144:音楽風呂(おんがくぶろ)
【粗筋】 風呂に誘われたが、「俺は先々月入ったからいいよ」と断る男、音楽風呂だというので行く気になった。大きな風呂で、シャツ一枚でジャズを演奏しているシャツバンドが終わると、桶に腰掛けてオケストラの演奏になる。 生演奏もあるが、やはりメインはお客さんの歌で、「♪イヤー、風呂のお客さんは体をアラう(磐梯山節)」 熱い湯をうめてもらうのも「♪水が恋しいお風呂に水が(銀座の柳)」 水が出ると、「♪あらあらそらそら水が出た、父さん一緒に入りましょ、ピッチャピッチャピッチャパッチャランランラン(雨降り)」と子供も歌っている。 喧嘩をするのもお互いに歌でやり取り、垢すりも歌いながらやってくれる。 石鹸を忘れたが、売っているから催促すれば番頭さんが持って来てくれる。「♪石鹸がなくなる洗えぬ体コレサ番頭さん願います、垢も落ちます良い品頼む~(長崎のザボン売り)」「お待ちどうさま。長崎のシャボン売りでございます」【成立】 昔々亭桃太郎(1)の創作落語。初演の時は「ジャズ風呂」だったが、ジャンルを問わず何でも入れたのでタイトルを変えたらしい。今の歌に変えれば出来るかな。尚、桂文枝(6)の創作落語第5作が同じタイトルだが、未詳。