落語「こ」の74:小玉の奉公(こだまのほうこう)
【粗筋】 おばさんの遺産に小玉をもらったが、ある人が,「遊ばしていても仕方がないので、奉公に出せ」 と言う。両替屋に預けて利子を増やすのを「奉公に出す」というのだ。そこで両替屋へ行って、「小玉を奉公させたいんですが」 と言うと、「小玉」を「子供」と聞き間違えたからややこしくなる。「堅いか」「ええ、堅いです」「親元は確かか」「ええ、確かです」「それなら奉公させよう。連れておいで」「へい、これで」「何だ、子供かと思ったら、小玉か」「そうでう」「じゃあ、目(匁)をかけて使ってやりましょう」【成立】 上方の噺で演り手はない。【蘊蓄】 小玉は江戸時代に鋳造した「豆板銀」という銀貨を、俗に「小玉銀」とも呼んだものの略称。作られた時代により大きさ、重さが一定でなく、十一種もあったため、重さを計って使ったが、五十匁から六十匁の幅があったという。落ちはこれを踏まえたもの。