季節の移ろいを感じる頃に浮かんでくるのは『枕草子』。今日もつい「秋は夕暮」なんて口から出て、続きはえーとえーと何だっけ?と思いながら自転車をこぐ。ええ、夕暮れじゃなくて真っ昼間なんですけどね。山の稜線から放射状に出ているような鰯雲を見ながら「ああ、秋だなー」と。
春夏秋冬を描いた一段を読むと、時代を超越して日本人の感性をよく表してるなあと思うのですが、枕草子の他の段は『源氏物語』ほどには知られてないような気がします。えへ、私もちゃんと読んだことはありません。で、せっかくなので先ほどネットで原文を探してちょこっとだけ読んでみたのですが、なるほどこれって現代のブログですねぇ。「私、こういうの好き。あの山、この川なんていいよね~」とか「こういう人ってムカツクわ」とか「あの方、こんな服着て髪の毛こんな感じだったよ。素敵」ってな調子(私に古典を読めるだけの知識と根気があれば、もっとおもしろさが理解できるんでしょうけれど)。
春はあけぼののトーンで全文進めていたら、ちょっと退屈すぎるのかな。いつの時代にも俗っぽさは肝心。ベストセラーになるツボをよく心得ていたのね清少納言。それとも企画・編集者サイドがよかったのか?などと、無い知識のままかの時代に思いを巡らしている昼下がり。
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最終更新日
2010年09月26日 18時19分23秒
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