79:かすがい
【粗筋】 瀬戸物の割れたのを直す「かすがい屋」という商売がある。ある日、このかすがい屋が商売に来たところ、亭主が「割れ物はございませんか」と言われて、女房に声を掛けると、「実は隣の新公に、娘の新鉢を割られた」と言う。主人がかすがい屋に相談すると、「生えていますか」「まだスベだよ」「じゃあ駄目です。かわらけにはかすがいは効きません」【成立】 土器にはかすがいが効かなかった。土器の「かわらけ」と、あすこに毛がないという「かわらけ」を掛けた落ち。「新鉢を割られた(処女を破られた)」と、「スベ」、「かわらけ」が分からなければならぬバレ噺。 「かすがい屋」は「焼き継ぎ屋」とも。「いかけや」というのは鍋などをハンダなどで直すもので、私の子供時代には流しで商売をしていたが、かすがい屋は知らない。