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カテゴリ:アメリカ
4年前、アメリカ生活を始めた頃、最初にぶち当たった壁は、自分にクレジットヒストリーがないということでした。
アメリカはカード社会だと聞いてはいましたが、まさかここまでとは…。 通常、アメリカ人は現金を殆ど持ち歩かず、持っていてもせいぜい$5以下。 急遽現金が必要となったら、深夜まで営業しているスーパーにあるATMで下ろすか、銀行の24時間のドライブスルーのATMで下ろせばよい(夜間はおすすめ出来ませんが)。 私が知る限りでは、自分の銀行のATMであれば時間外手数料がかからないので、平日にまとめて現金を下ろしておく必要もなし。 私は、最初、日本の感覚でいつも数百ドル(数万円)の現金をお財布に入れておりましたが、周りに驚かれ止められました。確かに、強盗に遭うリスクを考えると高額の現金は持ち歩かない方が無難。 ファーストフードのドライブスルー、スーパー、ガソリンスタンド、レストラン(ただし現金主義のチャイナタウンのレストランを除く)… 何から何までカード払い。 これが成立している社会なら、それはそれで便利なのかも? では、さっさとクレジットカードを作り、支払いは全てカードでいきますか! ところが… アメリカで、ある程度の額と期間、ローンの支払いや、クレジットカード払いをした実績がないとクレジットカードが作れないのです。それどころか、何を契約するにも支障をきたします。支払能力の信用がないからです。 そして、その支払い実績を示すものが、クレジットヒストリーです。 カードやローンの支払いを滞納することなくきちんと出来ていて、なおかつその期間が長ければ長いほど成績はよくなります。すると、車など大きな買い物をする時に組むローンの利子のパーセンテージが低くなるのです。 クレジットヒストリーは毎月の光熱費等の支払いが遅れても影響し、特に携帯電話の支払いの遅れは一番ひびくそう(理由はわかりませんが)。 この成績はたとえ悪くなったとしても、その後きちんと支払いを続けていれば回復出来(ただし時間はかかるそうです)、どんなに良いクレジットヒストリーを持っていても支払状況が悪ければ当然悪くもなります。 ちなみに、日本で作ったクレジットカードをアメリカでどれだけ使っても実績作りにはなりません。 そうなると、支払いを何から何までカード払いにしたくなるのは当然。 数人でレストランへ行き、その支払いを誰かが一括でして、他のメンバーはその人に現金で払う… となると、みんなその「誰か」になりたがるのは当然のこと。その支払い全てがその人の「実績」になるからです。 私はあまり好きではありませんが、2人で食事に行き、それぞれのレシートを発行してもらい、それぞれのカードで支払いすることもあります。 又、車を購入する際、例え現金で一括で支払うことが出来ても、「実績作り」の為にクレジットを組んで分割払いにする人がいると聞いたことがあります。 そうなると、利子の分が損になるのでは? 例えば、車の36回払いの初回分と2回目のローン返済をし、3ヶ月目で完済してしまうのです。そうすれば、支払った利子はごくわずかで、ローン返済はきちんと終了出来たことになります。クレジット会社から一番嫌がられるお客です。 日本から来た駐在員や長期滞在の学生は、当然の事ながらアメリカでのクレジットヒストリーがないので、アパートの契約や車の保険の購入などに苦労します。 私も渡米直後は、銀行口座を開くだけでも会社の人事の人間に同席してもらい、入居出来るアパートが殆どなく、携帯電話も持てず(高額のデポジットが必要)、何かと大変でした。 クレジットヒストリーがなかった頃は、クレジットカードを申し込んでも断られるのがオチなので、開いた銀行でVISAがついているカードを作成してもらい、それで全て支払っていました。これはカードで払った額が銀行口座から引き落とされるもので、日本のクレジットカードの支払いとちょっと似てますが、こちらのクレジットカードとは違います。しかし「実績」は作れます。 そして、2年くらい経ち「実績」が出来た頃から、今度はクレジットカード会社からのダイレクトメールがどんどん届くようになるのです。 会社によっては(大きな会社は特に)、人を雇う際、その人のクレジットヒストリーを調べるそうです。 どうやら私の会社も行っているようで、以前うちの会社にいた女性は、仕事が決まった後会社側がクレジットヒストリーをチェックしたことによって救われました。 ある日、人事に呼び出され 「あなた、自分のクレジットカードが無断で誰かに使われているようだけど、気付いてる?」 と言われてビックリ。 何者かが彼女のカード番号を用いて買い物をしていたことが、クレジットヒストリーを調べている時に発覚。幸い気付くのが早かった為、被害額も少なく本人が支払う必要もなく済みました。 カードの利用限度額が高いと便利ですが、その分何かあった時にリスクがあります。 そこそこの限度額のカードを数枚持っているのが便利なのかな? 現在、私の所持金は$2です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年03月07日 12時48分37秒
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