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カテゴリ:NIGHT TIME
なんかちょっと汚い感じのオヤジがいきなり店に来て、「野菜買ってくれませんか?」って俺に言ってきた。
いつもは訳の分からない営業マンや意味不明な人は秒殺で追い返すんですが、とりあえず一方的に話してきたのと、店に客が誰もいなかったんで、ヒマ潰しに話しを聞いてみたんです。 まぁ、一方的に話している内容は「野菜を買って欲しい」ということと「野菜が新鮮なんでおいしい」ってことを必死に買う気も取引する気もない僕に説明して来ました。 一人で一生懸命に約5分ぐらい話していたんですが、普通は低姿勢に物事を話してくるのが物を売ろうとする相手の僕に対して最低限のことだと思うんですが、これが見事に偉そうに話すんで僕も面白くなってきてしまい。ヒマ潰しには最高に面白かったので、全然買う気もないのにいかにも興味があるぐらいに話しを聞いていました。 買う気もないのに興味津々に話しを真剣に聞いているフリをしていたので、相手はすっかりその気になり、このクソ寒いのに僕を外に停まっている軽トラックのところまで連れ出し、今度は野菜を見せてくれました。 ヒマ潰しには寒いし、いつの間にか「もう、買ってよ~」が「もう、買えよ~」ぐらいになってきたんで、僕も飽きてしまったんでいかにも買いそうに「よ~し、うん・・・やっぱ、いらないっ!」って言ってみました。 そしたらオヤジが「よしっ、もう特別価格で売ってやる・・・持ってけ泥棒」なんて言ってきました。 「持ってけ泥棒」なんて昭和の遺物のような言葉を生(ライブ)で聞いてしまったんです。こんな言葉はたぶん『男はつらいよ』シリーズでも観ないと聞けないような昭和たっぷりって感じでした。 そして、僕に言ってきた値段がまたまた笑いました。 野菜の値段がメチャメチャ高いんです。特別にスゴい野菜でもないのにですよ。 思わず「ボッタクリじゃん」って頭の中でツッコミを入れてみました。しかし、素直な僕はつい頭の中だけじゃなく普通に声に出て言ってしまったんです。 いやはやミスでした。 それを聞いてしまったオヤジはムキってしまい「高くないよ~」と言ってきたんで、僕も普通に「おじさん、あんたの野菜、自分で売ってて高いと思わない?」って質問してみました。 オヤジはしばらく黙ってしまいました。 そして僕は追い討ちをかけて「そのレタスは1個いくら?」って聞いてみると、しばし沈黙していたオヤジがいきなり笑顔になって「箱で買ってくれたら特別に1個¥550」って答えました。 またまた僕も身体が勝手にツッコミ状態になり、ベタな返しで「なんでやねん」ってオヤジに言ってやりました。 そしたらオヤジは「いや~、この大雪と寒さで野菜が出来ないんだよ ~。今はお正月だから市場もやってないしね」なんて、僕が何も知らないと思って言ってバカ全開のセリフを言ってきました。 たしかにこの時期は葉物の野菜は特に高くなるのは普通の主婦でも知ってますが、近所のスーパーだってレタスを1個¥550なんて値段は出しませんし、ここら辺の業者や八百屋を探しても有り得ません。 あまりのボッタクリに笑えた僕は、オヤジに「この先の道を真っ直ぐ行くと東京に行けるから、銀座のデパートにでも置いてもらえば?」って言ってやりました。 それを聞いたオヤジはそそくさと帰っていきました。 いやはや笑えました。そして最高なヒマ潰しになりました。 僕は元コックですよ。ある程度の食材の季節に合った相場は分かります。修業時代にレストランで働いていた時には、肉・野菜・魚の業者に発注から、その日のいいものの値段の交渉までやらされていました。 このオヤジもそんなことも分かんないでボッタクリをしてきたのかと思うと笑えます。 例えばレタスが¥550だって、それが友達やうちのお客さんが売って来たとかであれば「高いなぁ~」とは思いますが“付き合い”なんでしょうがないなぁ~ってことで笑顔で買いますよ。まぁ、時と場合によるでしょうけどね。 まぁ、そんな人は僕の周りにはいないとは思いますが… 果たしてあのオヤジは軽トラックいっぱいに積んであった野菜を売ることができたのか・・・年明けそうそう大変です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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