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人生観はどのようにして形成されるか
心の教養 『人生の事典』昭和42年」 文学博士 大島康正監修 東京書院
一部加筆 山梨県 山口素堂資料室
人生観はわれわれの生活経験・人生経験よってしだいに形づくられてくるものである。 まず、われわれが幼時から育ってきた時代や社会にすでにある人生観や世界観の影響が大きい。身近な人びとや、学校教育や読書からの影響も大きい。また他面では、自分自身の思想傾向や性格によって個性的な人生観が 形づくられる。すなわち、ある種の思想には共鳴し、ある種の思想は排除するのである。 さらに、われわれの職業・階級・地位・身分・年齢・性別などからも、われわれの思想は影響をうける。これらの要素がいろいろに重なり合ったものが人生経験となって、われわれの人生観を形づくってくるのである。 しかし一般的には、社会が暗く生活に希望がない時代には人生観も暗くなり、希望に向かって前進している社会においては、個人の生活も明るく、したがって人生観も明るくなるものである。
心の教養 『人生の事典』昭和42年」 文学博士 大島康正監修 東京書院
一部加筆 山梨県 山口素堂資料室
青年期にかかる頃になると、人は「人生とはなにか」「自分はなぜこの世に生まれてきたのか」などという問題に突きあたる。この年代は、いわば人生を認識する時代である。しかし、やがて青年期がすすみ就職や結婚を考える年代になると、「自分はなにをなすべきか」「自分の使命はなにか」などという人生の実践の問題、あるいは生活目標と結びついた人生の問題をもつようになってくる。このような疑問は、就職し結婚しても中年期を通じてつねに離れることのない問題である。 すなわち 「自分の生きる目標はなにか」 「どんな理想を持つべきか」 「生きる価値をどこに見いだすか」 「どんな信念を持つべきか」 「自分の役割はなにか」 「自分の責任とはなにか」 「自分の生きがいとは」 「どうしたら張りあいのある生活ができるか」
などといった問題である。このような人生問題を持つ人びとに対し、現代の社会はその巨大なメカニズムのなかで人びとを奴隷状態にし、マンネリズムやインスタントの流行や主体性のないレジャーや自分を売る商取引きなどによって人間の自主性を奪ってしまっている。 そこで人びとは、この人間性が疎外された現代社会からいかにして自己の人間性を回復するかという人生問題を持つようになる。 この人間性の回復は、社会と協力し、人類の文化に参加し貢献することによってのみ可能である。なぜなら、人間は創造することに喜びを感じるからである。そこで人は、職業や専門を通じて社会のためにいかに生涯をささげるかという人生問題にまでたち至るのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年04月17日 09時40分26秒
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