D-netの進化に期待
<10月25日(火)付け朝日新聞より>-------------------------------------------『ソフトバンク、11地方競馬と提携へ ネットで馬券販売』 ソフトバンクが全国11の地方競馬と提携し、インターネットでの馬券販売や全レースの中継などを始める。24日、同社の娯楽系サービス子会社ソフトバンク・プレイヤーズと、地方競馬の場外馬券販売などを担当してきた日本レーシングサービス(NRS)がネット事業での提携について基本合意した。 12月をめどに、現在NRSが展開している電話やネットからの在宅投票システム「D―net」を共同での運営に切り替える。D―netは98年、電話からの販売をスタートし、02年にネット販売にも事業を拡大。現在は全国に約4万人の会員がいる。ソフトバンク・プレイヤーズはシステムの管理・運営を担当するほか、グループのヤフーのポータル(玄関)サイトから簡単に接続できるようにする。 また、ほぼ毎日全国各地の競馬場で開催されているレースの映像をネットのホームページなどで配信する計画だ。現在は、それぞれの地方に固定されているファンを全国に広げることを狙う。 地方競馬をめぐってはソフトバンクと岩手県競馬組合が9月に同様の提携を発表。今回は岩手を含む11地方競馬レース(12主催者)に同様の事業提携を拡大した。 農水省競馬監督課によると、04年度は全国で18の自治体や組合が地方競馬を主催。すべての主催者が赤字で、全体で約189億円の赤字だった。05年度は16主催者が事業を続けているが、いずれも苦戦が続いている。------------------------------------------まず、今回提携が報じられた「11地方競馬」とはどこを指すのでせうか。記事最後の農水省競馬監督課のコメントから推し量ると[ばんえい・道営・岩手・金沢・笠松・名古屋・兵庫・福山・高知・佐賀・荒尾]、すなわち、南関東4場[浦和・船橋・大井・川崎]を除くすべての地方競馬だと思われます。となるとこれは現行D-net参加競馬場と完全に一致していますから、現D-netがソフトバンクと手を結んで新D-netに進化するという見方で良いのでせう。当日記ブログでは、約1ヵ月半先行した岩手競馬とソフトバンクの提携に関する記事「続・岩手競馬はソフトバンク」で、岩手=ソフトバンクのインターネット馬券販売と現行D-netとの関係、今後の両立に懸念を示しましたが、その点については今回の報道でスッキリしました。水面下でこの方向性を確保した上での岩手提携先行発表だったのでせう。馬券販売とレース映像を「Yahoo!」のメニューに載せることで、D-netの商圏範囲が広がり馬券販売が拡大し、ソフトバンク社が潤うとともにもちろん各主催者の経営状態が上向き、最終的には廃止危機から解放される、という「サクセスストーリー」を夢見ながら、今後の展開を注視していきたいと思います。まだ障害は多く道は平坦でありませんし、新D-net内で勝ち組競馬場と負け組競馬場が分化していくことも想像できますが、現在考えられる最良の方向の一つであることは間違いありませんから。1点。ライブドア社と業務提携を結んでいる高知競馬も、ソフトバンク社の今回の提携相手に含まれていると思われるので、これにより「ライブドア高知競馬」がどこへ向かうのか、が少し気になります。