日の当たらない人はいない?
日の当たらない人はいない?昔は「日陰の女性」という言葉もありました。「日の当たらない人生」とか、「日の目を見ることがない」。私の若い頃は「一生こんな人生で終わってしまうのか」と悲嘆に暮れる日々もありましたし、「一日を過ごすのがこんなにも辛くては全うできないかもしれない」とか、「何処かで密かに暮らしたほうが楽になるのではないか」などと思案した日々もあったものです。でも、考えてみたら人生は案外それが正常だったのではなかったかと振り返ることも度々です。人は何処かで苦しい場面を迎えているものです。毎日が楽しい等というのは余程恵まれている人か、本当の人生に遭遇していないか、ノー天気なのか、鈍感なのか、感受性がないのか、あるいは今から、強烈な苦しみを経験するのか、誰かを犠牲にしているかも、・・・私は日の当たらない人生を歩む人はいないような気がするのです。長い人生ですから、それはそれは苦しいことが多いには決まっていますがどこかの場面で楽しい思いも結構経験しているはずなんです。人の記憶には、苦しいことは強烈な思い出や印象として残っていますが、楽しい思いは忘れ去ってしまっているか、薄まっているもの。また、人の過去は不思議なものであれほど苦しんでいたことが今振り返ってみると、お腹を抱えて笑ってしまうほどの可笑しい経験に置き換えていたりもするものです。奈落の底を経験したような、悲嘆に暮れた日々が悲しい苦しい思い出ではなくて、素晴らしい体験として素晴らしい評価をしたりもいたします。人の人生は決して日の当たらない日々ではありません。要は自分の人生には、自分が想像する以上に楽しい人生や出会いや事象が待ち受けていることを決して忘れないことではないでしょうか。「人生は明るく生きましょう」とか、「ポジティブ」にとか言いますが現実に苦しい場面や生活に遭遇している人がそんなことを思えるはずがありません。小さな喜びも素直に迎え入れて「決して日の当たらない人はいない」の思いを胸に抱いて、捨て去らないでいることが大切に思うのですが如何でしょうか。信じるものは強し!!