カテゴリ:ワイマラナー高尿酸尿症
1歳から悩まされた尿酸アンモニウム結晶、サリーは今6歳半です。
去年の7月から約1年間、砂も粒も出ていません。 膀胱炎も血尿も再発していません。尿検査も数回しましたが、異常無しです。 これは最長記録です。 でもここまで来るのには長い試行錯誤がありました。 尿酸アンモニウム結石はとてもややこしいのです。 手作りご飯の事を相談している先生は、動物園獣医のご出身です。 哺乳類全般の論文を読んでいて、その中に「アスコルビン酸合成系の欠損した動物はウリカーゼも欠損し尿酸がアスコルビン酸の代わりをしているのではないか(Proctorの説)」というのがあります。 先生はコツメカワウソの尿酸アンモニウム結石を治すために調べていました。無理なブリードをせざるを得ない動物園ではあり得るということです。 先生は私の考え方に同意してくれて、サリーちゃんのケースはビタミンC合成ができてないこと。とてもストレスに弱い方が問題かもしれないと。 水分たっぷりの手作りごはんとストレスを減らす効果があるサーモンオイルで まず様子を見ることになりました。 (先生は手作り100%を推しましたが、私は家計の問題でドライフードを混ぜていました。 ここでケチらず完全手作りにしていれば、後で緑内障にならなかったかも?と思うと後悔しきりですが。。。) 8時間以上排尿の間隔をあけない、絶対に我慢させないこと。水分摂取量は1日で1.5〜2リットルが目安です。 水分たっぷりごはん(500ml×2回)と、散歩とボール遊び後の蛇口から直のガブ飲みで300〜500ml これだけ水分を摂ると置いてある水はほとんど飲まなくなりますがまだ少し不足です。 そこでヤギミルクなどを薄めて300cc位を朝1の排尿後に飲ませます。 水分をこれ位与えると、ジャーと音が出る位勢いの良い排尿が1日2回以上あります。 この勢いで石になる前に流します。 サリーの場合、メスなのでこの方法でビーズ粒位まではどんどん出ますが、 ビーズ粒まで大きくなるとやはり尿中にストルバイトが発生してきます。 ストルバイトが出るとほとんど尿路感染が起きていてどんどん悪化してしまうので、 結局抗生物質を飲まないと治らなくなります。 緑内障が出るまでは、結石を予防して膀胱炎が早く治ればこのやり方でいいと思っていました。 石が出なくても、消化不良は時々起こすし肛門腺炎や膿皮症や膣炎にもすぐなるので、 何かと抗生物質や抗菌薬を飲む対症療法を続けていました。 その後、右眼の手術で強いステロイド服用の副作用が出てお漏らしするほどの多飲多尿になり 退院してきた日に尿酸アンモニウム結石が大量に出ました。 目のために飲んでる抗生物質が尿路感染の予防にもなり、膀胱炎まで悪化することはありませんでしたが。 でも目の手術後のように運動制限しなければいけない時や、この先シニアになって足腰に何かあって走れなくなったら 今のような水分量を摂ることが難しくなります。 そうなると、膀胱の中に長時間溜まった尿の中で結石が大きくなる可能性もあるかも。 ということで、やっぱり根本的に尿酸を増やさないようにしたいと思いました。 ここで普通だとプリン体を制限=タンパク質を極端に減らす…となるのです。 でも人間の痛風治療でも、極端なプリン体制限は時代遅れとのことで、ビタミンCの摂取で先生と意見が一致。 さて、手作りご飯を追加するだけで、ドライフードに比べたら相当量のビタミンCが摂れていたはずです。 目のことも気にしてビタミンを多く含む野菜や果物を意識的にたくさん摂らせていました。 それでも入院して手術して抗菌薬を飲んでいて強いストレス、下痢と血便で腸内フローラ壊滅と続くと、尿酸が体内に一気に増えるとわかりました。 犬がビタミンCを自分で作れる仕組みは、まだ全ては解明されていないようですが、腸内細菌がビタミン類やホルモンなどを作っているらしいです。 とにかく、サリーの場合は手作りご飯だけではビタミンCが足りなかったので、効率のよいサプリメントを追加することにしました。 高濃度のビタミンCは尿酸の発生を抑えるだけではなく、尿中のストラバイトも溶かしますし、免疫力を高めて尿路感染予防も期待できます。 水分たっぷりの生活を続けながらビタミンCのサプリメントを毎晩寝る前にポリポリ食べさせて1年。 その間にハードな目のトラブルがあったり、東京に転院してみたりとストレス満載の1年でしたが サリーはオレンジ色の砂出ない記録を更新中です。 2018年追記。オレンジ色の粉は尿酸アンモニウム結晶とストロバイトの混合結石、ワイマラナーの高尿酸尿症(あるいは高尿酸血症)は遺伝疾患で海外では以前から知られていた。サリーと同胎や血縁の中に数頭発症している個体がいると判明。遺伝子を持っていても症状の出方は色々です。 サリーは尿酸アンモニウム結石は出なくなりましたが、自己免疫介在性角膜炎になり、ビタミンCのみでは追いつかなくなりました。自己免疫疾患は薬の副作用と手術ストレスで腸壁が荒れたのが原因なので、腸管免疫を整え直すためにβグルカンとEF乳酸菌を追加しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018年10月28日 14時09分38秒
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