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misty247

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2014.06.13
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カテゴリ:観た映画のこと
 野々宮の父(福山雅治)は、私と似ているところがあって観てていやになりました。
 似ているというのは、もちろん外見の格好よさとかではありません。比べるだけで怒られそうですが。
 似ているのは処世術というかそのあたりです。万事においてPDCAサイクルで対処することが、日々を生きること。別の言い方をすれば「敵を知り己を知れば百戦危うからず」を遵守している生き方とでもいいましょうか。野々宮の父は私の目に、そういう習性の化身に映りました。

 数年前ぐらいから、私は自分のそういう習性が嫌いになって、そこから脱しようと試みています。多くの情報を集めて最適解を求めて最善を尽くすことが、ただの環境の囚人でしかないという、そういう視点を持ち合わせてしまったからです。
 しかし長年を経て身に付いた思考はもはや自分そのものでもあるようで、思考の骨格に近い習性を外すことは難しく、魚が鳥になろうと努力しているようなものかもしれません。脱する先を決めずして脱せるものか? この自滅的なメタ視点もPDCAサイクルの産物なのか?……というような、破綻している自分のことはさておき。

 立派に良い父です、野々宮のお父さん。物語の流れで父親失格の烙印を押されはしましたが、良いものもたくさん持っています。優しさ、根気強さ、熱心さ、たしかな愛情も。
 それだけに野々宮路線にいる未熟者の私は『これでダメなのか』の絶望感に襲われるのです。似ているから、わかりもします。エントロピー増大を生理的に厭うまでの大人的感覚の持ち主は、もう子供と馴染めないのです。
 結末、2家族が1つになる道は一縷の望みを示唆しますが、2家族の性格をとことん対立させたあのシナリオではしっくりきません。そのうち野々宮の父が爆発するなと予想されるだけです。

 と反発しましたが、諸々書いたことは個人的なことで一般に作品はお勧めです。
 天災ではなく人災。それも大人災。それで平穏な日常が壊されます。もう復旧不可能な大打撃。そして、失って気づく大切なもの、際立ちます。
 大切なものが何であるかを気付かせてくれるもの、それもまた宝です。





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Last updated  2014.06.14 00:48:46
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