それぞれの師走
それぞれの師走 南風一師走のショッピングセンターを夫婦連れのカップルが買い物カートを押して歩くどのカップルも夫婦であることが板に付いて生まれてこの方ずっと夫婦であったように仲睦ましいきみも今では夫婦姿がすっかり自然に見える主婦なんだろうと想像する高校卒業を控えて強気の返事を寄こしたくせに沈丁花の香る夕暮れぎこちない電話をかけてきて会いたいと言ったきみ俺が最後の手紙を書いたとき「あなたの思い通りになると思ったら 大間違いよ」そう大見得を切ったきみ終わってしまって一年もう引き返すことはできないと分かっていながら俺のいない家に電話をかけてきたきみ俺もきみも矛盾だらけだったけどそんなことは遥か昔のこときみも俺もそれぞれの夫婦連れを演じているのだろう (詩集の宣伝)「きみのちきみ120%」12月5日発売。購入は、こちらからどうぞ詩が良かったと思う方は人気blogランキング