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カテゴリ:お話
「うん……じゃ……気をつけて」
その時は気付かなかった……。自分の侵す罪がこれ程辛くのしかかるなんて。 まだ決心がつかず行けないでいた。自分の中では『本当に行っていいのか?』とあれから迷いながら過ごしていた その迷いを振り払う為に本棚の掃除をしているときだった。 いきなり外が騒がしくなり、それに気付き片付けていた(途中から読み耽っていたが)手を休め、顔を上げた。その後すぐ、先代が残した使い魔の一人がふらふらになりながら慌ただしく入って来た。その使い魔はチィシーの顔をみたとたん崩れ、ひたすら謝っていた。 「すっすいません……入れてしまいました……」 「うん……しょうがないよね……頑張ってくれてありがとう。戻ってくれていいよ。ご苦労様」 その姿を見て言えたのがそれだけだった。 だが、使い魔はチィシーの言葉にホッとした顔をみせて姿を消した その直後ドタドタドタドタという大きな音が廊下から聞こえてき、ドアを蹴り破って入ってきた。 「此処の本を全て渡せ!!」 ドアの方を見ると床には蹴り破られた時に外れたドア。そして入口に視線をやるとガタイのいい男が立っていた。でも、手には拳銃、鎧に身を包み、腰には剣の恰好でチィシーに近づいて来た。 その姿に内心引きながら、顔に出さぬように気をつけて冷静に答える。 「何故渡さなければならないのですか?」 「だったら此処にいるコイツ等を一人殺して言う事を聞かせようか?」 その男の手には入口で守ってくれていた使い魔達がいた。 「それは止めてほしいですね……本が汚れて文字が消えてしまう可能性の本が一杯ありますし、掃除が面倒なので…。…それに読めなくなったら困るのは貴方の方ですよ?それでも構わないのならどうぞ」 その言葉に掴んでいた使い魔を離し、机の上を目で探る。そして、一つの入れ物を見つけ中を確かめた。 「ちっ…。ふぅん?これは……!?」 その男が手に持ったのは後で仕舞っておこうと思っていたガラス玉だった。 「止めて、触んないで!!」 慌てて叫んだ姿を見、男は表情を変えた。 「くっ、これは使えるな。では、これを返してほしかったら本を差し出せ。出来なかったらこれを割る」 そう言ってチィシーの目の前に差し出し見せた。だが、チィシーはガラス玉の色を見て、怯える事なく男に向かって歩き出した。 「!!…あぁ~それか。ビックリしてそんした。な~んだ……それか。はぁ……どうぞ!!でも、それを割ったら、此処の本が全部駄目になりますよ!!でもお気をつけて、それ割ったら、自分も怪我する可能性が大ですので、それでもそうしたいならどうぞ?」 男の目の前に来るとチィシーは笑顔で言た。その言葉に男は顔を歪めまた拳銃をチィシーに向かって構えた。たがチィシーは、その行動を無視し机にあった他のガラス玉を仕舞いはじめた。そして、仕舞い終わったその入れ物を持ち入口の方へ歩いていった。その自然な行動に、男は一瞬手を降ろしかけた。だが、すぐに気がつき再び構えた。 「っ!!動くな!!」 *********************** …。続きなのですが…だめですか? なんとなくこの男の格好が…ふいと浮かんだので…。ここまで書きました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.05.09 20:07:18
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