夕方、ニャーのお世話になっている病院の奥さんから電話が。
「一週間ほど食欲がなくて、ここんとこ自動販売機の裏に隠れていたんです。私の白いコートを敷いたら、血を吐いて・・。」
飛んでいくと、ニャーはダンボールの中に座っていました。「この半纏は、ニャーをかわいがっていた患者さんが退院するとき、ニャーにって置いていったんです。」奥さんのコートと、患者さんの半纏にくるまったニャー。ときどき様子を見に行っていましたが、最後に行ったのは年末だったでしょうか。患者さんの付き添いの方に「うちから家出した猫なんです」というと、「このこは人懐こいからみんなにかわいがられてますよ。」といわれ、安心して帰りました。
奥さんは「病院に連れて行っても・・・」といいましたが、後悔するのはいやなので、病院に連れて行きました。
「気丈な子ですね。一週間前から食べないという時点で危ないです。もう体温も測れない状態なのに。あとは、少しでも長くそばにいてあげてください」
いつかはこんな形で帰ってくると思っていたけど、もう少し先のことだと思っていた・・・。
去年、生へのすさまじい執着を見せて死んでいったたぬきと比べ、ニャーはあまりにあっさりと、強がったままいってしまおうとしているように見えます。
外は雪。
ニャー、二人っきりで、いっしょにねんねするのは、10年ぶりだね。
ニャーが去勢手術して、2日は外に出してはいけないといわれて閉じ込めた夜。ミーが部屋に入りたがって騒いでいたね。
ニャーは麻酔が切れたら外に出たがって、怒った私は「勝手にしなさい!」って、外にだしたっけ・・・。
お帰りなさい。お帰りなさい、ニャー