昨年読んだ本(第3章)
「さあ、昨年読んだ本の感想をまとめよう」「思い出したら出るんだよね」21:「柳生刺客状」隆慶一郎 柳生にはまった。作家によっての違いの面白さが何より……って、前に言ったね。22:「隠し剣秋風抄」藤沢周平 正当ではない剣法を身に付けた剣士の短編集。正当ではないから、正当な剣を越えることもある。しかし、正当ではないから、一発勝負では勝てても後は続かない。23:「柳生宗矩と十兵衛」五味康介 昨年読んだ隆慶一郎と同じ事件なのに、全く内容は違う。そこまでの経緯についてが詳細で面白い。24:「太平記」森村誠一 南北朝に分かれる前の内容。名乗りを上げてくる武将達の間に早くも様々な問題が生じて来る。人物個々の個性が明確で面白い。25:「Morning,noon,and night 1」Sidney Sheldon 億万長者のミステリーかと思ったら、彼があっさり死んで、子供達の遺産相続になって行く……って言うとネタバレになるかな……隠し子が現れて、意外な結末に終わる前半。26:「Morning,noon,and night 2」Sidney Sheldon 財産独り占めを狙う長男、薬物中毒の次男、事故で人を殺したことを隠している長女、そして、隠し子が命を狙われる……丁寧なストーリー展開で最後まで飽きさせない。ちょっとご都合主義な結末ではあるが、傑作としていいだろう。27:「ピアニストという蛮族がいる」中村紘子 タイトル通り、ピアノと人間の関わり。日本初のピアニストの運命、今でも世に認められないラフマニノフ、いい年をしてピアノを習い始めて人気者になったパデレフスキー……感動的な話も多い。28:「さよならドビュッシー」中山七里 ミステリー。ずるい書き方だが、すっかりだまされる。しかし、中村紘子の本を読んだ後だと、ピアノの演奏法がいかにも日本的な時代遅れなもの……まあ、それもストーリー上必要だから良いのかな……29:「ニューヨーク七番街南通り 恋の物語」下川香苗 写真を交えた小説。本も軽けりゃ中身も軽い。30:「影の鎖」夏樹静子 女性ならではというサスペンス。タイトルの作品はちょっとせこくてご都合主義だが、それ以外は設定も確かで、読み応えあり。「さあ、まだ半分だが、もう眠くなったので……」「はい、チャンチャン」