カテゴリ:本・映画の感想
宮部みゆきさんの小説が好き。
時代物は読みませんが、それ以外、特に超能力物が好きです。 「龍は眠る」「クロスファイア」「取り残されて」とか。 (超能力ものじゃなくても「火車」は最高に好きです) 今回は、超能力が題材になってはいますが、それよりは 「模倣犯」に出てきた女性記者、前畑滋子のその後取り扱った事件を、 丁寧に丁寧に細かく描いており、 超能力(サイコメトリー)自体をどうこうしているものではありません。 が、好きです。これ。 勢いとか、どんでん返しとか、 スリルとか、残忍な事件ってのはないのですが (過去に起こった、という形で出てくる) とにかく丁寧。 一人の視点で(たまに別の人物の視点で書かれた断章が出てきますが)全て書いてあり、 おかげであたまがあっちこっち行くこともなく、 読みやすく、丁寧で。 「そこ、もうちょっと知りたい」とページをめくり、 2日かけて読みきりました。 「親子」「夫婦」「兄弟」など、 人の関係を深く考えさせられます。 『人っていいよね』なんて上っ面をなでるようなお話ではなく、 『人って救いようがないよね』ってお話なんですけれど その中でみんながそれぞれの役割を果たしてもがいていて やっぱり、いいよね。なんて思う物語。 心がたくさん揺さぶられた後のラストが、グッときた。 この本の下巻の表紙は、 壁とドア、そしてくしゃくしゃのタオル、 そしてそのタオルの隙間から、目がのぞいているんですよ。 これに気づいた時、ゾクっとしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年04月22日 23時07分08秒
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