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2022/02/15
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カテゴリ:建築
前回に​簾戸(すど)の話をしましたが、少々季節が外れますが、その話を続けさせていただきます。
 
京都の町家では夏になると「建具替(たてぐがえ)」をし、ふすまを簾戸(すど)に、障子を簾(すだれ)に取り替えました。
すだれと言えば、今では町家の外に吊るされてる「外掛けすだれ」が定番ですが、元々は宮中で身分を隔てるために使われた「御簾(みす)」が原点なんですね。それを明治になって京都の建具屋さんが応用して「お座敷すだれ」を考案し、普及させたとのことです。このすだれは細かい竹ひごを使い、周辺を西陣織の縁で止め、巻き上げるための紐と固定する引っ掛け金具が下げられてます。
 
四条通り近くにあった母の実家では、夏になると敷居からこの「お座敷すだれ」を吊るしてました。すだれを巻き上げる紐には手ごろな房が付いているので、それをつかんで扇を持ち、祇園祭の鉾の音頭取りの真似をして叱られたこともありました。
また床にはあめ色に変色した「籐むしろ」を敷くので、籐の光沢ある表面の感触がひんやりとしてとても気持ちよかったです。
 
京都の四条にあった​「四条京町屋」​も簀戸とすだれの両方使ってたので、実用事例として載せておきます。床も籐むしろを敷いて、典型的な夏の眺めとなっています。手前や奥に見える扇風機も夏の必須アイテムですね。この写真は「手回し蓄音機を聞く会」の一コマです。
 


この四条京町家も、母の実家も、私の実家の簀戸も、時代と共にみんな消滅してしまったので、せめて想い出として残しておきましょう。



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最終更新日  2022/02/21 12:12:10 AM
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