり押しで、公務員が条例違反などを繰り返すと、３回でクビに出来るようになったとか……」「そんなことを言ってましたね」「そういう規定がないと守られていないと、大阪の公務員の質の低さを露呈した結果となった」「え……ああ、そういう見方もありますか」「それで思い出すのが、教師などが入学式、卒業式などで君が代を歌わない、起立しないのも違反とした」「ありました」「ということは……ですよ……一つ違反をしておいて、卒業式で起立しない、入学式でも起立しない……これでクビになるのじゃろう」「そうなりますが……誰もやらないでしょう」「だから、先生みんなでやればいい。そうすれば、入学式は終わったが、先生は全員クビ……学校はどうなるじゃろう……面白いじゃないか」「大家さんでないと思いつかないでしょう」「さて、なぜ君が代を歌うのを拒否するのか……」「さっきと同じ、天皇制への反発ですよ」「それが、おかしいのは、本人が歌わないのは勝手だと思う……これはわしの意見じゃが、それを規制するのはおかしい……わしは歌うが、他人が歌わないのを責める気はない。しかし、規制するのもおかしいが、歌わないことを他人に強要するのもおかしい。更に教師が歌わないのは勝手でも、子供に歌わせないのは最低最悪の教師……これこそクビにすべきじゃ」「そんなのいますか」「昔、東京の中学校の先生と話をしていて、この話題が出た。それによると、先生方は生徒に君が代を歌うのも、日の丸を掲げるのもおかしいという話をするそうじゃ。それを聞いた生徒が座ったままでいるというのじゃが、先生は決して強制しているのではない、こういう意見もあると伝えただけで、それを生徒が自ら判断してああいう結果になったのだと……」「そうしろとは言っていないということですね」「それなら、反対意見だけでなく、賛成意見も伝えなければ平等ではない。生徒にディベートさせるべきじゃ。反対意見だけを伝え、どうだろうって……生徒はそれを先生からの命令ととってもおかしくない」「ううん、子供の判断力ではそうでしょうね」「さて、そこで説明する先生方の論はどうじゃろうか……君が代反対は、第１に天皇賛美の歌であることで時代に合わない。第２に歌が短調で暗い、世界にあんな暗い歌はない……まあ後２つほどあるが、それはあまりにばかばかしいので省略」「要するにこの二つしかないんですか」「反対意見を述べておくと、和歌の場合は君というのは主君、天皇と同時に恋人を指す。和歌では相手を恋の相手と見立てて詠むのじゃ。君が代でいえば、貴方のいるこの世界は……つまり我々の世が永遠に続きますように……という意味でとればいい」「まあ和歌の世界ではそうですね」「二つめ、君が代は短調ではない」「あ、そうなの」「あれは壱越調（いちこつちょう）という日本独特の音階で、ちょっと音を変えて歌えば分かるが、どちらかといえば長調に当たる」「長調なんですか」「いや、日本の音階だから、西洋の長調短調で分けること事態がおかしいのじゃ。でも、明るい音階であり、日本的長調といって間違いではない。もし音楽の先生が君が代は短調だと説明をしたら、この先生は音楽を知らないと思っていい」「他の理由はばかばかしいってことは……」「君が代反対という根拠は実に希薄……今の状況では要するに大人の押し付けということじゃ。東京の先生のお話では、組合が君が代反対を言っていたのでそうしていた人でも、教頭になると途端に、先生方に君が代を歌わせなさいと方向転換するのが常識だそうじゃ」「へえ」「君が代、日の丸反対を唱えているのに、オリンピックで日の丸を見上げて君が代を歌う姿に感動したって先生もいた。もし教師がオリンピックに出たら、優勝しても表彰を拒否するのじゃろう……」「ポリシーがないってことですね」「正しい反対運動は、君が代・日の丸に代わる新しい国旗国歌を示して、これを歌いましょうとするものじゃ。それ抜きで、ただ今の物はダメですというのは、子供の反発というレベルにしか見えないな」「まあ、そうですね」「さて、建国記念の日というのも、日本という国のこと、我々日本人のことを考え直す日ということじゃ……世界に誇るエナジーを持った素晴らしい国だと思うが、そういう形で子供の頃から国への反発を教わった子供はどうなるか……愛国心についても考える必要があるな」「そうですねえ」「ひとつ書物でも、ホームページでもいいから建国記念の日について調べてみるといい。　まず、この日の由来、行事について説明した上で、反対する動きもある……これがまともな文章。これに対して、建国記念の日はこういう日だが、反対意見もある……それからこの日の由来や行事を書いているのは、頭が整理されていないバカが書いたか、反対意見を印象付けるためのものじゃ。その本やホームページの方向性が分かるぞ」「大家さんは必ず皮肉な見方をしますからね」「今日はそういう日本を再認識する日でありたい」「でも、お仕事でしょ」「うん……仕事が終わってから……ぼちぼち……」「……結局いい加減なのよね」

  2012.02.11

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「こ」「さ」の巻

  「さて、持っているレコード・ＣＤを整理する……いや、紹介するシリーズ」「順で行くと『こ』ですがねえ」「エリック・コーツ、コダーイ・ゾルターン、チック・コリア……みんな自作自演。ゴダールなど一人では一枚になっていない作曲家もおりますが、それは指揮者や演奏家の分類で……」「いい加減だね。では『さ』ですか」「これもサロネンとサン＝サーンスは自作自演があるので、そちらで」「何だか随分少なくなりますよ」エリック・サティ「諧謔の時代より」高橋悠治：Pf（レコード）「『犬のためのだらだらした前奏曲』『犬のための本当にだらだらした前奏曲』『自動描写』『ひからびた胎児』『右や左でみたこと』『気むずかしいしゃれ者の三つのお上品なワルツ』『スポーツと遊び』『最後のひとつ前の想い出』『官僚的なソナチネ』を収録。『右や左』では水野桂子のヴァイオリンも加わるが、日本で通用しているタイトルが真実を伝えていないというので、二人が中心となって新しく訳している……まあ、気分的に付いた題名なので、変な物があり、我々の知っているのが正しく意味を押さえていないので……」「よくやっていますね」「その意欲と熱意だけでも素晴らしい。真のサティに近付きたいという一作」サリバン「ゴンドラ」「ミカド」ｱﾚｯｸｽ･ﾌｪﾘｽ&ﾌﾟﾛﾑｼﾞｶ･ｼﾝﾌｫﾆｰ･ｵｰｹｽﾄﾗ「ギルバート作詞、サリバン作曲で大人気になったミュージカル風歌劇。それぞれ別々のＣＤ」「はい」「ということで、次は『し』じゃが、すごい数の作曲家がいる。テープで録音したものまで入れると数十人」「さあ、どうなりますやら」「また次回」

  2012.02.10

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「き」「く」

  「『き』で始まる作曲家……キュイなどみんなオムニバスで、一人のＣＤ」「あら……もう終わり。じゃあ『く』に参りましょう」グールド「アメリカン・バラード」ｸﾁｬﾙ＆ｳｸﾗｲﾅ国立交響楽団「表題の他に『フォスター・ギャラリー』『アメリカン･サルート』を収録」「ウクライナのＣＤが最近多いですね」「アメリカの曲だからアメリカのオーケストラがいいという馬鹿もいるが……」「え、馬鹿ですか」「そうじゃろう。それなら日本人がヨーロッパのクラシックを演奏しているのは聞くに堪えないことになるじゃないか」「あ、そうか……」「日本人作曲家の作品も世界で通用しているしね……」「確かにね」「先日入っていた演歌のＣＤのちらしじゃ……『こういう曲を聴くと、ああ日本人でよかったと思いますね。まさに日本の心です』……これも同じ意味で馬鹿としか言いようがない文句」「でも……分かるような気がしますよ」「わしには分からないなあ……わしはさっき言った通り、ドイツ、フランス、イタリアの曲も聴くし、ジャズやロックも……もし、この広告文句が正しいのなら、アメリカ人以外にはジャズは理解できていないということじゃろう……あ、そうか。演歌は世界には通用しないレベルの低い音楽ですってことを言いたいのか……」「そうじゃないと思いますがねえ」「わしはインドのカレーも食べるし、アメリカン・ステーキも、イタリアのピザやスパゲッティも中国のラーメンも餃子もシューマイも……失礼、シューマイは日本で生まれた料理じゃった」「どんどん年寄りの愚痴っぽくなるね」「だから、あの広告を書いた人は、和食以外は絶対に口にしないという信念を持った人か、和食を食べた瞬間に日本人で良かったと再確認しているのじゃろう……考えれば考えるほど、哀れな人じゃ」「はいはい、次行きましょう」グノー「ファウスト（ハイライト）」ｻｰ･ｺﾘﾝ･ﾃﾞｲｳﾞｨｽ：指揮 ﾊﾞｲｴﾙﾝ放送交響団・合唱団「ようやく有名作曲家の有名作品が出た」「やれやれですね」「最後の天使の合唱の美しさ……ラジオで聞いて慌てて買ってしまった」「で、演奏は」「問題なし」「それだけですか」「最初ので時間を取りすぎた」「余計な話だけでねえ」グラス「ヴァイオリン協奏曲」ｱﾃﾞｰﾚ･ｱﾝｿﾆｰ：Vn 湯浅卓雄&ｱﾙｽﾀｰ管弦楽団「表題の他に『カンパニー』『アクナーテン』を収録。まだ生きている作曲家らしいぞ」「へえ」グリンカ「歌曲集」ｶﾞﾘｰﾅ･ｳﾞｨｼﾈﾌｽｶﾔ：S ﾑｽﾃｨｽﾗﾌ･ﾛｽﾄﾛﾎﾟｰｳﾞｨﾁ：Pf（レコード）「『疑い』『素晴らしい時を覚えている』『あなたと一緒ならどんなにか素晴らしい』『彼女に』『お前を知ったばかりに』『ヴェネツィアの夜』『ひばり』『舟唄』を収録……ああ、疲れた」「息継ぎもなしに一気に言うからですよ」「ラフマニノフの歌曲５つと一緒に収録。海外版なので日本語解説なし」「名曲ばかり……演奏も名奏者ですね」「ということで、『く』で始まる作曲家は、以上」「え……ちょっと待って下さい。私でも知っている作曲家がまだいますよ」「そうか……ええと……クライスラー、グラナードス、グリーグ、グローフェがいるな」「いるじゃありませんか」「はい、これらはみんな自作自演の方に分類しております」「あらら」「ということで、問題なく次回に続く」

  2012.02.09

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• 桂歌丸パズルの答え

  「さて、１月２８日に出した問題」　　　　　ＫＡＴＳＵＲＡ　　＋ ＵＴＡＭＡＲＵ　　　　　ＨＡＮＡＳＨＩ「解けますかねえ」「まず、１の位と十の位が同じ数字じゃろう。従って十の位から１繰り上がるはずじゃ。これでＲは５以上じゃが、百万の位で二つの数字の和がＨになるのじゃから、Ｒは６以上、ＳはＩよりも１大きいということになる」「なるほど」「十万の位で、Ａ＋ＴからＡが出ているので、Ｔは０か９。０なら下からも上へも繰り上がらない。９なら下から繰り上がり、上へも繰り上がっていく」「はい」「ところが、万の位も同じＡ＋Ｔなのじゃ」「すると……」「Ｔ＝０なら下から繰り上がっている。Ｔ＝９なら下からの繰り上がりがない」「なるほど」「更に百の位と千の位でＳとＡの位置に注目すると、千の位から繰り上がるなら百の位は繰り上がらない。逆に千の位が繰り上がらないのなら、百の位は繰り上がる」「そうですね」「それで、百の位と一の位が同じ文字じゃから、百の位が繰り上がるなら一の位も繰り上がる」「同じになるはずですね」「例外はＩ＝９の場合のみ」「ふうん」「さて、まあこのくらいの手掛かりがあって、後はＴＲＨを設定し、ＫＵＡＮＩＳ……と決めていくと、何と、答が一つしかないことも確認出来る」「すごい」「答が一つというのはいい問題じゃな」「自画自賛かよ」「正解は次の通り。レベルとしてはやや難しいくらいかな」　　　　　３１０７５９１　　　＋　５０１４１９５　　　　　　８１２１７８６「メールなどで正解を送って下さった方にはすでに連絡をしておりますが、約束通り全員に桂歌丸師匠のＣＤをお送りします。これから発送作業にかかるので、お楽しみに」「はい……でも、答が一つになるのは難しいですか」「昨年震災があって、ＨＩＧＡＳＨＩ、ＮＩＨＯＮ、ＳＨＩＮＳＡＩ、ＤＡＩなどを組み合わせてやってみたが、どれも答が出なかった」「へえ」「それで、ちょっとごまかしじゃが、次の問題が出来た」「どれです」　　　　　ＳＩＮＳＡＩ　　　＋　ＴＵＮＡＭＩ　　　　　　ＫＩＺＵＮＡ「残念ながら答が３通り出来た。歌丸パズルと同じレベル、同じやりかたで全部の答が見つかる……こちらは商品は出しません」「けち」「ということで、本日はこれぎり」

  2012.02.08

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• 歴史の謎

  「最近テレビを見ていて……」「最近よく見ていますね」「お正月はミステリーばっかり。その後はほとんど見ないが……ＮＨＫを悪く言っているが、『日本の話芸』は見たい」「見たいって……」「土曜日の朝４時代ではねえ……」「ビデオに撮ったら」「落語などは演じて消えていくもの……撮って見るほどのものではない」「ううん……色々考え方がありますが……」「そうなのじゃ。わし自身も矛盾しているのは気付いている」「はは」「さて、日曜日はやはりＮＨＫで『演芸図鑑』、これは５時過ぎじゃから無理はない」「大家さんいつも出勤していますからね。でも日曜日はゆっくりってないんですか」「それは体のペースが崩れる。休日でも同じ時間で行動するのがいい。だから５時には起きるが４時半は体に悪い」「変なの」「その後は７時からの『東京スカイ座』、今月からは演芸だけは再放送になったなあ……」「はい、落語漬けですね」「その後は一週間のニュースをまとめたワイドショー的な番組を見るが、コメンティターを並べてそれぞれに勝手な意見を言わせる。どうも番組としての方向性がないのは……平日は夕方にもニュースを１時間以上やってるのに、なぜ土日はないのじゃろう」「はい」「で、６時からの日○テレビのはひどい……これは逆に番組が変な方向に向いているようで……」「はいはい」「あ、これがテレビに映ってしまうのは、その前の『笑点』を見ているから」「演芸ばっかり」「千葉テレビの寄席中継が平日の夜７時で見られないのも残念」「はいはい」「ということで、本日はこれぎり」「おいおい……大家さん、タイトルが……」「あれ……また忘れちゃった」「しょうがないね」「で、見ていたのが歴史番組。西行法師をやっていたが、何と俵藤太の家来だったと説明してた」「へえ、そうなんだ」「わしも、へえ……って言ったが……よく考えたらあり得ない」「え……」「だって、藤太は平将門を倒したんだから１０世紀じゃないか。西行さんは平安末期１２世紀だというのが常識」「あれ……じゃあ、その子孫の家来ですか」「それはまた調べてみないと……」「ネットで調べればすぐ見つかりますよ」「それはいかん。ちょっと忘れた固有名詞などを探すのに利用はするが、今年になってからウィキペディアで７ヶ所の間違いを見付けた」「直せばいいでしょう」「人の書いた物を直すなんて失礼じゃないか」「そうなりますか」「落語を調べると、すごいぞ……どうしてあの楽しい落語を、これだけ面白くなく書けるのじゃろう……これは一つの芸術じゃ」「ひどい言い方」「もう一つ、額田王についてちらっとやっていたが、彼女が天智天皇と天武天皇とから愛された三角関係だと言っていた」「昔からそう言われていますね」「わしは高校生の時、ちょうど40年前じゃな……教科書で大和三山の歌と紫草の歌を教わり、先生からそういう説明を受けた」「はい、そうでしょうね」「しかし、教科書を見ると、紫草の歌は恋の歌ではないことが分かる……まあ、これが常識となって、今は教科書でも『天智天皇にも愛されたというが疑問』と、疑問付きで紹介されるのが当たり前になった」「そうなんだ」「わしはそれに気付いた先駆かもな……」「はいはい」「それで先生に質問したら、『面白いところに気付いたね、調べてご覧』と投げ出された」「あらら」「大学に入ってから調べたら、ちゃんと気付いて調べている人もいたので……」「そうなんだ」「ということで、額田王は三角関係などないというのが証明されているのじゃ」「へえ」「まあ、ここでもいずれ詳しく。歴史の謎は面白いなあ……元寇の時、２回とも神風が吹いたというのも、水戸光圀公の『大日本紀』から。これも１回目には吹いていないことが証明されている」「ふうん」「まあ、面白い話題なので、いずれまた……」「結局整理出来ていないのね」

  2012.02.07

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「か」の巻

  「よくまあ、適当にやってますね」「レコードやＣＤの整理が目的じゃからな……」「だから後で発見なんてこともありますよ」「今日は『か』で始まる作曲家」「はい、まあ参りましょう」カーペンター「乳母車の冒険／交響曲第１・２番」ＪＭウィリアムズ＆ウクライナＳＯ．「あまり有名でない作曲家も聴いてみる価値はあるってんで、少しはまった時期がある」「その程度ですか。乳母車って何です」「乳母車に乗って子供たちが冒険する物語。つまり子供にも分かりやすい」「ふうん」カッセラ「パガニーニアーナ」ベンダ＆スイス・イタリア語放送Ｏ．「わしが大学時代に図書館で見付けた作曲家がパガニーニ」「当時はあまり知られていなかったですね」「リスト、シューマン、ショパン、、ブラームス、ロッシーニ、ラフマニノフ……彼らのファンなら聴いたことがある名前だろうが、本人の作品は全く見られなかった。ＣＤを買いに行ったら、１枚しか販売されていなかった」「へえ」「今、その主題による変奏は、ミュージカルでお馴染みのウェッバーまで……パガニーニ作品と編曲などでＣＤが取りあえず５０枚ほどある」「すごいですね」「編曲したくなる作曲家、世界一人気の曲ということになるのじゃろうな」「はい、これも」「奇想曲２４番のもの。パガニーニのところで再掲すると思う」「次行こう」カリンニコフ「交響曲第１・２番」クチャル＆ウクライナ国立ＳＯ．「さて、ナクソスってＣＤ会社が出来て、１０年間に最も売れたのかこれ」「へえ……知らない作曲家ですね」「チャイコフスキーを思わせる旋律と管弦楽の華やかさを持った作品。第１番のメロディは印象的じゃ。なるほど人気なんだと思わせるね」「へえ」「我が家には譜面があるが、世界に２００冊しかないものじゃ」「へえ」「ということで、『か』の巻は以上」「あれ……無名の作曲家ばっかり……有名所が出てませんよ」「ううん……ガーシュウィン、カサドシュ、カプースチンは自作自演を入手しているので、そちらに入れちゃった」「あらら」「後は一人で一枚になっていない作曲家」「ううん……『か』の巻もこれだけか」「さっき言ったように、パガニーニなら、１人で５０枚もあるから、だらだらと続けるぞ」「おいおい」

  2012.02.06

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：「お」の巻

  「昨日は立春じゃった」「へえ……春って、立つんですか」「立つぞ……若いから」「若いって」「五行説では、年齢を四季に当てはめている。青年、壮年、中年、老年という四つが、青春、朱夏、白秋、玄冬という」「へえ」「北原白秋は中年でプロ作家になったということで、洒落でそんなペンネームを使ったのじゃ」「へえ」「だから青春時代は元気で立つものじゃよ」「ううん……何が立つんでしょう」「え……このブログは品位だけが取り柄じゃからなあ……」「何を言っているんです……じゃあ、どのくらいで立たなくなるんでしょう」「それは『論語』に書かれている」「え……論語って中国の孔子が書いたやつでしょ……そんなのに載っているんですか」「知らないのか、『三十にして立つ』って」「それ、意味が違うでしょう……」「続いて、『四十にして立たず。惑はずにはいられず』と続くな」「初めて聞きました」「初めて言いました」「何です」「いや、何でも……つまり、四十ならまだ現役」「五十なら」「まだまだ」「六十」「大丈夫じゃろう」「七十」「問題ない」「死んじゃいますよ」「小林一茶は六十になってから一日四五回も頑張ったそうじゃし……まあ現代人はもっと元気じゃろうから……詳しくは渡辺淳一さんの本で……」「何です、そりゃ……」「ということで、本日はこれぎり」「あれ……また……大家さん、タイトルが……」「あ……忘れちゃった」「立つ方は現役かも知れないが、頭の方はお粗末だね」「そう、ほめるな」「ほめてないって」「ともかく、わしの持っているレコード・ＣＤのご紹介」「かなりいい加減ですがねえ」「今回は『お』で始まる作曲家」「沢山いるでしょうね」オッフェンバック：「パリの喜び」（バーンスタイン）：レコード「ビゼーの『アルルの女』とのカップリング。フランス音楽コンサートって感じかな。バーンスタインはリズムに勢いを感じる演奏じゃな。ストラヴィンスキーの『春の祭典』なんか、ジャズっぽく聞こえるのじゃから……」「それっていいんですか」「いいのじゃ。そもそもクラシックは元になる譜面があって、これを指揮者の解釈で演奏するのじゃ。落語が同じネタでも演じる人によって全然違うものになるのと同じじゃ」「一緒にしますか」「まあ、芸術ってそういうもの……落語にとっては残念じゃが……」「それはまたいずれ」オルフ「カルミナ・ブラーナ（ｵｲｹﾞﾝ･ﾖｯﾌﾑ）：ＣＤ「こちらはこれ１枚しか持っていないが、迫力ある演奏じゃな」「はい」「ということで、『お』で始まる作曲は以上でございます」「あれ……もうおしまい」「オーベールなどは１枚にならないから、指揮者別の所にしか登場しないし……」「ううん……予想はしていたけれど、やっぱり適当でした」

  2012.02.05

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• 節分終わって

  「無事豆まきをした」「はい、昨夜ですね」「伝統行事を理由に早退するのも、大変じゃ」「またサボってますね」「昔は玄関に柊（ひいらぎ）と鰯（いわし）の頭を刺しておいたそうじゃ」「へえ」「鬼が棘（とげ）や匂いを嫌うそうじゃ」「へえ」「クリスマスでも飾るから、ヨーロッパにも同じ風習がある」「へえ」「日本と西洋で同じということは、元は同じことがあるのじゃろうな」「へえ」「……お前、へえばっかりだな」「……ほう……」「つまり、用の東西を問わずに用いられているということは、実際に鬼がいたということになる」「え……」「最近は恵方巻なんてバカなものが流行しているが……」「バカですか」「関西は風習だから仕方がないが、関東ではねえ……まあ、雛祭りにはちらし寿司とか、宣伝が上手だから定着するのじゃろうが……恵方巻は、40年まえに西○ストアがやったのはすぐ消えたのを憶えている」「どうでもいいことをよく憶えていること」「関東では恵方詣りじゃかな……」「え……したことはありませんよ」「今は初詣になっちゃったから……恵方巻はその年のいい方向……今年は北北西じゃな……そちらを向いて一本を一気に食うが、途中で喋ると不幸が来る」「来ますかねえ」「途中で喋ったことで不幸になるという実例がある」「本当ですか」「あるおばさんじゃが、食べている途中で『ええか、途中で喋ったらあかんのやで』って言ったら、舌を噛んで死んでしまった」「おいおい……」「まあ、食べる人はかまわないが、伝統だなんて言わないでほしいな」「はいはい」「ニュースでは沖縄での講話問題……」「ひどいですね」「報道もちょっとずれているのが笑えるなあ」「そうですか」「ある局では自民党が『次の選挙への影響を考えていない』と追及するそうじゃ」「え……」「選挙に影響するなら野党にとっては万々歳じゃないか……何を考えているのじゃろう」「ねえ」「別の局では野党が徹底追及と言っていたが、もう一つの局では国会での追及の様子が画面に出ていた。自民党の人が、『違法だと誤解されるようなことをしては……』って言っているのはどういうことじゃ」「あら……違法じゃないってことですよね」「さらに別の局では、講話を受けた人が画面をぼかして登場し、『もう何年も前からやっているのにどうして今回は問題になったのか分からない』って内容を喋っていた」「何年も前からってことは……自民党時代もやっていたんですか」「そう考えると、前の局でやっていた追及の台詞も分かる」「あ、自分らもやっていたから、違法だとなるとやばいってことですか」「だからするどい追及が出来ないのじゃな」「だから決着先送りになったということも言えますね」「震災から１年になろうとしているのに、国会は何をやったのじゃろう……」「こんな個人の問題追及ばっかりですね」「た○かってのも、３時間の間に誰かに教えてもらったのが50回とか……駄目な奴ばっかり出てくるから、民主党の支持率はガタ落ち。16％になってしまった」「本当ですね」「だから自民への期待が集まるかと思ったら、そうでもない。見事に肩を並べて17％」「あらら」「もともと自民党がダメだから政権交代が起こったので、民主が良かったのではないからなあ……それで民主もダメと分かったから、今更自民に戻れないしね」「でも、前回の選挙では自民が回復しましたよ」「あれは自民党時代に自分が有利になるようにと組んだ小選挙区で全部当選したから。当選者の数だけを見ると自民党の圧勝になってしまった。しかし、全国の得票数を合計すると、民主党を下回っていたのじゃ」「へえ……いろいろカラクリがありますねえ」「そこで、期待は新党ということになるのじゃが……新党は何かをやるために作られるもの。自分達から何をやると内発的に動いて、その思想を共にする人達が集まるのじゃ……ところがこの頃出てくるのは、一言で言えば既成政党がダメだから新しいのを作ろうという外発的な党ばっかり」「ダメですかねえ」「だからダメならすぐに新しいグループに飛びつくのじゃな」「分かります」「もうすぐ一周忌。そろそろ国が何かしなければ……」「あと１月で少しでも変わることを祈りましょう」「無駄かも知れないなあ……」

  2012.02.04

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• わしの持っているレコード・ＣＤ：『え』の巻

  「あれ……昨日時間がなくてぐちゃぐちゃになってましたよ」「そう……それが、改めて確認したら、もう『う』で始まる作曲家はおしまいだった」「あら。でも、有名な作曲家もいますよね」「そうじゃな。ウェーバーは一人でレコードやＣＤ１枚になっていないし……」「ないんですか」「ヴィラ＝ロボス、ウォルトンは自作自演があるから、そちらに分類しちゃったし……」「じゃあ、どうしますか」「ということで、本日は『え』で始まる作曲家に……」「行くの……本当に適当なんだから」「ところがねえ……これも一人もいないのじゃ」「え……いないんですか」「エネスコ、エルガー……やっぱり自作自演があるので……」「じゃあ、今日のブログは……何なんです」「ううん……何じゃろう……」「自分で分からないのかよ」「さあ、一杯やろう」「また飲むの」

  2012.02.03

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• わしのレコード・ＣＤ：『う』の巻

  「ヴィヴァルディだけで２回もかかった」「今日は」「その続き」「ま、付き合ってやろう」ヴィニエアフスキー「ヴァイオリン協奏曲集」：ｲﾂｧｰｸ･ﾊﾟｰﾙﾏﾝ：Vn 小澤征爾&ﾛﾝﾄﾞﾝ･ﾌｨﾙ（レコード）「２番が超有名。演奏者を見ただけで納得じゃろう」「はい」ヴェルディ「アイーダ」「リゴレット」ﾊｲﾗｲﾄ（ＣＤ２枚組）「ここまで打ったら、もう出勤時間」「あらら」「もう一つ、『ﾘｺﾞﾚｯﾄ』のﾊｲﾗｲﾄ版がレコードにあるのじゃが……」「しょうがないね」

  2012.02.02

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