タイガーマスクは生きている。
あんだけ連日騒いでたのに、いつの間にやらすっかり終息した感のある、“タイガーマスク運動”。善意の連鎖は喜ばしい事だが、結局は一時的なブームで終わったようだ。全国各地で寄贈品に記されていた名前、伊達直人。ご存知「タイガーマスク」の主人公の名前である。もちろん、架空の人物であり実在などしない。しかし。タイガーマスクは実在する。華麗な空中殺法で鮮烈なデビューを飾り、既存のプロレスを変えたと言われる男、初代タイガーマスク=佐山聡。正直、オレ自身も彼に出会っていなければ、プロレスファンにはなっていなかっただろう。そんな彼が、プロレス・チャリティーイベントを先週18日(金)に行った。まさに伊達直人を地で行くような話だが、以前から慈善事業に積極的に参加していて、今回の企画もずいぶん前からなされていたという。そう。星飛雄馬が東京ドームのマウンドに上がる事はないが、タイガーマスクが東京ドームのリングに上がる事はある。実在の人物だから。 で、試合前には挨拶だってちゃんとする。 矢吹丈の試合を後楽園ホールで見る事はできないが、タイガーマスクの試合は見る事ができる。実在してるからね。 だから、梅宮辰夫アニイと親友だったりもする。 仮面ライダーやウルトラマンは、いくらシリーズが続こうと第三者に操られでもしない限り、直接対決などしない。正義とは何か?の概念が崩れるからね。でもタイガーマスクは平気で戦っちゃう。初代と四代目で戦っちゃう。 それって価値観の崩壊じゃないかと思われようが、師弟対決という名目で許された感じで戦っちゃう。 また、アニメや特撮のヒーローは敵を倒したらカッコ良く去って行くが、実在のヒーローはそうもいかない。だから結構膝を痛がったりもする。 完全に今、やっちゃった系だろ?自爆だったろ?って思われても仕方がない。もう素直に痛がっちゃう。そう、忘れちゃならない。栄養補給だって欠かせない。 人間だもの。(笑)でも。それでも。何があっても、彼は文句なくリアルなスーパーヒーローだ。最高にカッチョよかった入場シーンも、過去の名勝負も、この日の試合も何もかんも全部ひっくるめて。彼を敬愛する気持ちは、昔から一ミリも動いていない。他に実在するヒーローなどいない。唯一無比。タイガーマスクだけである。ただね。少し・・・いや、もっとウエイトは落とした方がイイかと、やっぱ。ほら、悪い膝に余計な負担もかかる事だしさ。ま、ご本人が一番よくわかってるとは思うけど。 (Photo by mihiroGT ※パッケージ画像を除く)