RRB散歩(上野編):その3「吉田屋酒店・森鴎外旧居」
「こちらが昔の吉田屋酒店。江戸時代の老舗で、建物は1910(明治43)年に建築され、昭和になって一部改修されたもの」「すごい酒屋さんですねえ」「昭和62年に移築復元、蔵の部分は明治の頃の写真を元に再現された」「へえ」「お店の内部」「時計から何から懐かしい雰囲気ですねえ」「こちらはお酒」「昔ながらの雰囲気」「残念ながら、本物のお酒は入っていない」「まあ、そうでしょう」「入っていたら1本くすねて帰るのじゃが……」「せこいね」「こちらが番頭さん」「よくやりますねえ」「こちらがパンフレット」「例によって、どうでもいい報告になります」「さて、ここから出来るだけ細道を通って不忍池の方へ下りて参ります」「はい、参りましょう」「こちらが水月ホテル鴎外荘」「え……鴎外って、森鴎外ですか」「北千住に父親が開業していた病院があったが、鴎外は1889(明治22)年の3月、海軍中将の娘登志子と結婚し、夏からここに住んだ。その年『於母影(おもかげ)』を発表、『しがらみ草子』を創刊、翌年には『舞姫』が発表される」「文学活動の始まりということですか」「『舞姫』で女関係がばれたのか、9月に離婚して本郷駒込、千駄木に引っ越している」「……住んだのは1年ちょっとですか」「ホテルの中庭には、鴎外夫婦が住んだ家が残っている」「へえ」「ということで、ここから少し歩くと上野動物園の裏門。上野駅の方まで抜けさせてもらおう」「図々しい大家さんならやりかねない」「入れてもらえるかどうか……次回に続く」