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カテゴリ:トルコ人と日本人
市が主催する市民講座の日本語の生徒たちは現在30名。平日の午前中という時間帯にもかかわらず、熱心に通っている人が多い。
土地柄、イスタンブルやカッパドキアのように日本語を使って商売しようとか、って人はいないのはわかっていたけど、最初は何か習ってみようと市民センターに申し込みに来て、たまたま日本語が目に入ったので・・・・という「なんとなく派」が多かった。 もしくはロシア語が定員いっぱいで申し込めなかったから・・・とか。 だからはっきり言って、市民向けの無料の講座だし、1か月もすれば、来る人もいなくなるかなあ・・・・なんて思っていたりしたのだけど、なんとなんと、なんとなく派の人もかなり熱が入ってきたのか、今のところほぼ脱落者なしで続いている。 生徒たちはと言えば、大学生、無職・家事手伝い、元教師、現役教師、軍人、警官などの公務員、ホテル従業員、自営業者などである。 この講座は市の主催で文部省管轄下で、修了証もそこから発行されるようで、その修了証をもらうためには128時間のうち、80%以上の出席率と、最終試験で45点以上をとることが課せられている。試験はともかく、出席率は社会人にとっては厳しいものだし、ましてや教える方にもいろいろ厳しい義務がある。会議も頻繁だし、授業方法のセミナーもある。文部省への授業プランの時間帯別の提出もあり、ページ数が多い上、様式が公式なので難しくて、他の教師たちも頭を抱えている。まだ目を通していないけど、私はまずトルコ語の勉強からだな?・・・などと思っている。 現在の生徒のうち、全く日本語を知らなかったのに、8日間でひらがなを覚え、格助詞、動詞の現在形、未来形、過去形、超越形を使い分け、文章を組み立てるまでになった人が5,6人はいる。 できるようになると楽しくなってくるもので、自分でインターネットで日本語の文章や単語を調べ、勉強してきたり、質問もできるようになってきた。 生徒同士でパソコンの日本語の落とし方や、関連ホームページの情報交換をしたり、休んだ人に前回分の授業の内容を説明したり、生徒のやる気はそのまま教える方のやる気にもなる。 先日、初回のレベル試験をしてみた。50問で簡単な問題から、後半はかなり高度な問題にしたつもりだった。問いも全てひらがなで、答えもひらがなで書く。10点以上取るように、全部わからなくてもわかる分の単語だけでも書いてね、と激励したものの、名前だけ書いて、教室を出る人もいるかもしれないな、と思っていた。 隣の中国語講座でも同じ日に試験をすることにしていて、40分の経過後、私が外に出ると、すでに3人があきらめて休憩していた。 日本語講座では、終わった人は提出して休憩していいですよ、と言っていたが、途中で教室を出る人は誰もいなかった。 テスト用紙を見ると、間違っているのではあるが、それなりになにかしら書こうとした努力のあとが全員にあり、それには感動した。 アドナンが最高点で92点、軍人さんが81点、家事手伝いの20代前半の女の子二人連れがそれぞれ74点と73点、独身キャリアウーマンが66点、ひらがなだけは完璧の無職の10代の男の子と、学生がそれぞれ50点台をとった。 中国語の先生に試験の結果を尋ねたら、クラスで最高年齢の60歳の専業主婦の女性がトップだという。普段からもよく勉強して、教えたことは必ず覚えてくる生徒さんだそうだが、試験も91点で1番。なぜか年配の人たちの方が成績優勝で、若い人たちはついてこれていないらしい。 それにしてもアンタルヤで日本語を習いに来て、これだけ熱心に勉強する人たちが出てくるとは思いもしなかった。今までもアンタルヤのツアー客が来る、絨毯屋、ホテルなどから日本語を習いたいのだけど、という相談はあったことがある。でもそれはあくまで商売絡みであったり、日本人女性と仲良くなりたいがためであったり・・・・。一般の人たちには、とくにアンタルヤでは日本語の存在はあまりにも遠い。 生徒たちも友達や家族に言われるそうだ。 「日本語にそんなに熱心になって何をするの? どうせなら就職で役に立つ英語にしたら?」 生徒たちは「役に立つとか、立たないとかでなく、語学を学ぶことはその国を知ることになるのだから、無意味なことではない」と言う。それはもちろんうれしいことである。 日本語の勉強を通して、日本を知り、興味を持つ生徒も増えてきた。 先日などは「飛行機代と滞在費を貯めるから、いつか覚えた日本語を使えるチャンスを作ってほしい」と生徒たちに言われた。 安くない研修旅行になるから、生徒たちの夢が叶うかどうかは別として、彼らにとってサムライ、ゲイシャ、ジャキー・チェン、ホンコンがキーワードであった日本が、少しずつでも現実の日本として興味を持ってもらえたことは喜ばしいことである。 研修旅行はさておき、彼らの日本語がもう少し上達したあかつきには、メッセンジャーで彼らの日本語会話の勉強につきあってくれる人がいたら、ぜひお願いしたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年11月02日 16時33分08秒
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