愛すべきものすべてに

もう数年前の話になるんだけどさ、仕事帰りに立ち寄ったドラッグストアで、
アミノ酸関連の商品が品切れになっていたことがあったんだよな。
棚の貼り紙を見ると、「ＴＶ番組でアミノ酸による脂肪燃焼効果が紹介されたため、
現在は品薄状態となっております。」とあった。
“ほぉ～～ＴＶのチカラってのは恐ろしいもんだなぁ”なんて思いながらも、
自分がそれについては何も知らないでいたって事で、なんだか少し乗り遅れたような
気分にもなったもんだ。

さてさて、今回のフジテレビ系「発掘！あるある大事典２」の納豆に関する捏造問題。
日増しに事が大きくなっている感もあり、ここに来てスポンサーも降板したりして、
番組の打ち切りが濃厚になってきてるね。

ま、番組を作る側の立場になって考えれば、「結果が出なければ番組にならない。」
という発想に至ることは容易に想像できるんだよ。
視聴者だって、少なからずブラウン管の中には非日常的なモノを求めているはずだからさ。
見ていて何かしらの発見がなけりゃ、わざわざテレビを見る必要なんてないんだし。

しかし、現実にはそうそうドラマチックな結末に立ち会えるわけじゃあないわけだ。
ましてや今回の事ってのは、人間の体に関わる事だ。
大体さ、病院で使用している治療薬でさえ、その効き目には個人差があるってぇのに、
スーパーで簡単に手に入るような食品による劇的な効果なんて、望むべくもないんだよ。
まともな人間なら、少し考えりゃわかることだろ。

それをあれこれと創作して、強引に結果を出したようにみせかける。
コメントを都合のいいように差し替えたり、実際には行ってもいない血液検査データを
発表するなんて、まともなヤツの仕事じゃないし、もはや悪質という他はないね。
これじゃさ、何やら制作サイドは納豆業者から売り上げに貢献するように頼まれて
この企画を仕組んだんじゃねえか、なんてひねくれた考えまでオレには浮かんじまうよ。

今回の騒動に関しては、「テレビを過信しすぎる視聴者も悪い」という論調も
一部にはあったりするよな。
まぁ確かにそれも一理あると思うけど、大掛かりな取材を敢行しての映像を数十分間
見せられちゃあ、むしろ「信じるな」という方に無理があるだろう。
これはさ、人気タレントがドラマの中で使用していたバッグに人気が集まる、ってのとは
ワケが違うんだから。
そういう影響の及ぼし方とは全く異質の効果があることを、放送する側だって充分に
認識していたはずだ。

初めからこれはフィクションです、と言っているんならば何も問題はないんだよ。
でもさ、あたかも現実のことのように堂々とウソの羅列を報じるっていうんなら、
これは犯罪だよ、もう。

まぁ～～なぁ～～。　そうは言っても、数字が全ての業界だからなぁ。
何度こういった「やらせ報道」で叩かれようとも、結局は同じ事をくり返すのが
テレビ局なワケで。
今回の事もそれほど薬になるとは思えないんだけど、もうそろそろ体質改善を
して欲しいもんだね。


（ま・・・そうは言っても、納豆に罪はないワケで。）
納豆はこれほど効く

ドライ納豆（ピリ辛）５００ｇ