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欧州生活16年目 - 伊・独・私の三角関係 -

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mezzana

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2006年10月06日
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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:イタリアの病院
午後12時50分、病室で待機する私の前に、
いきなり緑色のストレッチャーが現れた。

 
 え?…私?


笑う夫。「当たり前だろー、何のために待ってたんだよー笑。」


だって、去年の手術&入院の時は、事前に点滴したり
血液検査をしたりで少しずつ心の準備を整えていたんだもん。
なのに今日は朝7時に病院に到着して、長々と待たされて、
8時くらいにやっと病室に入り、そのあとずっとしゃべってただけ。

最初のうちこそ緊張していたけれど、4時間も待たされたら
手術のことさえ忘れちゃうって。

事前に言われていた白いコットンのTシャツと靴下を身につけ、
ストレッチャーに横になる。

そして手術室までガラガラと運ばれるわけだけど、
これだけは何度やっても慣れないなー、と今回も思った。

廊下にいるあらゆる人たちが私を覗き込み、
「あ、アジア人だ…」という表情を一瞬浮かべて目をそらす。
私から彼らを見るとアゴからのパーンなので
どの人も同じに見えて酔いそうになる。

ペットショップで上から覗かれる動物たちの気持ちが
少しだけ判ったような気がしないでもない…


「ここからは立ち入り禁止」のドアの前で夫としばしのお別れ。
それまで私に合わせて絶食してくれていた夫に
「ちゃんとご飯食べるんだよ、」と言って結婚指輪を預ける。

(手術前にすべての装身具をはずすように言われたため)
ストレッチャーを運んでくれたおばちゃんも一緒になって
「ちゃんと食べないと奥さんが心配で手術どころじゃなくなっちゃうわよ」
と言ってくれて少し場がなごむ。

ドアをくぐったところに顔なじみの看護士さんがいて、
私の腕を握りながら「私の患者さんだわ!がんばってね。すぐ終わるよ」
と言ってくれた。彼女は日本に行ったらすぐにモデルができるような
美女なのに、とても親切で優しい私のお気に入り看護士さん。

「ドイツの病院にはこんな可愛い看護士はいなかったなぁ…」
などと考えているうちに「待合室」に到着。

その待合室をグルっと囲むいくつものドアの向こうでは、
色んな人たちが様々な手術を受けているのだろう。
たくさんの人が行き交う中、鼻歌を歌いながら一人の紳士が登場。

麻酔用のルートを確保する人だろう。
私の上腕部を ゴム手袋で 縛り、血管を捜している。
しかし私の血管はどうやら細く、血液検査のたびにボヤかれるのだ。

この時も「文句言われるかなー」と思いながら見ていたけれど、
この人はただ鼻歌を歌い続けるだけ。

「イタリア語しゃべれるよね?」
「どこで働いてるの?」

なんていう世間話をしながら、あっという間にルートを確保してしまった。
場所は手の甲だったので普通なら痛いはずなんだけど、
この人はすごく上手でちょっとチクリ、としただけで
太くて長い針があっという間に消えていった。

そこに今度は麻酔士の登場。
 


 若い。



そしてしかも、



…か、格好よすぎます…



私は元々イタリア人の顔立ちが好きだけど、
この先生は格好良すぎる。

しかもイタリア人なのに余計なことは一切しゃべらず、
やるべきことをパキパキと無言でこなしていっている。


ひゃー、緊張するー (手術ではなくこの麻酔士のせい)


以前もフィレンツェの婦人科にかかった時、
先生があまりにも格好良くて即効逃げて帰りたくなったのを思い出した。
こんがりと日に焼けた肌でピッタリとした薄手のD&GのTシャツを着こなす婦人科医
なんてこの世に存在してよいはずがない。
不細工なオヤジ医師だからこそ覚悟が決められるってものだ。

 
 なんでスッピンなんだ、私は!(手術前だから)
 眉毛くらい描いておくべきだった!(一応聞いたけどダメだと言われた)

 

 出来ることなら患者としてではなく、どこかのパーティーでで出会いたかった…



などと勝手に妄想を巡らせているうちに手術室へ運ばれ、ストレッチャーから
手術台に乗せられた。


手術室ってものすごく寒くって、いつも入るとすぐに震え始める。
カチャカチャという器具同士がぶつかる音を聞きながら上を向くと、
ドラマにもよく登場する大きな電気にその道具たちが映ってるのが見えるんだけど、
今回はそういうものが映らない電気だったので少し安心する私。

ラジオがうっすらかかっていて、それに合わせて歌っている人が何人かいる。
さっきのハンサム麻酔士は私に体重を尋ね、心電図の機械をいじりながら
相変わらず黙々と仕事をこなしてる。
注射の紳士は「Mezzanaって1年ちょっとしかイタリアにいないのにこんなに
イタリア語が上手なんだよー!ほら、なんかしゃべって!」と周りの人たちに
私を紹介 笑。ゴルフの話になって「ほら、あそこの彼女ゴルフするんだよ」
と今度は私にその人を紹介。ゴルフの話をする気分じゃないんですけど…。


「悪い部分が小さいといいけど…」とつぶやく私の鼻をその人はわし掴みにし、
 

 いいか、鼻が小さいヤツは悪い細胞も小さいんだぞ。

と笑って言った。(イタリアに来てから鼻が小さいとよく言われる)



鼻が大きい人が近くにいたらどうしよう…、とキョロキョロするうちに意識がなくなった。








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Last updated  2006年10月06日 22時22分26秒
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