デジャビュ
暗い夜道を高速で走っていた。大小のカーブが連続する峠道は、似たような景色の繰り返しだ。こんな山道だが、時々、地元の人なのか 歩いている。ついに小雨まで降ってきやがった。まいったな、ライト光がぬれた路面に吸収されて運転しづらいな。キ~~ッ峠の頂上付近で道が細くなったところで急に何者かの黒い影が横切った。ん・・・女子高生か・・・・こんな夜に・・・こんな家も無いところを・・・・・こんな雨の中を・・・・傘もささずに・・・・彼女は・・・びしょ濡れだった・・・・ぞくっ・・・・・・長い黒髪が濡れて顔をほとんど覆っていた。もし・・・・目が合ったら・・・・合わせられなかった。濡れて可愛そうだから乗せてあげようか・・・・・そんなことを・・・・・する気持ちの・・・余裕がなかった。バックミラーを見ながら・・・・後部座席も・・・確認しながら・・・・ゆっくりとゆっくりと、走り去った。彼女を・・・・・置き去りにして・・・・後ろめたい気持ちと恐怖感後部座席を気にし続けながら約1時間後・・・・ようやく、家にたどり着いた。彼女はどうしただろう・・・・道から離れた我が家があったことを・・・・・祈りながら車のドアを閉めた・・・・・これって・・・・・前にもあったよな・・・・夜雲の切れ間から青白い流れ星が流れて・・・消えた・・・