恵まれすぎた環境
今 私は8:30~17:30まで働いている。坊は8:10に家を出る。私は8:15に家を出る。姫は8:18という中途半端な時間に家を出る。坊には「いってらっしゃい」が言えても姫には「行って来るから戸締りお願いね」と言い残し仕事に向かう。子供よりも先に仕事に行くお母さんはこの世の中沢山いると思う。私もフルで働く事を望んだのだから これは仕方のない事だし 仕事をしてお給料をもらう訳なのだから甘えた事は言えない。…筈なんだけど、昨日社長の奥さんが会社に来た。世間話をしていたら 奥さんに「お子さん達より後に家を出るんでしょ?」と聞かれ「息子は先に行きます。娘は私より3分くらい後に行きます。」と普通に答えた。「心配じゃない?」「息子なら心配ですけど 娘なので大丈夫ですよ。」「…そう?」「はい。娘はしっかりしているので。」何気ない会話。奥さんは自分の仕事を終えて帰っていった。しばらく1人でのんびり仕事をこなしていると電話が鳴った。奥さんからだ。「ね、私考えたんだけど、あなた少しくらい遅れて構わないから 娘さんより後に家を出た方がいいわ。 社長には私から言っておくから そうしましょう。」「いえ、仕事なので大丈夫ですから。」「ダメよ。一番難しい年頃だし 何かあってからじゃ 遅いのよ。明日からお子さんより後に家を出てください。 それで決まりね。」奥さんは私の返事を聞くまもなく電話を切った。(いいのかなぁ~)(遅れるといってもホンの2,3分くらいになるかな?)(自転車 いつもより速くこいだら間に合うかなー?)ナドナド 色々考えた。今日 姫より家を遅く出た。久しぶりに「いってらっしゃい」と言った。会社に着いたのが8:27。どうにかギリギリ間に合う。社長からも「ウチの奴から聞いたから。遅れていいからね。 子供に寂しい思いはさせちゃいけないよ。」と言われた。後から奥さんも会社に来た。自分が子供にどれくらい寂しい思いをさせてきたかを話してくれた。子育てにやり直しはきかないと言う事も教えてくれた。「困った事があったら遠慮しないで言ってね。 出来る事には協力するから。」奥さんは笑いながら帰っていった。何も出来ない私を責める事もしかる事もせず「間違いは誰にでもあるから」と社長も奥さんも笑って言う。会社を辞めた人が何人か時々遊びに来るのは社長夫妻の人柄がいいからだろう。仕事でも勉強になる事は沢山あるけれど社長夫妻を見ていると人生のいい勉強が出来る。いつか 私も奥さんのような素敵な笑顔の似合う女性になりたい。