カテゴリ:山梨の民話 昔ばなし
日本昔ばなし 雀(すずめ)と啄木鳥(きつつき)
柳田国男全集 大正元年版 一部加筆
むかしの昔、雀(すずめ)と啄木鳥(きつつき) 親が病気でもういけないという知らせの来た時に、 雀はちやうどお歯黒をつけかけていましたが、 すぐに飛んで行って看病をしました。 それで今では頬っぺたが汚れ、 啄木鳥の方は紅をつけ白粉をつけ、 ゆっくりおめかしをしてから出かけたので、 終に大事な親の死に目に逢うことが出来ませんでした。 だから雀は、姿は美しくないけれども、いつも人間の住む所に住んで、 人間の食べる穀物を、入用なだけ食べることが出来るのに、 啄木鳥は御化粧ばかり綺麗でも、朝は早くから森の中を駆けあるいて、 「がつか・むつか」と木の皮をたたいて、 一目にやっと三匹の畠しか食べることが出来ないのだそうです。 そうして夜になると樹の空洞に入って、 「おわえ、嘴(くちびる)が病めるでや」と泣くのだそうです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月26日 16時39分51秒
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