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カテゴリ:トルコ人と日本人
午前中は店での用事を済ませて、午後アイシェの村へ向かう。
学生さん4人は、自分たちのキリムを黙々と織っていた。 仕上がりまであとわずかを残すところ・・・・よく頑張ったねえ。 さて今日はインディゴのかめを準備する。 このかめの設置場所でかなりもめた。 というのも、金属容器を使えない染めのため、土製のかめを使うわけだが、地面に設置すると小さな石があたっただけで割れたり、飛んできたゴミなどが入って台無しになってしまう。 加えてできるだけ日向に置くことで発酵の期日を早めたい。 かめの下部は小さく、置くだけだと不安定である。 普段置く場所だと、今の時期、日の当たりが悪い。 アイシェと旦那さんのバイラム、かめの設置場所をめぐり、提案しては喧嘩になって・・・・と、時間だけが過ぎていく。 みかねたアドナンが「オレに任せてくれないか」と、家の屋上にかめを設置する場所をかなづちを持ち出して作り始めた。 かめを保護するためにクッション材を利用し、金属棒に紐で固定し。 屋上だから日の当たりもよい。 やっとアイシェが納得する置き場が決まった。 まず、かめに羊のおしりの部分の毛を燃やしたものを煮立てては冷まし、さらに煮立てて冷まし・・・を1週間ほど繰り返した水を入れる。 発酵に必要なものである。 特定の木を燃やした灰汁の上澄みで薄め、インディゴの粉末を入れる。 さらにレモンの皮を乾燥したものを、砕いて入れ、レモンを絞った液も加えていく。 これで約3日間待つのである。 これに先日黄色に染めた糸をつける。 黄色に青をかけて、緑になるのである。 媒染に灰汁に上澄みを使い、染め後の糸は先に、白糸は後につける。 灰汁は濃度が濃いものを用意したので、あまり長時間つけられない。 時間をはかりながら、待った。 待ち時間に、アイシェはサチ・ボレイを夕食に作り始めた。 地域によってはギョズレメと呼ばれるものであるが、小麦粉に塩と水を混ぜ、練り、饅頭大の玉にする。 それを麺棒で広げ、直径約70cmほどの薄い生地にする。 その生地に、事前に用意していた、ほうれん草と西洋パセリ、白チーズを混ぜたものをちりばめ、上からオリーブオイルをかける。 それを半分に畳み、熱した円形の鉄板の上で焼くのである。焼くときには、生地の表面にマーガリンをたっぷりぬる。 生地を玉にする人、生地を薄く広げる人、焼く人の最低3人が必要な作業である。 近所のお友達が手伝いに来てくれて、サチ・ボレイが次々出来上がっていく。 見た目には薄いクレープ状なのだが、実際に食べると1個を終わらせるのが精一杯。食べ盛りの学生さんたちも「おいしいし、見た目よりもずっと重たいですね」と大満足の様子。 アイシェの家庭料理は評判がいい。 彼女の絨毯織りと同じで、食事ひとつひとつにもこだわりがある。 素材を選び、丁寧に準備する。自家製ものが多いのもうまさの秘密だと思う。 一番おいしいと思う方法で材料を欠かない。 調理の作業・時間を惜しまない。 実はみんな予想通り、体重が増えているらしい・・・・。 食べられなくて痩せていくよりは、おいしく食べられて健康でいてくれるのが一番だから、それでいいと思うのだけど。 そうこうしているうちに私たちの帰宅時間は23時近くになった。 最近、まともに子供の顔を見ていない・・・・ミフリ社長はまるで働きすぎの日本のお父さんみたいである。 明日はキリム織り、いよいよ最後の日。 あさっての午前中には機から織り終わったキリムを取り外し、フリンジ部分を固定する作業。 さてさてどうなることやら・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年09月09日 10時31分57秒
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