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夢先生の玉手箱-annex

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昨日、無事?に帰国しました。
長い間、忙しさにかまけて、このブログの更新を行っていませんでしたが、
今日からまた、頻繁に更新していきたいと思いますので
よろしくお願いします。

インドネシアの島では、
日本語が流暢に話せる現地スタッフと行動をしているので、
インドネシア語が話せないからと言って困ることはないが、
その国の言語を口にすることは、その国の人々と係わる以上
関係を円滑にする為に大切なことだし、
私は、あなたたちを理解しようとし、受け入れていますという
意思表示でもあると思っている。
何年も日本に住んでいながら、日本語を学び話そうとしない外国人に
国際交流と言われても、受け入れ難いのと同じだ。

インドネシア語が話せると言えるレベルにはほど遠いが、
それでも口にできなかった時期に比べれば、
ぐっと距離感が縮まり、意思疎通がスムーズにいくようになったと感じる。

インドネシアに来ると、言葉を重ねていくことで
お互いを理解していくという円滑なコミュニケーションが自力では難しいので
まず私が相手を理解しようとしているという気持ちを持っているということを
相手に理解させることからスタートしなければならない。
相手の気持ちを読み取ろうと気を配り
言葉に不自由しない日本や英語圏の国では決してないほど
相手の自分に対する気持ちの動きに敏感になる。
コミュニケーションの原点に立たせられ、
言葉の大切さ、言葉の選択の難しさを認識させられる。
このような経験ができる機会を持てるということは、
コミュニケーションツールとしての英語を指導する上で
とても貴重と言える。

私はプライベートでこの島を訪れる時以外は、
日本人の老夫婦が所有している家に泊まらせていただいている。
インドネシアでは、外国人は不動産を所有することができず
インドネシア人の名義で購入しなければならない。
ご夫妻の家も名義は、私のスタッフになっていて、
家の管理を任されている。
このご夫妻は、だいたい一年のうち6ヶ月ほどをこの島で過ごし、
残りを日本で過ごしていらっしゃるので、
当然、いない間は留守番が必要になる。
インドネシアでは、最近では時代の流れから通いやパートタイムのお手伝いさんが
増えつつあるが、まだまだ住み込みのお手伝いさんを雇用するケースが多い。
大きな家には、台所や水回りなどを備えたお手伝いさんの居住部分があり
私がお世話になっている家にも、お手伝いさんは一家で住んでいる。
このお手伝いさんの管理も私のスタッフがご夫妻に頼まれている仕事の一つだ。

しかしこの住み込みのお手伝いさんが子宮筋腫を患い
来月手術をしなければならなくなった。
お手伝いさんは、自分が仕事ができない間は1週間くらいで
夫が仕事が終わった後にやるから問題がないと言うが、
奥さんは、手術後に無理をして治りが遅くなっても大変だから
完治するまでは、他の人を頼んで欲しいと言う。
仕事を済ませて家に戻ってきた私たちに、
突然、奥さんがこの問題について話し合いたいから
お手伝いさん夫婦を呼んでくるように告げ、
10秒後にはお手伝いさん夫婦が深刻な顔で部屋に入ってきた。
席を外すタイミングを失った私は、
そのままその話し合いに参加することになってしまった。

働けない間この家の仕事はどうするのか?と問いかける奥さんに対し
懸命に自分の病状を説明し、さほど長くはかからないということを
夫妻に理解してもらおうとするお手伝いさん夫婦
話し合いは30分経ってもいっこうに進展せず、
双方だけけではなく通訳をしている私のスタッフの顔つきも険しくなってくる。
たまらず私は、お手伝いさん夫婦に声をかけた。
「少しリラックスして下さい。
 ご夫妻はあなたが病気になったので辞めて欲しい、
 辞めさせて新しい人を雇うと言っているのではなくて、
 あなたに病気を早く治して仕事に復帰してもらう為に、
 臨時にあなたの代わりにこの家の仕事をする人を入れたらどうか?と
 言っているということを、まず理解してください。
 あなたが入院している時やご主人が会社にいっている間、
 誰があなたや息子さんの世話をしますか?」
お手伝いさん夫婦の顔がゆるみ、夫の兄の奥さんに来てもらうつもりだと言う。
「だったらあなたが、その人にこうしなさいと指示をして、
 あなたの代わりにやってもらったらどうですか?」
話しはようやく進み始め、
ご夫妻もその人が大丈夫なら、一度会ってみたいということになり
お手伝いさん夫婦も、その義姉に頼んで、了解がもらえれば
すぐに紹介するということで話しは纏まった。

翌日、朝早く児童館がある田舎の村へ出かけ
夜9時ごろ家に戻ると、その義姉が夕方から家に来ていて
私たちが帰ってくるのを待っていたという。
私は通訳である私のスタッフがいなければ話しができないので、
私のスタッフを待っていたのだと思い、シャワーを浴びに自室に入った。
ところが、30分ほどして自室のドアを開けると
リビングから話し声が聞こえ、話し合いはまだ続いていた。
キッチンに水を取りに行こうと部屋を出た私に
「先生、この人が義理のお姉さんです。」
といきなりスタッフが私に義姉を紹介した。
お手伝いさん夫婦も立ち上がり頭を下げるので、
そのまま話し合いに参加せざるを得なくなった。

翌日、スタッフは開口一番
昨日、何故あのお姉さんがずっと待っていたかわかりますか?
先生がいる間に義姉を紹介した方がいいと、
お手伝いさん夫婦が話し合ったからですよ。と話し出した。
確かに、私はその日の夜の便に乗ることになっていたので、
昨夜しか義姉を私に紹介するチャンスはなかった。
「どうして、私に紹介したいと思ったの?関係ないでしょ?」
「先生が昨日、お手伝いさん夫婦に言った言葉で
 この日本人は私たちのことをわかってくれる人だと思ったんだって。
 だから義姉に紹介したかったと言っていたよ。」

私の言ったどの言葉が、お手伝いさん夫婦の心に響いたのか
正直わからない。
しかしこのお手伝いさん夫婦の気持ちは、
私にコミュニケーションツールとして
相手の理解を得られるためのコミュニケーションツールとしての言葉に必要なのは
決して流暢さではなく、相手の心の琴線に響く言葉である
ということを教えてくれた。

私の教室はこれからも、相手の心の琴線に響く言葉を話せるようにすることを目指し
生徒たちの感性を育てるレッスン内容やアクティビティを作っていく。
mixiの夢玉教室で書いたように、講師の目指すものによって
指導内容は変わり、それがその教室の特徴となっていくのだと思う。








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最終更新日  2008年08月25日 11時15分50秒
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