「民間の手で競馬場をつくれ ~高崎競馬再生への試み~」
先週3月26日(土)午前7時37分から、NHK総合テレビ「おはよう日本」の首都圏ローカルで土曜リポート「民間の手で競馬場をつくれ ~高崎競馬再生への試み~」(10分間)が放映されました20日(日)に行なわれた模擬レースイベントの模様を中心に、新しい競馬の実現を模索する木村昌志調教師を中心とするグループの活動を描いた内容でした「新高崎競馬」「応援団」といったキーワードは用いられていませんでしたが、活動の趣旨と実情を簡潔に説明したわかりやすいドキュメンタリーになっていました(ちなみに、境町トレーニングセンターで競馬ファンのボランティアが模擬レースの観客用椅子を磨き上げているシーンでは自分も映りこんでいました(顔の右半分…w))さて、旧高崎競馬組合は3月末をもって解散します以後の関係者との補償交渉などには群馬県が直接あたるということですが、現在も境町トレーニングセンター内で暮らしている厩舎関係者たちの立場はいよいよ宙ぶらりんなものになると思われますこれを機に、改めて先日の模擬レースイベント「レーシングホースクラブ伊勢崎発足記念」の際に気がついたことを書き散らしておきたいと思います参考1:landsliderさんの観戦レポート参考2:劇場さんのレースレポート:前編 後編◇馬場初めて訪れた境町トレーニングセンターの印象ですが、やはりあれだけ(1周1,200m)のコースが既に存在するというアドバンテージ(何に対するものかは別にして)は大きいと感じましたあくまでも調教用のコースですから、コース外から観戦するのに適した構造にはなっていませんが、仮設スタンドの設置や観戦区域の盛り土を施すことによって、比較的容易に「簡易」な形の競馬場としてのなりを整えることが可能に見えましたただし、コース周辺、特に観戦スタンドが置かれるであろう箇所の周辺には、当然のことながら厩舎、すなわち調教師の住宅や馬房が建ち並んでいるので、厩舎ゾーンと競馬ゾーンのすみ分けをデザインする必要がありますまた、冬期には北風(=赤城颪(あかぎろおし))が吹きつける土地柄なので、寒さ対策&砂埃対策が重要でせう◇ファンサービス新高崎競馬作戦会議では、法理勝弘・木村昌志両調教師が、旧高崎競馬時代に「ファンを大切にする姿勢がなかった」ことを繰り返し悔いておられました例えば、模擬レースイベントでの赤見千尋騎手の人気ぶりについて木村師は「1に内田(利雄騎手)、次いで茂呂(菊次郎騎手)だとばかり思っていた・・・、全く気づかなかった・・・」としきりに驚いておられました模擬レースイベントで楽しそうに過ごすファンの姿を見て、「ファンをないがしろにしていた」と感じていただいたことはとてもありがたいのですが、実際の競馬開催では調教師や騎手がレース以外の場面で直接的にファンを喜ばせることは難しかったと思われますつまり、調教師や騎手が「ファンを大切にする姿勢」を示す場所をレースとは別な形で、競馬主催者が用意すべきだということになりますそれでも、そういうことに気づいてくれた厩舎関係者が、「ファンサービスをいとわない姿勢」をもって臨んでくれる新しい競馬はとても楽しみですその意味でも、この境町(群馬県伊勢崎市境)で新しい競馬を実現したいという気持ちはより強くなりますちなみに旧高崎競馬には「I LOVE 高崎DAY」以外に大きなイベントはなく、レースで勝負する硬派な(?)姿勢を貫いた競馬場でした時代によってはそれはそれで良かったと個人的に考えますが、例えば公式ホームページで新人女性ジョッキー岩永千明騎手をあからさまにプッシュしている荒尾競馬などとは対照的なスタンスだったといえるでせう従来、競馬主催者は公正競馬にかかわる恐れがあるとしてこのような姿勢をとらないのが普通だったと理解していますが、なりふりかまっていられない昨今の競馬経営環境が「競馬エンターテインメント」の追求を要求しているのでせう◇騎手三井健一@宇都宮、赤見千尋@高崎、両騎手に今後の見とおしを尋ねてみました三井J:「ホッカイドウ競馬or岩手競馬などへ移籍バナシが出ているが、海外騎乗も視野に入れている」赤見J:「既に新しい仕事に就いているので、6月に切れる騎手免許を更新しない」内田利雄@宇都宮、茂呂菊次郎@高崎、両騎手は壇上でインタビューに答えていました内田J:「外国人騎手が利用している短期免許のイメージで全国に騎乗の場を求めたいが、現時点では受け入れ先など一切白紙状態」茂呂J:「既に騎手免許を返上したので再騎乗は難しいが、なんらかの形で協力できればと考えている」◇政治伊勢崎市議会議員の方が5~6名来場しました新高崎競馬応援団は、支持していた市長候補が1月の選挙で落選しているだけに、この方々の存在は重要です最終的な競馬主催自治体が、「群馬県」になるにせよ「伊勢崎市」になるにせよ、地元政界と無縁では地方公営競馬の実現は不可能だからですただし、1月の合併により人口が20万人を超えた伊勢崎市は、合併特例を適用したために現在83人もの市議会議員を抱えているため、今回来場してくれた市議はあくまでも「83分の6」だという認識も必要です◇次回新高崎競馬応援団さんは、今後もこのような模擬レースイベントを積み重ねて競馬開催に結びつけたいとしていますが、次回開催についての詳細は未定です先週のドキュメンタリー放映@NHK総合テレビの中で、「木村さんたちのグループは○月×日にも次の模擬レースを計画しています」の一言が入れば最高だったと思うのですが…