テーマ:心のままに独り言(8739)
カテゴリ:映画雑感
昨日ようやく日暮れ前に訪れる事ができ、ようやく撮影しました。 でももう夕方だったので、木の影が映っていますね・・・。) 先日増村保造の「偽大学生」(1960)を観に、またもやシネマテークに行ってきました。 なかなかの入りで、私の右には主人、左には、キャイーンの天野を痩せさせた様な感じのフランス人が座っていました。 この、フランス版痩せた天野くんは、私達がどう座ろうか迷ってきた時ににっこりと話しかけてきてくれたのが感じよかったので、まさかこの後、彼と微妙な気持ちになるとは思ってもいませんでした・・・。 「偽大学生」は、四浪したのにまたもや受験に失敗してしまった主人公が、受かったフリを決め込むところから始まります。 この冒頭のシーンですでにジェリー藤尾の演技には何かぞっとさせるものがあるのですが、彼が学生運動に巻き込まれていくに従って、緊迫感がどんどん増していく、息の詰まる作品です。 つまらない映画だと余計な空想ばかりしてしまう私ですが、この日は自分という存在を忘れて作品世界に没頭していました。 ですがふと・・・左に座っている痩せた天野くんが私の方を見ているのに気付きました。 私は一切音も立てず、いかなる動作もせず、動いていたのは心だけなのにどうしてでしょう? 私が一体どんな迷惑をかけているというの?? まさか、口臭がキツイとか・・・?そ・そ・そんな・・・・。 しばらくすると、彼は私に何か話しかけてきました。 でも声が小さくて聞こえません。 周りから「シュッ」と言われるのもシャクなので 「聞こえません」 と言い返す気にはなれず、首をかしげるだけの私でした。 その後どうしたはずみか、私の右に座っていた主人も私達が何かを伝え合おうとしているのに気付き、振り向きました。 天野くんは今度は主人に向かっていくつかのジェスチャーをしましたが、それも伝わらないと分かると急に立ち上がって、左手前方の座席へ移動してしまいました。 私には、訳が分かりません。 幸いにも「偽大学生」がのめりこみやすいものであった為、またすぐ作品世界に戻る事ができましたが、映画が終わるとまた不思議な気持ちになり、何だかモヤモヤしてきました。 上映が終わりベルシー駅まで夫と向かうと・・・あっ!天野君が連れらしく人と歩いている! 少し迷ったのですが、スッキリしたかったので声をかけてみる事にしました。 天野君に席を移動した理由と聞くと 「あなた達のせいではありませんよ。 鼻をグズグズ言わせている人が居たから、移動したんです。」 との事。 私達がリアクションに困っていると天野君は 「映画を観ながらメモを取っている人が居たんですけど、その人です」 と、付け加えました。 私は形式上の挨拶を済ませるとすぐに立ち去りました。 その理由は・・・。 (続きます) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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