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カテゴリ:法律、制度
芸能ネタはあまり取り上げないようにしているのですが、春風亭小朝と泰葉の離婚後の騒動に関して法的に考察します。
最近、ワイドショーで何度か取り上げられていまして、当人同士にしてみれば離婚についてはいろんな原因があるんだろうけど、他人から見ればまあ、取るに足りない話ではあります。 離婚後、泰葉がブログで小朝のことを「金髪ブタ野郎」と書いて罵り、また何度も脅迫メールを送りつけていたと、泰葉がわざわざ自分で記者会見を開いて明らかにしていました。 これらが名誉毀損や脅迫などの犯罪にならないのかについて、触れておきます。 名誉毀損は、具体的な事実を指摘しつつ他人の名誉を毀損することを言います。刑法230条で3年以下の懲役。 では「金髪ブタ野郎」はどうか。 「金髪」は事実(髪を染めている)だけど、別に名誉を毀損するようなものでない。 「ブタ」や「野郎」(男性に対する蔑称)、これはいまだ抽象的に留まるものです。 このように具体的事実を伴わない場合は、侮辱罪という別の犯罪が成立します(刑法231条、30日以下の拘留または1万円以下の科料)。 では、脅迫メールを送った点についてはどうか。 脅迫は、人に対して害を加える旨を告知することを言います(刑法222条、2年以下の懲役)。 「殺すぞ」「痛い目にあわすぞ」などと言うのが典型的です。 泰葉がどんなメールを送ったかというと、記者会見のテレビなんかを見ていますと、 「切腹しろ、私が介錯してやるから」といった内容だったとか(取るに足りないとか言いつつけっこう見ている)。 「私がお前を殺す」と言えば脅迫ですが、「自分で切腹しろ」と言ってるわけですから、やや微妙です。 もっとも、義務もないのに切腹を無理やりさせようとしたということで「強要罪」(刑法223条で3年以下の懲役)の未遂にあたる可能性や、 自殺をそそのかしたということで自殺関与罪(刑法202条で7年以下の懲役)の未遂にあたる可能性が出てきます。 実際には、小朝が警察に被害届を出すとは思われないし、警察もこんな話、立件しようとはしないでしょう。 しかし、言葉も使い方次第では犯罪になるのであって、ブログやメールなど言葉を発信するのがいっそう簡単になった現代においては、よくよく考えてからしなければいけないのだと、改めて認識させられます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/11/04 08:39:03 AM
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