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2006.05.02
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ゴールデンウィーク中の今日は、クライアントも休みの会社が多いのでオフィスで落ち着いて仕事ができる。
そこで僕のマネージメントの考え方を部下に説明しようと思う。

まず、整理を...


人間観】 Y理論を支持する。

「人間は本来働くのが好きであり、自己実現のために自ら貢献する意欲がある。」

これは、マグレガーが提唱したY理論という性善説に基づいた組織管理論の考え方。
僕は、Y理論(性善説)を支持しており、チームメンバーのひとりひとりが自立的に行動できることを前提に考えている。

チームは、自立した人の集まり。

自立した人とはどんな人か?
自立と孤立とは、まったく違う。
自立した人とは、依存し依存されることができる人。
つまり自分の個性や能力を活かし、かつ、他人の個性や能力を活かすことができる人のこと。
孤立した人は、自分の力を過信したり、逆に頼ってばかりいる人。

一方、Y理論に対してX理論という性悪説に基づいた組織管理論もある。(軍隊組織、大量生産工場など)
X理論は、人間は本来怠惰な生き物で、自ら責任を取ろうとせず、放っておくと仕事をしなくなるので詳細なルールと飴と鞭による支配が必要があるという考え方。
コンサルティング会社で、これを当てはめると、もう会社自体の存在価値が無くなると言って良い。


【組織観】 ゴッタ・ユニット(やるしかないユニット)を目指す。

ゴッタ・ユニットとは、トム・ピーターズが提唱した高業績組織のチーム単位。
少人数の家族経営的なチーム(自分がやるしかないと全員が思えるチーム)で、できるだけ個人の裁量を認め、一方、個人は、それを成し遂げる責任を負う。
大企業であっても、こういうユニットの集合体にすることにより高業績を達成できると信じる。


【リーダー観】 サーバントリーダーを目指す。

サーバントリーダーは、他者に奉仕することで、相手がより健全に、賢く、自由に、自律的になり、
自己中心的な欲望に執われない奉仕者として成長してゆくことを促す。

主役は個人。リーダーの役割は、それを後ろから支援すること。

・プロジェクトリーダーはチームリーダーに奉仕。
・チームリーダーはチームメンバーに奉仕。
・先輩は後輩に奉仕。

奉仕とは、自分が持つ仕事の知識やノウハウを惜しまず提供し、また、学習する機会を与えること。

理想的なリーダーはビジョンを示し、管理面においては指示的ではなく、問題解決の調整役という位置づけ。

ただチームの実態を考えると、段階があるので、考慮が必要だと考えている。
個人が自立していない状況では、リーダーは介在し指示的にならざるを得ない。
意見の対立が続き、協調してチームの仕事を進めることができない状況ではそうなってしまう。
しかし、これは好ましくない状態であって、できるだけ、早く、こういう状態から抜け出すようにリーダーは促さなければならない。

理想は、リーダーがチームメンバーにプライオリティを示し、チームメンバーがそれに基づいて自分で何をすべきか考え行動する。
チームメンバー間で意見がぶつかれば、互いに積極的に話し合い、調整する。
必要であれば、チームメンバー自身が、業務ルールを提案し、チームで議論し、結論を出し、自ら、そのルールを守る。
リーダーは、そのプロセスを見守り、必要に応じて調整することが役割。


【共通のスキル】 論理思考力と対人調整力
こういうチームを運営していくために必要なチームメンバーの共通のスキルは論理思考力と対人調整力。

チームの課題を解決するときは、プロジェクトのプライオリティを共有した上で、客観的・論理的にでなければならない。
また、課題や案を出す人は、他人が理解できるように論理的に理由を説明する力が必要。

しかし、論理を過信しては駄目。
前提が変われば答えも変わる。
答えが、ひとつだけとは限らない。
視点を変えれば答えはいくつも出てくるもの。
だからチームメンバー間で意見が対立するわけだ。
そういうときは、プロジェクトのプライオリティを互いに確認する必要がある。
また、個人の利害が関わるようであれば調整し落としどころを見出さなければならない。(自分の都合しか主張しなければ、相手は納得しない)

こういう調整を行うには、自分の感情をコントロールし、自他尊重型の対話を行う力が必要だ。
これを対人調整力またはアサーション能力と呼ぶ。

参考図書を2冊選ぶと、

■ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル    Best solution
照屋 華子 (著), 岡田 恵子 (著)
実践ロジカルシンキング

■アサーショントレーニング―さわやかな「自己表現」のために 
平木 典子 (著)
アサーション・トレーニング

さて、上記の考えは、僕の理想であって、自分自身まだ至らない点が多く、悩むことが多いのも事実。

企業の不祥事が続き、企業は、内部統制強化に走っている。
内部統制強化のためには、性悪説にのっとって、どう不祥事を防ぐか?仕組みを考え対策を文書化する必要がある。
しかし、これが行き過ぎると社員自身のモチベーションを下げてしまう危険性がある。

僕は、オペレーションのミスを防ぎ、業務の引継ぎが容易にできることがチームメンバーにとってメリットがあることを共有し、チームメンバー自らルールを策定させる。
そしてチームメンバーは、自ら、それを守る。
自分たちで決めたルールは、押し付けられたルールとは、意識がまったく違うと思う。





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最終更新日  2006.05.06 12:53:30
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